免税手続き(PROCEEDING OF FREE TAX)

フランスの商品には日本の消費税と同様のTVA(付加価値税)が課せられていて税率は20%(一部2.1〜10%)。手続きすれば税金から手数料を引いた額が返金される。Tax FreeやDétaxeのマークを掲げる店が対象となるが、高級ブランド店などはマークを出していないので店の人にたずねたい。順序や条件は店や手続き代行会社によって異なるので、商品購入時に確認を。

免税の条件(CONDITION OF FREE TAX )

● 16歳以上でEU圏外に在住(滞在期間6カ月未満)。
● 1軒の店で1日に総額€175.01以上の買物をした(たばこ、骨董品、医薬品など対象外のものもある。最低購入金額が異なることも)。
● 商品を購入した月の末日から3ヵ月以内に、購入者本人が、商品を未使用のままEU加盟国外へ持ち出すこと。免税書類の有効期限は購入から6ヵ月。

免税の手順(PROCEEDING OF FREE TAX)

●店で商品を購入、手続き 
すべての店が免税手続きを行なってくれるわけではない。一流ブランドやデパートではまず大丈夫だが、一般商店では、グローバルブルーやプレミア・タックス・フリーなどの免税手続き代行会社の加盟店であるというステッカーが目印となる。商品を税込み価格で購入後、店員にパスポートを提示し、「Détaxe, Please デタックス プリーズ」と言えば免税書類(リファンド)を作成してくれる。免税書類の原本1通と写し1通、封筒を渡されるので、必要事項を記入する。名前など記入されている事項にも間違いがないか確認する。

●空港で税関の手続き 
フランスでは免税手続きの電子認証システム「PABLOパブロ」を導入しており、このロゴとバーコードのある書類なら、税関窓口へ並ばなくても、PABLO端末機で手続きできる。チェックイン前に免税書類とパスポート、購入品を持って、Détaxeの表示のある青い端末機へ。PABLOのロゴがない書類は、税関Détaxe Douaneのカウンターへ提出してスタンプを押してもらう。PABLOの認証、または税関の承認スタンプがない書類は無効になるので忘れずに手続きをしよう。

●PABLO端末機での申請
PABLO端末機は、シャルル・ド・ゴール空港やオルリー空港などの主要空港、マルセイユ港、スイス国境などにある、税関窓口の近くに設置されている。操作は簡単で、日本語表示も選択できる。画面の指示に従い、端末機の中央付近にあるセンサーに書類のバーコード部分をかざして、緑色の画面で「OK」と表示されれば手続きは終了。赤いエラー画面になったときは、税関の窓口へ行って手続きをする。

●払い戻し クレジットカード 
クレジットカードによる払い戻しを希望する場合、PABLO認証済または税関の承認印が押された免税書類1枚にクレジットカード番号を記入し、店でもらった封筒に入れて、税関近くのポストに投函する。控えは、返金される2〜3カ月後まで大切に保管を。銀行小切手も選択できるが、手数料がかかる。

●払い戻し 現金 
空港の出発ロビーなどにあるカウンターに書類を提出し、現金を受け取ることもできる。免税書類1枚につき手数料は€3.50。免税書類にクレジットカード番号が記載されていると現金の払い戻しができない。帰国後に成田・関空カウンターに書類を提出して、日本円で受け取ることができる代行会社はグローバルブルーとユーロ・リファンド(インノヴァ・タックスフリー)のみ。

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手続きの注意点(IMPORTANT REMINDER)

● フランスから他のEU加盟国へ移動する場合は、原則として最後に出国するEU国の税関で手続きをする。フライトによっては、フランスの出発空港でも手続きが可能なことがある。
● 税金の返還は2、3カ月後のクレジットカード明細などで確認できるが、遅いようなら控えに記載された連絡先に催促を。
● グローバルブルーとユーロ・リファンドを除いて、日本帰国後は基本的に現金での払い戻しはできない。免税書類を申請期限内に直接代行会社に書留で送り、クレジットカードへの払い戻し申請をすることはできる。

パリ到着 ARRIVAL

エアポート・バスが充実している

シャルル・ド・ゴール空港(AÉROPORT CHARLES DE GAULLE (CDG))

パリ市内から約25kmのところに位置し、地名によりロワシーRoissyと通称される。日本からの直行便とほとんどの国際線はここに到着する。

●空港ターミナル 
ターミナルはCDG1、2、3の3つに分かれ、航空会社により到着するターミナルが異なる。日本からの便はCDG1とCDG2に着く。各ターミナルは離れており、ナヴィット(巡回バス)やCDGVAL(無人電車)で結ばれている。

シャルル・ド・ゴール空港
[電話] 3950/01-70-36-39-50(日本からかける場合)
www.parisaeroport.fr

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Charles de Gaulle Terminal 2F, by Mark Fischer, CC BY-SA

おもな航空会社の発着ターミナル

ANA(NH)⇒CDG1
アシアナ航空(OZ)⇒CDG1
エバー航空(BR)⇒CDG1
シンガポール航空(SQ)⇒CDG1
ルフトハンザドイツ航空(LH)⇒CDG1、CDG2A
エールフランス航空(AF)⇒CDG2E
日本航空(JL)⇒CDG2E
大韓航空(KE)⇒CDG2D~G
キャセイ・パシフィック航空(CX)⇒CDG2A
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)⇒CDG2A
アエロフロート・ロシア航空(SU)⇒CDG2E・F・G
アリタリア航空(AZ)⇒CDG2E~G
KLMオランダ航空(KL)⇒CDG2E~G
エミレーツ航空(EX)⇒ CDG2C

CDG1(ターミナル1)

吹き抜けになった円柱型の建物で全10階。乗客は2〜5階を利用する。スターアライアンスに加盟している航空会社がおもに使用していて、日本からはANAが発着する。RER、TGVを利用する場合はCDGVALで移動しなければならない。ショッピングゾーンはCDG2ほど充実していない。

※市内から空港へのリムジンバスを利用する際は、ターミナル3、ターミナル2のA〜F、ターミナル1にそれぞれ停車するので、自分の航空会社の発着所を調べておきたい。

CDG2(ターミナル2)

AからGまでのホールを持つ、いちばん広いターミナル。ホールEとFは3階建て(到着、降機、出発)、そのほかのホールは1階のみで、レンタカーカウンターがホールA〜Dの中央地点にある。エールフランス航空の国際・国内線と、日本航空、ヨーロッパ系の航空会社が発着しており、日本からの便はほぼホールEに到着する。 ホール間は徒歩で移動できるが一部ナヴィットも使える。TGVやRERへも徒歩でアクセスでき、ロワシーバスとル・バス・ディレクトの乗場は、ホールEとFの間の通路にある。ホールGは離れたところにあり、E、Fからシャトルバスが運行している。 ショッピングゾーンも充実しており、各種高級ブランドのほか、ホールEにはラデュレや、メゾン・ド・ショコラもある。 

CDG3(ターミナル3)

格安航空会社やチャーター機が発着している。

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空港から市内へ(ACCESS FROM THE AIRPORT)

市内への交通手段(シャルル・ド・ゴール空港)

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ル・バス・ディレクト Le Bus Direct  
空港と市内を結ぶリムジンバス。シャルル・ド・ゴール空港からはエッフェル塔とモンパルナス駅行の2路線がある。チケットは空港のカウンターか自動券売機、市内の代理店で購入できる。バスの運転手から購入すると少し割高に。乗車時にチケットを刻印機に通す。

Line2
●運行時間
5:45〜23:00(30分間隔)
●乗場
[空港] CDG1:到着階32番 CDG2:C10番(ホールA・C)、D14番(ホールB・D)、E8-F9番(ホールE・F) 
[市内]1 Av.Mac Mahon、16-20 Av. de Suffren など市内4か所

Line4
●運行時間
[空港発]6:00〜22:30(30分間隔)
[市内発] 5:30〜22:30(30分間隔)
●乗場
[空港]CDG1:到着階32番 CDG2:C10番(ホールA・C)、D14番(ホールB・D)、E8-F9番(ホールE・F) 
[市内]リヨン駅、14 Rue du Commandant Mou chotte

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ロワシーバス Roissy Bus  
パリ市交通公団RATPが運営するリムジンバス。パリ中心部に位置するオペラ・ガルニエ行の1路線のみ。チケットは停留所の自動券売機、メトロや鉄道の駅で購入でき、運転手からも買える。乗車時にチケットを刻印機に通す。

●運行時間
[空港発] 6:00〜翌0:30(15〜20分間隔) 
[市内発] 5:15〜翌0:30(15〜20分間隔)
●乗場
[空港] CDG1:到着階32番 CDG2:ホールA・C・D、ホールEとFの連絡通路(E・F) [市内] Rue Scribeスクリーブ通りの停留所

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RER (高速近郊鉄道) Réseau Express Régional 
B線を利用。渋滞に巻き込まれることもなく、空港からの切符でRERからメトロへの乗り換えができる。治安はあまり良くなく、早朝と深夜の利用はひかえたい。各駅停車でなく、急行を使うのもスリや強盗対策のひとつ。B線には空港行のB3線のほかB5線もあるので、市内からは乗り間違えに注意。

●運行時間
4:50〜23:50(10〜20分間隔) 
●乗場
[空港]CDG1:シャルル・ド・ゴール1駅(CDGVALでRER駅まで移動) CDG2:シャルル・ド・ゴール2駅(ホールA・Bは巡回バスでRER駅まで移動、ホールC〜Fは徒歩でRER駅まで行ける) 
[市内]各RER駅より乗車

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タクシー Taxi  
荷物や人数が多いときなど、直接ホテルまで行けるので便利。市内までは定額制で、セーヌ川を境に北側(右岸)までは€50、南側(左岸)までは€55。5人で乗る場合は€4加算される。近年、高速での停車中に窓ガラスを割られての強盗被害が増えている。自分から声をかけてくる運転手は違法タクシーの場合が多いので注意。

●乗場
[空港]CDG1:到着階24番 CDG2:6番(ホールA)、7番(ホールD)、10番(ホールE)、11番(ホールF)、14番(ホールC)

路線バス Autobus   
安さが魅力だが、停車する駅も多く、深夜バスは治安も心配。

●運行時間
6:00頃〜21:30頃まで(15〜30分間隔)、深夜バス0:00頃〜始発まで(30分間隔)
●乗場
[空港]CDG1:到着階12番 CDG2:2番(ホールF)

レンタカー Car Rental  
ハーツやエイビスなどの主要レンタカー会社が各ターミナルにある。国際免許証
と日本の運転免許証、本人名義のクレジットカードなどが必要。

エアポート・シャトルス Airport Shuttle 
タクシーより大きめのバンでホテルまで送ってくれる。相乗りの場合もある。値段は会社によるが、1人€30〜60程度。
・パリ・シティヴィジョン www.pariscityvision.com/jp
・エミトラベル パリ www.emitravel.jp

オルリー空港(AÉROPORT ORLY (ORL))

パリの南約15kmのところにあり、シャルル・ド・ゴール空港ができるまで、フランスの表玄関だった国際空港。南と西の2つのターミナルがある。南(Sud)ターミナルは中近東、アフリカ方面からの国際線、西(Ouest)ターミナルは南フランスを中心とした国内線が発着する。ターミナル間の移動は無人電車のオルリーヴァル(無料、6:00〜23:00頃 、4〜7分間隔)を使う。オルリーヴァル発着所近くのパリ市交通公団RATPのインフォメーションカウンターは市内交通の情報が入手でき、便利。 ロビーや出入口はあまり治安がよくなく、盗難事故も発生している。シャルル・ド・ゴール空港とは距離があり、移動に1時間はかかる。

オルリー空港
[電話] 3950/01-70-36-39-50(日本からかける場合)
www.parisaeroport.fr

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Orly Airport, Paris, by naotakem, CC BY

市内への交通手段(オルリー空港)

ル・バス・ディレクト Le Bus Direct  
空港と市内を結ぶリムジンバス。1線が走っており、モンパルナス駅、エッフェル塔などを経由して凱旋門に到着する。
●運行時間
[空港発]5:50〜23:30(20分間隔)
[市内発]4:50〜22:30(20分間隔)

オルリー・バス Orly Bus 
パリ市交通公団RATPが運営するリムジンバス。RER B線ダンフェール・ロシュロー駅に直行する。停留所に自動券売機があるほか、運転手からも購入できる。
●運行時間
6:00頃〜24:00頃(市内行きは〜翌0:30頃まで)、8〜15分間隔

RER (高速近郊鉄道) Réseau Express Régional 
B・C線を利用。B線はオルリー・ヴァルでAntonyアントニー駅まで移動、そこから北駅など市内のRER駅まで。C線はPont de Rungisポン・ド・ランジス駅までシャトルバスで移動、そこから市内のRER駅まで。
●運行時間 B線 5:00〜24:00(4分間隔) C線6:00〜23:00(4〜7分間隔)

タクシー Taxi 
市内行のタクシー乗場は、南ターミナルはL出口に、西ターミナルはB出口にある。

トラムTramway 
トラム7号線を利用。メトロ7号線ヴィルジュイフ・ルイ・アラゴン駅までをつないでいる。

近隣諸国からの入国(ENTRY FROM EU COUNTRIES)

入国の交通手段(TRANSPORTATION )

国際列車 
ヨーロッパの主要都市間は多くの高速鉄道で結ばれており、移動に便利。
SNCF(フランス国鉄) www.sncf.com

飛行機 
ヨーロッパの主要都市から2時間程度と移動時間が短い。イージージェットやブエリング航空など格安航空会社(LCC)も多く、活用できれば交通費の節約に。交通不便な郊外に発着したり、欠航便の振り替え補償がなかったりするので内容をよく検討したい。
・イージージェット www.easyjet.com
・ブエリング航空 www.vueling.com

国際長距離バス 
時間と体力があるなら、欧州各都市を結ぶバス、ユーロラインズで移動するのもよい。料金が安く、夜行便も出ている、パリ・ガリエニ国際ターミナルに発着。
・ユーロラインズ www.eurolines.com

フェリー 
フランス北部や地中海に面するフランス南部の都市では、隣国との間に定期便が運航しており、安く移動できる。

入国の手続き(IMMIGRATION)

シェンゲン協定加盟国での出入国審査は簡略化されている。列車で入国の場合は、車内で簡単にパスポートチェックされることも。免税手続きは最後の国で行なう。

鉄道での入国(BY RAIL)

列車の種類 
おもなものにヨーロッパの主要都市を結ぶEuroCityユーロシティ、英仏間を海底トンネルを走ってつなぐEurostarユーロスター、ベルギーの特急列車Thalysタリス、フランス国鉄の新幹線TGVなどがある。夜行特急にはEuroNightユーロナイトやCity Night Lineシティナイトラインなどがある。

ユーレイル・パス 
ヨーロッパ内での移動が多いなら、規定の範囲内で鉄道が乗り放題になるユーレイル・パスを活用したい。パスは数種類あり、使用できる日数、列車の等級、使用できる国数から、連続して使用するか、フレキシブルに利用するか、など旅のスタイルに合わせて細かく分けられている。
・レイルヨーロッパ www.raileurope-japan.com

・ロンドン-北駅 EUROSTAR 14~16便 3時間10分~

・アムステルダム-北駅 THA 8~10便 3時間20分

・ブリュッセル-北駅 THA 18~24便 1時間20分

・ベルリン-北駅/東駅 ICE+THA(TGV) 5~7便 8時間10分~

・フランクフルト-東駅 TGV/ICE 3~4便 3時間40分~

・ウィーン-東駅/リヨン駅 TGV+ICE(RJ) 4~5便 12時間~

・チューリッヒ-東駅/リヨン駅 TGV 3~6便 4時間10分~

・ミラノ-東駅/リヨン駅 TGV 0~3便 7時間20分~

・バルセロナ-リヨン駅 A/TGV 1~3便 6時間30分~

EUROSTAR=ユーロスター
THA=タリス
ICE=インターシティ・エキスプレス
TGV=テジェヴェ
RJ=レールジェット
CNL=シティナイトライン
EN=ユーロナイト
A=AVE
2016年11月現在

シェンゲン協定

ヨーロッパの多くの国が出入国手続き簡素化のために締結した協定のことで、加盟国間の移動は国内移動と同様に扱われ、出入国審査も税関手続きもない。実施国はフランス、イタリア、スペイン、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、ハンガリー、ギリシャ、デンマーク、フィンランドなど26カ国。イギリスは加盟していないので注意したい。(2016年10月現在)

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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載している情報は、2016年5〜7月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。