スペイン【アンダルシア】の知られざる生活
スペインで一番世界遺産(UNESCO)の多いアンダルシアは、スペインらしい建造物が1番残っていると言われています。 イスラム文化とローマ人の歴史が今も残るところ。 日本からのツアーなどでは、あっとい...
更新日:2020年4月13日
美しい衣装に身を包んだマタドールと、牡牛の対峙の瞬間を目に焼きつける。熱いドラマの行方に夢中!
闘牛は3部構成のオムニバス劇。1回の闘牛で3人の闘牛士が2回ずつ牛に挑み、計6回の闘いが繰り広げられる。競技の進行は3階席に陣取るバンダ(音楽隊)の音楽が合図。ラッパが鳴ると場面が変わる仕組み。闘牛士の華麗な技には、動きに合わせて観客席から「オレ!」のかけ声が。
観客が白いハンカチを振るのは、よい演技をした闘牛士に褒賞を与えるよう主催者に求める合図
マタドールを筆頭に、それぞれの役割を持った闘牛士たちが、登場する。
闘牛の主役で、牛にとどめを刺す役目を負う。選ばれた闘牛士だけが許される。
馬上から槍を突き、牛を弱らせる。その具合で闘牛の成否が決まり、深い知識が求められる。
助手が引き受けることが多いが、マタドールみずから行ない見せ場のひとつになることもある。
闘牛では一連の流れが決まっている。前もって展開をおさえておけば、さらに楽しめる。
楽団の演奏するパソドブレの音楽とともに、マタドール、ピカドール、バンデリリェーロの順で厳粛な入場行進を行なう
音楽が止まり、牛が飛び出してくる。牛はすべて4歳の牡牛で体重は500kg前後。このときに牛の習性を見極める
ポーテ
厚手の布地でできており重さは5kgほどもある。通常は黄色とピンク色
ピカドールの登場。牛が馬に突進し、角を突き立てようとした瞬間を狙い、筋肉が集中する肩甲骨の隆起部分を刺す
さらに突進を続ける牛の攻撃を、バンデリリェーロが巧みにかわしながら接近。紙飾りの付いた2本の銛を3回、計6本ピカドールと同じ場所に突き立てる
バンデリーリャ
飾りの付いた銛。赤と黄色、 緑と白などスペイン国旗、アンダルシア州旗と同じ色が使われる
モンテラと呼ばれる帽子をとり、これから仕留める牛を捧げる相手に帽子を渡す。観客全員に捧げる場合、砂場の中央に出て観客に挨拶をしたあと、肩越しに帽子を放り投げる
闘牛のハイライト。持ち時間は15分。マタドールがムレタを片手に、華麗に牛をあしらう
ムレタ
赤いフランネル製の布とそれを支える棒のこと。ムレタの中には剣を隠している
牛の頭が下がり、首筋が正面に見える状態になると、マタドールは剣を取り出してとどめを刺す。これを「エストカダ=真実の瞬間」という
全国各地に500以上の闘牛場が点在するスペイン。闘牛場には1〜3級の等級があり、等級が高いほどレベルの高い闘牛を見ることができる(下記の闘牛場はどちらも1級)。闘牛シーズンは3月のバレンシアの火祭りから、10月のサラゴサのピラール祭まで。たいてい1日1回公演で日曜の夕方から開催され、所要時間は日没までの2時間ほどだ。
チケットは競技の4日前から闘牛場のチケット売り場にて販売。また、事前にWeb予約もできる。闘牛の有無は観光案内所などであらかじめ確認を。
闘牛場の座席は日の当たり具合によってソル(日向席)Sol、ソンブラ(日陰席)Sombra、ソル・イ・ソンブラ(中間席)Sol y Sombraに分かれており、さらに1〜3階がある。ソンブラ(日陰席)のアレーナに近い席が、いちばんよいとされている。
マドリードはシーズン中、毎週末開催。セビーリャでは4月の祭り期間に連日開催される。
スペイン3大闘牛場のひとつ
1931年に創設されたスペイン国内最大級の闘牛場。闘牛シーズンは3〜10月で、5、6月のサン・イシドロ祭で最高潮を迎える。
世界第3位の規模を誇る
闘牛の聖地。歴史ある闘牛場
18世紀に建てられた目にも鮮やかな外観の闘牛場。併設の博物館では闘牛に関する展示がある。
闘牛場に併設されている博物館
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