ロンドン橋 〜 見た目はかなり地味だけど、壮絶な歴史がある橋
by siddhu2020, CC BY

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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ロンドン橋 〜 見た目はかなり地味だけど、壮絶な歴史がある橋

「ロンドン橋落ちる」で始まるマザーグースの童謡、誰でも一度は口ずさんだことがありますよね。物語の世界の橋で実際には存在しないと思っている人もいるかもしれませんが、その名もズバリ「London Bridge」としてロンドンに実在します。



どれがロンドン橋?

ロンドン橋 (London Bridge), Foursquare.com

ロンドンにはいくつか有名な橋がありますが、最初に思い浮かぶのはロンドン塔のすぐ近くにある開閉式のタワーブリッジではないでしょうか。見た目も豪華なこのタワーブリッジをロンドン橋だと勘違いしている人も多いのが事実です。では、本当のロンドン橋はどこに?タワーブリッジからテムズ川数百メートル上流に行ったところにあるのがロンドン橋です。

ロンドン橋 (London Bridge), Foursquare.com

1750年にウェストミンスター・ブリッジが登場するまで、ロンドン市内のテムズ川に架かる唯一の橋という歴史がありながら、現在のコンクリートでできたロンドン橋は非常に地味で、タワーブリッジと勘違いしてしまうのもわかるような気がします。

ロンドン橋 (London Bridge), Foursquare.com

何度も架け直されてきたロンドン橋の歴史

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by , CC BY

現在のロンドン橋がある位置には、なんと西暦46年から橋が架け続けられています。最初の橋は木製で、周囲の侵略から守るために焼き落とされ、嵐により破壊され、火災による焼失と幾度となく架け直されてきました。その後中世になると石造の橋となりましたが、今度は斬首刑となった人々の生首がロンドン橋にさらされ、度重なる火災に見舞われることになります。

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by irinaraquel, CC BY

18世紀後半になるとこれまでの石造のロンドン橋は老朽化が進み、大理石の橋へと姿を変えます。しかしながら、増え続ける交通量による渋滞を緩和すべく橋の幅を広げると、ロンドン橋はその交通量に耐えられずマザーグースの童謡通り沈み始めてしまったのです。

沈みゆくロンドン橋はどうなったか?

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アリゾナ州に架かるロンドン橋, by cm195902, CC BY

「古いロンドン橋を売却し新しいロンドン橋を架ける」これが市議会により可決され、それまでの古いロンドン橋は現在はアメリカのアリゾナ州にあります。アメリカ人投資家のロバート・マカロックが246万ドルで購入し、さらに解体費、輸送費、復元費をかけてロンドン橋はイギリスからアメリカへと渡っていきました。

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アリゾナ州に架かるロンドン橋, by Ken Lund, CC BY-SA

マカロック本人は否定していたそうですが、彼もロンドン橋をタワーブリッジと勘違いして購入したと言われています。アメリカに渡ったロンドン橋の周りにはイギリス式の街並みが完成され、観光名所として賑わっています。アメリカにも本物のロンドン橋があるなんて面白いですよね。

現在のロンドン橋

1973年に開通された全長283メートルのコンクリート橋が、現在もロンドンにあるロンドン橋となります。見た目こそ地味ですが、長い歴史とともに同じ場所に架け続けられているロンドン橋を是非歩いて渡ってみてください。

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

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