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フェリーに乗って北木島へ!「石の島」で絶景めぐり 瀬戸内をお手軽に船旅しよう

エディターズ

更新日: 2024年7月30日

フェリーに乗って北木島へ!「石の島」で絶景めぐり 瀬戸内をお手軽に船旅しよう

荒々しい採石跡が歴史を物語る「石の島」として日本遺産に認定され、話題を集めている岡山県の北木島。
笠岡市の伏越港などからフェリーで約1時間でアクセスすることができる、瀬戸内の島です。

島にはゆったりとした時間が流れる中、島の猫がのんびりと暮らす姿も。
ゆるゆると流れる時間があると思いきや、荒々しい石の歴史を感じる景観もあります。

のんびりと船旅を楽しみながら、石の島ならではの絶景をめぐってみませんか。

北木島の概要と島への行き方をご紹介します!

北木島の概要と島への行き方をご紹介します!

北木島は、岡山県の南西端・笠岡沖に浮かぶ、大小31の島々からなる笠岡諸島最大の島です。

周囲約19kmの島内には断崖絶壁がそびえる採石場をはじめ、「石」にまつわるフォトスポットが点在。最近はお笑い芸人「千鳥」の大悟さんの出身地としても知られています。

北木島の概要

江戸時代以降、良質の花崗岩が切り出され、北木石として重要文化財の大阪城桜門、日本銀行本店本館、靖国神社花崗岩大鳥居など、日本を代表する建造物に使われてきました。令和元(2019)年に、「知ってる!? 悠久の時が流れる石の島~海を越え、日本の礎を築いた せとうち備讃諸島~」として、日本遺産に認定されました。今では「石の島」として広く知られています。

北木島への行き方

まずはJR倉敷駅から山陽本線で約30分のJR笠岡駅をめざします。JR笠岡駅から歩くこと12分、伏越(ふしごえ)港のフェリー乗船場に到着です。

北木島へは伏越港発着の大福丸フェリーか金風呂丸フェリー、または住吉港から三洋汽船が運航する旅客船を利用します。フェリーは島の西側の豊浦港と金風呂港、旅客船は島の東側の北木島港(大浦港)と、楠港に運航します。東西の港間の交通はありませんので行き先によって乗り間違えないよう注意してください。

車の場合は山陽自動車道笠岡ICから伏越港まで約15分。港に有料駐車場があります。

北木島へ実際に船に乗って行ってきました!

今回乗船するフェリー大福丸伏越港発6時10分の始発から1日5便運航、乗船料は片道520円です。広い客室でくつろいだり、デッキで瀬戸内海に浮かぶ島々を眺めることができます。北木島まで約1時間のプチトリップのスタートです。

出港してすぐに船上から見える特徴的な建物は笠岡市立カブトガニ博物館。神島水道を望む一帯は天然記念物のカブトガニの繁殖地です。

北木島の玄関口、豊浦港では訪島を歓迎するカラフルな建物が目を引きます。

「メビウスの輪」を題材にした石の抽象作品で知られる彫刻家牛尾啓三さんによって、1989年に豊浦港フェリー乗り場に設置されました。正式名称は「空間のメヴィウス円環180°ひねり」で、大きさは直径225㎝、奥行き63㎝の巨大なアート作品です。

北木島のめぐり方のポイントは?

北木島のめぐり方のポイントは?

島内の見学スポットには駐車場がないため、観光の足はレンタサイクルがおすすめです。自転車は豊浦港そばにあるK’s LABOで借りることができます。金風呂丸フェリー内でもレンタルできますが、いずれも台数には制限があるため予約をしておきましょう。
※K’s LABOは2024年1月現在休業中です。

 

北木島最大の見どころ!石切りの渓谷展望台へ

北木島最大の見どころ!石切りの渓谷展望台へ

豊浦港から自転車を走らせること約9分、展望台に到着です。

丁場(採石場)を見下ろす高さ約60mの位置に整備された展望台。断崖絶壁の迫力に思わず足がすくんでしまいます。

石切りの渓谷は明治25(1892)年に開かれた丁場で、良質な石を求めて地下深く掘り進んだ結果、天に向かってそそり立つような岩壁となりました。手作業の時代に始まり、機械化された現在も石切りを続ける島の丁場は高さ100mの断崖の圧倒的な迫力です。かつて島が栄えていた頃には127か所もの石切り場があったそうですが、現在は2か所のみとなっています。

石切りの渓谷展望台
住所/笠岡市北木島町8703
電話/0120-68-2120(鶴田石材)
入場料/大人1000円、小学生500円
営業時間/11:00~13:00
休業日/無休

北木島の海の駅「K's LABO」

北木島の海の駅「K's LABO」

豊浦港近くに建つ複合施設K’s LABOでは、ストーンミュージアムやミュージアムショップ、カフェがあり、自転車やマリンレジャー用品のレンタルもできます。

施設内にはフォトスポットが複数あります。旅の思い出にたくさん写真を撮りましょう。

島に息づく400年の北木石の歴史を学べるストーンミュージアム。写真パネルや島の加工技術によって作り出された石の展示物で石の魅力を発信。ショップでは北木石を使ったコースターや皿、時計などを販売しています。

レンタサイクルはクロスバイク、子ども用スポーツバイクまで種類豊富。電動アシスト自転車のレンタル料金は1日2000円です。

施設内には海と青空を眺めながら、島時間を楽しめるカフェがあります。写真は11~14時に味わえるランチメニュー「せとうち鯛骨らーめん」700円。しっかりとした細麺で、鶏ガラと瀬戸内産天然鯛のアラでとっただしが特徴です。チキン島カレーや海鮮バーベキューセット(2名以上、1人3500円〜)も人気です。海を一望する2階のテラス席で、スイーツを食べながらひと休みするのもいいですね。

K’s LABO
住所/笠岡市北木島町10364-25
電話/0865-69-8814
料金/入場無料、ストーンミュージアム中学生以上600円、小学生300円
営業時間/10:00~16:00
休業日/月・水・金曜

北木島をぐるっと散策! まだまだある観光スポット

北木島をぐるっと散策! まだまだある観光スポット

北木島の景勝地など、採石の歴史を物語る産業遺産など、北木島ならではの観光スポットをご紹介します。また、島のあちらこちらで見かける島猫。のんびりとした島時間が楽しめます。

豊浦港近くにあるライトブルーがかわいい島の公会堂。レトロでフォトジェニックですね。

北木島の観光スポット 人の手がつくり上げたアートのような空間「北木島の丁場湖」

北木島の観光スポット 人の手がつくり上げたアートのような空間「北木島の丁場湖」

かつて千ノ浜地区で採石していた丁場が操業を停止し、そこに雨水がたまって湖のような美しい景観となった、採石の歴史を物語る産業遺産。切り立った山と丁場湖は山水画のような景観から“北木の桂林”と呼ばれています。

北木島の丁場湖
住所/笠岡市北木島町
電話/0865-62-6622(笠岡市観光協会)
営業時間/見学自由

北木島の観光スポット 靖国神社に行けなかった「残念石」

北木島の観光スポット 靖国神社に行けなかった「残念石」

豊浦港近くに、昭和7(1932)年に切り出された靖国神社鳥居の予備石がそのまま残され、島では「靖国神社の残念石」と呼ばれています。ユーモラスなネーミングに思わずニヤリ。

残念石
住所/笠岡市北木島町
電話/0865-62-6622(笠岡市観光協会)
営業時間/見学自由

北木島の新名物グルメ!? 海鮮からあげ丼を実食!「橙屋」

北木島の新名物グルメ!? 海鮮からあげ丼を実食!「橙屋」

北木島周辺で獲れた新鮮な魚介を使った、海鮮からあげ丼500円が看板メニュー。石材会社直営でスタンド形式のテイクアウト専門店ですが、腰を掛けて食べることができる席もあります。

磯の香りがする海岸沿いの堤防に座って、アツアツの海鮮からあげ丼を食べるのもいいですね。

橙屋では笠岡諸島のひとつ、六島で作られている「六島浜醸造所」のクラフトビールも販売。六島浜醸造所の商品は濾過せず、酵母を残したままの状態で仕上げています。

「北木島オイスタースタウト」は北木島産のカキがミネラルの苦みの角をとり、まったりとした味わいの黒ビール。ほかに「六島麦のはじまり」「六島ドラム缶会議」を扱い、いずれも1本600円。島旅のおみやげにぴったりです。

橙屋
住所/笠岡市北木島町8723-17
電話/0120-68-2120(鶴田石材)
営業時間/11:00~13:00
休業日/月・火・木・金曜

石の歴史を感じる北木島の日帰り旅、ぜひ行ってみましょう!

石の歴史を感じる北木島の日帰り旅、ぜひ行ってみましょう!

北木島の日帰り旅、いかがでしたか?

現在の豊浦地区・金風呂地区には、表面を削り取られた山々が、かつて石材産業が繁栄を極めた痕跡を残すようにたたずんでいます。石の歴史を感じながら、フォトスポットが点在する島を自転車でめぐる、いつもと違った旅ができそうですね。

千鳥の大悟さんのふるさととしてメディアでも登場する北木島、気になっていた方も多いのではないでしょうか?船でわざわざ行く価値のある、魅力たっぷりの島、ぜひ訪れてみてくださいね。

北木島へ行くなら!「まっぷる」がちょうどイイ!

画像:まっぷるリンク
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

【筆者】エディターズ

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    岡山と沖縄にオフィスを構える、キャリア約30年の編集プロダクションです。旅行情報やタウン情報を中心に約1万件を超える取材や執筆の実績があります。旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」や「ことりっぷ」で岡山・四国・沖縄エリアの編集を担当しています。
    旅好きな全スタッフがさまざまなアンテナを張りめぐらして情報を収集・編集し、「思わず旅に出たくなる」記事をお届けしていきます。