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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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ドイツ【古城街道】知ると楽しい古城鑑賞ガイド

時を超え、山々の緑に溶け込む中世の城。神聖ローマ皇帝の居城や、騎士たちが守り抜いた城から悲恋の伝説が残る城まで、幾多の物語を秘め、今も静かにたたずむ。

いにしえの伝説をしのびながら

街道の各地にかつての栄華の面影を残しながらたたずむ数々の古城。皇帝や貴族の居城もあれば、小領主たちが懸命に領地を守るために建てた要塞もあり、城の顔もさまざま。1618 年に起きた三十年戦争や、プファルツ継承戦争で半ば廃墟になりながらもその威容を見せるハイデルベルク城は、圧倒的な存在感で見る者を魅了する。1000年の時を経て今なおニュルンベルクの街を見下ろすカイザーブルクは、かつて神聖ローマ帝国の皇帝の居城であり、いまだ往年の栄華を感じられる。 

数ある城の多くは小領主たちが築いた、比較的小さな城だ。それらに秘められた逸話もまた、歴史のロマンを感じさせてくれる。「鉄腕ゲッツ」の異名を持つ、ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン男爵が暮らしたホルンベルク城や、恋人の騎士を待ち焦がれながら命を落とした乙女ミンナにちなんで名付けられたミンネブルク城、難攻不落のグッテンベルク城は、今も男爵の子孫が守り続けている。ネッカーシュタイナハには、男爵一族が築いた4つの居城群が、街を見守るように建っている。当時に思いを馳せて城を巡りたい。

ネッカー渓谷の美しき名城

マンハイムからライン川に合流するネッカー川の緑深い渓谷地帯には、古城の多いドイツのなかでもとくに美しいルネサンス様式やバロック様式の名城が多く、古城観光には欠かせないコースともなっている。呪いの伝説が残るヒルシュホルン城をはじめ鉄腕ゲッツの暮らしたホルンベルク城、300年前のバロック建築と、当時の調度品が残るハインスハイム城など、現在は観光客に人気のホテルとして使われている城もある。また、難攻不落の堅牢さで知られるグッテンベルク城は博物館として公開されているほか、館内にあるレストランでは、ナイフ1本で食事をする中世スタイルのユニークな伝統料理を楽しむことができる。また、ウェーバーのオペラに歌われ、今も年に1度『魔弾の射手』が上演されるツヴィンゲンブルク城も、機会があればぜひ訪れたい城だ。

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古城ホテルは早めに予約を。冬季は休業するホテルもあるので注意 

知るともっと楽しい古城鑑賞ガイド

建設された背景や特徴、基本的な知識を身につけておけば、古城巡りがいっそう楽しめる。

「城」を意味する2つの言葉の違い

ドイツ語で「城」を意味する「Burg(ブルク)」と「Schloss(シュロス)」は、明確な区別はないものの、前者には「防衛の要塞」、後者には君主が居住する「統治拠点」としての意味合いが強い。中世以前の城の多くは外敵から領地を守るため、山や丘など自然の地形を生かしたブルクであったのに対し、近世以降は大砲や銃などの武器の発達にともない、城は平地の都市に建てられるシュロスが多くなっていったといわれている。

シュロス(Schloss)

居住を目的に、交通至便な平地に建設されたものが多い。王や諸侯およびその一族が住んだ。離宮として、当時の建築技術の粋を極めたものも多い。

ハインスハイム_02

現在も所有者が住むハインスハイム城

ハインスハイム城

現地名:
Schloss Heinsheim
住所:
Gundelsheimer Straße 36
地図を見る »
アクセス:
ドイツ鉄道・SバーンBad Wimpfenバート・ヴィンプフェン駅から車で5分
TEL:
07264-95030
Webサイト:
http://www.schloss-heinsheim.de

ブルク(Burg)

10世紀頃から建設されるようになり、城主は王侯貴族をはじめ、騎士と呼ばれる小規模領主までさまざまだった。見晴らしの良い塔があることが多いのも特徴。

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カイザーブルク城

カイザーブルク

現地名:
Kaiserburg
住所:
Auf der Burg 13
地図を見る »
アクセス:
UバーンLorenzkircheローレンツキルヒェ駅から徒歩15分
TEL:
0911-2446590
営業時間:
9:00~18:00(10~3月は10:00~16:00)
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.kaiserburg-nuernberg.de

コンブルク城で見る城の構成

城の多くは、自然の地形などをうまく利用しているため、環境によって小さな違いはあるものの、城を構成する基本要素はほぼ同じ。丘の上に建つコンブルク城は、地形を生かし、堀のない構造になっている。

城壁(Burgmauer)

丘の上に築かれた城壁。弓矢や投石で攻撃するための狭間が設けられ、内部には通路として兵士らが行き来できる回廊が造られている。

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城をぐるりと囲む城壁

門(Tor)

外敵に備え、二重に構えられた堅固な門。弓矢などで門の上からも攻撃できるように、いくつものスペースが設けられている。

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石造りの重厚で堅牢な門構え

礼拝堂(Kapelle)

キリスト教が浸透していたドイツでは、中世の時代から近代まで、城の大小にかかわらず、必ず礼拝堂が設けられている。

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聖ミヒャエル礼拝堂

塔(Turm)

見張りや遠隔攻撃のための塔。丘の上にそびえるコンブルク城では、美しいロマネスク様式の3つの塔が、独特の美しさを見せている。

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凜とした美しい塔

コンブルク城 Großcomburg

修道院になったロマネスクの城
1078年にブルクハルト・コンブルク=ローテンブルク伯爵がみずからも修道士となり、ベネディクト会修道院に寄付した。大コンブルクの聖ニコラウス教会、小コンブルクの聖エギディウス教会とがあり、城は大コンブルクのほう。

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華麗な金の祭壇やリング形燭台など、重要な文化財も見られる

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シュヴェービッシュ・ハルの街も趣深い

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崖や川など、地形を利用するのが難しい城では、堀をめぐらせていた。城門の前だけを防備する門前堀が設けられた城などもある

コンブルク城

現地名:
Großcomburg
住所:
Grosscomburger Weg 5
地図を見る »
アクセス:
ドイツ鉄道Schwäbisch Hall シュヴェービッシュ・ハル駅からバスSteinbach Comburg スタインバッハ・コンブルク下車
TEL:
0791-938185
営業時間:
外観は見学自由
定休日:
外観は見学自由 

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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ ドイツ」です。掲載されているデータは、2015年12月〜2016年3月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。