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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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プラハは西洋建築の見本市!街を歩くと発見がいっぱい

ロマネスクから現代建築まで、あらゆる様式が現存するプラハ。街を巡り、数百年をまたぐ時代散歩をしてみてはどうだろう。

キュビズム建築 Cubism Architecture(1910〜25年)

宝石のようなカットを施した、多面立方体の織りなす不思議なリズム感。チェコ国内でしか見られないキュビズム建築群は、世界でも貴重な存在だ。

前衛芸術の波が建築界へ波及
20世紀初め、チェコの若手建築家たちは、絵画のキュビズムに新たな表現を見いだした。多面立方体を内外に大胆に配し、角度によってさまざまな表情を見せる実験的作品群は、賛否両論を巻き起こす。その後民族回帰主義が勃興するまでの短期間に、代表的なキュビズム建築家であるヨゼフ・ゴチャールやヨゼフ・ホホルによって数々のユニークな作品が生み出された。

キュビズムとは?

1900年代初頭にピカソやブラックによって確立され、世界の美術界を驚かせた前衛アートのこと。円柱や球など立方体の集積、つまり多面体を平面上で表現しようとした。

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教員組合住宅 Teacher's Cooperative

1919〜21年
壁面のプリズムカットと効果的に色分けされたファサードが特徴の、後期キュビズム建築だ。

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ベドジフ・コヴァジョヴィチ邸 Bedřich Kovařovic's Villa

1912〜13年
ヴィシェフラド地区にある初期キュビズムの傑作。表面を大きく張り出させるなど、大胆な造形パターンに注目。

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ネクラノヴァ集合住宅 Hodek Apartment

1913〜14年完成
キューブを外観全体に配し、坂道という立地も相まってさまざまな表情を見せる。ホホル建築の傑作だ。

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ラシーン河岸通り3世帯住宅 Rašín Embankment A Family 3 House

1912〜13年
中央の巨大玄関と左右のシンメトリーが印象的な、ホホルの最初の建築。

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黒い聖母の家 Dům U Cěrne Matky Boží

1911〜12年
プラハのキュビズム建築の第1号といわれる。

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ユングマン広場の街灯 Street Lighting Standard

1912年
礎石がベンチなので、キュビズム作品に座れる。

アール・ヌーヴォー建築 Art Nouveau Architecture(19世紀末〜20世紀初頭)

世紀末芸術とも呼ばれ、激動の19世紀ヨーロッパを席巻した総合芸術。プラハの歴史的な景観とアール・ヌーヴォー建築群の調和に心を奪われる。

美術史上の一大ムーヴメント
植物や昆虫などを有機的なやわらかい曲線で表現し、どこか退廃的な雰囲気も国やジャンルを超えて共通している。プラハでは、内装にミュシャを起用したり、スラヴ民族らしい淡い色使いや花を多用したものも多く、やがて来る民族回帰主義への予感が垣間見られて興味深い。

グランド・ホテル・エヴロパ Grand Hotel Evropa

1903〜05年
曲線的な草花のモチーフをちりばめたタイルや彫刻に後期世紀末建築の特徴が見られる。

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市民会館 Obecní Dům

1903〜12年
世紀末芸術としてだけでなく、プラハを代表する1911年の建築作品。窓や壁面、バルコニーの欄干にいたるまで、繊細で典雅な装飾を施している。ミュシャが全内装を担当した「市長の間」は必見。

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旧市街に威容を誇る

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ミュシャ作の大天井画『スラブの調和』

プラハ本駅 Praha-hlavní nádraží

1901〜09年
市内最大のアール・ヌーヴォー建築。アーチ状のガラス窓と双塔の外観は街並と見事に調和している。3階の巨大な丸天井は、細密な彫刻が素晴らしい。

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現代建築 Modern Architecture(20世紀以降)

伝統と新興を経て、行き詰まりを見せていた20世紀初頭のヨーロッパ。やがてアメリカ発の合理主義が輸入され、建築界にも影響を与えていく。

歴史の街と近代の結着地点
建築物にも機能性や合理性を重視する価値観は、アメリカ発のモダニズムが源流だった。古都にはふさわしくないとの反対意見も根強いが、やがてモダニズムはプラハにも現れ始める。

ダンシング・ビル Nationale Nederlanden Building

1911〜12年完成
保険会社のオフィスとして、アメリカ人のゲイリーとチェコ人のミルニッチが共同設計。ビルが踊るという奇想天外なアイデアは当時の市民の間で論争を巻き起こした。
14・17番 Jiráskovo námeˇstí イラースコヴォ・ナームニェスティから徒歩1分

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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷるウィーン プラハ・ブダペスト」です。掲載されているデータは、2016年5〜8月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。