世界的に見ても、「二重カルデラ」という稀有な地形が見られる阿蘇。中央部の阿蘇五岳を中心とし、ドーナツ状に台地が展開しています。樹林帯が少なく草原エリアも多いため、眺望がよく、爽快な道が多いのが阿蘇の特徴です。

往生岳の山容美しい！「阿蘇パノラマライン」下野線

中でも名道として名高いのが「阿蘇パノラマライン 」。阿蘇五岳の山麓から阿蘇山上の草千里まで走る三つの道の総称で、阿蘇らしい絶景が展開します。

阿蘇の山岳風景が堪能できる坊中（ぼうなか）線、南阿蘇の展望が美しい吉田線、阿蘇のシンボル「米塚」を眺められる下野線と、どれも個性的な道ばかり。
牛が放牧されている場所などもあり、アニメ『アルプスの少女ハイジ』を彷彿とさせる、牧歌的な雰囲気も満喫できます。

噴煙吹き上げる阿蘇山上では大地の鼓動が感じられる

草千里周辺では、ダイナミックに噴煙吹き上がる阿蘇山上の世界観を味わえるのも特徴。ひたすらに美しい山岳風景に浸りながら、大地の鼓動を感じてみてはいかがでしょうか？

大分県九重町から竹田市にまたがる「くじゅう連山 」。主峰は標高1,791mの中岳で、九州本土では最高峰を誇ります。「やまなみハイウェイ」は、そのくじゅう連山を縦断しながら湯布院方面へ抜ける、総長約50kmの愛称です。

中でもハイライトとなるのが、瀬の本高原〜牧ノ戸峠〜長者原をつなぐ約15kmの区間。瀬の本高原側は、鮮やかな木々の緑と青空のコントラストが美しく、ワインディングに富んだ気持ちの良い道。緑の山肌から、見え隠れする凛とした峰々が特徴的です。

ダイナミックな山塊を眺めつつ走る迫力ある峠道

一方で、やまなみハイウェイの最高点である牧ノ戸峠から長者原までは、くじゅうの峰々の脇を縫うように進みます。どっしりと佇む山容は、思わず息をのむほどの大迫力！火山らしい荒々しい山肌も見応え抜群です。

まるで絵のような世界観が広がる長者原

何と言っても一番の見所は、「長者原」に続くまっすぐな道！くじゅう連山に吸い込まれるように、一直線に道が伸びていく景色は、まさにやまなみハイウェイを象徴的する風景で、多くのドライバーや二輪乗りを魅了しています。

長崎県本土から西方約100kmの海上に位置する五島列島。2018年に教会群が世界遺産に登録されてから、国内の旅行先として脚光を浴びるようになりました。
歴史や自然、食など魅力の多い五島列島ですが、景色が素晴らしい道もたくさんあります。

ビーチと道が絶妙に調和する「高浜海水浴場」

下五島・福江島を一周する「国道384号線」 は、知る人ぞ知る最高のドライブコース。離島ながら、総長100kmにもわたる走りがいのある道で、進むほどに変化する景色を楽しんでください。

南東部にはトレードマークの鬼岳（おにだけ） 、北西には溶岩台地が広がる三井楽（みいらく）半島 があり、島の西海岸沿いには「高浜海水浴場」 や奄美大島のマングローブを彷彿とさせる「玉之浦」など、バラエティーに富んだ絶景に出会えます。

岐宿の道！素朴ながら景色変化に富んだ「福江島一周」

イチオシは、北東部の岐宿（きしく）エリア。 北海道を思わせるかのようなのどかな田園地帯の風景に、きっと癒されるはず！福江島を代表する教会「堂崎天主堂」も近い ので、ぜひ立ち寄ってみてください！

■国道384号線/福江島一周
住所：長崎県五島市国道384号線
営業期間：年間通行可能
休業日：冬季閉鎖なし
料金：無料
駐車場：各所にあり

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「道」と聞くと、観光名所というイメージはあまりないかもしれませんが、日本には素晴らしい風景が広がる美しい道が多数存在するのです。絶景を見せる山岳スカイラインや、旅情薫る海沿いの道、自然と人の営みが寄り添う離島の道など、バラエティーに富んでいます。

旅の楽しみ方が変わった今だからこそ、日本の素朴な魅力を再発見する「絶景道巡り」のドライブ旅に出て、あなたのお気に入りの場所を見つけてみてください。

取材・文章・写真：アウトドアライター土庄雄平

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