
更新日:2020年4月13日
北京旅行で訪ねたいお勧め観光10スポット
東京から約4時間のフライトで行ける、中国の首都「北京」。故宮、景山公園など、一度は訪ねてみたい観光名所が多くあります。今日はそんな北京の中でも、ぜひ行っておきたい観光スポットを10箇所ご紹介します。
1. 故宮
Forbidden City 紫禁城, by INABA Tomoaki, CC BY-SA
明朝及び清朝の皇帝合計24人が約500年間政治を行い、皇后などと暮らした紫禁城が、現在は故宮博物館として一般に開放されています。収蔵する文化財はおよそ150万点、上海博物館と南京博物館と共に中国三大博物館と呼称され、名実ともに中国を代表する博物館です。1987年にその歴史的重要性からユネスコ世界遺産に登録されています。
Forbidden City 紫禁城, by INABA Tomoaki, CC BY-SA
故宮はもともと明朝の永楽帝が1406年に造営を開始し、1421年に完成したものです。現在私たちが参観できる建物の多くは清朝によって建て直されたものだといわれています。清朝最後の皇帝溥儀(宣統帝)が退去させられた後故宮と呼ばれるようになり、1925年より博物館として一般公開されています。入り口は南側のみからなのでご注意下さい。総面積は72万平方メートル、歩きやすい服装及び靴で訪れることをお勧めします。

2. 天安門(広場)
Tiananmen 天安門, by INABA Tomoaki, CC BY-SA
紫禁城の正門にあたる天安門は、1417年の創建以来中国の政治的中心として国内外に広く認識されているスポットです。1949年10月1日に毛沢東が天安門の楼閣から中華人民共和国の建国を高らかに宣言したことでも知られています。現在は一般にも公開されており、誰でも楼閣にのぼることが可能です。
Tiananmen square, by INABA Tomoaki, CC BY-SA
天安門広場の前に広がる南北880メートル、東西500メートルという巨大な広場が天安門広場で、一説には100万人を収容できると言われる世界でも最大規模の広場です。天安門広場から天安門の眺めは圧巻で、特に晴れた日には素敵な写真が撮れることでしょう。天安門広場は1919年の五四運動、文化大革命、1989年の天安門事件など様々な政治的運動が行われた場所でもあり、パスポートや荷物をチェックするポイントが多く、警備員や軍人が多数監視している上、広場の各地に監視カメラが設置されています。

3. 景山公園
故宮の北側に位置し、頂上の万春亭から呼吸を見下ろすことのできるのが景山公園です。故宮は南側から入って北側から出るので、そのまま歩いて景山公園まで行くのがお勧めのルートです。
公園の面積は約23万平方メートル、高さは約43メートルです。景山公園の東側山麓には1644年に明朝最後の皇帝である崇禎帝が、李自成軍が迫った時に首をつって自害したと伝えられている槐の木もあり、中国史好きにも特にお勧めできるスポットです。

4. 頤和園
清代の1750年に乾隆帝が造営した庭園が前身で、杭州の美しい景色を再現したものです。庭園は1860年のアロー戦争で円明園などと共に英仏軍に破壊され、1888年に西太后が再建するも1900年に義和団事件の結果英米日などの八ヶ国連合軍に破壊され、再度西太后が1902年に再建するといった波乱の歴史を有しています。
庭園は1998年にユネスコ世界遺産に登録されました。総面積は約290万平方メートルですが、その内の約75パーセントを杭州の西湖を模した昆明湖が占めています。広大な頤和園は「宮殿区」、「湖岸区」、「万寿山区」、「後山・後湖区」、「昆明湖区」に分かれていますが、短時間で効率よく周遊したいのならば湖岸区の長廊を歩いてから万寿山に登って山頂から昆明湖を眺めるのがお勧めのルートです。アクセスに関しては、宮殿区に近い正門から入る場合は地下鉄4号線の「西苑」駅、裏門から入る場合は同4号線の「北宮門」駅が最寄りです。

5. 天壇
Hall of Prayer for Good Harvests 祈年殿, by maywong_photos, CC BY
その特徴的な形状から有名な天壇は、元来明及び清朝の皇帝が五穀豊穣を祈願して祭祀を行った場所です。現存する中国国内で最大の祭祀建造物と言われ、1998年に頤和園などと共にユネスコの世界遺産に登録されました。
天壇は北京市内南部の公園内に位置し、その公園も頤和園と同様の広さがあります(273万平方メートル)。東門へは地下鉄5号線の「天壇東門」駅が最寄りです。

6. 円明園
円明園は北京の北西に位置し、ビジネス街の国貿やショッピングストリートの王府井などの中心部からはやや距離があります。円明園といっても現在は廃墟が整備されたもので、元々は清朝の壮麗な離宮だったものがアロー戦争時に英仏軍によって略奪を受けた上散々に破壊されてしまいました。
照片 306, by HK James Ho, CC BY-SA
現在も英仏の「蛮行」を示すため、整備されて展示されています。円明園の建設には雍正帝や乾隆帝が力を入れ、イエズス会の宣教師たちも設計やデザインに従事したためバロック様式と中国様式が見事に融和した素晴らしい離宮だったと言われています。園内にはかつての円明園の様子を模型としたものなどもあり、見応えがあります。アクセスは地下鉄4号線の「円明園」駅下車、徒歩ですぐです。

7. 北海公園
北京にある三大湖は「西苑三海」と総称されていますが、北海、中海、南海の内一般人が参観できるのは北海のみです。中海及び南海には共産党政府関係機関があるので、関係者以外立ち入り禁止となっています。北海公園は現存する世界最古の皇室庭園とも言われており、約1000年前の遼の時代に建設されました。
その後の各王朝でも重宝され、特に元朝のフビライ・ハンが北海公園周辺に現在の北京の前身となる「大都」を首都として建造したのは有名です。公園の総面積は約70万平方メートルで、その内約半分を北海が占めます。「一池三山」と呼称される造園様式は皇室庭園にのみ許されていた形式で、庭園が格式高いことを示します。地下鉄の最寄り駅は無く、バスで行くしかないので事前に調べてから行くことをお勧めします。

8. 正陽門(前門)
正陽門は故宮や天安門、毛主席紀念堂の南側にある城門で、1420年の明朝永楽帝統治時代に建設されたものです。正陽門が正式名称ですが、「前門」という通称で良く知られており、地下鉄2号線の駅名も「前門」です。
前門大街, by rishon lin, CC BY-SA
門の高さは42メートルあり、楼閣にのぼることも可能です。前門付近には商店街や中~下級ホテルが集中している地区もあり、故宮や天安門へのアクセスの良さも相俟って人気の宿泊スポットとなっています。

9. 盧溝橋
北京南西部の郊外にある盧溝橋は1192年に建造された全長260メートルの石橋です。橋の欄干の上に約500体の石像の獅子が並んでいることでも有名です。元代にここを訪れたマルコ・ポーロは『東方見聞録』で盧溝橋に関して「これほど美しい橋は無い」と賞賛しています。
盧溝橋は日本では1937年の盧溝橋事件と関連して人々に記憶されていると思いますが、橋から城壁に沿って歩いて行くと盧溝橋事件時の砲弾跡などが生々しく残っています。盧溝橋の隣りには巨大な「抗日戦勝記念館」も建っており、勇気があれば是非訪れてみて下さい(日本人だからといって入館拒否されることは有り得ません)。アクセスややや不便でバスに乗るしかありませんが、北京西駅前あたりからタクシーで行くのも良いと思います(北京西駅のタクシー乗り場は係員がタクシーの運転手がメーターを倒すところまで確認してくれるので安心です)。

10. 万里の長城
総延長約2万キロ、衛星から地球上で唯一目視できる建造物などとも言われている万里の長城の建設は、間違いなく人類が達成した偉業の一つでしょう。歴史的には秦の始皇帝が北方民族を防ぐために各地に建設されていた壁を中国統一時に繋ぎ合わせたもので、現存する長城の大半は明代に修築されたものです。その歴史的重要性から、万里の長城は1987年にユネスコ世界遺産に登録されました。
北京市内からは主に「八達嶺長城」、「司馬台長城」、そして「慕田峪長城」に行くことができますが、アクセスが最もよく、そして観光地として最も整備されているのが八達嶺長城です。八達嶺長城だけだと全長3700メートルなので、高低差は大きいものの一日あれば十分走破できる距離でしょう。長城は標高が高いので夏でも防寒具を忘れないようにして下さい。八達嶺まではバスなどでも行けますが、北京北駅から電車に乗るのが一番簡単です(ICカードが使用できます)。


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