街全体が舞台となる幻想的な夜、リヨン光の祭典
by Clara Giraud, CC BY-ND

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

この記事をシェアしよう!

街全体が舞台となる幻想的な夜、リヨン光の祭典

ローヌ川とソーヌ川に挟まれた街並みが美しいリヨンは、古代ローマ遺跡や中世の街並みを含む世界遺産を多くの観光客が訪れ、ブションと呼ばれる美味しいレストランがひしめき世界中のグルメを引き付けて止まない町です。そんなリヨンの町を、丘の上から見守るかのように立っているのがノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂で、この建物はリヨン市民にとって大切な建物の一つです。今回はこの聖堂にまつわる、リヨンのお祭りについてご紹介します。



ノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂の歴史

6858004263_79e54540d1_z

Basilique Notre-Dame de Fourvière, Lyon, by Frédéric Chateaux, CC BY-SA

今日ではリヨンのシンボル的な存在ともなっているノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂は、1872年に建設が始まった、観光スポットとしての宗教建築物にしては比較的新しい建物です。

5285816955_5ce966ee1a_z

Fourvière, by JR Guillaumin, CC BY-SA

普仏戦争の際に、パリを破りリヨンへ進むプロイセン軍を前にリヨン市民が聖母マリアに祈りを捧げたところ敵軍が撤退していった為、これを祝して建設が始まりました。

リヨンのマリア信仰と光の祭典

3021880842_6489563136_z

Candles, by franklin_hunting, CC BY-ND

現在の聖堂が建設される前は、聖母マリアを祀った教会堂がありました。17世紀に起きたペストの大流行の際に聖母マリアに祈りを捧げ、これによりペストを回避出来た為です。

7817979144_f53ee430fb_z

Lumières de Notre-Dame, by Gricha Rosov, CC BY-SA

時は下って約200年後、この教会堂に金のマリア像を捧げることになり、当初夏に予定されていたセレモニーが天候不順により12月8日に延期されました。ところが、この日もあいにくの天候で延期となる所でしたが、待ち切れないリヨン市民が窓辺に灯をともした蝋燭を置いた事が、光の祭典の起源となっています。

毎年12月8日は、リヨンの町が光に彩られる

15962091505_a48cc8b16a_z

Fête des Lumières à Lyon, by francisco.j.gonzalez, CC BY

12月8日に窓辺に灯をともした蝋燭を置く習慣はその後も続き、現在のように12月8日を含む4日間続くお祭りとなったのは1999年からです。この期間、町は光の舞台と姿を変え、世界中から多くの人々がこの盛大で幻想的なお祭りを見に来ます。

5263346897_f3b9de70e2_z

La source de la lumière, Fête des Lumières, by Fulvio’s photos, CC BY-SA

それもそのはず、町の至るところで建物が光に彩られ、主要な建物や広場ではイルミネーションは音楽や映像を伴い、ショーが開催されるのです。

主な見所

SONY DSC

Aquariums de la fontaine des Jacobins (Lyon), by Clara Giraud, CC BY-ND

町全体が舞台となるこの日、特に大きな会場となるのは市庁舎やオペラ座等の公共の大きな建物、そして市内の主要な広場(ベルクール広場、テロー広場等)、テット・ドール公園等です。これらの会場ではイルミネーションに加え、映像や音楽や舞台技術を駆使したショーが楽しめます。

15843592377_37bc33e3b3_z

FDL – Roue Bellecour, by MecTouZen-art, CC BY-ND

2014年はベルクール広場でリヨン出身の作家、サン・テグジュペリをテーマとした演目が開催され、フルヴィエールの聖堂はミラーボールでド派手にライトアップされていました。また華々しいイルミネーションとは対照的に、各家庭の窓には今でも灯りをともした蝋燭が置かれ、光の祭典の原点を思い出させてくれます。

参加にあたっての注意点

5106579043_bba3ffa806_z

‘TCL Trolleybus’ Rue de la République, by FaceMePLS, CC BY

国内外から毎年数百万人の観光客が押し寄せる為、特に週末は混雑が予想されますので、ホテルや交通機関のチケット予約はお早めに行う事をお勧めします。期間中、リヨン市内ではメトロやバスが割引又は無料となりますが、混雑を避ける為、入場規制がかかったりしますので、スケジュールには余裕を持って行動して下さい。

11467829083_b0f1217039_z

mulled wine, by jamesonf, CC BY

また、12月上旬のリヨンは寒いので、防寒対策をしていくことをお勧めします。どうしても身体が冷えてしまった場合は、屋台でホットワインを飲むのもオススメです。

クリスマスを目前に、一足早く訪れる幻想的なリヨンの夜。昼間のリヨン散策ももちろん見所がたくさんですが、この期間だけ見られる夜のリヨンもまた魅力的です。今年の光の祭典の開催日は12月5日から8日です。この時期に、フランスを訪れる予定のある方はぜひチェックしてみて下さい。


筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。

皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!