
更新日:2020年4月13日
マドリードの街を知る!観光を楽しむためのテーマ&スポット
「太陽の沈まぬ国」の中心地。スペイン王国ゆかりの観光地巡りや充実の美術館群で芸術鑑賞、そして夜はバルでの食事を楽しみたい。
世界に君臨してきた帝国の歴史を感じる
現在スペインの首都として機能するマドリードは、15世紀頃までは小さな村でしかなかった。1492年のレコンキスタ終結のあと、1561年にフェリペ2世によって王宮がトレドから移されたことで大きく発展し、ヨーロッパ有数の大都市となった。大航海時代以降、世界中から集めた富を用いて歴代の国王は多くの絵画を集めた。そのコレクションを収めたプラド美術館がマドリード最大の見どころ。近代にもダリやピカソ、ミロといった多くの巨匠を産んだスペインならではの、国立ソフィア王妃芸術センターの現代美術コレクションも見逃せない。
Profile
●州・・・マドリード州
●人口・・・317万人(スペイン第1位)
●面積・・・605㎢(街)
●空港・・・アドルフォ・スワレス・バラハス国際空港(空港から市内へは約12㎞)
●市外局番・・・91
マドリードへのアクセス
【飛行機】成田からマドリードへ、週3便の直行便があるほか、経由地も多数。バルセロナからはプエンテ・アエレオという予約不要のシャトル便や、格安航空も多数運航している。所要1時間ほど。
【鉄道】空路以外ではバルセロナから高速鉄道AVEで所要2時間30分。バスは所要7〜8時間。深夜便を利用すれば、時間の節約にもなる。
街の歩き方
市内は地下鉄やバスの路線網が発達しているので、移動手段には困らない。プラド美術館、国立ソフィア王妃芸術センター、ティッセン・ボルネミッサ美術館はそれぞれ徒歩圏内にあるので、1日かけて芸術鑑賞するのもいい。
観光案内所 (La Oficina de Turismo en Madrid)
Plaza Mayor 27、91-4544410、9:30〜21:30、無休、【アクセス】マヨール広場
観光に便利なチケット
アボノ・トゥリスティコ地下鉄やバスなど公共交通機関が乗り放題のツーリスト専用パス「Abono Turistico」。料金は€8.40〜35.40で利用日数は1〜3日間、5日間、1週間から選べる。
治安情報
被害報告の多くがスリや置き引きで、かつて恐れられていた首絞め強盗などの暴力的な犯罪被害は格段に減っている。地下鉄や各地の広場、王宮、美術館など、観光客が多く集まる場所が危険。
困ったときはここへ
在スペイン日本国大使館 (Embajada del Japón)
C. Serrano 109、91-5907600、Ⓜ7・10号線グレゴリオ・マラニョン駅(Gregorio Marañon)から徒歩10分
by fotolia - © Sergio Martínez
マドリードの大動脈たるグラン・ビアの大通り
王宮そばにあるアルムデナ大聖堂
関連リンク
マドリードを楽しむ! 観光3大テーマ
美術好きならば何日あっても足りないが、見どころ自体は限られている。日程に余裕をもたせて近郊のトレドをぜひ組み込みたい。
THEME1.ゴヤ、エル・グレコ、ベラスケス、ピカソ。名画の数々に出会う!
ペイン王家歴代のコレクションを中心とするプラド美術館。ゴヤ、エル・グレコ、ベラスケスの3大画家の絵画をはじめ、たくさんの名画が並ぶ。国立ソフィア王妃芸術センターには、ピカソの代表的傑作『ゲルニカ』が展示されている。
THEME2.「太陽の沈まぬ国」の中心だった都市の、王家ゆかりの地へ!
航海時代、世界各地の領土から富と財宝が集められた王都マドリード。きらびやかな王宮をはじめ、数多く残る歴史の面影が残るスポットは、この都市ならではの楽しみ。
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王宮前の広場では衛兵交代式が行なわれる
THEME3.マドリードから郊外へ。古都トレドの重厚な街並みを堪能!
市街がまるごと世界遺産に登録されているトレド。イスラム勢力からの奪還後、マドリードと並ぶスペイン王国の中心だった。エル・グレコが住んだ街でもあり、各地の教会に彼の絵が残る。
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タホ川に囲まれた丘に石造りの街並みが広がる
きらめく王都 6つのエリア早わかり
王宮からレティーロ公園にかけてが、旧来のマドリード。ほかは19世紀以降に発展した。
人々で賑わうマドリードの中心 グラン・ビア周辺 (Gran Vía)
20世紀初頭にパリやニューヨークを模倣して造られた大通り。デパート、映画館、劇場が集まる、文化の発信地といえるエリアだ。
【必見スポット】スペイン広場
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歴史と文化を感じる 王宮周辺 (Palacio Real)
1931年まで王が暮らしていた王宮を中心としたエリア。贅が尽くされた王宮は、さすが「太陽の沈まぬ国」と称されただけのことはある。
【必見スポット】王宮、アルムデナ大聖堂
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マドリード最古のエリア 旧市街 (El Viejo Madrid)
マドリードの原点といえる場所。狭い路地が続き、風情ある雰囲気が漂う。プエルタ・デル・ソルは各地方へ向かう国道の起点になっている。
【必見スポット】マヨール広場、プエルタ・デル・ソル
旅行者が多く集まるスペインのヘソ、プエルタ・デル・ソル
国際線も発着する鉄道駅 アトーチャ駅周辺 (Estación de Atocha)
マドリード近郊のトレドやセゴビアに行く列車が発着するアトーチャ駅。周辺には宿泊施設が数多くある。
【必見スポット】国立ソフィア王妃芸術センター
『ゲルニカ』のほか、現代美術を展示する国立ソフィア王妃芸術センター
文化施設が集まるエリア プラド美術館周辺 (Museo Nacional del Prado)
世界3大美術館のひとつであるプラド美術館を中心としたエリアで、美術館・博物館がいたるところにある。アート好きにおすすめの場所だ。
【必見スポット】プラド美術館、レティーロ公園
美術館めぐりの合間には、緑豊かなレティーロ公園でひと休み
高級ブランド店が集まる サラマンカ地区 (Salamanca)
レティーロ公園の北側に広がる区画整備された地域。高級ブランド店が集まる瀟洒なエリアとして注目されている。博物館や官公庁も多い。
【必見スポット】ソローリャ美術館
ファッションブティックが並ぶ、セラーノ通りを中心に広がる
街History Madrid
9〜15世紀 川のほとりの砦が起源
9世紀にイスラム勢力の後ウマイヤ朝が、マンサナレス川のほとりに砦を築いた。川のアラビア語名である「マジュリート」が都市名の由来。旧市街に城壁の跡が一部残っているほかは、当時の痕跡はほとんど残っていない。11世紀にキリスト教勢力の支配下に入った。
中世の遺物は国立考古学博物館や、プラド美術館で見ることができる
16〜17世紀 太陽の沈まぬ王国の都
マドリードが都となったのは、1561年のこと。折しも大航海時代での成功によりスペインは世界帝国の都となったが、マドリードの街並みは雑然としたままだった。旧市街が当時の面影を残している。
マヨール広場のあたりが当時の街の中心だった
18〜19世紀 都市整備が進められる
18世紀、ブルボン家の王フェリペ5世やカルロス3世などにより、近代的な都市がつくられていく。レティーロ公園や、のちのプラド美術館となる建物など、街の東部が発展したのもこの頃。19世紀は、ナポレオンに対するスペイン独立戦争などの混乱で、街の発展は停滞。
新しい王宮を築いたのはフェリペ5世。息子のカルロス3世時代に近代化は加速
20世紀〜 欧州有数の大都市へ
20世紀初頭、グラン・ビアの造成プロジェクトが開始。現在に続く街並みが形成されていく。1930年代のスペイン内戦後、総統となったフランコのもと、経済的にも発展。
グラン・ビアの街並みはパリやニューヨークを意識してつくられた

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- この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年7〜9月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので現在取り扱っていない可能性があります。
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