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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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バルセロナ【サグラダ・ファミリア】ガウディを訪ねる

ガウディ没後100年にあたる2026年に向けて、急ピッチで完成へ近づいているサグラダ・ファミリア聖堂。「未完」の聖堂を見るならば、今をおいてない。奇想の天才建築家が残した数々の傑作建築を訪ねる旅へ。

Whois ガウディ Antoni Gaudí i Cornet ?

19世紀末、カタルーニャ地方で花開いたモデルニスモ運動を牽引した建築家。1852年、銅細工師の末子として生まれ、バルセロナを中心に数々の建築を残した。サグラダ・ファミリア聖堂をはじめとする彼の建築群は1984年に世界遺産に登録された。

ガウディを知る8つのキーワード

どのようにして独特の建築群が造られたのか。彼の人生を理解するための8つのキーワード。

カタルーニャ

グエルの繊維業など、当時のカタルーニャは工業が発達し、好景気による建築ラッシュの時期。独自の文化が模索され始めており、ガウディのような新しい才能が求められていた。

モデルニスモ

花や植物をモチーフとした装飾や曲線的な美が特徴のアール・ヌーヴォーが、カタルーニャ地方で独特の発展をしたもの。ガウディのほか、モンタネールやプッチの建築が代表例。

パトロン

ガウディの才能をいち早く見いだし長年にわたって支えたのが、バルセロナで繊維業を営むエウセビオ・グエル。グエル公園やグエル邸など、2人の協力によって造られた建築は数多い。

自然への愛

ガウディの造る一見奇抜に見える造形も、多くは生物や植物をモチーフにしている。よく見られるのは巻貝を模した渦巻き構造。自然界には見られないからと、直線や角を極力排除した。

アシャンプラ

ガウディ建築が多く残るアシャンプラは、人口拡大に対応するために19世紀後半から拡張された地域。正方形の角が落とされた八角形の区画が碁盤状に並ぶ、美しい街並みが広がる。

リサイクル

ガウディ建築の特徴のひとつが、廃材の再利用。グエル公園のベンチを彩るカラフルなタイルは不良品の陶器を砕いたもので、工事中に掘り出された自然石なども利用されている。

カトリック

サグラダ・ファミリア聖堂の建築を引き受けるまでは、ガウディはむしろ宗教嫌いだったという。教会建築に携わるうちにカトリックに没頭し、晩年には宗教建築以外の仕事を断っていた。

ゲーテ&ワーグナー

ガウディに強い影響を与えた2人。ゲーテから学んだ自然界への愛と、ワーグナーが提唱したさまざまな芸術を混淆する総合芸術という概念を建築に昇華し、ガウディの理念が生まれた。

アントニ・ガウディ年譜 1852-1926

1852 0歳 スペインのカタルーニャ州タラゴナ県レウス市に生まれる
1873 21歳 バルセロナの建築学校に入学
1874 22歳 助手として、フォンセレー作『シウタデリャ公園』建設に携わる
1878 26歳 バルセロナ建築学校卒業 『レイアール広場の街灯』
1883 31歳 『カサ・ビセンス』(〜1885)『サグラダ・ファミリア聖堂』(建設中)
1884 32歳 『グエル別邸』(〜1887)
1886 34歳 『グエル邸』(〜1889)
1887 35歳 サグラダ・ファミリア聖堂の中にみずからの仕事場を設ける 『アストルガの司教館』(〜1893)
1888 36歳 バルセロナ万博開催。パビリオンのデザインを手がける 『サンタ・テレサ学院』(〜1890)
1892 40歳 『カサ・デ・ロス・ボティネス』(〜1893)
1895 43歳 『ボデーガ・グエル』(〜1901)
1998 46歳 『カサ・カルベット』(〜1900) 『コロニア・グエル教会地下聖堂』(着工は10年後、未完)
1900 48歳 『ミリャーレス邸の門』(〜1902) 『ベリェスグアルド』(〜1909) 『グエル公園』(〜1914)
1904 52歳 『カサ・バトリョ』(〜1906)
1906 54歳 グエル公園内の邸宅(現在のガウディ博物館を購入。父、名とともに移り住む 『カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)』(〜1910)
1908 56歳 『サグラダ・ファミリア付属学校(〜1909)
1910 58歳 パリのグラン・パレでガウディ展が開催される
1918 66歳 ガウディの良きスポンサーグエル死去
1925 73歳 サグラダ・ファミリア聖堂内の仕事場に住まいを移す
1926 73歳 路面電車にはねられ、3日後に死去
1936 スペイン内戦でサグラダ・ファミリア聖堂の図面や模型など、多くの貴重な資料が失われる

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ランブラス通り近くにある、ガウディ初期の作品グエル邸

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グラシア通りに建つカサ・バトリョ。地中海をテーマに造られた

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カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)はガウディが手がけた最後の民間建築

ガウディ建築は予約を!

サグラダ・ファミリア聖堂をはじめ、多くのガウディ建築は入場人数に制限があるため、長い行列ができる。事前にWebで予約しておくのがおすすめだ。当日券より割安になる施設もある。各施設のホームページに、チケット購入のページがあるのでそこで購入後、印刷などをして持参すればいい。

サグラダ・ファミリア聖堂
15分ごとの入場時間を選択。さらに塔への入場もつけた場合は、生誕と受難の塔のどちらかのエレベーターを、15分ごとの時間から選択。

グエル公園
30分ごとの入場時間を選択。

カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)
30分ごとの入場時間を選択。

カサ・バトリョ
30分ごとの入場時間を選択。優先的に入場できるファストパスあり(追加€5)。

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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年7〜9月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので現在取り扱っていない可能性があります。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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