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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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イギリス国内交通ガイド 鉄道、飛行機、バス

ロンドンをまわるなら地下鉄の利用が便利。郊外の街へ行くならレンタカーがあるといい。移動が多いならレイル・パスを使うのも手だ。

鉄道

イギリスの列車は大別すると、普通列車、インターシティ、寝台列車の3種類がある。運行している路線の範囲が異なるので、旅の計画に応じて使い分けるようにしよう。ドアが手動式だったり、昔ながらの木製だったりと、鉄道発祥の国、イギリスの歴史を感じることができる。市の中心地からやや離れた場所に駅がある場合も、駅からバスが出ていたり、タクシー乗り場があることがほとんどなので、移動手段に困ることは少ない。ただし、クリスマスやイースター、メーデーなどの祝日には便数が大幅に減ることも多い。

列車の種類

■ 普通列車
ロンドン郊外や主要都市近郊を走るローカル列車。短距離の移動に適しており、きっぷは当日でもほぼすぐに窓口や券売機で購入できる。最新の列車が普及しつつあるが、ディーゼル車もまだ残っている。荷物は設置されている棚に載せておくのが普通だが、余地がなく別の棚に置く場合は盗難に十分注意しよう。膝の上もしくは足元に邪魔にならないように置いてもいいが、くれぐれも置き引き等に注意。

Train station commuters going to work commuting on rush hour waiting for delayed train to arrive. View of crowd on platform and rails.
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■ インターシティ
主要都市を結ぶ中・長距離列車で、日本の新幹線のような存在。ロンドン〜エディンバラ間ならば4時間余りで移動できる。通常、車両はファースト・クラス(1等席)とスタンダード・クラス(2等席)に分かれている。きっぷは当日でも購入できるが、プルマン車と呼ばれる豪華客車に乗りたいのならば、事前の予約が必要。乗車時間が普通列車よりも長いので、荷物の盗難に関してはより注意が必要だ。

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■ 寝台列車
ロンドンからスコットランドなどの長距離路線で運行している。コンパートメント内には寝具や洗面台があり、睡眠をとっている間に目的地に着けるため時間を効率的に使える。乗車券とは別に寝台料金がかかり、事前の予約が必要。早朝に到着する場合には、一定時間(7時半〜8時半)までならば列車内にとどまれることもある。朝食サービス付。

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■ロンドンとおもな都市間の片道料金と所要時間

オックスフォード 1時間30分 £28
ケンブリッジ 1時間 £26
カンタベリー 1時間 £32
バース 2時間 £35
チェスター 2時間 £82
リヴァプール 2時間30分 £80
マンチェスター 2時間10分 £80
ヨーク 2時間 £100
ストラトフォード・アボン・エイヴォン 2時間30分 £32
セント・アイヴス 6時間30分 £65

※上記の所要時間と料金(片道)はだいたいの目安です(当日券の場合)

チケットの割引制度

イギリスの鉄道運賃は時間帯や曜日を指定することで割引される制度がある。往復かどうか、利用日はいつかなどで割引率が大きく異なるので、窓口で条件に合ったチケットを提案してもらおう。ただしいずれも平日の朝夕のラッシュ時は対象外。

■ チープ・デイ・リターン(Cheap Day Return)
日帰りの往復運賃が最大半額ほど割引になる。

■ スーパー・セイバー(Super Saver)
復路が1か月以内の場合、往復運賃が最大半額ほど割引になる。

■ スーパー・アドヴァンス(Super Advance)
乗車前日の18時までにチケットを買うと、55〜60 %割引になる。

■ スーパー・アドヴァンス・オフ・ピーク・シングル(Super Advance Off Peak Single)
乗車7日前までにチケットを買うと60~80 %割引になる。先着順。

周遊券(レイル・パス)

イギリス周遊にはイングランド、ウェールズ、スコットランド全域の列車に乗車できる「ブリットレイル・パス」など、お得なパスを入手するのがおすすめ。「ブリットレイル・パス」のシリーズはイギリス国外居住者限定のチケットで、イギリス国内には取り扱っている窓口が少ないため、出発前に日本のおもな旅行代理店で購入することが望ましい(レート、シーズン等により料金の変動あり)。利用する日程や行動範囲を考えて、事前に最適なパスを手に入れておきたい。

■ ブリットレイル・パス
連続する有効日数内に鉄道が乗り放題となるパス。3日、4日、8日、15日、22日、1か月間の6種類がある。料金は4日間のパスで1等は4万4200円、2等なら2万9200円。最長の1か月パスは、1等14万、2等9万3100円。このパスはユーロスターでも特別割引運賃が適用。

■ ブリットレイル・フレキシー・パス
通用日数が3日、4日、8日、15日間の4種あり、料金は4日のパスが1等で5万4400円、2等で3万7500円など。使用開始日から1か月の有効期間以内なら、連続で使用してもいいし、日をあけて使用してもいい。よりフレキシブルに使えるのがポイント。

■ ブリットレイル・ロンドン・プラス・パス
ロンドンを中心にイギリス東南部での利用に限られたパス。1か月の有効期限内から好きな日を選んで使える。料金は3日の1等が2万5700円、2等が1万8400円。

問い合わせ先

■レイルヨーロッパ ジャパン
URL www.raileurope-japan.com
■ブリットレイル
URL www.britrail.com
■スコット・レイル
電話 0344-811-0141
URL www.scotrail.com
■ビジット・ブリテン(英国観光庁HP)
URL www.visitbritain.com
■ロンドン交通局
電話 0343-222-1234
URL www.tfl.gov.uk
■ユーロスター
URL www.eurostar.com

長距離バス

路線の充実度では鉄道を上回るのが、中・長距離バス。鉄道では乗り換えが必要な場所でも1本で行けるし、鉄道よりやや時間はかかるが、ぐっと経済的。街や沿道の風景を眺めながら行けるのも魅力だ。またタイムテーブルに沿ってきっちり運行されているので、予定が立てやすいというメリットもある。ロンドン最大の長距離バス発着所は、ヴィクトリア駅前のヴィクトリア・コーチ・ステーション。中・長距離バスの最大手、ナショナル・エクスプレスはここから出発する。長距離便はすべて予約制で指定席のみ。料金や運行スケジュールは、ホームページで確認するか、現地の発着所にある時刻&料金表「FROM AND TO LONDON」が参考になる。なおチケットはコーチ・ステーションで購入し、目的地、乗車日、出発時刻、片道か往復かなどを告げればよい。学生なら割引チケットもあり、かなり格安な旅ができる(国際学生証が必要)。

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■ロンドンとおもな都市間の片道料金と所要時間

オックスフォード 1時間40分 £15
ケンブリッジ 2時間 £11.90
カンタベリー 1時間50分 £14.60
バース 3時間 £17
チェスター 6時間 £20
リヴァプール 4時間30分 £12
マンチェスター 4時間30分 £10
ウィンダミア 8時間 £35
ニューキャッスル 6時間40分 £18
アバディーン 12時間 £47.50

※上記の所要時間と料金(片道)はだいたいの目安です

 

おもなバス運行会社

■ナショナル・エクスプレス
電話 0871-781-8181
URL www.nationalexpress.com
■グリーンライン
電話 0344-801-7261
URL www.greenline.co.uk
■スコティッシュ・シティ・リンク
電話 0871-266-3333
URL www.citylink.co.uk
■アルスター・バス
電話 0289-066-6630
URL www.translink.co.uk

空路(国内線)

ロンドンからイングランドやウェールズなど中距離エリアの旅なら鉄道が便利だが、スコットランドや北アイルランド、スコットランド北部の離島などを訪れるなら、飛行機が断然速い。どこに行くにも1時間〜1時間半で到着できるので、時間のない旅行者には利用価値大だ。グラスゴーやエディンバラなどの大きな空港は発着便も多く、たとえばロンドン〜エディンバラ間は、ブリティッシュ・エアウェイズだけで1時間に1本の割合で飛んでいるほか、bmi(ブリティッシュ・ミッドランド航空)や格安のイージージェット、フライビーなども運航。航空会社でも出発の14日前に予約を入れると主要空港への料金が半額になるなど、利用法によっては、鉄道の1等料金より安くなることもある。なお、トーマスクックなどの旅行会社でも各種割引券を扱っている。

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チケット予約

正規料金を見ると、イギリスの国内線の運賃は鉄道やバスより高め。しかし、予約の方法や時期によっては、鉄道よりも安くなることもある。まず、航空会社で直接買う場合、日本の「早割」のような購入時期による割引をはじめ、スタンバイ割引、夜間割引、季節割引などの各種割引がある。インターネットで予約できるので、日本を出発する前に手配しておきたい。ちなみにイージージェットなどの格安航空券は、インターネット予約とカード決済のみの手配となる。一方現地で調達する場合は、トーマスクックなどの旅行代理店で手配すれば、正規運賃よりかなり安めの割引料金で購入することが可能だ。またbmiの「ディスカバー・ヨーロッパ・エアパス」は現地のディスカウント料金よりは高いが、正規運賃よりは安く、出発前に日本の旅行代理店で購入できるうえ、90日間有効だ。最初のフライト以外は現地で24時間前までに予約すればいいので、現地で予定を決めたい人や滞在が長めの人などにも使いやすいはず。

■ロンドンとおもな都市間の所要時間

エディンバラ 1時間15分~
インヴァネス 1時間50分~
ニューキャッスル 1時間15分~
マンチェスター 55分~

おもな航空会社

■ブリティッシュ・エアウェイズ
電話 0844-493-0787
電話 03-3298-5238(日本)
URL www.britishairways.com
■イージージェット
電話 0330-365-5000
URL www.easyjet.com
■bmi(ブリティッシュ・ミッドランド航空)
電話 0330-333-7998
URL www.bmiregional.com
■フライビー
電話 0371-700-2000
URL www.flybe.com

 

 

レンタカー

コッツウォルズ、湖水地方、ウェールズ、スコットランドなどの観光地では、鉄道やバスの便がない場所や、あっても非常に少ないところも多い。主要な駅までは鉄道で移動し、駅からレンタカーでまわるのが賢明だ。イギリスは日本と同じ右ハンドル、左側通行なので、日本人には運転しやすい。

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予約から返却まで

■ 予約する
(日本から) レンタカー会社に電話またはインターネットで申し込む。基本的に、日程、貸し出し(チェックアウト)の場所、返却(チェックイン)の場所、運転者の氏名と年齢、クレジットカード番号、希望の車種を伝えるだけ。
(現地で) 空港のレンタカーカウンターやツーリストインフォメーション、主要鉄道駅の営業所、ホテルなどで手続きできる。運転者名義のクレジットカードが必要。所持していない場合はデポジット(保証金)が必要になる。

■ 借りる
日本で予約をした場合は、現地のカウンターに「予約確認書」「国際運転免許証」「日本の免許証」「パスポート」「登録してあるクレジットカード」を提示すれば、すぐに車の鍵と契約書を渡してくれるので、契約書に記載されている事項をチェックして自分のサインを記入。

■ 返却
レンタカーオフィスの返却スペースに車を停めるとスタッフが走行距離、ガソリン残量を確認して駐車スペースの位置を指示してくれる。そこに停めたあと、カウンターで精算手続きをして完了。ガソリンを満タンにして返すかどうかは、借りる際に確認しておこう。

予約先の一例

■AVISレンタカー日本総代理店 オーバーシーズ・トラベル
電話 0120-31-1911
営業時間 平日9:00~18:00
URL www.avis-japan.com
mail avis@avis-car.jp

AVISレンタカーはヒースロー空港、ガトウィック空港、ロンドン市内、オックスフォード、エディンバラなどイギリス国内に多く営業所がある。事前に日本で予約してEチケットを購入するプランと現地でクレジットカードで支払うプランの2種類がある。オートマ車を希望の場合は、日本から早めに予約しよう。

フェリー

周囲を海に囲まれたイギリス。ワイト島やチャネル諸島など小さな島が多く点在し、それらの行き来にはフェリーは不可欠。最近では高速艇も登場し、時間も短縮されて、ますます利用しやすくなっている。

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■おもな航路と所要時間

サザンプトン⇔ワイト島 1時間
リヴァプール⇔マン島 3時間15分
アバディーン⇔カークウォール 6時間
アバディーン⇔シェトランド諸島 14時間30分

おもなフェリー会社

■ワイト島 Red Funnel
電話 0845-155-2442(英国外から)
■チャネル諸島 Condor Ferries
電話 0120-220-7216
URL www.condorferries.co.uk
■マン島 Steam Packet
電話 08722-992-992
URL www.steam-packet.com
■オークニー・シェトランド諸島NorthLink Ferries
電話 0845-6000-449
URL www.northlinkferries.co.uk

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。