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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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【上海+α観光】蘇州で世界遺産の庭園を見る

由緒ある蘇州古典園林や行き交う遊覧船、伝統的な手仕事など、街のさまざまな表情を探してみよう。

美しい庭園と運河が残る古都 蘇州(スウヂョウ/Suzhou)

東洋のベニスと謳われた運河の街
春秋時代に呉の都として栄えた古都。紀元前514年に呉王・闔閭がこの地に城を築いたことから街が形成され始めた。元代にはマルコ・ポーロが訪れ、運河と街並みの美しさを「東洋のベニス」と称して絶賛した。
街中に網の目のように張りめぐらされた運河や、明代に造られた江南庭園の数々は今も旅行者の目を楽しませてくれる。特産は豊富な水資源を生かして発展した絹織物。農業や漁業も盛んで、「魚米之郷」とも呼ばれている。

ACCESS
●電車で
おもに上海虹橋駅から出ている高速鉄道で約30分。1日40便以上が運行。上海駅からは所要1時間の快速列車も多数発着。
●バスで
上海旅遊集散中心から直通ツアーバス、または上海駅、上海虹橋駅、上海南駅の長距離バスターミナルから約1時間20分。
●車で
チャーター車やタクシーで約1時間20分。料金は交渉制になる場合が多い。目安は片道300元。

水と緑がつくり出す造形美 世界遺産の蘇州古典園林

蘇州観光で見逃せない蘇州古典園林。池や楼閣が巧妙に配置された庭園美に圧倒される。

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街中にある無数の橋。そのひとつひとつが長い運河の歴史を物語る

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道沿いには素朴な民芸品や軽食の屋台が建ち並ぶ

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池の周りに回廊や東屋、築山が隠れている。腰かけられる石も多数。水辺をのんびりめぐってみよう

蘇州最大級の世界遺産の庭園美を堪能 拙政園(ヂュオヂョンユエン/拙政园)

明代に中央政府の高官だった王献臣が失脚したあと、大宏寺に造られた庭園。庭園名は、晋代の詩人・潘岳の詩『閑居賦』の一節にある「拙者之為政(愚か者が政治を司る)」に由来する。敷地面積は約5万㎡。池と建物の対比が美しく、四季折々の景観が楽しめる。

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見る位置によって池の印象が変わっていく

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拙政園は約6割を池が占める水の庭園。樹木や建物が随所に配され、見る位置によって景色が大きく変わる

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荷風四面亭 フーフォンスーミエンティン荷风四面亭
蓮池に浮かぶようにして建つ。「荷」とは中国語で蓮のこと。花の季節になると四方から蓮の花の香りが漂う。この亭から眺める池越しの庭園風景は、ことに素晴らしい。

拙政園

現地名:
拙政园
住所:
東北街178号
アクセス:
蘇州駅から車で10分、または遊2路のバスで拙政園下車
TEL:
0512-6751-0286
営業時間:
7:30~17:30
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.szzzy.cn

奇石群が獅子の形に見える 獅子林(シーズーリン/狮子林)

創建は14世紀の元代で、敷地面積は4万㎡。庭園の大半を穴ぼこだらけの太湖石が埋めている。築山や洞窟が迷路のように続くので迷わないよう注意を。園名の由来は庭園内の太湖石が獅子の形に見えたためといわれる。園内には石船を模した建物の茶館がある。

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複雑な形の太湖石を積み上げてできた築山に石橋が架かる

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奇石を抜けると真ん中に池が

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洞窟や石畳、築山など凹凸が多いので履き慣れたスニーカーで出かけよう

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太湖石 タイフウシー太湖石
獅子林の園内には無数の太湖石があるが、そのでこぼこ具合から獅子の形に見える石もあり、園名の由来ともいわれている。角度によって違った表情に見える石の姿をじっくり眺めてみよう。

獅子林

現地名:
狮子林
住所:
園林路23号
アクセス:
蘇州駅から車で10分、または遊2路のバス・獅子林下車
TEL:
0512-6727-8316
営業時間:
7:30~17:00(冬季は~16:30)
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.szszl.com

最古の庭園。池と竹林で彩られた景観美 滄浪亭(ツァンランティン/沧浪亭)

900年前後の唐代末期に呉越の広陵王・銭元燎の花園として造られた、蘇州で最も古い庭園。その後、宋代に詩人の蘇舜欽がここを所有し、滄浪亭と名付けた。現在の庭園は清代に改修されたもの。園内には書斎や竹林、東屋などが静かに点在している。

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池に沿って優雅に延びる白壁の回廊。歩を進めるたびに新たな風景に出会う

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屋根瓦にも悠久の歴史がひっそりと蓄積されている

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洞門・漏窓 ドンメン・ロウチュワン洞门・漏窗
太湖石で造られた築山には、中を通り抜けられる洞門が掘られ、野趣あふれる散策路となっている。回廊に見られる透かし彫りの漏窓のひとつひとつ異なるデザインも必見だ。

滄浪亭

現地名:
沧浪亭
住所:
人民路滄浪亭街3号
アクセス:
蘇州駅から車で20分、または遊4路のバスで滄浪亭下車
TEL:
0512-6519-4375
営業時間:
7:30~17:00(11月1日~4月15日は~16:30)
定休日:
無休 

歴代書道家の石刻は必見 留園(リウユエン/留园)

中国四大名園のひとつで、16世紀の明代に徐時泰の自家庭園として造られた。その後、幾度かの改修を経て、清代の1875(光緒元)年に現在の形になった。緻密な造りの園内は中、東、西、北と4景区に分かれている。歴代書道家による石刻がはめ込まれた回廊も。

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富豪たちは競って庭園に太湖石を集めた。細長く穴が多いほど貴重とされる

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涵碧山房 ハンビーシャンファン涵碧山房
留園の中心的な建物で、庭園の代表的風景。池に面してテラスのような広い露台が配されている。夏には水面に蓮の花が咲き誇り、対岸には太湖石の築山や風流な東屋(可亭)の建つ景色を楽しめる。

留園

現地名:
留园
住所:
留園路338号
アクセス:
蘇州駅から車で10分、または遊1路のバスで留園下車
TEL:
0512-6533-7903
営業時間:
7:30~17:00
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.gardenly.com

ドラマチックな歴史の世界へ 史跡&名所巡り

紀元前514年からと長い歴史をもつ蘇州には、歴史ファン必見の見どころがたくさん。

黄色い壁が印象的な漢詩の舞台の古刹 寒山寺 ハンシャンスー/寒山寺

502〜519年(天監年間)に建立された禅宗の古刹。唐代の僧・寒山が住んだことから寒山寺と呼ばれるようになった。漢詩『楓橋夜泊』の舞台。

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鐘楼。大晦日は除夜の鐘をつく人で毎年のように大行列ができる

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鐘は1回つくと10歳若返るといわれている。詩人・張継は楓橋でこの音を聞きながら詩を詠んだ

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日本でも有名な漢詩『楓橋夜泊』の石碑は必見

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境内の太湖石。撮影スポットのひとつ

寒山寺

現地名:
寒山寺
住所:
寒山寺弄24号
アクセス:
蘇州駅から車で20分
TEL:
0512-6533-6634
営業時間:
7:00~17:00 冬季7:30~16:30
定休日:
無休 

三国時代のランドマーク 北塔報恩寺 ベイターバオエンスー/北塔报恩寺

呉の孫権が母の恩に報いるために建てた寺の境内に建つ塔。現在の名は北周時代についた。8角9層の構造で、最上部までは階段で上ることができる。

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6階までは南宋時代に、7〜9階は明代に改修されている。『三国志』ファンならぜひ最上部まで上りたい

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塔の最上部から眺めた蘇州市街地。遠くまで見渡すことができる

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黄色い壁にぐるりと囲まれた境内

北塔報恩寺

現地名:
北塔报恩寺
住所:
人民路1918号
アクセス:
蘇州駅から車で5分、または遊1路のバスで北寺塔下車
TEL:
0512-6753-1197
営業時間:
7:45~17:30(冬季は~17:00)
定休日:
無休 

神秘的な伝説を持つ丘 虎丘 フウチウ/虎丘

紀元前、春秋時代の呉王・夫差が父のために築いた陵墓。埋葬直後に白い虎が墓前にうずくまったという言い伝えがある。丘の上の塔は961年竣工。

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不思議な伝説が残る場所が敷地内に40ある。急な坂や階段もあり、ちょっとした登山気分が味わえる

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961年創建の中国最古のレンガ塔。地盤沈下で少し傾斜している

虎丘

現地名:
虎丘
住所:
虎丘山門内8号
アクセス:
蘇州駅から車で5分、または遊2路のバスで虎丘山下車
TEL:
0512-6723-1305
営業時間:
7:30~18:00(11月1日~4月15日7:30~17:00)
定休日:
無休 

「観前街」を見守る道教寺院 玄妙観 シュエンミャオグワン/玄妙观

晋代に創建された道教寺院。中央の三清殿には道教の至高尊神である玉清、上清、太清の三清像が祀られている。

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賑やかな観前街に建つ巨大寺院。宋代以降の立派な建築が建ち並び、周辺や裏手には市場や屋台が出る通りが入り組んでいる

玄妙観

現地名:
玄妙观
住所:
観前街94号
アクセス:
蘇州駅から車で5分、または遊1路のバスで観前街下車
TEL:
0512-6727-6616
営業時間:
7:30~17:15(冬季は~16:45)
定休日:
無休 

唯一現存する城門 盤門 バンメン/盘门

蘇州城に紀元前508年に築かれた8つの門のひとつ。現存する門は元代の再建。付近の寺院と橋、門が生み出す光景が風情を誘う。

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美しい風景から付近の呉門橋、瑞光寺とともに盤門三景と呼ばれる

盤門

現地名:
盘门
住所:
東大街49号
アクセス:
蘇州駅から遊5路のバスで20分、盤門景区北下車、徒歩10分
TEL:
0512-6526-0004
営業時間:
7:30~17:30(12~2月は~17:00)
定休日:
無休 

太平天国・忠王の住居 忠王府 ヂョンワンフウ/忠王府

太平天国の乱の最中、李秀成が指導本部兼住宅として建てた大邸宅。館内では青銅器や絹織物を展示している。

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建物は1860年に建てられたもの。かつては拙政園の一部だった

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往時の会議所には玉座が置かれている

忠王府

現地名:
忠王府
住所:
東北街204号蘇州博物館内
アクセス:
蘇州駅から車で10分、または遊2路のバス・蘇州博物館下車
営業時間:
9:00~16:00
定休日:
月曜 

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷる上海 蘇州」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2017年6〜8月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので、現在取り扱っていない可能性があります。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。