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yukkaitalia

更新日:2018年6月12日

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皆さん、はじめまして南イタリアのレッチェからブォンジョルノ!

南イタリアと聞くと、ナポリ、シチリアなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、その反対側のプーリア州も美しくて、食べ物がおいしく、さらになんといっても海がきれいなことでイタリアの中では有名です。特に 長靴のかかと部分に位置するレッチェはアドリア海とイオニア海に面した美しくエレガントなバロック建築の街として“南イタリアのフィレンツェ”の異名を持つ、イタリアの中でも有数の観光地です。

アクセス

ローマから電車(終点がレッチェ)で約6時間かかるので、時間の限られた日本人観光客の皆様にはなかなかレッチェまで来るのはむずかしいところ。ただ、レッチェのお隣のブリンディジ県に空港があり、ローマから飛行機で1時間ちょっとで着きますので、その後ブリンディジ空港から、レッチェ行きのシャトルバスを利用して30分という方法もおすすめです。いずれにしても時間をかけてくる価値は十分ありのレッチェ。イタリアの端っこにこんな素敵な街があったんだ!と感動すること間違いなしです。

ドゥオモ広場

レッチェで最も重要な教会、ドゥオモと68メートルの高さを誇る鐘楼が鎮座するドゥオモ広場です。鐘楼のてっぺんに小さく見えるのはレッチェの守護聖人である聖オロンツォさま。レッチェの町の最も高いところから この街をいつも見守ってくれています。

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筆者撮影

この鐘楼、残念ながら一般観光客には開放されていないのですが、頂上まで登ったことのある関係者の話によると、最上階からは遠くアドリア海が見渡せるそうで、その昔、海から攻めてくる異民族からの攻撃に備えるためこの鐘楼の上から見張りをしていたのだそうです。レッチェのドゥオモもその歴史は大変古く、その起源は1144年までさかのぼるといわれます。その後、レッチェでバロック建築のブームが花開いた、1600年代に、レッチェの多くのバロック建築物をてがけた、建築家ジョゼッペ・ジンバロによって現在のようなバロックスタイルに完成されました。

サンタ・キアラ教会

街かどを曲がるたびに教会に出くわすといわれているレッチェ。旧市街地区は美しいバロックスタイルの教会でいっぱい。写真の教会も、レッチェの旧市街地の中でももっとも美しいといわれている教会のうちのひとつ。未完の名作、サンタ・キアラ教会

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筆者撮影

写真をみていただければお判りだと思いますが、一番上に乗っかるはずだった屋根の部分がありません。それから全部で6個あるニッチの中も、聖像がおかれるはずだったのですが空のまま。巷のうわさによると資金不足のため、完成させることができなかったといわれています。

レッチェの教会やお屋敷は地元で大量に生産されるピエトラ・レッチェ―ゼと呼ばれる乳白色の石灰石を利用してつくられているため、夕暮れ時の街頭の黄色を吸収して町全体が琥珀色に染まります。この時間帯はレッチェのまちはうっとりするほど。

円形闘技場跡

さらに、レッチェの旧市街地には2000年近くの時空を超えたローマ時代の遺跡も残っており間近に見学することができます。レッチェで最も大きな広場ピアッツァ・サントロンツォ広場に残るローマ帝国時代の円形闘技場跡。紀元後1~2世紀に建設されたものといわれています。日本だったら超国宝級の古代遺跡が、街を歩いているといきなり目の前に現れるのがイタリアのすごいところ。

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筆者撮影
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筆者撮影

さらにおどろくことに、この遺跡、1929年まで地中深く埋まっていてその存在さえ誰も知らなかったとのこと。偶然この近所の銀行を建造するため基礎工事をしている最中にこの遺跡が発見されたそうです。現在も全体の三分の一が地中に埋まっており、相当な大きさの闘技場だったことがうかがい知れます。25,000人の観客を収容できたといわれておりその大きさは北イタリアのヴェローナの円形劇場と同等のものだったといわれています。レッチェが2000年近く前からローマ帝国の中でも重要な街として位置づけられていたのがわかりますね。

サレント地方

またこのレッチェを中心とした、イタリア半島のかかと部分の地方は“サレント地方”と呼ばれ、風光明媚な海岸、広大なオリーブ畑、まだ手付かずの自然が育む豊かな農産物から作られる素朴で美味しい料理、人なつこくてフレンドリーなサレンティーニ(サレント地方の人々の名称)等々、たくさんの魅力に満ち溢れています。レッチェ郊外に出ると、写真のようなオリーブ畑の光景が延々と続きます。

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筆者撮影

プンタ・パラシア灯台

このサレント地方のおすすめスポットをご紹介。レッチェからアドリア海側に出て、南下すること30分ほどで着く、イタリア半島の最東端の岬、プンタ・パラシア灯台。イタリア半島で最も早く日の出が見れるポイントなので元日には多くの人が初日の出を拝みにやってきます。プンタ・パラシア灯台を含むアドリア海側は絶好のドライビングコース!

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筆者撮影

案内所

先ほどご紹介したピアッツァ・サントロンツォ広場にあるレッチェのツーリストポイント。ここに行けば、アドリア海ガイド付きツアーやレッチェ発着の世界遺産サイトのマテーラツアーやアルベロベッロツアー、サレント料理のクッキングコース、などなど様々なオプションツアーをオーガナイズできます。おすすめです。

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筆者撮影
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筆者
yukkaitalia

イタリアに在住し始めて10年、南イタリアのフィレンツェと呼ばれるレッチェとその周辺のサレント地方の美しさをお伝えするのはもちろん、イタリア語を駆使してイタリア全土をかけめぐり、現地在住者の目を通して、魅力あふれるイタリアをレポートしていきます。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。