編集部渾身作『地図でスッと頭に入る地政学』2024年1月26日新発売！

世界最大級の産油地として従来アメリカが重視してきた中東。
しかしシェールオイル・ガスの生産技術が開発され、自国が世界一の産油国になると中東重視戦略を転換、軸足をアジアへと移しつつあります。

その間隙を突いて中国が中東での存在感を高めてきました。エネルギーを軸に見ると、ロシア・中国・中東VSアメリカ・EUの構図が浮かび上がってきます。

日本各地に点在する米軍の施設、その約4割が沖縄に集中しています。冷戦時代、旧ソ連や中国に対抗する最前線基地として機能してきた沖縄は、冷戦終結後、中国の海洋進出に伴い、更にその重要度を増しています。

太平洋へ向かう中国海軍への牽制、朝鮮半島・台湾有事への備え、ロシア、中国、インドなどへのミサイル戦略上の価値、これら地政学的優位性が米軍にとっての沖縄の存在意義を高めているのです。

2023年8月、中国が発表した新たな標準地図。台湾の東側に線を引き、南シナ海、インド北東部、カシミール地方のアクサイチンにも領土、領海を明記するなど、従来からの主張をより強めた格好となり、周辺諸国の猛反発を買いました。国際法違反もどこ吹く風、その勢いが止まる気配はありません。

紛争の多発地帯、中東。その多くに絡んでいるのが地域大国イランです。
1979年のイスラム革命のあと、各地にその革命を波及させようと＜革命の輸出＞を開始。イスラエルと激しく戦うハマスやヒズボラを支援し、同じイスラム教シーア派のシリア・アサド政権を支え、イラク領内のシーア派へも触手を伸ばす。最近ではロシア・中国との協力関係も強化し、「反米枢軸」を固めようとしています。

編集担当M

世界情勢は日々変化していますが、地理的な条件は変わりません。一度頭に入ってしまえば、一生使える知識になります。まずはぱらぱらとめくって、気になるテーマから読んでみてほしいです。

|| INTRODUCTION 地政学の基本を押さえよう
|| CHAPTER1 地政学でよくわかる世界の最新ニュース
|| CHAPTER2 大国の戦略・思惑を地政学で読み解く
|| CHAPTER3 世界の経済事情を地図的視点で解釈
|| CHAPTER4 各地で起こる紛争や諸問題を地政学で学ぶ

編集担当M

地政学のキホンから、昨今のニュースで話題の事柄、さらには経済的なトピックスまで様々なテーマがまとまっています。テレビの隣に置いて、気になるニュースがあった時にさっとめくってみてほしいです。

|| 鈴木 達人（すずき・たつじん）
予備校講師。静岡県出身。大阪外国語大学（現・大阪大学外国語学部）アラビア・アフリカ語学科卒。スタディサプリをはじめ、全国の大手予備校で地理の講師を務める。講習では100人規模の大教室が満席に。ミュージシャンとしての側面もあり、大阪のインディーズバンド・REIGNでギタリストを務める。
主な著書に『世の中のしくみが氷解する 世界一おもしろい地理の授業』（KADOKAWA）などがある。