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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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イギリス旅の基本情報

まずは旅行にでかける国について学ぼう。国によって生活事情や常識はまったく異なるものであることを事前に知り、知識を仕入れることで、現地で慌てることなく、スムーズに旅を楽しむことができる。

イギリスの基礎知識

国によってさまざまに習慣は違うもの。事前に確認をして、スムーズな海外旅行を楽しみたい。まずはイギリスの基本情報をおさえよう。

日常生活

時差

イギリスと日本との時差は9時間で、イギリスのほうが9時間遅い。ただし、3月の最終日曜午前1時から10月の最終日曜午前2時まではサマータイム制度が実施されるため、時差は8時間になる。

気候

北海道よりも北に位置する英国だが、暖流の影響で気候は比較的穏やか。とはいえ、日本の四季とは少し勝手が異なるので、その点は注意を。また一年を通じて「一日のうちに四季がある」といわれるほど、天候の変化や寒暖の差が激しい日があることも覚えておこう。

飲料水

ロンドンの水道水はしっかり検査されており、飲んでも問題はない。ただし硬水なので、体質に合わない人や慣れない人にはミネラルウォーターが無難。炭酸入りでない水は、通常Still (スティル)と表示されている。

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トイレ

街のあちこちに公衆トイレや有料トイレが設置されている。有料トイレは、20〜50pのコインを入れてバーを押して入る。おつりは出ないので硬貨は準備しておこう。デパートやレストラン、カフェには、日本と同じようにお客が使用できるトイレがある。ホテルにもあるが、高級ホテルなどでトイレットレディがいる場合は、出るときに50p程度のチップをトレイに置くのがマナーだ。

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公衆トイレ

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トイレのゲート

ビジネスアワー

日本同様、土・日曜が休みとなる週休2日制。デパートでも日曜は営業時間が短く、セレクトショップなどでは日曜が定休日なのが一般的。銀行は9時30分~16時30分、土・日曜、祝日は休み。また、12月25日のクリスマスと翌日のボクシング・デーは祝日で、ショップやレストランは閉店、25日は公共交通機関も運行しないので注意が必要だ。

電圧とプラグ

イギリスの電圧は240V(A C)、周波数は50㎐で、コンセントの形も日本とは異なる。日本の電圧は100Vなので、日本から持っていった電化製品を使用する場合は、旅行用品店などで売っている変圧器と万能アダプターを用意する必要がある。ただしPC、デジタルカメラなどの精密機器は240Vまで対応可能なものも多い。

Uk socket and plug
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コンセントは3極。BF(上)とB3(下)タイプが主流

注意したいこと

飲酒

イギリスでは18歳から飲酒・アルコールの購入が可能。ビールやワインは条件付で16歳から飲酒可。年齢確認のため身分証の提示を求められることがあるので、パスポートを携帯しておきたい。また、泥酔して危険な目に遭わないよう注意しよう。

喫煙

2007年に施行された禁煙法により、公共の場での喫煙は禁止となった。おもな対象エリアは公共交通機関、駅、レストラン、バプ、ショッピングセンター、ホテルなど屋根のある屋内空間。違反は£50の罰金となる。喫煙は決められた屋外のエリアで。また、灰皿は設置されていることが少ないので携帯灰皿を持参するのがベター。

写真撮影

空港や宗教施設だけでなく、バッキンガム宮殿や一部の美術館・博物館でも撮影禁止の場所があるので注意が必要。禁止かどうか判断に迷うときはまわりの人に確認を。また、人物を撮る際には、ひと声かけるのがマナーだ。

マナー

シャイな人々が多いといわれているイギリス。必要以上に接近することは避けたい。初対面のあいさつの際は握手をするが、異性同士の握手の場合は女性から手を出すのが一般的。日本人よりも神経質とされ、歩いている際に肩がぶつかれば「Excuse me.」、何かしてもらったら「Thank you.」のひと言は自然に出るようにしておきたい。

ドレスコード

一般的にドレスコードの記載がなければ、スマートカジュアルで問題ない。高級ホテルや高級レストラン、劇場鑑賞の際にはスマートカジュアル以上の服装を心がけたい。あまりカジュアルすぎると入店を断られることも。男性は襟付シャツに長ズボンで、Tシャツやジーンズ、スニーカーなどは避ける。女性はワンピースなど。羽織りものがあれば、温度調節などで活用できる。また、動物愛護の風潮が強い国なので、コートやバッグ、ストールなどの本毛皮の着用は避けたほうがよい。

レディファースト

レディファーストの国といわれるイギリス。男性はドアを通るとき、エレベーターを降りるときなどに「After you.(お先にどうぞ)」と女性を優先するのがマナー。女性も「Thank you.」とひと言伝えるように心がけよう。

並び方

イギリスでは行列のことをキュー(QUEUE)と呼ぶ。一列に並び、空いたところへ順番に入るフォーク形式が一般的。もちろん割り込むのは厳禁。パブは例外で並ばずにカウンターのまわりで注文の順番を待つ。

階数の数え方

イギリスでは地上階をGF(Ground Floor)と表す。1階上のフロアが1F(First Floor)で日本での2階のことなので注意。

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エレベーター。GFの「G」が表示されている

ドアの開閉

ドアを開けるときには、後ろの人のためにドアを押さえておくのがマナー。男性と女性がドアを挟んで向かい合ったときには、男性がドアを開けて先に女性を通すのが一般的だ。自分がしてもらったときにはお礼をしよう。

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ホテルのドアマンにもひと声かけるとスマート

情報収集

イギリスのどの街にも観光案内所が設置されているので、そこである程度の情報を集めることができる。ただしオフシーズン中は休みのところもあるので注意が必要。事前に情報を集めるなら、下記を参考に。

■日本で情報を集める
英国政府観光庁(VB)
URL www.visitbritain.jp

その他の情報サイト
■観光情報
ロンドン観光局(日本語)
URL www.visitlondon.com/jp
イングランド観光局
URL www.visitengland.com
スコットランド観光局
URL www.visitscotland.com
ウェールズ観光局
URL www.visitwales.com
北アイルランド観光局
URL www.discovernorthernireland.com
コッツウォルズ観光案内
URL www.the-cotswolds.org
湖水地方観光案内(日本語)
URL www.kosuichihou.com
グラスゴー観光案内
URL www.seeglasgow.com
ナショナル・トラスト
URL www.nationaltrust.org.uk
ナショナル・トラスト(スコットランド)
URL www.nts.org.uk

■旅行プランを立てる
ワールドブリッジ(日本語)
URL www.world-bridge.co.jp
みゅう(日本語)
URL www.myushop.net

イギリスの現地情報

生活習慣が異なるエリアの滞在は、疲労やトラブルがつきもの。快適な旅のために、文化の違いや問題への対処法を理解しておこう。

お金

通貨

イギリスで流通している通貨はポンド(£)。2016年4月現在、£1=約160円だ。1ポンド(£)=100ペンス(p)。紙幣はバンク・オブ・イングランド発行の£5、£10、£20、£50。コインは£1、£2、1p、2p、5p、10p、20p、50pがある。北アイルランド、スコットランドでは別の銀行が発行している独自の紙幣があるが、ロンドンでは使えない場合もあるので注意しよう。

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£50

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£20

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£10

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£5

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20p   50p    1£     2£

1p        2p     5p    10p

 

£1=約160円(為替レート2016年4月現在)

両替

両替ができるところは、銀行、街なかの両替所、ホテルなど。一般的には銀行のレートがいちばん良い。両替所の場合はレートは銀行よりも低いが、手数料が無料ということも。また土・日曜も営業していたり、24時間営業するところもあって使い勝手がいい。TravelexやAmerican Express Chequepointは国内に支店があり、優良といわれている。スーパーのMarks & Spencerには両替所設備の場所が多い。

ATM

クレジットカードやトラベルプリペイドカードで現地通貨を引き出せる。ほとんどが24時間使用でき、表示言語を選択することもできる。利用時には暗証番号が必要なので事前に確認しておこう。

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トラベルプリペイドカード

入金した額だけ利用できる海外専用のプリペイドカード。ショッピングでの支払いや、ATMでの現地通貨の引き出しにも使用できる。引き出し手数料や利用限度額があるが、紛失・盗難時のサポートもあるため、現金よりも安心して使うことができる。パスポートなどの身分証があれば簡単に申し込める。現在JTB、クレディセゾン、トラベレックスなどが発行している。申し込みはインターネットや郵送、発行会社の窓口で。

クレジットカード

たいていの店やホテルで利用できる。また、一部ホテルの予約や、レンタカーを借りるときの身分証明書として提示が必要な場合があるので、1枚は持っておきたい。支払い時にサインではなく暗証番号(4桁のPIN)を入力しないと利用できない場合もあるので、事前に確認しておきたい。トラブル防止のために、伝票にサインする前には必ず金額のチェックを。ATMでのクレジットカードの利率は、現金両替の手数料よりもお得な場合もある。紛失や盗難などのトラブルに備えて緊急連絡先は事前にメモしておこう。

チップ

イギリスでは日常的な習慣としてチップの文化があり、サービスを受けた感謝の気持ちとして渡したい。タクシーを利用したときは 料金の10%、レストランは総額の10〜15%が相場。ただ、レストランやカフェでは明細にサービスチャージが含まれていることも多く、その場合はチップを払う必要はない。ホテルのルームメイドやベルボーイには£1ほどを。タクシーでスーツケースなど、大きな荷物があるときは荷物1個につき£1を加算したい。パブやバーでは基本的にチップは必要ない。

電話

公衆電話

携帯電話の普及にともない、名物の「赤い公衆電話」も数が少なくなってきている。公衆電話ではコイン(£1、50p、20p、10p)、テレホンカード、プリペイドカード、クレジットカードが使えるが、おつりが出ない。インターネットが使えるキーボード付の公衆電話もある。

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携帯電話・Wifi

日本の携帯電話は、海外対応機種であれば、簡単な申し込みと設定で使うことができるが、料金は高め。日本の主要空港などでは、海外対応機種をレンタル可能。海外パケット料金定額制や、複数台が接続できるモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスもあるので、旅行中の利用頻度に合わせて検討したい。
イギリスでは、パブ、カフェ、ホテル、美術館や図書館など、多くの場所で無料のWi-Fiが使用できるので、自身のスマートフォンやパソコンを使ってネット接続ができる。500万以上のWi-FiスポットをもつBTWi-Fiなら1時間(£4)からのスポット利用も可能で、イギリスの広範囲で使用できる(URL www.btwifi.co.uk)。また、スマートフォンは、アプリの更新などで自動でデータ通信をすることがあるので、データローミングをOFFにするなど、必要な設定の確認を。

国際電話のかけ方

イギリスから日本へかける場合
携帯電話の普及で、公衆電話はほとんど見かけない。ホテルの電話を利用する場合、客室からの通話は手数料で割高になることが多い。

■ ダイヤル直通
相手に直接ダイヤルする方法(下記参照)。通話料金が安くて最も簡単だ。

例 イギリスから日本の 03-1234-5678 にかける場合

00-     国際電話識別番号
81-     日本の国番号
3-       市外局番の最初の0を取る※
1234 – 5678  相手の電話番号

※携帯電話へかける場合は識別番号の最初の0を取る。090から始まるなら90。

■ オペレーターを通す
日本語オペレーターを通して電話がかけられる、KDDIジャパンダイレクト 0800-6312-001 または 0800-89-0081 が安心で便利(コレクトコール。3分2160円〜、追加1分ごとに460円)。

■ 直通のクレジットカードコール
日本語音声に従ってかけるKDDIスーパージャパンダイレクト 0800-89-0181/0800-6311-001 はクレジットカードや専用プリペイドカードで支払う。1分100円程度(クレジットカードで固定電話へかけた場合)。

 

日本からイギリスへかける場合
電話会社を通す方法もあるが、相手に直接ダイヤルするのが簡単で通話料金も割安だ。

例 日本からイギリスの 020-123-45678 にかける場合

001-(KDDI)or 0061-(ソフトバンク)or 0033-(NTTコミュニケーションズ) 国際電話会社の番号
010-     国際電話識別番号
44-      イギリスの国番号
123-     市外局番の最初の0を取る
45678  相手の電話番号

※マイライン、マイラインプラスに登録している場合や携帯電話からかける場合、国際電話会社の番号は省略できる。

郵便・宅配便

郵便

はがきや手紙は「JAPAN」と「AIR MAIL」とを表に英語で書けば、宛名は日本語でOK。切手を貼って赤いポスト(国際郵便はAbroad)へ投函しよう。郵便局の営業時間は局により異なるが、おおよそ月〜金曜の9時〜17時30分(土曜は〜12時30分)。本局など大きな郵便局では月〜金曜8〜20時(土曜は〜13時)。

●日本への航空郵便料金封書 
£1・05(10gまで) ロンドンから日本までは航空便で6日ほどで届く。

●小包 
航空便では1kgまで£13・05、2kgまで£19・75。だいたい1週間で日本に着く。船便は1kgまで£8・20、2kgまで£13・25と安いが、到着までに2か月程度かかる。

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宅配便

DHLやFedEXのほか欧州ヤマト運輸など宅配会社も多数ある。料金は10 kgで£80前後。

イギリスの取り扱い営業所

欧州ヤマト運輸 (ロンドンハロー支店)
電話 020-8427-3538
住所 Unit 7, WaverleyIndustrial Park, Hailsham Dr., Harrow,HA1 4TR
営業時間 8:30〜17:30
定休日 土・日曜、祝日

日通(ペリカン・ジェットパック)
電話 020-8737-4200
住所 Heathrow 360, 2Millington Rd., Hayes, UB3 4AZ
営業時間 9:00〜17:30
定休日 土・日曜、祝日

DHL 
電話 0844-248-0844(カスタマーセンター)
住所 Orbital Park, 178-188 Great South West Rd., Hounslow, TW4 6JS
営業時間 7:30〜20:00(土曜は8:00〜14:00)
定休日 日曜、祝日
URL www.dhl.co.jp

旅立つ前に

出発前に必要なことをおさえよう。パスポートやビザの申請など、思った以上に時間を要することもある。早めの準備が大切だ。

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パスポート(旅券)

● パスポートの取得
パスポートは、海外へ渡航する人の身分や国籍を証明してくれる大切な公的証明書。命の次に大事なものだと自覚しよう。旅行の予定が決まったらまずパスポートを取得する、すでに持っている人は旅券の残存有効期間を確認したい。
有効期間は10年と5年の2種類(未成年者は5年のみ)だ。

パスポートを申請する

住民登録している都道府県または市町村の担当窓口へ申請する。海外からの一時帰国者や学生は現居住地での申請も可能。更新は有効期限の1年前から受け付けてくれる。

●申請に必要なもの
一般旅券発給申請書1通(窓口で)
戸籍抄本(または謄本)1通 6か月以内。有効期限内のパスポートを切り替える場合は記載事項の変更がなければ不要。
住民票1通 6か月以内のもの。住民基本台帳ネットワークシステムを利用できる場合は原則不要。ただし居所申請では必要。
写真1枚(縦4・5㎝×横3・5㎝、縁なし、正面、無帽、無背景など規定どおりのもの)
身分証明の書類(運転免許証、有効または失効後6か月以内の旅券など1つでよいものと、健康保険証、社員証、年金手帳など2点必要なものがある)
前回取得していればその旅券

●申請にかかる費用
旅券の種類に応じた交付(受取)の手数料は10年は1万6000円、5年旅券は1万1000円(満12歳未満の場合は6000円)

●パスポートの受け取り方
受理票と交付(受取)手数料を持参し、受理票に記載の指定日以降、発行日から6か月以内に本人が受け取りに行く。申請は本人以外でも可能だが、代理や郵送での受領はできない。

●パスポートに関する詳細情報は
外務省パスポートA to Z
URL www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport

ビザ(査証)

ビザはその国の入国に必要な書類のひとつ。日本国籍で観光や商用目的でイギリスに入国する場合、帰国時まで有効なパスポートと出国用航空券があれば、6か月までビザなしで滞在できる。滞在費用の証明が必要になることも。渡航目的が就労や長期滞在の場合は、目的に応じたビザを事前に取得しなければならない。

■英国ビザ申請センター(VFS Global)
東京オフィス
〒105-0021 東京都港区東新橋2-3-14 エディフィチオトーコー4F
大阪オフィス
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場1-3-5 リプロ南船場ビル10F

■ビザ申請およびパスポート返却受付
月~金曜8:00~14:00
パスポート返却は12:30(大阪11:30)~13:30
定休日 土・日曜、イギリスと日本の一部祝日
URL www.vfs-uk-jp.com

海外旅行保険

海外旅行中の病気や事故、盗難に備えて保険に加入したい。各種保険(傷害、疾病による死亡、賠償責任、治療・救援者費用、携行品)のセットや、組み合わせ自由のものがある。内容と料金を考慮し自分に合う保険を選びたい。クレジットカードによっては海外旅行保険が付いているものもあるので、事前に付帯保険の有無と内容、緊急連絡先の確認を。カード付帯の海外旅行保険は補償額が低い場合が多いので、注意が必要。万が一、保険加入を忘れた場合は、空港の自販機や窓口で当日加入できる保険もある。

●アシスタンス・センター
現地で病気になったなどの緊急の際には、保険会社のアシスタンス・センターに電話を。どの保険会社も日本語対応、24時間受付で、病院の手配、救援者の渡航や手配、保険金請求の案内などを行なっている。

●保険が適応されないケース
○現金類の盗難・紛失
○慢性病・妊娠・歯科の治療
○戦争・暴動などによる被害(テロの場合は保険会社が判断)
※保険会社により異なる

国際運転免許証

イギリスはレンタカーで快適な旅ができる国。ただし車を借りるには、出発前に国際運転免許証を取得しておく必要がある。申請は住民登録をしている地区の運転免許試験場や指定警察署などへ。日本の運転免許証、パスポート、写真1枚(縦5㎝、横4㎝)、手数料(2400円)を持参し、窓口に置いてある申請書に必要事項を記入して提出すれば、その場で発給される(窓口によっては約2週間かかる)。国際運転免許証の有効期限は1年だが、日本の運転免許証の期限が切れると失効する。現地で運転する際には日本の運転免許証も携帯すること。

国際学生証(ISIC)

世界100か国以上で通用するユネスコ承認の学生証。美術館や博物館、公共の交通機関などでは、国際学生証を持っていると料金が割引になる。対象は中学以上の学生。申請は大学生協プレイガイドなどの発行所へ。郵送やオンラインによる手続きも可能。

ISIC JAPAN
URL www.isicjapan.jp

出入国の手続き

準備が整ったらいよいよ出発だ。機内への持ち込みが禁止されている荷物は、事前にスーツケースの中へ。帰りの免税手続きも忘れずに。

日本を出国

出国までには諸々の手続きが必要だが、流れを覚えてしまえば簡単だ。迷ったら付近のインフォメーションなどにたずねよう。

搭乗手続き(チェックイン)

搭乗便の航空会社のカウンターへ行き、航空券とパスポートを提示する。預ける荷物を検査機に通して(一部の場所では不要)、搭乗券(ボーディングパス)を受け取る。団体ツアーの場合は指定のカウンターへ。機内に持ち込まない荷物を預け、バゲージクレーム・タグを受け取る。

セキュリティチェック

係員の指示に従い、機内持ち込みの手荷物を検査機に通し、自身は検査用のゲートをくぐる。腕時計、キーホルダーなどは事前にはずして通ろう。貴重品は必ず手荷物にすること。刃物類は機内に持ち込めないので、預ける荷物に入れておく。液体、ジェル状・エアゾール状のものなどは機内持ち込みが制限されている。

税関

時計や宝石などの高額な外国製品を海外に携帯する場合は「外国製品の持出し届」に記入し、現物と一緒に税関へ提示する。用紙は帰国時に必要になるので、大切に保管すること。

出国審査

出国審査カウンターでパスポートと搭乗券を審査官に提出し、出国スタンプを押されたあと、搭乗券とともに返却される。パスポートは機械で読み取るので、カバーを掛けている場合はあらかじめはずしておく。

搭乗

搭乗券に記載された搭乗ゲートへ向かい、ゲート前の待合室で搭乗開始を待つ。搭乗便は案内板や電光掲示板で確認すること。出国審査後には免税店があるが、購入の際には搭乗券を提示しなければならない。

機内への持ち込み制限

●機内への持ち込みが禁止されているもの
ナイフ、ハサミ、カッター、バット、ゴルフクラブ、工具など凶器になり得るもの。液体類の持ち込みも制限されていて、対象品は飲料や化粧水、歯磨き粉、ハンドクリーム、ヘアスプレー、ソフトチーズ、ジャム、缶詰、ゼリーなど。液状のものだけでなく、クリームやペースト、スプレー、半固形のものも制限されているので注意。持ち込めるのは、100㎖以下の容器に入ったものを、規定サイズの密封式ビニール袋1枚に入る分まで。出国手続き後に免税店で購入したものは持ち込めるが、乗り継ぎ便を利用する場合は、途中空港で没収されることがある。購入前に確認しよう。

●手荷物として機内持ち込みにしなければいけないもの
ライターとマッチ(1個まで。トーチ式やオイルタンク式)。※詳細は各航空会社へ。

●預けることも機内への持ち込みも禁止のもの
引火性や毒性があるガスの入ったボンベやスプレー、大量のライターやマッチ、爆発物、70度を超えるアルコールなどは機内持ち込みもカウンター預けもできない。クラッカー、殺虫剤も不可。

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イギリス入国の流れ

機内での疲れが溜まっているかもしれないが、配られる入国カードを記入し、まずは忘れ物がないように荷物をまとめよう。

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●記入内容
❶姓 ❷名
❸性別(M=男性、F=女性)
❹生年月日(日/月/年を続けて書く)
❺出生地(都道府県名/国名)
❻国籍 ❼職業
❽滞在先の住所またはホテル名(詳細に記入)
❾パスポート番号 パスポート発行国 滞在日数 搭乗地 利用航空便名 署名(パスポートと同じ)

入国審査

飛行機を降り、到着Arrivalのサインに従って進むと、入国審査のカウンターがある。EU加盟国と、その他の外国人 All otherのブースがあるので、その他の外国人のほうに並ぶ。入国カードとパスポート、復路の航空券(またはEチケット控え)を提示。聞かれるのは「旅の目的」と「滞在期間」。目的は通常の観光旅行の場合は「Holiday(休暇です)」と答える。

荷物のピックアップ

フライトの便名が記されたターンテーブルで荷物を探す。もし荷物が出てこなかったり、破損などのトラブルがあったら、チェックインのときにもらったバゲージクレーム・タグを見せ、係員にその旨を伝える。

税関検査

荷物を受け取ったら税関へ。課税対象になるものを持っているときは赤ランプのほうへ、持っていない人は緑ランプのゲートへ進む。

●イギリス入国時の免税範囲
●たばこ 紙巻200本、葉巻50本、その他250g(17歳以上)
●酒 アルコール分22 %超1ℓ、または22 %以下2ℓ、ビール16ℓ、ワイン4ℓ(17歳以上)
●その他の品物 £390(海路入国は£270)相当額まで
●€1万相当額以上の現金や有価証券を持っている場合は、出入国時に申告が必要。

両替/宿の予約

手元に現地通貨がなければ、空港内の銀行や両替所で両替を。レートはあまり良くないので、交通費程度の小額を換えるだけにとどめたい。

イギリス出国の流れ

イギリス入国時のような緊張感はないかもしれないが、油断は禁物。機内に持ち込めないものはあらかじめ預け入れ荷物にまとめよう。

リコンファーム

ツアーの場合は不要だが、個人旅行は、航空会社によって帰りの便の予約の確認が必要な場合もある。必要であれば、搭乗する便の出発72時間前までに航空会社に連絡、または足を運び、名前と搭乗日、便名、行き先を告げて確認してもらう。

搭乗手続き(チェックイン)

搭乗手続きの手順は日本と同じ。VAT(左記)などの手続きがある場合は余裕をもって空港へ着いておきたい。電光掲示板で便名とチェックイン・カウンターが表示されるので、指示された場所で手続きを行ない、セキュリティチェックへ進んで手荷物の検査を受ける。

税関手続き

搭乗待合ロビーに入る手前に税関Customs、VATがあるので、免税手続きをする人は書類を提出して承認印をもらうこと。

VAT免税手続きの方法

EU圏外の居住者は、同じ店で1日に一定額(£30。店により異なる) 以上の買い物をして、物品購入月の翌月から3か月以内にEU圏外に出国する場合、付加価値税VAT(現行20%)から手数料を差し引いた額の払い戻しを申請できる。

■店での手続き
買い物の際にパスポートを見せて書類を作成してもらう。

■空港での手続き
出国時、空港税関に免税書類と品物(未使用)、航空券または搭乗券を提示して書類に承認印を押してもらう。審査のときに書類と商品を照合するので、免税手続きを受ける物品は手荷物にするか、チェックイン前に手続きをする。

■払い戻し
税関で押印された書類を空港内の払い戻し窓口に提出すれば、現地通貨の現金で還付金を受け取れる。小切手や、クレジットカードへの返金を希望する場合は、書類に受け取り方法などを記入してから、店でもらった封筒に入れて、専用ポストに投函する。現金以外の払い戻しには通常2〜3か月かかる。払い戻し方法は店によって異なることがあるので購入時に確認しよう。TAX FREE SHOPPINGの表示のあるグローバルブルーやインノヴァ・タックスフリー加盟店で買い物した場合は、帰国後に日本円の現金での受け取りも可能。EUの国を複数訪れる場合は、原則としてEUの最終出国税関で手続きをする。

出国審査

イギリスの出国審査は簡略化されていて、通常は航空会社のチェックイン時にパスポートチェックをする程度。出国スタンプも押されない。

搭乗

搭乗券記載の搭乗ゲートへ向かい、待合室で搭乗開始を待つ。搭乗便は電光掲示板で確認しよう。

日本帰国の流れ

日本入国の手続きは出国時ほど多くはなく、対応してくれる係官も日本人なので言葉の壁もない。

検疫

検疫とは日本には存在しない病原菌やウイルスが国内に侵入するのを防ぐため、海外からの渡航者や荷物などを検査すること。機内で検疫質問票を配付されたら、必要事項を記入して提出する。海外での滞在中に体調が悪くなった人は、その旨を申し出て係員の指示に従おう。

入国審査

入国審査カウンターでパスポートを提示して、帰国スタンプを押してもらう。

荷物のピックアップ

乗ってきた飛行機の便名が表示されているターンテーブルで荷物を受け取る。荷物が出てこない、破損しているなどのトラブル発生時は速やかに係員にバゲージクレーム・タグを見せて伝え、対応してもらう。

植物・動物検疫

動植物とその加工品、肉類や青果などの食品類は検疫をパスしないと国内に持ち込むことはできない。とくに生果実、切り花、野菜、生肉、乾燥肉、ハム・ソーセージなどの持ち込みは厳しく規制される。購入前に確認しておくことも必要。

帰国時の注意

人と同様に、物品が国境を越える際にも、さまざまな手続きが存在することを意識したい。

●別送品について
海外から荷物を別途小包として送った場合、免税範囲の適用を受けるには別送品の手続きが必要になる。帰国後は別送品の手続きができないので、入国時に忘れずに申告する。荷物を送る際、荷物の外装や、税関告知書、小包の送り状などに「別送品(Unaccompanied Baggage)」と明記して、帰国者本人を受取人とする。帰国時に「携帯品・別送品申告書」を2通作成し、1通は本人用に税関で確認印をもらっておく。荷物の受け取りの際に必要なので、紛失しないよう保管しておくこと。

●免税範囲
もし免税範囲を超えてしまった場合は、係官が課税額を計算し、それをもとに支払い用紙を作成してくれるので、それを持って所定の窓口に行き、支払いを済ませること。免税範囲は以下のとおり。
 3本(1本760㎖程度のもの)。未成年は免税にならない。
たばこ 紙巻200本(または葉巻50本、またはその他250g以内)。日本製輸出用紙巻たばこはさらに右記と同じ数量まで免税される。未成年は免税にならない。
香水 2オンス(1オンスは約28㎖)。
その他 同一品目の合計が海外市価で1万円以下のものはすべて免税。買い物の合計額が20万円までは免税。※免税範囲は個人的に使用すると認められるものに限られる。旅行中使用していた衣類や化粧品など、身の回りのものは原則として無税だ。

●日本に持ち込めないもの
絶滅のおそれがある野生動植物を保護するために定められたワシントン条約で、規制の対象になっている動植物およびそれらの加工品は、規定の許可証などがなければ国内に持ち込むことができない(象牙、ワニ・トカゲ・ヘビの皮革製品、毛皮、ラン、サボテンなど)。ほかに麻薬類、拳銃類、通貨や証券の偽造品、音楽CDや映画DVDなどコンテンツの海賊版、偽ブランド品、わいせつ品など。医薬品、化粧品なども数量制限がある(詳細は税関に問い合わせを)。

東京税関 業務部相談官室
03-3529-0700
大阪税関 業務部相談官室
06-6576-3001
URL www.customs.go.jp/kaigairyoko/

イギリスへのアクセス

イギリスへは成田と羽田からロンドンへの直行便が飛んでいる。直行便にするか乗り継ぎ便にするか、予算や時間と相談して決めよう。

Airplane at Airport, London Heathrow
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空港へのアクセス

空港到着は、出発時刻の2時間前を目安に。バスや車を利用する場合は、渋滞を想定して十分なゆとりをもって出発したい。成田空港や関西空港は、利用するエアラインによってターミナルが異なるので、チケット購入の際などにあらかじめ確認しておこう。

成田国際空港/東京国際空港(羽田)へのアクセス

成田国際空港

JR東日本・特急 成田エクスプレス※通常期料金
東京駅 3020円 約60分
新宿駅 3190円 約80分
大宮駅 3840円 約110分
横浜駅 4290円 約90分

京成スカイライナー
京成上野駅 2470円 約45分
※日暮里駅にも停車

エアポート快特
羽田空港駅 1570円 約120分

空港バス
新宿駅 3100円 約85分
横浜駅(YCAT) 3600円 約90分
羽田空港 3100円 約75分
東京駅 900円~ 約60分
大宮駅 2800円 約100分

東京国際空港(羽田)

東京モノレール(JR利用、浜松町乗換)
東京駅 650円 約30分
浜松町駅 490円 約15分

京浜急行
品川駅 410円 約20分
横浜駅 450円 約20分

空港バス
東京駅 930円 約40分
新宿駅 1230円 約55分
横浜駅(YCAT) 580円 約40分

※料金は通常期のもの。時期により変動があるので事前に確認ください。

 

空港で見かける英語

空港 Airport エアポート
出発 Departure ディパーチャー
到着 Arrival アライバル
出入国審査 Passport Control パスポート コントロール
税関 Customs カスタムズ
荷物受取所 Baggage Claim Area バゲージ クレーム エリア
乗り継ぎ Transfer トランスファー
搭乗 Boarding ボーディング

フライトと所要時間

2016年4月現在、ロンドンへの直行便を運航しているのは、ANA、ブリティッシュ・エアウェイズ、日本航空の3社で、羽田空港発と成田空港発がある。東京からロンドンへのノンストップ便なら所要は約12時間30分。お昼前後に日本を出発する便なら、同日夕方にはロンドンに到着する。そのほか、エールフランス、ルフトハンザなどヨーロッパ系の便も、スムーズに乗り継げば約14〜15時間でロンドンに到着できる。ソウルや北京を経由する便も日本各地から利用しやすく、所要は約16〜17時間。東南アジアや中近東を経由する南回りのフライトは、料金は安いものの、所要は20時間以上かかる場合がある。

空港から市内へ

長いフライトのあとは快適にロンドン市内まで行きたいもの。鉄道やバスなど、さまざまな交通機関が利用できるので、目的に合わせて選ぼう。

日本から英国への直行便はすべてヒースロー空港が玄関口になり、一部のヨーロッパ便はガトウィック空港に到着する。

●ヒースロー空港からロンドン市内へのアクセス
ヒースロー・エクスプレスが快適で速く、空港とパディントン駅とを15〜20分で結んでいる。料金の安さや行き先によっては、地下鉄がおすすめ。空港から地下鉄ピカデリー・ラインで、ピカデリー・サーカスまで約1時間だ。オイスターかトラベル・カードを購入しておくと便利。市内までのアクセスに加え、その日のロンドンでの地下鉄とバスが1日乗り放題になる。空港内にあるセントラル・バス・ステーションからヴィクトリア・コーチ・ステーションまでコーチ(長距離バス)が直通運行している。料金は片道£6とお得。また、予算に余裕があるならタクシーという選択肢も。£50〜70が相場だが、乗る前にしっかりと料金交渉と確認を行なっておくこと。

■ガトウィック空港からのアクセス
おもに鉄道かバスの利用になる。

 

ヒースロー・エクスプレス
URL www.heathrowexpress.com
ヒースロー・コネクト
URL www.heathrowconnect.com
地下鉄
URL www.tfl.gov.uk
ナショナル・エクスプレス
URL www.nationalexpress.com

532615

ヒースロー・エクスプレス

532605

地下鉄入口への通路

 

■ヒースロー空港からロンドン市内へのアクセス

鉄道

ヒースロー・エクスプレス HeathrowExpress
パディントン駅行 15~20分
月~土曜5:12~23:48、日曜6:23~23:53(ターミナル2&3)
15分間隔 片道£22、往復£36

ヒースロー・コネクト HeathrowConnect
パディントン駅行 25~30分
月~土曜5:29~翌0:07、日曜7:13~翌0:07(ターミナル2&3)
30分間隔 片道£10.20、往復£20.40

地下鉄

ピカデリー・ライン Piccadilly Line
サウス・ケンジントン駅、ピカデリー・サーカス駅行 約1時間
5:12~23:45、日曜5:56~23:28(ターミナル2&3)
5~10分間隔 ゾーン1~6まで£6

コーチ

ナショナル・エクスプレス NationalExpress
ヴィクトリア・コーチ・ステーション行 50~60分
4:20~22:10
10~70分間隔 片道£6、往復£11

タクシー

ロンドン市内行 約1時間(交通状況により異なる)
£50~70

■ガトウィック空港からのアクセス

鉄道

ガトウィック・エクスプレス BatwickExpress
ヴィクトリア駅行 約30分
5:50~翌1:35 15分間隔
1等片道£34.90、2等片道£19.90

コーチ

ナショナル・エクスプレス NationalExpress
ヴィクトリア・コーチ・ステーション行 1時間20~50分
0:45~23:45 約1時間間隔
片道£8、往復£15

タクシー

ロンドン市内行 約1時間(交通状況により異なる)
£50~70

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