教科書から飛び出した「ルール工業地帯」の観光スポット
by Abgeda, CC BY-ND

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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教科書から飛び出した「ルール工業地帯」の観光スポット

教科書に載っていた「ルール工業地帯」を皆さんはまだ覚えていますか?なんとなく、テスト用に覚えただけ、という人やしっかり学んだよ、という人、何のことかさっぱり思い出せない、という人もいると思います。



今更なんでそんな教科書用語を、と思われるかもしれません。古い過去の記憶になっているかもしれないし、最近習ったかもしれない。地理の授業で習うことって、まるでフィクションの様で実感がないけれど、実際に存在していたものや、今もなおそこに存在しているものなのです。



では、ルール工業地帯とは何だったかしらん?簡単に説明すると、オランダに近いドイツの西の端、ライン川沿いにあり炭鉱業で栄えた地方のことです。かつてはドイツ最大の工業地帯でした。



炭鉱業なんてなんか暗いイメージ…と思わず…せっかく授業で学んだワードなので実際に足を運んで見てフィクションではなかったんだ!と勉強した記憶と実体験をつなげて感動してみるのはどうでしょうか。



ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群 (エッセン) - Zeche Zollverein

炭鉱業で栄えたルール工業地帯を語るにここははずせません。世界遺産にも認定された炭鉱跡は目の前で見るとその大きさと重厚さに押しつぶされそうになってしまうほど圧巻です。

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by tm-md, CC BY-SA

今では、炭鉱の町だったという面影のないエッセン市、その中にどーんとそびえたつ第12採掘坑、ここで沢山の人々が働き、ドイツ最大の工業地帯へとつながる日々を作り上げてきたのだと思うと、胸が熱くなってしまいます。

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by Friedhelm Lichtenknecker, CC BY-ND

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by Friedhelm Lichtenknecker, CC BY-ND

炭鉱の暗いイメージを払拭するドイツ独特のバウハウス様式の第12採掘坑は一度見てみて損することはありません。敷地内では期間限定のアートイベントや、炭鉱の人々の様子を垣間見ることができるワークショップがやっていたり、と参加型イベントもあるので、見るだけでは終わらないかもしれません。

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by andre.m(eye)r.vitali, CC BY

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by James K Thorp, CC BY-SA

オープンエアーミュージアム (ハーゲン) - LWL-Freilichtmuseum Hagen

緑豊かな森の中に突如現われる、伝統的な小さな家々。丘や谷もあって、マルクト広場もあってまるで小さな街のよう。大きな建物がどーんと立っている、というミュージアムではなく、多種多様な手工業について学べる小さな家々の集まりとその周辺の森や湖、そのすべてをひっくるめてオープンエアーミュージアムと言います。

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Freilichtmuseum Hagen, by Eichental, CC BY-ND

メルヘンな場所にいるだけでもファンタジーの様なのに、手工業についての展示を見ているとまるで自分が中世時代に行って、その生活を垣間見ているような気分になります。

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Brushmaker, by Beige Alert, CC BY

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Freilichtmuseum Hagen, by Eichental, CC BY-ND

さすが手工業のミュージアムだけあってデモンストレーションも見せてくれるので、ドイツ語や英語を理解せずとも職人さんの働く方法を見てその仕組みがどうなっているのかちゃんと予測がつきます。ミュージアム内だけなく、この小さな街の中を散歩して古い建物を見るだけでも楽しいので、中世時代にタイムスリップしつつ自然も楽しみたい方にはお勧めの場所です。

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Water Wheel, by Beige Alert, CC BY

タイガー&タートル(デュイスブルグ) - Tiger and Turtle – Magic Mountain

ジェットコースターのレールの上を歩こう!という企画名が通ってしまいそうなインスタレーション。丘の上にポツンとジェットコースターがそびえ立つ…え?!よく見ると人がレールの上をちらほら歩いてる?!なんで??と近づくと…

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Tiger and Turtle Magic Mountain, Duisburg, Ruhrgebiet, Nordrhein-Westfalen, by Christiane Jodl, CC BY

ジェットコースターはとにかくハイスピードで駆け抜けちゃうので、ゆっくり気になる視点からじっくり下を見たり横を見たり、なんてできませんよね。それがこのインスタレーションならできちゃうのです。自分の足で一歩一歩前に進む、進み続ければ上にも上がるし下にも行くし、重力に負けそうになったり…。今までにない体験をしたい方には是非お勧めです。夜になれば880個のLEDでライトアップされるので、遠くから全体を見ると神秘的なその姿に感動すること間違いなしです。

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by F. Montino, CC BY

カンプ修道院とそのお庭(カンプリントフォルト) - Kloster Kamp

1123年に建設されたカンプ修道院は小さな丘の上に立っていて、修道院自体はさほど珍しくないバロック調教会なのですが、修道院から見える庭園が圧巻なのです。

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by avda-foto, CC BY-SA

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by Grzegorz Jereczek, CC BY-SA

修道院の手前から段々なった坂の部分に木々が植えられ、広大な敷地の中に手入れされていて整然の並ぶ三角の木々と緑、黄緑、赤やピンクの草と花の絨毯。自然の持つ美しい素材を壊すことなく、庭師さんがしっかり手入れしてくれています。

Kloster Kamp-Lintfort

fotolia by Blickfang

2012に出来上がったハーブ園では食用ハーブだけでなく、薬草も手にすることができます。もちろん気になるものは購入することができ、様々な要望に対応できるこのハーブ園は2016年のもっとも美しい庭園ベスト50のうちの一つに選ばれました。

最後に…

どうでしたか?ルール工業地帯の観光地について少しでも何か新しいイメージを、と地味だけど今のドイツを作る基盤となった街の様子を見て欲しいという思いでご紹介しました。縁の下の力持ち、とでも言いましょうか、ひっそりと輝きを放つ街によければ足を運んでみてください。

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

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