南フランス旅行に行こう! 〜 コート・ダジュール編
パリ、モン・サン・ミッシェルと共にフランス旅行の目的地として人気の南フランス。一口に「南フランス」と言っても、西は大西洋、東はイタリアに接しており、各地方によってその特色はかなり異なります。けれども日...
更新日:2020年4月13日
フランス中西部を流れるロワール川流域、特にトゥールの周辺は、かつて王侯貴族が多くのお城を建築した場所です。今でもこの地域には古城がたくさん残っており、この辺りは「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」として世界遺産に登録されています。これらのお城はどれもそれぞれ魅力的で全て訪れたいところですが、今回は「王の権威編」と「歴史を彩った女性編」の2つのテーマに分け、それぞれ5つずつ選んでご紹介していきたいと思います。
by Wolfgang Jung, CC BY-ND
世界遺産「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」が登録される前に既に「シャンボールの城と領地」として単体で登録されていた城です。
華麗な装飾の屋根が印象的なこのお城は、フランソワ1世の狩猟目的で作られましたが、彼がここに長期で滞在することはありませんでした。
by Moto Itinerari, CC BY-SA
城が大きすぎて居住性が悪く、また食料調達に不便な立地がネックとなったようです。これだけ立派なお城を別荘感覚で使用していた当時の王の財力を思い知らされます。
by Moto Itinerari, CC BY-SA
Château de Blois, by Ronny Siegel, CC BY
7人の王と9人の王妃が過ごした城です。ブロワ城は中庭を囲むいくつかの建物からなりますが、各棟がそれぞれ異なる時代に建てられている為、建築様式の変遷が見られます。
Château de Blois, by Ronny Siegel, CC BY
中でも有名なのが、フランソワ1世の棟にあるフランソワ1世の螺旋階段で、華麗な彫刻で装飾された八角形のこの階段はルネサンス様式の傑作とも言われています。
Château de Blois, by Ronny Siegel, CC BY
水面に浮かんでいるかの様に見えるアゼ=ル=リドー城は文豪バルザックが「アンドル川にきらめくダイヤモンド」と称えたルネサンス様式の美しい城です。
元々トゥール市長を務めていたジル・ベルトロが築いたものですが、後に彼は横領に加担したと疑われた為、最終的に時の王フランソワ1世にこの美しい城を没収されてしまいました。
その後城の持ち主は何度か変わり、現在は国の所有となっています。お城内部では代々の城主が残した調度品を見る事が出来ます。
by graphiclunarkid, CC BY
陰謀に加担した容疑で当時の城主ルイ・ダンボワーズからシャルル7世が城を差し押さえた後、ヴァロワ朝の王たちが滞在した城です。元々中世の要塞であった建物をシャルル8世以降の王が改築を行いました。シャルル8世はイタリア戦争を通してイタリアの文化の虜となり、城の改築にイタリア人職人を起用した為、お城にはイタリア芸術の影響が見られます。
2代後のフランソワ1世はイタリアからレオナルド・ダ・ヴィンチを招きました。ダ・ヴィンチはアンボワーズ城近くのクロ・リュセ城で生涯を終え、お墓はアンボワーズ城の礼拝堂にあります。
アンボワーズ城の項でお話ししたクロ・リュセ城は、フランソワ1世の招きでフランスに来たレオナルド・ダ・ヴィンチが晩年を過ごしたことで知られています。
今日クロ・リュセ城では寝室や仕事部屋等ダ・ヴィンチの生活の場を身近に感じることはもちろん、屋内及び庭園で彼の設計図に基づいて作られた機械の模型等も展示されています。歴史好きな人にも科学好きな人にも魅力的なスポットとなっています。
この記事は「訪れてみたいロワールの古城10選(part2 歴史を彩った女性編)」へ続きます。そちらも合わせてお楽しみください。
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