フランスのミネラルウォーターを巡る旅
by Erik Charlton, CC BY

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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フランスのミネラルウォーターを巡る旅

フランスは良質のミネラルウォーターの生産国として知られています。水に興味の無い方でも、エビアンやペリエ、ボルヴィックという名前を一度は耳にしたことがあると思います。日本では軟水が多いですが、フランスでは殆どが硬水で、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分をたっぷり含みます。



ミネラルウォーターの歴史

フランスのミネラルウォーターには長い歴史があります。ローマ時代から温泉施設があり、その鉱泉水を病気の治療のために飲みだしたことに始まります。今でも「テルマリズム」というミネラルウォーターによる病気の治療は、医師が処方箋を出す正式な医療行為として認められています。

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Les Grands Bains – Serre Chevalier, by serrechevalier, CC BY-ND

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Les Grands Bains – Serre Chevalier, by serrechevalier, CC BY-ND

また、病気でなくても健康のために毎日ミネラルウォーターを飲むフランス人は多いものです。そもそも、フランスの「ミネラルウォーター」という言葉の定義は「健康によい効果をもたらすいくつもの特徴を本質として備えた水」なのです。

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badoit, by jenny downing, CC BY

水源

さて、そんなフランスのミネラルウォーター、その水源も興味深いのです。現在フランスには700もの水源があります。法律で水の殺菌処理が一切禁止されているため、そのぶん水源の自然環境保護が徹底されています。農薬の使用禁止はもちろん、家畜の数や建築許可まで厳しい制限があります。つまり、水源周辺の地域は必然的に豊かな自然が残っているのです。ミネラルウォーターの水源に行くということは、美味しくて健康に良い水を飲み、綺麗な空気を吸って大自然に癒されるということで、心身ともにリフレッシュしたい方には是非お勧めです。

そんなミネラルウォーターの水源地域を巡る旅、いかがでしょうか?ありきたりなフランス旅行のコースに満足できないベテラン旅行者の方、健康への関心が高い方に向けて、とっておきのプランを提案します。

どんな水源があるの?

まず、フランス国内の水源は北から南、西から東へ点在しており、アルザス・ヴォージュ地域(北東部)にヴィッテル(Vittel)、コントレックス(Contrex)、アルプス山脈地域(南東部)にエビアン(Evian)、南仏地域(南部)にペリエ(Perrier)、そしてフランス中央山塊・オーベルニュといった中部地方にボルヴィック(Volvic)、ヴィシー・セレスタン(Vichy Célestins)、バドワ(Badoit)、シャテルドン(CHATELDON)など有名ブランドが集まっています。

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Badoit, by martinrstone, CC BY-SA

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Volvic, by train_photos, CC BY-SA

どこに行けばいいの?

旅のプランの第一ステップは、どの水源に行きたいかを決めることです。1週間以上滞在できるならこれら全てを制覇することも可能でしょう。逆に滞在期間が限られている場合は水源地域を絞ることが考えられます。例えば最も多くの水源が集中している中部地域。

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ボルヴィック, by El Arch, CC BY-ND

リヨンから出発し、バドワ、シャテルドン、ボルヴィック、ヴィシーと4か所訪問する場合、車で片道4時間程度です。もちろん、見学や食事の時間を入れるとさらに長くなりますが、日帰りも可能なのです。

それぞれの水の特色と設備

もう1つの水源選びのポイントは、それぞれの水の特色と付随する設備です。例えばコントレックスは痩身効果があるとのことで、付属の宿泊センターには滞在中のダイエットプログラムが用意されています。エビアンやヴィシーにはスパ施設があり、その水を使った温水プールやマッサージ、エステが利用できます。

Contrexéville, Foursquare.com

Spa Evian Source, Foursquare.com

Le Celestins Vichy Spa Hôtel, Foursquare.com

最後に...

ほとんどの水源は交通アクセスが極めて悪いため、訪問はレンタカーをお勧めします。フランスのレンタカーは事前のインターネット予約ができ、空港に着いたらすぐに各レンタカー会社のカウンターで手続きが可能です(通常英語で手続き可)。必要なものはパスポート、クレジットカード、国際免許証です。なお、田舎の水源地へスムーズにたどり着くため、カーナビ(GPS)は必須です。予約の際に必ずオプションを入れてください。手続きの際、カーナビの設定を英語に変えてもらう事もお忘れなく。後はカーナビに後述リストの行きたい水源のアドレスを入れて、いざ出発です!

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。

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