東京下町のそば
江戸時代からのそば処で味わう本格そば
かつては江戸市中の食べ物屋6000軒のうち、その半分がそば屋だったとされるほど、江戸はそばの名所だった。その名残で、東京には今でも多くのそば屋が軒を連ねている。
上野藪そば(ウエノヤブソバ)
藪系のそばを旬の味覚とともに
明治25(1892)年創業の老舗。そばは国内産のそば粉を使った打ちたて、つゆには天然醸造醤油を使用する。かき南ばん、あられそばなど旬の種ものもおすすめ。
築地さらしなの里(ツキジサラシナノサト)
脂がのった鴨と本格派そば
明治32(1899)年創業。自家製粉の手打ちを貫く本格派そばの名店。そばの実の中心部分だけを使った真っ白な更科そばは、上品な香りと独特の喉ごしが特徴。
築地さらしなの里
- 住所
- 東京都中央区築地3丁目3-9
- 交通
- 地下鉄築地駅からすぐ
- 料金
- 鴨南ばん=1944円/さらしなそば=756円/車海老天ぷらそば=1944円/かしわなんばん=1080円/
室町砂場(ムロマチスナバ)
天ざる・天もり発祥の店
夏場でも天ぷらそばをおいしく食べられるようにと、天ざるを考案したことで知られる。そばの実の芯を卵でつないだものを「ざる」、芯の外側を使用したものを「もり」と呼び分ける。
室町砂場
- 住所
- 東京都中央区日本橋室町4丁目1-13
- 交通
- JR山手線神田駅から徒歩3分
- 料金
- 別製ざるそば=650円/とり南ばん=1400円/おかめそば=1400円/天ざる=1600円/もりそば=600円/
並木藪蕎麦(ナミキヤブソバ)
極辛のつゆにサッとつけて
多くの著名人が通ったことで知られる藪御三家のひとつで、メニューはそばのみ。新鮮なそば粉を使って打つ十割そばを、東京一辛いといわれるつゆに、サッとつけていただこう。
元禄二八そば 両ごく 玉屋(ゲンロクニハチソバリョウゴクタマヤ)
コシのあるそばは石臼挽きした最高級粉を使用。天ぷらがおいしい
大正8(1919)年創業。コシのあるそばは石臼挽きした最高級のそば粉を打ち、つゆは本節と日高コンブで作る。天ぷらがおいしい北斎御膳や義士御膳もおすすめだ。
元禄二八そば 両ごく 玉屋
- 住所
- 東京都墨田区両国3丁目21-16
- 交通
- JR総武線両国駅からすぐ
- 料金
- 北斎御膳=1100円/横綱定食=1700円/ごまだれ天ざる=1400円/義士御膳=1100円/
かんだやぶそば(カンダヤブソバ)
伝統守る総本家の極上せいろうそば
明治13(1880)年創業。江戸三大そばのひとつである藪系の総本家。最上級粉を使用したそばは、香り高くさわやかな喉ごしだ。旬を取り入れた季節メニューも人気。
かんだやぶそば
- 住所
- 東京都千代田区神田淡路町2丁目10
- 交通
- 地下鉄淡路町駅からすぐ
- 料金
- せいろうそば=723円/天ぷらそば=1850円/そばとろ=1330円/そばずし=830円/
神田まつや(カンダマツヤ)
熟練職人の店で老舗の風流を味わう
明治17(1884)年創業の下町情緒漂う佇まい。香り、喉ごしともに申し分ないコシのあるそばを、やや辛口のツユで供する。卵焼きなどを肴に一杯いただくのも粋だ。
蓮玉庵(レンギョクアン)
文豪に愛された味を守り続ける
森おう外の小説に登場し、歌人や文豪に親しまれた名店。高原地帯で作るそば粉など、3つの産地のそば粉を季節によって使い分ける手打ちそばは、コシがあってほどよい辛さのつゆによく合う。
川むら(カワムラ)
合鴨肉のつゆでそばを食す
明治時代に創業のそば屋。厳選したそば粉を丹精込めて打った細打ちめんは、色白でコシがある。合鴨肉とネギの温かいつゆに、冷たいそばをつける鴨せいろは定番の人気商品だ。
尾張屋(オワリヤ)
丼からはみ出すほどの大エビの天ぷらそば
作家の永井荷風が足繁く通った店としても知られるそば処。自慢はコシのある二八そば。なかでも、丼からはみ出すほど大きいエビがのった天ぷらそばや天丼がおすすめだ。
尾張屋
- 住所
- 東京都台東区浅草1丁目7-1
- 交通
- 地下鉄浅草駅から徒歩5分
- 料金
- 天ぷらそば=1600円/もりそば=700円/天せいろ=1150円/天丼(お吸い物、お新香付)=1700円/季節のおそば=1200円/
江戸蕎麦ほそ川(エドソバホソカワ)
自家製粉のそば粉を使ったそば
つなぎを一切使用しない十割そばは、そば本来の旨みを存分に味わえる。絶妙のタイミングで茹で上げ、喉ごしも抜群だ。そば粉を使ったオリジナルデザートもおすすめ。
吾妻橋やぶそば(アヅマバシヤブソバ)
濃厚なコクと香りの胡麻汁そばや鳥ワサが人気
ゴマの香りに濃厚なコクがありながらも、サラリとしたゴマ汁でするりと味わえる極上の味。本ワサビが香る鳥ワサと御新香でアルコールも楽しめる。手打ちそばは極細に包丁切りで提供している。
そばの里 みつまさ(ソバノサトミツマサ)
丼物や鍋物も味わえる手打ちそばの店
大正14(1925)年創業の手打ちそばの店。昼は各種丼セット、夜はカモ鍋中心のコース料理などが楽しめる。奇数月の第3水曜には、そばとともに楽しめる「みつまさ寄席」を開催する。
そばの里 みつまさ
- 住所
- 東京都墨田区江東橋4丁目20-4
- 交通
- JR総武線錦糸町駅から徒歩4分
- 料金
- 別製せいろ=800円/各種丼セット=1080円~/カモ鍋中心のコース料理=5000円/天ざる=1850円/鴨せいろ=1350円/
下町の手打ちそば処 やぶ忠(シタマチノテウチソバドコロヤブチュウ)
自家製粉石臼びきのそば
北海道や福島、新潟など、国産の玄ソバを自家製粉して丁寧に打ったそばは、そば好きも納得の味。ボリュームもたっぷりだ。まめ板やそばもちなども販売する。
下町の手打ちそば処 やぶ忠
- 住所
- 東京都葛飾区柴又7丁目7-8
- 交通
- 京成金町線柴又駅から徒歩3分
- 料金
- 天せいろ=1200円/柴又あげ=400円/鴨せいろ=1200円/本日のランチ=1500円/
そば処 業平橋 かみむら(ソバドコロナリヒラバシカミムラ)
絶妙なバランスで立つ迫力満点の海老天丼
とうきょうスカイツリー駅近くにあるそば処。昔ながらの雰囲気が落ち着く。タワー丼は店主のアイデアが詰まっており、かき揚げ丼の上に特大の海老天が3本乗る自慢の一品。
そば処 業平橋 かみむら
- 住所
- 東京都墨田区業平1丁目18-13
- 交通
- 東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅からすぐ
- 料金
- タワー丼=1800円/鴨汁せいろ=1200円/梅そば=1200円/天ざる=1400円/
五福家(ゴフクヤ)
創業80年近い老舗そば店が作る惣菜が評判
創業80年近い老舗のそば処。人気のアジフライは魚河岸で仕入れる生アジに生パン粉をつけて揚げている。ヒレ肉串カツも手軽に食べられるのが嬉しい。
亀戸 極上江戸そば にし田(カメイドゴクジョウエドソバニシダ)
自家製粉と手打ちにこだわった昔ながらの江戸そば
亀戸天神の参道に面したそば処。常陸秋そばを2種類に自家製粉してブレンドし、ていねいに手打ちした渾身の十割そばが味わえる。多彩にアレンジした創作そばや、一品料理もおすすめ。