ドイツのメルヘンチックな街5選
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まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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ドイツのメルヘンチックな街5選

ドイツ語には「Märchen(メルヘン)」という言葉があります。その言葉を独日辞書で引いてみると・・・・「おとぎ話」とか「童話」「昔話」などという日本語が出てきます。そんな言葉が存在するドイツは、やっぱり童話やおとぎ話の世界の本場なのです!今日はそのメルヘンという言葉で表現されるドイツの街、つまり私たちが幼い頃に読んだ童話の中に出てくるロマンチックでメルヘンチックな 街なみのドイツの街を皆さんに紹介したいと思います。



ローテンブルク・オプ・デア・タウバー  Rothenburg ob der Tauber

ローテンブルク・オプ・デア・タウバーは、ロマンチック街道沿いにある、私たちが心に描く「ザ・ドイツ」な景観を美しく残す街です。この街の起源は古く970年頃にまで遡ります。

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Rothenburg ob der Tauber, by Game of EPL5 & LUMIX G20/F1.7, CC BY

マルクト広場を中心に、メルヘンな雰囲気を放ち、さらに城壁にぐるりと囲まれた旧市街は方々に美しい塔があり、とても魅惑的。木組みの家々、カラフルなファサード(建物の正面)、家を飾り立てる花々、中世の時代から残る凝った造りの吊り看板など、どれを取っても中世の雰囲気そのまんま!

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マルクト広場, by alex hanoko, CC BY-ND

旧市街としては規模も大きく、年中観光客から注目を集めています。クリスマストやイースターなんど季節ごとのイベントも目白押しです。中でも注目は、9月初旬に開催される17世紀の三十年戦争をテーマにした「帝国自由都市祭」です。

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Rothenburg street, by brianwiese, CC BY-SA

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Christmas Market, by www.traveljunction.com, CC BY-SA

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Rothenburg city square, by brianwiese, CC BY-SA

当時の装束を身にまとった人々が町中をうねり歩いたり、楽器を鳴らしたり、当時の逸話を演劇したり、花火が打ち上げられたり、とにかく街が中世一色に染まります。そのお祭りに合わせて旅行ができたら最高ですが、そうでなくても十二分に見ごたえのある街です。

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Rothenburg, by dmytrok, CC BY-ND

ブレーメン Bremen

ブレーメンの起源は1世紀です。しかし、ハンザ都市として大きく発展したのは13世紀に入ってからです。ハンザ都市としても有名ですが、グリム童話の 「ブレーメンの音楽隊」としても良く知られています。

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Die Giebelhäuser, by andreasdantz, CC BY

市庁舎前広場は、ブリック・ゴシック建築の傑作「市庁舎 」と、その前に立つ高さ約10mにも及ぶ大きな「ローラントの像」と共にユネスコの世界遺産登録されており、圧倒的な美しさと重厚感を漂わせています。

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2006-04-15 Bremen 027 Marktplatz, by Allie_Caulfield, CC BY

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The “Roland” in Bremen, by reiner.kraft, CC BY

その市庁舎を正面に左横をぐるりと進むと、童話「ブレーメンの音楽隊」 の1シーンのロバ、イヌ、ネコ、ニワトリが下から順に背中に乗っている銅像があります。ブレーメンへ行ったらぜひお見逃しなく!ロバさんの足を触李ながら願い事をすると叶うとか?!みなさんもお試しあれ!

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Los músicos de Bremen, by Edu Martínez, CC BY

すぐ近くの中世の世界観を表現した工芸工房や素敵なカフェアなどが集まる レンガ造りの ベトヒャー通り(Böttcherstrasse)もオススメです。

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Böttcherstraße ist Touristenmagnet, by Sparkasse Bremen, CC BY-ND

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Böttcherstr, by Allie_Caulfield, CC BY

ディンケルスビュール Dinkelsbühl

ディンケルスビュールが街として機能し始めたのは1130年のこと。ローテンブルク・オプ・デア・タウバーなどの中世の街と比較すると規模はずっと小さく、大人っぽい雰囲気を醸し出す情趣ある静かな佇まいの街です。

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Dinkelsbühl, by ilovebutter, CC BY

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Dinkelsbühl, by sedoglia, CC BY

この街は三十年戦争や第二次世界大戦での傷をほとんど追っておらず、美しい状態で残っているとても貴重な街です。旧市街をぐるりと囲む城壁の外へ出ると、穏やかで心洗われるように美しい小川が流れ、緑に囲まれた自然豊かな景観が他の街とはまた違ったメルヘンの世界観を作りあげています。

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Frankenfahrt, by SusanneK, CC BY-SA

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Frankenfahrt, by SusanneK, CC BY-SA

都会や、人気観光地の喧騒から私たちを解き放ってくれ、心安らかに過ごすことができます。この街の特徴は、他の中世の街とは異なり、街の中心部にマルクト広場などがありません。また1440年頃に築かれたドイチェスハウス(Deutscheshaus)にも注目してください。歴史を感じる なんとも可愛らしい木組みの建物です。

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Hotel Deutsches Haus, by ilovebutter, CC BY

ファサードは、美しい淡いピンク色、こげ茶の組み木、鮮やかな赤いゼラニウムの花々が、美しいハーモニーを奏でます。現在はホテルとして使用されているので、宿泊して内観を楽しんでみるのもいいでしょう。地上界にはレストランもあるので、宿泊しなくても少しだけならば中の様子を見られますよ!旧市街も2時間もあれば全てを見ることができるでしょう。素敵なお散歩時間になること間違いなしです。

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Hotel Goldene Rose, by ilovebutter, CC BY

ハイデルベルク Heidelberg

ハイデルベルクの街の絶対的なシンボルはハイデルベルク城です。緩やかな丘の上に凛とした姿で立つこのお城 が記録上初めて登場するのは1225年のこと。様々な苦境の後、長い間廃城として存在し続けましたが、17世紀に漸く修復され、現在の見事な姿になりました。

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Schloss Heidelberg, by Nelson Minar, CC BY-SA

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Schloss, by dmytrok, CC BY-ND

お城自体がすでにメルヘン全開ですが、お城と旧市街とを結ぶネッカー川に架かるアルテブリュッケ橋、旧市街の3つは一緒になるとそこはもうおとぎの世界です。一歩足を入れると中世の中へ迷い込んでしまったかのような錯覚日入ります。

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アルテブリュッケ橋, by wongwt, CC BY-SA

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アルテブリュッケ橋, by wongwt, CC BY-SA

とある王国のお姫様が、窓から空を見上げながら隣の王国の王子様を想い忍んで いる・・・こんな物語さえ浮かんできてしまうでしょう。ハイデルベルクを訪問するオススメのシーズンは、丘の木々が色づき始める秋です。

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by @yakobusan Jakob Montrasio 孟亚柯, CC BY

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Heidelberg, by CMFRIESE, CC BY

赤や黄、橙、緑が織りなす背景に、アルテブリュッケ越しに見る赤茶色のハイデルベルク城は最も美しく映える時です。またお城から見下ろす旧市街も最高に美しい絵です。どのシーズンも一様に美しい街ですが、チャンスのある方はぜひ秋に!

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Heidelberg Castle, by bortescristian, CC BY

ネルトリンゲン Nördlingen

ネルトリンゲンの歴史はとても長く、この土地から発掘される物から、旧石器時代の後期から定住する人々が居たことが判明したとか。この街の大きな特徴は、円形に美しく城壁があることです。1,500万年前に大きな隕石が落ちでできた窪地に築き上げられた街という噂もあるとか。

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DSC_2789, by ilovebutter, CC BY

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P1030156, by gastromartini, CC BY-SA

確かに、上空から見た街は実に見事で、旧市街だけ見事なまでに円形の中にすっぽりと別世界のように孤立しています。この状態を見ると隕石説は納得したくなります。現在の旧市街が築かれたのは13世紀初頭の神聖ローマ帝国の時代のこと。帝国自由都市として築かれたネルトリンゲンの街にのちの14世紀に城壁もつくられました。

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Nördlingen – Air View (Postcard), by roger4336, CC BY-SA

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DSC03595, by thedakotakid, CC BY-SA

城壁の保存状態は大変よく、上をぐるりと歩くことができます。時間に余裕のある人はぜひ歩いてじっくりこの街はを観察してみてください!また、この街は魔女狩りが遂行された街でもあるのだそうです。なんだか怖いですね、グリム童話の世界ですね。いえいえ、ご心配いりません。暗い雰囲気はなく、可愛らしい街並みがたくさん広がっています!メルヘンワールドをとくとご堪能ください。

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Nördlingen, by Zimtstern_2k, CC BY

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Nördlingen, by Zimtstern_2k, CC BY

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

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