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更新日: 2020年4月13日
ドイツはビール天国!ドイツビールの種類と特徴
ドイツと言えばやっぱりビール!ドイツのビールを皆さんは飲んだことはありますか?ドイツのビールの歴史はとても長く深く、種類もなんと約5,000もあり、全国各地に醸造所が1,200箇所にもあるというのですから驚きです!日本で一般的に飲まれているものとは全く異なるビールも数多く存在します。ドイツビールは、味わい深く、コクがあり、風味も大変豊かです。一度はまるともう病みつき!癖になる味です。そこで、皆さんにドイツのビールの種類とその特徴を紹介したいと思います。
ドイツビールの種類は大きく分けて2つ!
◾︎下面発酵ビール
5度程度の低温で発酵させるビール。最終段階で、酵母が沈むことからこの名称が付いています。
◾︎上面発酵ビール
20度前後の高温の中で発酵させるビール。発酵中に酵母が上に浮いてくることからこのような名称が付いています。
◾︎自然発酵ビール
空気中に存在する自然酵母菌の力を利用して自然に発酵させるビール。ベルギーで主に製造されており、ドイツビールにはない製造方法です。

下面発酵ビール
Lager(ラガー) 地域:ドイツ全域
15世紀にバイエルンで初めて製造された、下面発酵ビールの総称。ラガーの語源は、ドイツ語の「Lagern・ラーゲルン(貯蔵する)」から来ています。
Brauerei Kraus Lager Hell, by Bernt Rostad, CC BY
Pilsner(ピルスナー) 地域:全国
黄金色をしたライトで切れのある喉越しで、日本の主流ビールに近い味です。ドイツ全国で醸造されており、全国の売り上げの6割を占めています。特にドイツ北部で好んで飲まれているビールです。
Stuttgarter Hofbräu Pilsner, by khawkins04, CC BY
Münchner(ミュンヒナー) 地域:ドイツ南部、ミュンヘン
19世紀にミュンヘンで製造された黒ビールの一種で、麦芽の香りの強い、パワフルな味わいのミュンヘンのビール。当時は黒に近い色をしていましたが、現在は明るめの色が一般です。
Hacker-Pschorr Münchner Hell, by Bernt Rostad, CC BY
Helles(ヘレス) 地域:ドイツ南部
ミュンヘンで主に飲まれているラガービールです。ミュンヘン子にとっては「ビールと言えばヘレス」なミュンヘンっ子にとっては欠かせないビールです。ミュンヘナーを淡色にしたもので、ほんのり甘みが効いたまろやかな口当たりが特徴。500㎖が通常の量ですが、ミュンヘンの有名ビアホールなどでは1ℓジョッキで出て来ます!
Lowenbrau helles, by James Cridland, CC BY
Dunkel(ドゥンケル)地域:ドイツ南部
南ドイツで飲まれている黒ビール。ちなみに、火で炙った大麦を50%以上使用するために、色が暗くなっています。「ドゥンケル」とはドイツ語で「暗い、濃い」を意味します。ドライな味わいで、麦芽の味わいがとても豊かなまろやかなビール。
KOENIG LUDWIG(KING LUDWIG)DUNKEL BEER, by calflier001, CC BY-SA
Schwarz(シュヴァルツ) 地域:ドイツ全域
ドゥンケルよりさらに色が黒いミュンヘン生まれのビール。その歴史は大変長く、1543年にはすでに製造されていました。この時代、シュヴァルツがビールの一般でした。甘さはドゥンケルよりも控えめで、コクのある香ばしいビールです。
Bock(ボック) 地域:ドイツ全域
ドイツ北部のアインベックが発祥で南ドイツで発展したアルコール度数が6%以上の強いビール。春に出荷される「マイボック・Maibock(5月のボック)」は、ボックよりもアルコール度数が高く、7−12%と更にアルコール度数の高い「ドッペルボック・Doppelbock(2倍のボック)」というものもあります。
Schneider Weisse Tap 6 Unser Aventinus, by Bernt Rostad, CC BY

上面発酵ビール
Weißbier(ヴァイスビア)/Weizenbier(ヴァイツェンビア) 地域:南ドイツ、バイエルン州
バイエルン州で発展した、50%以上の小麦麦芽を使用して作られるビール。(ドイツ語で小麦をWeizenという。)小麦の酸味と香りが効いた、独特な風味があり、またクリーミーな泡と炭酸とで喉越しも楽しめます。バイエルン地方を代表するビールなので、ぜひバイエルンで飲みたいところです。
Paulaner Weissbier @ Meilenstein, by Bernt Rostad, CC BY
Berliner Weiße(ベルリーナー・ヴァイセ) 地域:ベルリン
ベルリン、及びその周辺で醸造されるビール。乳酸菌による発酵もさせているので、その酸味と淡い色が特徴です。アルコール度数も2.8%と非常に低く、緑、または赤のシロップを入れて飲むのがごく一般的で、女性に大変人気があります。
Berliner Weisse mit Schuß, by WordRidden, CC BY
Kölsch(ケルシュ) 地域:ケルン
ケルン及び、その近郊のみで醸造が許可されているビール。淡色麦芽のみを使用して作られるので、色は明るく黄金色。泡立ち、炭酸共に少な目ですが、爽やかで軽い喉越しが、喉の渇きを癒してくれます。小さな200㎖の細長いケルシュ・グラスにサーブするのも特徴です。南ドイツの大きなグラスとは対照的ですね!
Kölsch, by oldandsolo, CC BY
Alt(アルト) 地域:デュッセルドルフ
デュッセルドルフ及び、その近郊で作られるビール。(Altとは、ドイツ語で「古い」を意味する。)古くから伝わる伝統の製造方法で、濃色大麦麦芽のみを使用し、色は琥珀で暗く、ホップの香りと味が特徴の独特なビールです。こちらも200㎖で出されるのが一般です。
An old beer in Düsseldorf, by Bernt Rostad, CC BY

最後に...
ここで今回紹介しただけでもかなりの種類ですが、それでも代表的なビールだけなんです。ドイツの地域ごとに、ご自慢の地ビールがあるといっても過言ではない、まさにビール大国ドイツですね。「ビール巡りの旅」と題して旅行計画を組むのもたのしいかもしれません!


【筆者】まっぷるトラベルガイド編集部
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