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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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ウィーン・プラハ・ブダペスト出発前の準備 パスポート、ビザは?

誰でも気軽に海外旅行に出かけられる時代だが、段取りや知っておくべき最低限の知識が存在することは変わらない。出発間際に慌てないように、必要な準備は手際よくスマートに進めたい。

パスポート(旅券) PASSPORT

パスポートは海外で自分の身分を証明する大切な書類。これがなければ外国の出入国も日本の出入国もできない。旅行の予定が決まったら、まずはパスポートを取得しよう。すでに取得している場合は、有効期限をチェック。入国に必要な残存期間を満たしていない場合は、パスポートを更新しなければならない。原則的に有効期限まで1年を切っていれば、いつでも更新手続きができる。

パスポートを作る
パスポートには、発行日から5年間有効な5年旅券と、10年間有効な10年旅券があり、どちらかを選ぶ。ただし20歳未満の場合は申請できるのは5年旅券のみ。申請から受領まで通常8~10日かかる。申請する場所によっては、もっとかかることがある。写真や身分証明書の規定は申請前に外務省のサイトなどで確認したい。
外務省 パスポート A to Z www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport

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申請のために用意するもの

・一般旅券発給申請書(申請窓口にある)
・戸籍謄(抄)本1通
・写真(縦45mm×横35mm)1枚
・申請者本人を証明する書類
※住基ネットワークで確認ができない人は住民票が必要

申請する場所

住民登録をしている都道府県または市町村のパスポート申請窓口

受領のために必要なもの

①申請時に渡された受理票
②手数料

パスポートの交付(受取)手数料

10年旅券 1万6000円 (満20歳以上のみ)
5年旅券 1万1000円、6000円 (満12歳未満)

必要なパスポートの残存有効期間 TERM OF VALIDITY OF PASSPORT

オーストリア・チェコ・ハンガリー 出国時に3カ月以上

各国への渡航に必要なパスポートの残存有効期間は、3カ国とも上記のとおり。なお、チェコは査証欄の余白が2ページ以上あることや、海外旅行保険の加入も条件。また、シェンゲン協定の加盟国を経由する場合は、加盟国での合計滞在日数+3か月以上の有効期間が必要になるので、有効期間が1年を切ったら切り替え申請をしておくと安心。

ビザ VISA

オーストリア 6カ月以内の観光目的の滞在ビザ不要
※シェンゲン協定加盟国経由で出入国する場合は、加盟国での合計滞在日数が90日以内

チェコ 90日以内の観光目的の滞在ビザ不要
※パスポート査証欄の余白が2ページ以上必要

ハンガリー 90日以内の観光目的の滞在ビザ不要

ビザ(査証)は入国に必要な書類のひとつ。日本人の場合、観光や商用目的の滞在で、オーストリア6カ月以内、チェコとハンガリー90日以内ならばビザは不要。ただし、EUのシェンゲン協定に加盟しているため制限がある。そのほか、長期滞在などの場合は各国の大使館で手続きが必要なので確認を。

・在京オーストリア大使館 領事部
www.bmeia.gv.at/jp/botschaft/tokio
03-3451-8281

・駐日チェコ大使館 領事部
www.mzv.cz/tokyo/ja
03-3400-8122

・駐日ハンガリー大使館 領事部
www.mfa.gov.hu/kulkepviselet/JP/jp
03-5730-7120

航空券 AIR TICKET

航空券には種類があり、旅行者がよく使うのは、PEX航空券か格安航空券の2種類だ。PEX航空券は航空会社、格安航空券は旅行会社で買う。季節により料金が異なり、料金には運賃のほかに、空港使用料や燃油サーチャージなどが加算される。時期やマイレージのことを考えるとPEXのほうが割安なことも。

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PEX航空券

PEX運賃とは正規割引料金のこと。PEX航空券には、IATA(国際航空運送協会)に参加している航空会社で共通に使えるIATA PEX航空券、各航空会社が独自に料金を決めるZONE PEX航空券、事前に購入する時期が限定されているAPEX航空券などがある。予約時に便名を確定できるほか、各種サービスも良いが、格安航空券に比べると料金は高め。

格安航空券

旅行会社が団体ツアー用に仕入れているチケットを個人に販売するため、低料金。そのため期間が短いものや帰りの便を変更できない航空券が多い。価格競争により、非常に安い航空券も出回っているが、便名が確定しない、申し込みが殺到しオーバーブッキングになる、複数の旅行会社間でダブルブッキングになるなどのトラブルも起きやすい。

格安航空会社(LCC)について
運航コストの軽減や機内サービスの簡略化・有償化などにより、低料金での運航を可能にした航空会社。ローコスト・キャリア(LCC)とも呼ばれる。航空券の購入時期を問わずキャンセル料は100%かかることが多いので注意。

服装 CLOTHES

冬の気温は東京よりも低く、石畳の道は底冷えするので、防寒対策はしっかりとしたい。夏も日中こそ暑くなるが夜には冷えることもあるので、上に羽織れるものを携帯するとよい。昼間の観光は歩きやすさも考えて、軽装に。あまり上等な身なりはスリにも狙われやすい。高級レストランでの食事やオペラ鑑賞のときは普段よりもおしゃれに。

荷物 BAGGAGE

帰国時の荷物は確実に増える。飛行機の重量制限を超えないよう荷物はなるべく少なめに。携帯電話などを現地で使うつもりなら、充電器の対応電圧を確認しておきたい。

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海外旅行保険 TRAVEL INSURANCE

病気やけが、盗難ほか、思いもよらないトラブルに対処、補償するのが、海外旅行保険。万一に備えて海外旅行保険には絶対に加入しておきたい。申し込みは旅行会社やインターネット、空港の保険会社窓口でも可能。

アシスタンス・センター
緊急の際は、契約した保険会社のアシスタンス・サービスへ電話を。どの保険会社も24時間日本語対応で、病院の手配はもちろん、救援者の渡航や宿泊に関する手配などを行なっている。

保険が適用されないケース(保険会社により異なる)
■現金類の盗難・紛失
■慢性病・妊娠・歯科の治療
■戦争・暴動・天災などによる被害 テロの場合は保険会社が判断

おもな保険会社 
・AIU保険 www.aiu.co.jp/travel
・ジェイアイ傷害火災保険 www.jihoken.co.jp
・損害保険ジャパン www.sompo-japan.co.jp

お金の準備 MONEY

盗難の被害に遭わないためにも、多額の現金は持ち歩かないようにしたい。小さな食堂や商店以外は、レストランやホテル、ブティックなどほとんどの店でクレジットカードが利用できる。蚤の市での買物や、駅、美術館のロッカー、チップを渡す際には小銭が必要。

旅の予算 TRAVEL BUDGET

■費用
日本からの往復航空券は4万前後〜20万円。これに燃油サーチャージ、宿泊費、各種入場料、食事、おみやげ代などがプラス。

■1日分の費用の目安(1人分)
オーストリア
●宿泊費(1室)7000〜7万4000円(€60〜650)
●交通費 450〜2万3000円(€4〜200)
●食事代 2000〜1万2000円(€20〜100)
●入場料 無料〜1万7000円(€0〜150)
※€1=約113円で計算しています。

チェコ
●宿泊費(1室)6000〜3万8000円(1500〜9000Kč)
●交通費 130〜5000円(32〜1200Kč)
●食事代 1000〜3400円(240〜800Kč)
●入場料 無料〜5000円(0〜1200Kč)
※1Kˇc=約4.2円で計算しています。

ハンガリー
●宿泊費(1室)5200〜4万4000円(1万3000〜11万Ft)
●交通費 130〜2200円(320〜5500Ft)
●食事代 800〜7200円(2000〜1万8000Ft)
●入場料 無料〜4000円(0〜1万Ft)
※1Ft=約0.4円で計算しています。

日本での両替 EXCHANGE IN JAPAN

空港からホテルに着くまでに必要な現地通貨は、日本で用意しておくと心強い。為替相場にもよるがユーロは日本で両替しておいたほうが一般的にレートが良い。両替できる場所は選択肢が広く、手数料やその店までの交通費なども考えて選びたい。チェココルナとハンガリーのフォリントは成田国際空港など両替できる場所が限られ、レートもやや悪い。

クレジットカード CREDIT CARD

多額の現金を持ち歩くのは危険なので、可能な限り支払いはクレジットカードで済ませたい。また、ホテルにチェックインする際などには、デポジットなど身分を保証する。

利用限度額を調べておく
海外で高額な出費を予定しているときは、出発前にカード会社に問い合わせておきたい。限度額を上回って利用したい場合は増額してもらう。

暗証番号を調べておく
ATMでキャッシングする際などに必要。また、ICクレジットカードの場合、支払いの際にも暗証番号の入力が必要になることが多い。カード会社に電話などで問い合わせれば教えてもらえるが、回答は郵送になることが多い。

カードに付帯している海外旅行保険に注意
海外旅行保険が適用されるのは、海外に出たときからなのか、あるいはカードを利用して初めて適用されるのか、どんな事故に適用されるのかなど、調べておかないと、いざというときに必要な補償を受けられないことがある。

カード情報のスキミングに注意
カード番号などカードの情報を盗まれ、勝手に使用されて引き落とされたというようなことがないよう、カードは信頼できる店で使用しよう。

国際キャッシュカード INTERNATIONAL CARD

プラスPLUSやシーラスCirrusなどと提携するATMを利用すると自分の銀行口座から現地通貨で現金が引き出せる。楽天銀行、新生銀行、SMBC信託銀行(旧シティバンク)などによるサービスがある。

手数料
利用する銀行やATMにより異なるが、換算レートに3〜4%の手数料が加算され、引出手数料がかかるものもある。

トラベルプリペイドカード TRAVEL PREPAID CARD

専用口座にチャージした額だけ利用できる海外専用プリペイドカード。提携ATMで現地通貨を引き出すことができ、提携ショップやレストランでは、サインだけで支払いもできる。引出手数料や利用限度額があるが、紛失・盗難時のサポートがあるため、現金を持ち歩くより安心。JTBやクレディセゾン、トラベレックスなどが発行している。パスポートがあれば、即日発行可能なものもある。申し込みはインターネットや郵送、発行会社の窓口で。

物価

オーストリアの物価は日本と同程度か、物によっては日本より高いことも。ただし、乳製品は安く手に入る。チェコとハンガリーの物価は他のヨーロッパ諸国や日本と比べると割安といえるが、都市部のプラハやブダペストは近年物価が上昇している。

ミネラルウォーター
・オーストリア€0.50〜2(約60〜230円)
・チェコ10〜20Kč(約40〜80円)
・ハンガリー90〜150Ft(約40〜60円)

生ビール
・オーストリア€3〜4(約340〜450円)
・チェコ16〜75Kč(約70〜320円)
・ハンガリー60〜320Ft(約20〜130円)

コーヒー
・オーストリア€2.80〜3.50(約320〜400円)
・チェコ15〜75Kč(約60〜320円)
・ハンガリー300〜650Ft(約120〜260円)

ハンバーガー
・オーストリア€2.50〜3.40(約280〜380円)
・チェコ29〜68Kč(約120〜290円)
・ハンガリー200〜740Ft(約80〜300円)

たばこ
・オーストリア€3.40〜4(約380〜450円)
・チェコ40〜50Kč(約170〜210円)
・ハンガリー450〜700Ft(約180〜280円)

観劇チケット
・オーストリア€2〜150(約230〜1万7000円)
・チェコ100〜1200Kč(約420〜5040円)
・ハンガリー900〜1万500Ft(約360〜4200円)

メトロの料金
・オーストリア€2.20(約250円)
・チェコ24Kč(約100円)
・ハンガリー350Ft(約140円)

タクシーの初乗り
・オーストリア€3.80(約430円)
・チェコ40Kč(約170円)
・ハンガリー450Ft(約180円)

路線バスの料金
・オーストリア€2.20(約250円)
・チェコ24〜32Kč(約100〜130円)
・ハンガリー350〜530Ft(約140〜210円)

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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷるウィーン プラハ・ブダペスト」です。掲載されているデータは、2016年5〜8月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。