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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

フランス出発前の準備 パスポート、ビザは?

楽しい旅行のための大切な第一歩は、入国審査や空港への移動。憧れの地に到着しても、不安ばかりではもったいない。どのような手順で出入国するのか、市内までの交通手段など、日本で事前に準備を整えて、ストレスのない旅を始めたい。

出発前の準備 PREPARATION

肝心なのはパスポートと航空券

パスポートとビザ(PASSPORT & VISA)

パスポート(旅券)(PASSPORT)

パスポートは海外で自分の国籍を証明する大切な書類。これがなければ外国の出入国も日本の出入国もできない。旅行の予定が決まったら、まずはパスポートを取得しよう。 すでに取得している場合は、有効期限をチェック。入国に必要な残存期間を満たしていない場合は、パスポートを更新しなければならない。原則的に有効期限まで1年を切っていれば、いつでも更新手続きができる。

●パスポートを作る
発行日から5年間有効な5年旅券と、10年間有効な10年旅券があり、どちらかを選ぶ。ただし20歳未満が申請できるのは5年旅券のみ。申請から受領まで通常8~10日。写真や身分証明書の規定は外務省のサイトなどで確認したい。

外務省 パスポート A to Z
www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport

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申請のために用意するもの

一般旅券発給申請書 1通(窓口にある)
戸籍謄本または戸籍抄本 1通
※有効期限内のパスポートを切り替える場合は、氏名や本籍に変更がなければ不要
住民票の写し 1通(6か月以内に発行のもの)※住民基本台帳ネットワークを利用して本人確認ができる場合は住民票の写しの提出は原則不要。居所申請では必要。
写真 1枚(縦45㎜×横35㎜、フチなし、正面、無帽、無背景、顔部分のサイズなど規定どおりのもの)
申請者の身分を確認するための書類 
※住基ネットワークで確認ができない人や居所申請の場合は住民票が必要

申請する場所

住民登録をしている都道府県または市町村のパスポート申請窓口

受領のために必要なもの

申請時に渡された受理票
手数料

■パスポートの交付(受取)手数料
10年旅券 1万6000円
5年旅券  1万1000円(12歳未満6000円)

必要なパスポートの残存有効期間(TERM OF VALIDITY OF PASSPORT)

滞在日数+3カ月以上
フランスを含むシェンゲン協定加盟国の合計滞在日数+3カ月以上の有効期間が残っていることが条件。また、査証欄の余白は原則として2ページ以上。

ビザ(VISA)

90日以内の観光目的の滞在ビザ不要
ビザは入国に必要な書類のひとつ。フランスの場合、日本国籍で、観光や商用で90日以内の滞在なら不要。ただし、フランスはシェンゲン協定加盟国のため、「協定加盟国での滞在日数は180日以内に合計90日まで」という制限がある。たとえば、フランスとイタリアに連続して90日ずつ滞在することはできない。ほかに、出国用航空券や滞在費、海外旅行保険証、保護者の渡航同意書(18歳未満)などの提示を求められることもある。

航空券(AIR TICKET)

航空券には種類があり、旅行者がよく使うのは、PEX航空券か格安航空券の2種類だ。PEX航空券は航空会社、格安航空券は旅行会社で買う。季節により料金が異なり、料金には運賃のほかに、空港使用料や燃油サーチャージなどが加算される。時期やマイレージのことを考えるとPEXのほうが割安なことも。

PEX航空券(PEX AIR TICKET)

PEX運賃とは正規割引料金のこと。PEX航空券には、IATA(国際航空運送協会)に参加している航空会社で共通に使えるIATA PEX航空券、各航空会社が独自に料金を決めるZONE PEX航空券、事前に購入する時期が限定されているAPEX航空券などがある。予約時に便名を確定できるほか、各種サービスも良いが、格安航空券に比べると料金は高め。

格安航空券(DISCOUNT AIR TICKET)

旅行会社が団体ツアー用に仕入れているチケットを個人に販売するため、低料金。そのため期間が短いものや帰りの便を変更できない航空券が多い。価格競争により、非常に安い航空券も出回っているが、便名が確定しない、申し込みが殺到しオーバーブッキングになる、複数の旅行会社間でダブルブッキングになるなどのトラブルも起きやすい。

■格安航空会社(LCC)について 
運航コストの軽減や機内サービスの簡略化・有償化などにより、低料金での運航を可能にした航空会社。ローコスト・キャリア(LCC)とも呼ばれる。航空券の購入時期を問わずキャンセル料は100%かかることが多いので注意。

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荷物・服装(BAGGAGE & CLOTHES)

服装(CLOTHES)

気温は東京よりも低く、石畳の道は底冷えするので、冬の防寒対策はしっかりとしたい。夏も日中こそ暑くなるが夜には冷えることもあるので、上に羽織れるものを携帯するとよい。昼間の観光は歩きやすさも考えて、軽装に。あまり上等な身なりはスリにも狙われやすい。高級レストランでの食事やオペラ鑑賞のときは普段よりもおしゃれにしたい。

荷物(BAGGAGE)

帰国時の荷物は確実に増える。飛行機の重量制限を超えないよう荷物はなるべく少なめに。携帯電話などを現地で使うつもりなら、充電器の対応電圧を確認しておきたい

◎絶対に持っていく必要のあるもの
パスポート
パスポートのコピー(パスポートとは異なる場所に保管)
現金
航空券
クレジットカード
海外旅行保険証
ホテルの予約確認書
国際運転免許証/日本の運転免許証(レンタカー使用時)
常備薬

◯現地での必須アイテム
衣類、防寒着
下着

▲あると便利なもの、あったほうがよいもの
日焼け止め、サングラス
化粧品、洗面用具
筆記用具
カメラ
メモリーカード
携帯電話、スマートフォン
充電器
変圧器、変換プラグ
折りたためる袋
ウェットティッシュ

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海外旅行保険(TRAVEL INSURANCE)

病気やけが、盗難ほか、思いもよらないトラブルに対処、補償するのが、海外旅行保険。万一に備えて海外旅行保険には絶対に加入しておきたい。申し込みは旅行会社やインターネット、空港の保険会社窓口でも可能。

アシスタンス・センター 
緊急の際は、保険会社のアシスタンス・サービスへ電話をしよう。どの保険会社も日本語対応、24時間受け付けで、病院の手配はもちろん、救援者の渡航や宿泊に関する手配、保険金請求の手続きの案内などを行なっている。

[保険が適用されないケース(保険会社により異なる)]
■現金類の盗難・紛失 現金、小切手、株券、その他の有価証券など
■慢性病・妊娠・歯科の治療
■戦争・暴動・天災などによる被害 テロの場合は保険会社が判断

おもな保険会社
・AIU保険       www.aiu.co.jp/travel
・ジェイアイ傷害火災保険 www.jihoken.co.jp
・損保ジャパン日本興亜  www.sjnk.co.jp
・エイチ・エス損害保険  www.hs-sonpo.co.jp
・三井住友海上      www.kaigairyoko-hoken.jp

保険の種類

傷害死亡/傷害治療/後遺障害(基本契約) 
海外旅行中の事故によってけがをした、死亡した、後遺障害が残った、治療を受けたなどの場合。傷害に関わる保険のみ基本契約で、海外旅行保険加入の際、必ず入らなければならない

疾病死亡/疾病治療(特約) 
海外旅行中に病気になり死亡した、あるいは治療を受けたとき

賠償責任(特約) 
海外旅行中に誤って他人にけがをさせてしまったり、他人の物を壊してしまい法律上の賠償責任を負ったなどの場合

携行品損害(特約) 
海外旅行中にスーツケース、カメラなど、所有物が偶然の事故により壊れたり、盗まれたりしたとき

救援者費用(特約) 
海外旅行中、病気やけがにより死亡または入院し、日本から家族が現地に行った場合の交通費や滞在費を補償

入院一時金(特約) 
けが、病気で2日以上入院した場合

航空機寄託手荷物遅延費用(特約) 
航空機の遅れなどにより、機内に預けた荷物が届かず、当座必要な衣類や日用品を購入した場合

航空機遅延により生じた費用(特約) 
航空機の欠航や遅れにより、6時間内に振り替え便が運航しなかった場合の宿泊費や飲食費を補償

お金の準備(MONEY)

盗難の被害に遭わないためにも、多額の現金は持ち歩かないようにしたい。パリでは小さな食堂や商店以外は、レストランやホテル、ブティックなどほとんどの店でクレジットカードが利用できる。マルシェや蚤の市での買物や、チップを渡す際には小銭が必要。

旅の予算(TRAVEL BUDGET)

費用 
日本〜パリ往復の航空券は6万〜28万円ほど。これに空港税や燃油サーチャージが加算される。宿泊は3・4ツ星ランクの中級ホテルで2万5000円ほど、最高級ホテルになると10万円以上するところも。外食代もなにかと高くつく。カジュアルなカフェやビストロでも、ランチ2100円ほど、ディナー4000〜8000円、少ししゃれたディナーをするなら1万円、星付の最高ランクのところになるとその倍以上はかかる。交通費はメトロが1回券220円ほど。10枚綴りの回数券や各種パスがお得だ。美術館は入館料1000〜1500円ほどで、無料のところもある。観劇代は座席にもよるが、ランクの低い席などは日本より安い場合が多い。

1日分の費用の目安(1人分) 
●宿泊費(1室あたり)9200〜4万6000円(€80〜400)
●交通費{tab}570〜2300円(€5〜20)
●食事代 8000〜1万7000円(€70〜150)
●入場料 無料〜1400円(€0〜12)
※€1=114円で計算しています。

物価

世界的に見ても物価は高く、日本と比べても同じか、それより少し高い。芸術の街らしく、オペラやバレエは日本よりも安い。きりつめるなら外食費や宿泊費が手っ取り早い。

・ミネラルウォーター €1〜(約114円〜)
・グラスワイン €4〜6(約460〜690円)
・コーヒー €2〜4(約230〜460円)
・バゲットサンド €4〜5(約460〜570円)
・たばこ €7.50(約855円)
・観劇チケット €5〜252(約570〜2万9000円)
・メトロの料金 €1.90(約220円)
・タクシーの初乗り €2.60(約300円)
・路線バスの料金 €1.90(約220円)

日本での両替(EXCHANGE IN JAPAN)

空港からホテルに着くまでに必要な現地通貨は、日本で用意しておきたい。空港からパリ市内までの交通費と、ホテルでのポーターへのチップ代が必要だ。到着日が日曜や祝日で銀行が休みであれば、もう少し余裕をもちたい。為替相場にもよるがユーロは日本で両替しておいたほうが一般的にレートが良い。両替できる場所は選択肢が広く、手数料やその店までの交通費なども考えて選びたい。

銀行 
USドルやユーロなど、主要外貨であれば、ほとんどの都市・地方銀行、大きな郵便局で両替ができる。日本での両替は紙幣のみ可能。出発前に空港内で替えるのが楽。

外貨両替ショップ 
今は銀行だけでなくFX業者や金券ショップでも両替ができる。銀行に比べ手数料が安い業者が多い。

外貨宅配サービス 
銀行では三井住友銀行、FX業者ではトラべレックスなどが行なっており、希望の通貨を代引きで自宅や勤務先など指定の場所へ指定日に届けるサービス。両替手数料と送料がかかる。

クレジットカード(CREDIT CARD)

多額の現金を持ち歩くのは危険なので、可能な限り支払いはクレジットカードで済ませたい。また、ホテルにチェックインする際などには、デポジットなど身分を保証する。

利用限度額を調べておく 
海外で高額な出費を予定しているときは、出発前にカード会社に問い合わせておきたい。限度額を上回って利用したい場合は増額してもらう。

暗証番号を調べておく 
ATMでキャッシングする際などに必要。また、ICクレジットカードの場合、フランスでは支払いの際にも暗証番号の入力が必要になることが多い。カード会社に電話などで問い合わせれば教えてもらえるが、回答は郵送になることが多い。

カードに付帯している海外旅行保険に注意 
海外旅行保険が適用されるのは、海外に出たときからなのか、あるいはカードを利用して初めて適用されるのか、どんな事故に適用されるのかなど、調べておかないと、いざというときに必要な補償を受けられないことがある。

カード情報のスキミングに注意 
カード番号などカードの情報を盗まれ、勝手に使用されて引き落とされたというようなことがないよう、カードは信頼できる店で使用しよう。

国際キャッシュカード・国際デビットカード(INTERNATIONAL CARD / Debit Card)

日本の口座の預金を、現地通貨に自動両替して、海外の提携ATM/CDから引き出せるサービス。国際デビットカードは、クレジットカードのように加盟店での支払いにも利用できる(1回払いのみ)。国際キャッシュカードは、SMBC信託銀行(旧シティバンク)や新生銀行など、一部の金融機関が扱っている。

トラベルプリペイドカード(Travel Prepaid Card)

専用口座にチャージした額だけ利用できる海外専用プリペイドカード。提携ATMで現地通貨を引き出すことができ、提携ショップやレストランでは、サインだけで支払いもできる。引出手数料や利用限度額があるが、紛失・盗難時のサポートがあるため、現金を持ち歩くより安心。パスポートがあれば、即日発行可能なものもある。JTBやクレディセゾン、トラベレックスが発行。

オプショナルツアーの予約(RESERVATION OF AN OPTIONAL TOUR)

短時間で効率良く観光したい場合は半日〜1日の観光バスツアーを申し込むといい。治安の面で不安の残る夜の観光も、ホテル送迎が付くナイトツアーなら安心。郊外への日帰り旅行を考えるなら、交通の便が悪い街では、ツアーを利用するほうが時間と手間の節約になる。申し込みは、ほぼどの会社でも日本からオンラインで日本語予約できる。

日本から電話をかける

フランスへの国際電話の国番号 33
利用する電話会社の識別番号、国際電話の識別番号010、33の国番号に続けて、相手先の電話番号(最初の0は不要)をプッシュする。マイライン、マイラインプラスに加入しているときや携帯電話からかけるときは、010からの番号をプッシュする。

パリへ(例)01-23-45-67-89へかける
●-010-33-1-23-45-67-89
・国際電話会社の電話番号(●部分)
KDDI 001
ソフトバンク 0061
NTTコミュニケーションズ 0033

・国際電話識別番号(010部分)

・フランスの国番号33

・相手の番号の最初の0は取る

フランスで有効になる運転免許証と国際学生証について

運転免許証 
レンタカーを借りるには国際運転免許証が必要。取得するには、運転免許センターか運転免許試験場でパスポート、顔写真、日本の運転免許証を提出し、申請すれば、その場で発行される。発行手数料は2400円で、1年間有効。現地で運転する際は日本の免許証の携帯も必要。レンタカー会社によっては21歳以上、1年以上の運転経験などの条件や、25歳以下は追加料金をとられることがある。

国際学生証 
ISIC(International Student Identity Card)カードと呼ばれ、国際的に統一された学生証(身分証明書)のこと。さまざまな契約施設で割引が適用される。ただし、パリでは年齢による割引(おもに26歳以下)が一般的なので、必要かどうかよく検討したい。申し込みは、申込書、写真、学生証のコピー(在学証明書または休学証明書でも可)を添え、大学生協プレイガイドなど、最寄りの発行所に提出する。郵送やオンライン申請も可能。

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載している情報は、2016年5〜7月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。