バルセロナ近郊のパラドール、カルドナ城
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まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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バルセロナ近郊のパラドール、カルドナ城

パラドールとはスペイン国営の宿泊施設で、由緒ある古城などを改修した豪華さが売り。バルセロナから約90キロ近く離れたカルドナの古城ホテルを今回紹介しましょう。



ベストシーズン

ずばり夏をおすすめします。理由は次の通り。夏至だと夜10時過ぎでも明るい。天候が安定し雨が少ない。(ただし7月から8月は、超ハイシーズン。6月ぐらいだと比較的混雑が少ない傾向にあります。)

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Claustre al castell de Cardona, by _nur, CC BY-SA

カルドナの古城について

常にイスラム教徒の侵略にさらされてきたスペイン。アラブ人からの侵略を守るため、ロマネスク・ゴシック様式で、9世紀ごろに出来た要塞をかねて出来たのがカルドナ城。天気のいい日はピレネー山脈も望めます。宿泊者でなくても、客室エリアでなければ城への見学は可能です。ただし城内のサン・ビセンス教会は別途入場料が必要です。

サン・ビセンス教会
予約をすれば結婚式も可能です。

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Col·legiata de Sant Vicenç de Cardona, by _nur, CC BY-SA

ミニョーナの塔
高さ13メートル、直径10メートルで、城内に11世紀に建設された塔。

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Vista torre la Minyona, by Queralt jqmj, CC BY-SA

当時イスラム教徒とキリスト教徒が一時期停戦状態にあったことがあり、なんと一部のイスラム教徒が宴会などに招かれることさえあったとか。そこでイスラム教徒の王子アブダラと、クリスチャンであるカルドナ城主の娘・アデライダが恋愛関係になり、密かに結婚式を挙げたそうです。その後二人はこの塔で密会を重ねていましたが、娘の兄弟によって発見されてしまいます。

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Cardona Castle, by Reizigerin, CC BY-ND

いくら停戦状態といえども、敵同士のため家族会議の結果、二人は引き裂かれることに。娘はこの塔に幽閉されました。やがて長い年月が経ち、父親は自分の臨終間際に娘を許すことに。死後彼女は塔から出られましたが、彼女も間もなく死亡し、父親と一緒に埋葬されました。その後アブダラは、彼女を塔に閉じ込めた兄弟たちの子孫を惨殺し、再びイスラム教徒とキリスト教徒の争いに火がついたとか。そんな曰くつきの塔なのです。

カルドナ城の怪談 712号室の客室

例の悲恋話との関連性は定かではありませんが、客室の712号室は奇妙な出来事が頻発することで有名なのです。かってに蛇口が開いたり、人の気配がしたり声がしたり、家具が動いたりといったポルターガイスト現象が報告されています。ホテルの掃除係も、絶対に1人では入らないそうです。

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In the yard of Cardona Castle, by Reizigerin, CC BY-ND

この部屋は普段は閉じられていていますが、ホテル側にリクエストすれば泊めてくれるそうですよ。ただし何が起こっても自己責任でお願いしますね。

カルドナの古城ホテル周辺の楽しみ方

あまり知られていませんが、城のすぐ下にカルドナ市の屋外市営プールがあります。プール開きは年によって多少前後がありますが、おおよそ6月22日くらいから9月の第1週くらいの間です。入場料は1日券5ユーロから6ユーロ程度。(本記事執筆時は2015年3月なので、2015年度の開場日と料金は未定。)

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作者より提供

スペインのカラっとした濃い青空の下、カルドナ城を上に眺めながら泳ぐのは最高ですよ。プールサイドはコンクリート部分が少なく、殆どが芝生です。ところどころ、大きな木が植えられているので、十分な日陰が確保できます。構内には軽食を提供するバルも完備。更衣室も個室になっていて清潔なのでおすすめします。

付近の町も中世の面影を色濃く残す町並みです。散策を楽しんでください。

カルドナの塩山

実は太古の大昔、近くのモンセラット山を含めカルドナ一帯は海中にあったのです。今もその名残で塩山が残っています。中はまるで鍾乳洞のような景色ですよ。

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Muntanya de sal, Cardona, Bages, by Jordi Domènech i Arnau, CC BY-SA

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。

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