更新日:2020年4月13日
バンコクで見逃せないエンタメ タイ舞踊とは?楽しみ方まとめ
あでやかなタイ舞踊や、かつては宮廷でのみ披露された神聖な舞。きらびやかな姿としなやかな動きが生み出す、独特の世界観に魅了され、タイ文化の奥深さを感じたい。
タイ舞踊のキホンQ&A
Q.いつ頃からあるの?
A.現存するタイ文字の碑文から、スコータイ王朝時代にはタイ舞踊が存在していたことがわかっている。アユタヤー王朝時代にはクメール帝国から文化的・芸術的影響を多大に受けつつ、タイ舞踊の基盤ができあがっていった。
Q. 代表的な作品は?
A.仮面劇なら『ラーマキエン』を題材とするもののほか、半人半鳥の天女マノーラーをめぐる物語『マノーラー』も有名。また、タイ各地で庶民が生み出してきた民族舞踊には、各地方の風土や民族性が表れている。
Q.どこで鑑賞できるの?
A.国立劇場をはじめとする各劇場のほか、食事をしながらタイ舞踊が鑑賞できるレストランもあり、外国人観光客向けの人気演目が上演される。神様を祀る祠や寺院では、信者が奉納する伝統舞踊を目にすることもある。
Q.どんな踊りがあるの?
A.ひとくちにタイ舞踊といっても、その内容や表現方法はさまざま。きらびやかな衣装と優雅な舞に代表される舞踊劇や仮面劇、地方によって異なる民族舞踊などがある。
仮面舞踊劇 (コーン)
おもにインドの叙事詩『ラーマーヤナ』のタイ版『ラーマキエン』を演じる舞踊劇のこと。戦いのシーンが多く、足踏みの動きが特徴的。仮面をかぶるのは魔王トッサカンとその手下、ハヌマーンと猿軍団の演者のみ。本来の上演時間は非常に長いため、ダイジェストや一部のみが上演される。
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舞踊劇 (ラコーンラム)
踊りとセリフ、歌などがひとつになったストーリー性の高い舞踊劇。ヒーローとヒロイン、脇役の3人で演じられるノーラーチャートリー、大勢の踊り手が加わるラコーンチャートリー、宮廷内で演じられるラコーンナイ、民衆から生まれたラコーンノークなどがある。
古典舞踊 (ラムマータターン)
スコータイからアユタヤー王朝初期の時代に踊られていた宮廷舞踊。セリフはなく振り付けのみで、歌詞に合わせて厳格に決められた型を音楽にのせて踊る。現在は、舞踊劇の上演前の清めの儀式や劇の途中に披露されることが多い。
民族舞踊 (ラムプーンムアン)
東北部では気候条件の厳しい生活から、楽しみを得るための快活な踊りが多い。気候の温暖な北部では、ランナーなど王朝文化も影響してゆったり上品な踊りだ。金色の長い爪をつけた女性が舞うフォーン・レップが有名。南部はマレーシアやインドネシアの影響を受けた踊り、王宮のある中部は古典舞踊をもとにしたきらびやかな踊りが多い。
そのほかの特殊な舞踊
ボーランカディーは、古典舞踊とも民族舞踊とも異なる特殊な技法を取り入れた舞踊。『タワラワディー』、『スコータイ』、『シビチャイ』、『ロッブリー』など、各地の遺跡に残る壁画などをもとに創作された。
タイ舞踊の代名詞 『ラーマキエン』物語を知ろう
タイ舞踊の最も有名な演目。壮大な物語の概要やあらすじを事前に学んておきたい。
『ラーマキエン』物語とは?
タイの古典文学『ラーマキエン』物語のもととなっているのは、紀元2世紀頃に編集された古代インドの大叙事詩『ラーマーヤナ』だ。『ラーマーヤナ』は東南アジア各地に伝えられ、各国の文化に大きな影響を与えた。 タイでは『ラーマキエン』物語として、トンブリー王朝のタークシン王が戯曲としての基本形を作り、ラーマ1世が1789年に完成させた。もともとの登場人物は311人にのぼり、すべて上演すると720時間かかるといわれるが、現在のショーではラーマ王子と魔王トッサカンの戦いの一部を抜粋して演じられることが多い。
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ラーマ王子と魔王トッサカンが激しく戦う緊張の場面
物語のあらすじ
①ヴィシュヌ神の化身であるアヨータヤー王国のラーマ王子は、ミティラ国の婿取り行事で活躍し、シーダ姫と結婚する。しかし継母の策略で国を追放され、弟のラック王子をともない深い森へと逃れていく。
②ある日森の中でシーダ姫を見かけたランカー国の魔王トッサカンは、彼女にひと目惚れ。金色の鹿を使い2人の王子を誘い出し、その隙に姫を連れ去ってしまう。
③ラーマ王子とラック王子は、白猿ハヌマーンや多くの猿の援軍を味方につけ、トッサカン率いる魔王軍との激しい戦いを繰り広げる。
④心臓を仙人に預けているため不死身のトッサカンを相手に、ラーマ王子たちは苦戦。しかしハヌマーンがトッサカンの心臓が入った箱を盗み出し、ラーマ王子が魔法の矢を放つと同時に箱をつぶして見事勝利。姫を救い出し王国に凱旋する。
おもな登場人物
ラーマ王子
アヨータヤー王国の王子。シーダ姫と結婚するも、継母の陰謀によって国を追われる
ハヌマーン
風神の子で猿の国の王。ラーマ王子の味方となり、猿軍を連れて戦う
魔王トッサカン
ランカー国を支配する魔王で、10の頭と20の腕を持つ
ラック王子
ラーマ王子の弟で、兄とともに追放され森をさまよう
シーダ姫
ミティラ国の美しい姫。婿取り行事で王子と出会い、妃となる
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タイ舞踊を楽しむための【おすすめスポット】
サラ リム ナーム (Sala Rim Naam)
一流料理と踊りで伝統の美
川の西岸にたたずむマンダリン オリエンタルのダイニング。宮殿をほうふつさせる豪華な内装のこのレストランでは、毎夜、中央のステージできらびやかなタイ舞踊のショーが観られる。『ラーマキエン』など物語性のある踊りは見ごたえ十分。
アラカルトメニューが味わえるテラス席ではリバービューが堪能できる
ダンサーのあでやかな舞に引き込まれる。ショー付のセットディナーは2450B(税サ別・要予約)
予算 Ⓛ900B Ⓓ2450B (税サ別)
『ラーマキエン』の一場面やタイ各地の民族舞踊を上演する舞踊ショーは毎晩20:15〜、21:30〜
サラ リム ナーム
- 現地名:
- Sala Rim Naam
- 住所:
- Mandarin Oriental, Bangkok, 48 Soi Oriental, Charoen Krung Rd.
地図を見る » - アクセス:
- BTS シーロム線 S6 サパーン・タークシン駅下車、サートーン桟橋から専用ボートで5分
- TEL:
- 02-437-3080
- 営業時間:
- ランチビュッフェ12:00~14:30、ディナー19:00~22:30※テラスは17:00~22:30(閉店は24:00)
- 定休日:
- 無休
- Webサイト:
- http://www.mandarinoriental.co.jp/bangkok
「日本語」で安心して予約できます。
サラ・タイ (Sala Thai)
手ごろな料金で舞踊鑑賞
タイ舞踊を観ながらディナーが楽しめる老舗レストラン。インドラ・リージェント内にある13世紀のスコータイ様式を模した建物で、中央フロアでは各地方の伝統的なタイ舞踊が披露される。料理は月替わりのセットメニュー。
ショータイムは20:30。アナウンスを交えて7種類のダンスを披露
ディナーとショーで1000B
サラ・タイ
- 現地名:
- Sala Thai
- 住所:
- 4F Indra Regent Hotel, 120/126 Rajaprarop Rd.
地図を見る » - アクセス:
- BTS スクンヴィット線 N1 ラーチャテウィ駅から車で6分
- TEL:
- 02-208-0022
- 営業時間:
- 土曜19:00~21:00
- 定休日:
- 月~金・日曜
- Webサイト:
- http://www.indrahotel.com
国立劇場 (National Theatre)
タイ通好みの本格的劇場
月に2回、格調高い古典舞踊の公演がある。専用HPがないので、言葉が不安な人は日系の旅行代理店に公演予定やチケットについて聞くとよい。
公演前に劇場のカウンターでチケットを購入
国立劇場
- 現地名:
- National Theatre
- 住所:
- 2 Rachini Rd.
地図を見る » - アクセス:
- 王宮から徒歩15分
- TEL:
- 02-224-1342
- 営業時間:
- 第1・2日曜14:00~
- 定休日:
- 月~土曜、第3・4日曜
サイアム・ニラミット (Siam Niramit)
壮大な規模で魅せる舞台
2000席を擁する劇場で、150人もの演者がタイの歴史・文化を空前のスケールで紹介。豪雨や運河など舞台装置も圧巻だ。敷地内はタイの村を再現したテーマパーク
サイアム・ニラミット
- 現地名:
- Siam Niramit
- 住所:
- 19 Tiamruammit Rd.
地図を見る » - アクセス:
- MRT タイ文化センター駅から徒歩10分
- TEL:
- 02-649-9222
- 営業時間:
- 17:00~22:00
- 定休日:
- 無休
- Webサイト:
- http://www.siamniramit.com
観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。
- 奥付:
- この記事の出展元は「まっぷるタイ・バンコク’18」です。掲載されている営業時間や表記などのデータは、2017年2〜3月の取材・調査に基づくものです。諸事情により、料金・価格など、掲載情報が変更になる場合もありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。
- その他:
- ●料金、価格の単位は「B(バーツ)」で表示しています。2017年4月現在、1B(バーツ)=約3円です。 ●休業日は、祝祭日や年末年始、臨時休業を除いた定休日のみを表示しています。 ●原則、地名や掲載施設名などはアルファベットで表示しています。地名などのカナ表記については、日本語では表現しきれない微妙な発音もありますので、編集部の判断で統一しています。ブランド名、ホテル名など日本で通用しているものは、その表記に従っています。 ●クレジットカードの利用には、手数料がかかる場合があります。 ※前国王ラーマ9世の崩御を受け、2017年10月まで喪服期間となります。期間中は見学できない施設もあります。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。