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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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【ドイツで食べたいグルメ】ソーセージだけじゃない多彩な郷土料理

地方ごとに異なる保存方法や料理法によって地方色豊かな食が生まれたドイツ。ビールやソーセージはもちろん、パンや肉、魚、じゃがいもなど土地にはぐくまれた味を堪能したい。

これが定番の食卓です

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ビール Bier
街に着いたらまずは地元の味で乾杯するのがドイツ料理の醍醐味だ

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豚肉料理 Schweinefleisch
レストランのメイン料理は豚肉がテッパン!ボリュームも満点

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パン Brot
パンにハム、チーズが一般的な軽食としてよく食べられている

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じゃがいも Kartoffel
肉料理の付け合わせの大定番! つぶしたものや茹でたもの、食べ方多彩

ヴルスト(ソーセージ) Wurst
ぷりぷりの食感のコレを食べることなしに、ドイツ料理は始まらない!

ザウアークラウト Sauerkraut
キャベツを塩漬けした付け合わせの定番。酸味で口がさっぱり

ドイツ料理のキホン

食卓のメインは肉料理が多いドイツ。精肉のほかソーセージやハムなど種類豊富な加工品もおいしい。酸味が特徴のパンやどっしりした質感のスイーツなど、食べごたえのある食事が楽しめる。

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◆ドイツの代表的な料理
ドイツは全土にわたり畜産が盛んなので多彩な肉料理や、地域ならではの食肉の加工品などが代表的なグルメ。また小麦や大麦の穀物、じゃがいもなどの生産も多く、バラエティ豊かなじゃがいも料理も有名。

◆地域ごとに特色ある料理
日本と同様に地方色豊かな料理が楽しめる。ミュンヘンを中心とする南東部のバイエルン地方は、シュヴァイネハクセなど豪快な肉の塊の料理が特徴。シュトゥットガルトなど南西部のシュヴァーベン地方はシュペッツレなどのパスタが楽しめ、肉料理は内臓を使ったものが多い。一方、北東部のベルリン周辺はフランスなど外国の影響を受けた繊細な味わいの料理が魅力。ハンブルクなど海に近い北ドイツは、にしんなどの魚料理が有名で、鶏や野菜の料理も豊富。

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◆肉料理は豚肉が主流
牛、豚、鶏からジビエまで、さまざまな肉が食べられるが、とくに多いのは豚肉の料理。豚は過酷な環境に強く、肉の生産効率も良かったため、中世以降ドイツ各地で飼養された。モモ肉やヒレ肉だけでなく、スネ肉や頭部の肉、内臓などあらゆる部位が料理に使用されている。ミュンヘンのシュヴァイネブラーテンやベルリンのアイスバインが代表格だ。

◆ソーセージやハムが多彩
ソーセージはドイツの代表的な大衆食材で、その種類は約1500にも及ぶといわれる。このうち約半分がヴァイスヴルスト、ブラートヴルストなどの茹でソーセージ。そのほか、塩を加えたり乾燥させたりして保存用にしたソーセージや、内臓や血液を使用したソーセージもある。一方、モモ肉を使用した高級食材のハムはドイツを代表する美食。燻製にしたハムが主流で、地方によってスモークウッドの種類が異なり、独特の風味を生み出す。

◆パンとじゃがいもは名脇役
ドイツでは1500種類を超えるパンが作られており、スライスして食べる大型のものも多い。ライ麦を使った黒パンと小麦を使った白パンに大別され、近年は両者をブレンドしたものも普及している。じゃがいもはもともと南米の植物だが、16世紀頃にドイツに伝わり、主要な農産物として定着した。100を超える品種が栽培されており、サラダやマッシュポテトなど、付け合わせとして食卓を彩る。

地方グルメの特徴

南北に長い国土を持ち、かつて小さな国の集合体だったドイツでは、地方ごとに食文化も大きく異なる。それぞれの地域の地形や気候にはぐくまれた独特の珍しい料理を食べ比べたい。

●ハンブルク
港町として知られ、魚介の水揚げ量が豊富で、ドイツで最もシーフードがおいしい。

●ベルリン
諸外国の影響を受けた料理が多い。アイスバインやシュニッツェルも、もとはベルリンの伝統料理。

●ヴェルニゲローデ(ハルツ地方)
名物の特大ロールキャベツのほか、鹿や猪などのジビエ料理のメニューがそろう。

●フランクフルト(ヘッセン地方)
りんご酒(アプフェルヴァイン)がよく飲まれる地域で、肉料理以外の名物が多いのも特徴だ。

●リューデスハイム(ラインラント・プファルツ地方)
ライン川、モーゼル川流域のワイン産地を抱える豊穣な土地で、ワインや野菜、ハーブなどを豊富に使ったメニューが多彩。

●ニュルンベルク(フランケン地方)
ここの名物はなんといってもブラートヴルスト。辛口のフランケンワインに合うものが豊富。

●シュトゥットガルト(シュヴァーベン地方)
具だくさんのスープやパスタなど、隣接するフランスやイタリアの影響を受けた料理が多い。

●ミュンヘン(バイエルン地方)
ミュンヘンのあるバイエルン地方はビール好きが多く、濃い味付けの料理が中心。

 

肉の旨みを凝縮した名物 ヴルスト&ハム Wurst & Ham

一般的な茹でソーセージのほかに、内臓や血液を使用した変わり種もある。ハムは希少な部位を使った高級食材だ。

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フランクフルター・ヴュルストヒェン
Frankfurter Würstchen

直径1㎝、長さ20㎝ほど。フランクフルトの代表的ヴルストで豚肉のミンチを豚の小腸に詰め、燻煙したものを茹でて食べる。

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レバーケーゼ
Leberkäse

牛肉8に対し豚肉2の割合でペースト状にして混ぜ合わせ、型に入れて焼いたもの。

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ライゼン・カリーヴルスト
Riesen-Currywurst

カレーの香辛料を入れた豚肉をスモークしたソーセージ。茹でても焼いても香ばしくて美味。

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ヴァイスヴルスト
Weisswurst

ミュンヘン生まれの仔牛肉に香草を混ぜたソーセージ。茹でてハニーマスタードをつけて食べる。白い皮をむいて食べる。

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レバーヴルスト
Leberwurst

豚や牛のレバーをすり潰し、腸に詰めて茹で、皮をむき中身を食べる。まったりとした味わい。

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ザウマーゲン
Saumagen

豚の胃袋に卵や玉ねぎ、じゃがいもなどを詰めて焼いたもの。ドイツ再統一の立役者コール元首相の好物としても有名。

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ビアヴルスト
Bierwurst

牛肉のミンチにマスタードやガーリックなどを加えたやわらかいソーセージ。名前はビアだがビールは入っていない。

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ヴィーナー・ヴュルストヒェン
Wiener Würstchen

詰め物はフランクフルター・ヴュルストヒェンと同じだが、皮は羊の腸を使用。オーストリアのウィーンで生まれた。

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ツンゲンヴルスト
Zungenwurst

豚の血を用いたソーセージの一種で、豚肉の代わりに舌を用いる。コリッとした歯ごたえが特徴。

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ニュルンベルガー・ブラートヴルスト
Nürnberger Bratwurst

約10㎝と短いのが特徴。ハーブ入りのミンチを使用しているので、ジューシーで香りも良い。ニュルンベルクの名物。

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メットヴルスト
Mettwurst

脂身の少ない豚挽き肉を使ったソーセージの総称。南部ではペースト状、北部ではハードタイプと地方により異なる。

インビスに行こう!

インビスって何?
インビスとは、ドイツ各地にあるソーセージやポテトなどをパンとともに提供する軽食スタンドのこと。ソーセージはWurstヴルスト、「焼き」はBratブラートということを覚えておこう。

 

インビスの使い方

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1 メニューを見て注文します
お店の前にあるメニューから注文。具のほかに、パンの種類を選べるところもある

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2 お会計をします
ねだんは€2前後と手ごろ。ソーセージのほか、ポテトの専門店など多彩な店がそろう

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3 ケチャップ&マスタードは自分で
ケチャップやマスタードはかかっていないのが一般的。好きな量だけ自分でかけよう

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4 いただきま~す
後は、そのままかぶりつくだけ。店によってはテーブルを用意しているところもある

 

インビスのメニュー

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カリーヴルスト Currywurst
カレー粉とケチャップのバランスがおいしさの決め手。ベルリンの名物だが、どの地方でも食べられる

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ケーゼバイサー Käsebeisser
焼きソーセージととろけたゴーダチーズが絶妙のコンビ。口の中であつあつのチーズが広がる

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クルステンブラーテン Krustenbraten
オーブンで焼き上げた豚肉のスライスをパンでサンド。肉のカリッとした歯ごたえがたまらない

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フライシュプフランツル Fleischpflanzl
ドイツ風ハンバーグ。これは南ドイツ名で、北ドイツではフリカデレやボウレットという

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ブラートヴルスト Bratwurst
焼きソーセージをパンでサンド。街によってソーセージやパンの種類はさまざま

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ミュンヘナー・シュニッツェル Münchener Schnitzel
ミュンヘン名物のカツレツパン。ベーシックなゼンメル(白パン)に挟んだタイプ

豚肉はドイツ食の要 肉料理

定番の豚肉のほかにも牛や鶏、鹿、鴨などさまざまな肉が堪能できる。味だけでなくボリュームも満点だ。

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アイスバイン
Eisbein

ベルリンの名物塩漬けにした豚のスネ肉を香味野菜などと煮込んだもの。とろけるほどやわらかく、コラーゲンたっぷり。

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ヘーンデル
Hendl

香草やスパイスを使った鶏の丸焼き。ミュンヘンのビール祭り「オクトーバーフェスト」の名物料理で、会期中は約70万羽が消費される。

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シュヴァイネブラーテン
Schweinebraten

バイエルン地方の代表的な家庭料理。オーブンで焼き上げた豚肉のスライスに、コクのあるソースが絶妙に合う。

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グラーシュ
Gulasch

シカ肉や牛肉などを使うハンガリー風シチュー。シカ肉には臭い消しにジャムが添えられる。

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シュヴァインネハクセ
Schweinshaxe

もとはバイエルン地方の郷土料理で、骨付の豚のスネ肉を煮込んだもの。

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シュヴァイネメダリオンス
Schweinemedallions

家庭料理でもおなじみ、豚ヒレ肉のソテー。きのこのクリームソースが定番。メダル状の肉の形からついた料理名。

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ヴィーナー・シュニッツェル
Wiener Schnitzel

肉にパン粉をつけて焼いたもの。代表的なヴィーナー・シュニッツェルは仔牛肉を使用。鹿肉や豚、鶏などもある。

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エンテンブラーテン
Entenbraten

ミュンヘンのご当地グルメ鴨肉のロースト。鴨のモモ肉をまるごとこんがりと焼き上げた料理。

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ブロートツァイトテラー
Brotzeitteller

夕食に食べるカルテス・エッセン(冷肉料理)。ハムやソーセージをパンとともに。

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ヴィルトシュヴァインラグー
Wildschweinragout

ヴェルニゲローデの猪肉の煮込み料理。ワインなどでやわらかく煮込まれた、野性味あふれる猪肉が堪能できる。

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ターフェルシュピッツ
Tafelspitz

じっくりと煮込み、ブイヨンを効かせた牛ロース。西洋わさびのスライスを添えると絶品!

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ヒルシュシュテイク
Hirschsteak

ヴェルニゲローテのグルメ、鹿肉のステーキ。しっかりとした歯ごたえの鹿肉は、独特の香りとコクがある。

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ツヴィーベルローストブラーテン
Zwiebelrostbraten

ジューシーでやわらかい牛肉ソテー料理。添えられたカリカリオニオンとの相性も抜群。

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ザウアーブラーテン
Sauerbraten

リューデスハイムで食べられる薄切りの牡牛肉を数日間オイルとワインビネガーに漬けて焼き、煮込んだもの。

代表はにしん料理 魚料理

ハンブルクなど北ドイツの沿岸部は、北海やバルト海で獲れる魚介が名物。また、内陸部では川魚料理が楽しめる。

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マットィエスフィレ
Matjesfilet

ドイツでいちばんポピュラーな魚料理のにしんの酢漬け。塩と酢でしめた身がとろけるような食感。ドイツ流二日酔い緩和食ともいわれている。

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サーモンのサラダ
Lachssalat

旬の時期が来たら、大西洋で獲れるサーモンは日本で食べるものよりおいしいという人も。ドイツでも定番で人気の魚。

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ゲブラーテネ・ショレ
Gebratene Scholle

ハンブルク名物のかれいのソテー。分厚くほっくりした身にバターがからんで濃厚な味わい。

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フォレレンフィレ
Forellenfilet

ヨーロッパますのムニエル。白身魚の淡泊な旨みに濃厚ソースをからめていただく。

付け合わせ の大定番 じゃがいも料理

ドイツはじゃがいもの種類が豊富な国。付け合わせにする調理法もさまざまで巧みな使い分けで多彩な味を創り出す。

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カルトッフェル・ゲコホト
Kartoffel Gekocht

茹でじゃがいもをソースで食べるシンプルな料理。いも本来の味わいが再認識できる。

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カルトッフェルブライ
Kartoffelbrei

マッシュポテトの一種。「じゃがいも粥」ともいわれ、やわらかくふんわりした舌ざわり。

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フランクフルター・グリューネ・ゾーセ
Frankfurter Grüne Soße

ヘッセン州名物。季節のハーブで作る緑のクリームソースが美しい。

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ブラートカルトッフェルン
Bratkartoffeln

茹でじゃがいもの輪切りと玉ねぎ、ベーコンを炒めた料理。日本のジャーマンポテトの原型。

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クネーデル
Knödel

もっちりした弾力と歯ごたえがあるじゃがいも団子。ソースをかけた料理やスープにも。

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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷるドイツ ロマンティック街道」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2017年6月〜8月現在のものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので、現在取り扱っていない可能性があります。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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