集合住宅建築

19世紀から使われ始めた鉄、ガラス、コンクリートといった新素材は、オーギュスト・ペレなどの手により使用法が洗練されていった。コンクリートの父と呼ばれる彼は、フランクラン通りやパッシー門広場の住宅など優れた作品を残している。19世紀末には民衆のための集合住宅建設が活発化し、アンリ・ソヴァージュなどの建築家がHBM(低家賃の公共集合住宅)建設に関わっている。このあと、1922年に「住宅は住むための機械である」と著作で述べた、近代建築の巨匠と評されるル・コルビュジエが台頭することになる。

現代建築

第二次世界大戦においてパリは市内の被害が少なく、そのために現在もオスマンの大改造以降の建物は保存されたままだ。しかし、戦後の復興と経済発展にともない、パリは急増した人口に対する住居確保などに対応する必要に迫られた。そこで、都市の現代化として高層ビルの建設が進められた。この方針は1970年代半ばまで続き、エッフェル塔以南の地帯は現在もビルが建ち並ぶ。トゥール・モンパルナスが建てられたのもこの時期だ。

また、戦後はポンピドゥーやミッテランといった大統領主導による巨大再開発プロジェクトが進められた。1977年開館のポンピドゥー・センターや、フォーラム・デ・アルはポンピドゥー政権下で建てられた。ミッテランが進めたグラン・プロジェでは、オペラ・バスティーユや新国立図書館、新凱旋門が新設され、ルーヴル美術館の全面改造により、ガラスのピラミッドが現れた。これらの建物は新しいパリのモニュメントとして不思議と街と調和している。

新凱旋門

パリの副都心ラ・デファンスで必見。大理石製の白いアーチは高さと奥行が110m、幅106m。

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新凱旋門

現地名:
La Grande Arche
住所:
1 Parvis de la Défense
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アクセス:
メトロ1号線、RER A線 La Défense Grande Arche ラ・デファンス・グランダルシュ駅から徒歩1分
TEL:
01-49-07-27-27
営業時間:
10:00~20:00(9~3月は~19:00)
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.grandearche.com

ポンピドゥー・センター

レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計。元大統領のポンピドゥーが提唱した「現代的芸術創造」を主題に、美術館や映画館が入っている。

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ポンピドゥー・センター

現地名:
Centre Georges Pompidou
住所:
Pl. Georges Pompidou, 4e
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アクセス:
メトロ11号線Rambuteauランビュトー駅からすぐ
TEL:
01-44-78-12-33
営業時間:
11:00~22:00(木曜は~23:00)、施設により異なる
定休日:
火曜、5/1 
Webサイト:
http://www.centrepompidou.fr

アール・ヌーヴォーの旗手 ギマールの建築

今なおパリの街を新鮮に彩るギマールの建築物は、まるで生き物のようにうねる曲線が魅力的だ。
エクトール・ギマールはカステル・ベランジェの設計で非常に賞賛され、これをきっかけにメトロの駅入口のデザインを依頼される。複数のパターンをデザインし、これが鉄材の使用により量産された。10年後にメトロの仕事を終え、ラ・フォンテーヌ街に集合住宅を建設。手すりなどに驚異の発明能力を見せ、その後の建築に多大な影響を与えた。

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メザラ邸

M9号線 Jasmin ジャスマン駅から徒歩5分

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メザラ邸

現地名:
Hôtel Mezzara
アクセス:
メトロ9号線 Jasmin ジャスマン駅から徒歩5分

ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ通りの集合住宅

M9号線 Jasmin ジャスマン駅から徒歩8分

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ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ通りの集合住宅

現地名:
Rue Jean de La Fontaine
アクセス:
メトロ9号線 Jasmin ジャスマン駅から徒歩8分

カステル・ベランジェ

M9号線 Ranelagh ラヌラグ駅から徒歩8分
1895~1897年にギマールが設計した集合住宅で、最も初期のアール・ヌーヴォー建築例。パリ市から賞を授けられた。

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カステル・ベランジェ

現地名:
Castel Béranger
住所:
14 Rue Jean de la Fontaine, 16e
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アクセス:
メトロ9号線 Ranelaghラヌラグ駅から徒歩8分

今なおモダンな近代建築の父 コルビュジエの建築

コルビュジエが提唱した近代建築5原則を具現化した、モダンで洗練された美しいデザインをみせる。
ル・コルビュジエの代表作サヴォワ邸はパリ郊外のポワッシーにある。彼が1926年に提唱した近代建築5原則、つまりピロティ、屋上庭園、自由な平面、横に長い窓、自由な立面を具現化している。また16区のラ・ロシュ・ジャンヌレ邸もコルビュジエの手によるもの。奥の邸宅は見学が可能だ。近くのアトリエも公開している。

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サヴォワ邸

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サヴォワ邸

現地名:
Villa Savoye
住所:
82 Rue de Villiers, Poissy
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アクセス:
RER A5号線 Poissy ポワッシー駅からバスで5分
TEL:
01-39-65-01-06
営業時間:
10:00~18:00(9~4月は~17:00)
定休日:
月曜、一部祝日 
Webサイト:
http://villa-savoye.monuments-nationaux.fr

ラ・ロシュ・ジャンヌレ邸

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ラ・ロシュ・ジャンヌレ邸

現地名:
Villas La Roche-Jeanneret
住所:
8-10 Square du Docteur Blanche, 16e
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アクセス:
メトロ9号線 Jasmin ジャスマン駅から徒歩5分
TEL:
01-42-88-41-53
営業時間:
10:00(月曜13:30)~18:00
定休日:
日曜、祝日 
Webサイト:
http://www.fondationlecorbusier.fr
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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載している情報は、2016年5〜7月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。