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温泉についてもっと知ろう!温泉の定義、泉質と効能、正しい湯治方法とは? 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2023年2月2日

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温泉についてもっと知ろう!温泉の定義、泉質と効能、正しい湯治方法とは?

温泉は日本人にも訪日外国人にも人気がありますが、温泉に関する正確な知識は意外に知られていないといえるでしょう。温泉に入浴する時に効能などが掲示されているのを見て、初めてその温泉の特徴を知ったという方も多いのではないでしょうか。

温泉に関する知識を増やせば、温泉旅行や入浴がさらに楽しくなります。この記事では、知っているようで知らない温泉の知識をまとめて紹介します。

1.温泉とは?その定義と法律

1.温泉とは?その定義と法律

温泉というと、「ぬるめ、または、熱いお湯が自然に湧き出しているところ」「健康に良い成分が溶け込んだお湯」といったイメージを描く方が多いでしょう。しかし、法的な意味においては、すべての温泉がそのような特徴を持つとは限らないのです。

ここでは、温泉を定義する法律を紹介します。また、法的には温泉ではないものの、昔から有名な温泉があることにも触れます。

1-1.温泉の定義

温泉は1948年に制定された「温泉法」によって、以下のように法的な定義がされています。
『この法律「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表(下に掲載)に掲げる温度又は物質を有するものをいう。』(温泉法第1章「総則」第2条)

「温度又は物質を有するもの」と書かれている点に注目してみましょう。つまり、一定の温度であれば、特別な物質を含んでいなくても温泉なのです。また、所定の物質を一定量、含んでいる冷たい湧き水も温泉ということになります。さらに、水蒸気やガスでさえ、一定の温度か物質を有していれば温泉と定義されます。

ちなみに、温泉を定義づける温度は25℃以上(源泉から採取される時の温度)です。また、温泉の含有物質にはラジウム塩やラドン、重炭酸ソーダや数々のイオン類などで合計19種類があります。ただし、温泉の条件を満たす含有量は物質によって異なるのです。

別表

1. 温度(温泉源から採取されるときの温度) 摂氏25度以上
2. 物質(以下に掲げるもののうち、いずれか一つ)
溶存物質(ガス性のものを除く。)総量1,000mg以上
遊離炭酸(CO2)(遊離二酸化炭素)250mg以上
リチウムイオン(Li+1mg以上
ストロンチウムイオン(Sr2+10mg以上
バリウムイオン(Ba2+5mg以上
フェロ又はフェリイオン(Fe2+,Fe3+)(総鉄イオン)10mg以上
第一マンガンイオン(Mn2+)(マンガン(Ⅱ)イオン)10mg以上
水素イオン(H+1mg以上
臭素イオン(Br)(臭化物イオン)5mg以上
沃素イオン(I)(ヨウ化物イオン)1mg以上
ふっ素イオン(F)(フッ化物イオン)2mg以上
ヒドロひ酸イオン(HASO42-)(ヒ酸水素イオン)1.3mg以上
メタ亜ひ酸(HASO21mg以上
総硫黄(S) [HS+S2O32-+H2Sに対応するもの]1mg以上
メタほう酸(HBO25mg以上
メタけい酸(H2SiO350mg以上
重炭酸そうだ(NaHCO3)(炭酸水素ナトリウム)340mg以上
ラドン(Rn)20(百億分の1キュリー単位)以上
ラジウム塩(Raとして)1億分の1mg以上

• 環境省HP「温泉の定義」より

1-2.温泉法が定められた経緯

そもそも、温泉法は「入浴すると健康に良い自然のお湯」を定義するために制定されたものではありません。あくまで、「普通の水とは異なる性質の水」を定義することによって源泉を保護し、採取時の災害を防止すること、温泉を適正に利用することが目的でした。また、温泉法の定義に当てはまる温泉の範囲がかなり広いのは、温泉を網羅して管理できるようにするためです。

ちなみに、25℃とは「常温よりも高い温度」という意図から、日本最南端の年間平均気温を基準にして決められた温度です。つまり、気温の高い土地ほど温泉の条件に該当する湧き水は多くなるといえます。

また、含有物についても体に良い成分とは限らず、毒物や有害物質も含まれています。たとえば、ヒドロひ酸イオンやメタ亜ひ酸はヒ素ですし、フッ素やメタほう酸などは環境汚染物質として知られるものです。

“温泉の王様”と言われる秋田県の玉川温泉は塩酸・硫酸が温泉法基準値の5倍、環境基準値の500倍という多量のヒ素化合物を含む、とても強烈な温泉です。このような温泉は、今の基準で判断されれば利用不許可になるかもしれませんが、昔からある名湯として、多くの温泉ファンから愛され続けているのです。

このように、一般的な温泉のイメージと法律で定義される温泉にはギャップがあります。にもかかわらず、「温泉法の定める温泉を利用した施設でなければ温泉施設とはいえない」といった誤解もまだまだ多いのが現状です。

1-2.温泉法が定められた経緯

秋田県の名湯・玉川温泉。Ph1.05の強酸性のお湯で、単一の湧出口から湧き出る温泉としては、日本一の湧出量がある

1-3.古来の名泉は温泉法に該当しないケースも

日本人が温泉を利用してきた歴史は非常に古く、日本最古の文献(奈良時代)とされる「古事記」や「日本書紀」にも温泉に関する記述が発見されています。また、戦国武将の武田信玄などが温泉を愛好し、戦の傷をいやすために活用していたエピソードも有名です。

温泉法制定よりもはるか昔から利用されてきた名泉の中には、温泉法の条件を満たさないものもあります。だとしても、pH値が高く滑らかな肌触りといった特徴を持つお湯や湯治場としての歴史などに対して、温泉らしい趣を感じる利用者も多いのです。そこで、温泉法とは別に地方自治体の条例で温泉として管理されている場合もあります。

このように、温泉法で定める温泉の条件に該当するかどうかは、入浴を楽しむための温泉にとって、必ずしも重要ではないといえるでしょう。

1-3.古来の名泉は温泉法に該当しないケースも

有馬、白浜と並ぶ日本三古湯のひとつ、愛媛県の道後温泉。開湯は縄文時代といわれ、聖徳太子も訪れたという

2.温泉の効能、療養泉とは?

2.温泉の効能、療養泉とは?

温泉を利用した時に「打ち身、切り傷、婦人病」といった効能書きを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「温泉は体の不調を治す」というイメージは、昔からの言い伝えにくわえて、温泉施設の効能書きが与える印象によるところが大きいといえるでしょう。

健康に良い効果が認められる温泉は温泉法で「療養泉」と呼ばれます。ここでは、療養泉の条件や温泉の効能について紹介します。

2-1.温泉のうち薬理効果が認められるものが療養泉

温泉法で定義される温泉のうち、薬理効果や療養効果が認められるものは療養泉に分類されます。

療養泉は温泉と同じように、一定の温度、あるいは、源泉に含まれる薬理物質と含有量(別表2)に基づいて定義されるものです。ちなみに、温度は温泉と同様に25℃以上とされています。また、1kgあたりの溶存物質総量が1000mg以上という条件も温泉法の温泉と同じです。

薬理物質の種類については、遊離炭酸(二酸化炭素)や総硫黄、ラドンなど、温泉の条件となる物質と共通のものも多いです。ただし、温泉よりも療養泉のほうがそれぞれの条件となる含有量が多くなっています。例えば、遊離炭酸(二酸化炭素)は1kgあたりの含有量が250㎎以上であれば温泉と定義されますが、1000㎎以上でなければその温泉は療養泉とは認められません。

つまり、特別な物質を含まない単純温泉でも湧出時の温度が25℃以上なら療養泉に含まれますし、25℃に満たない湧き水でも溶存物質(ガス性のものを除く)の含有量が1kgあたり1000mgを超えているもの、もしくは薬理物質の含有量が基準を超えているものであれば、それはやはり療養泉なのです。

 

別表2

1. 温度(源泉から採取されるときの温度) 摂氏25度以上
2. 物質(以下に掲げるもののうち、いずれか一つ)
物質名含有量(1kg中)
溶存物質(ガス性のものを除く。)総量1 000mg以上
遊離二酸化炭素(CO21 000mg以上
総鉄イオン(Fe2++Fe3+20mg以上
水素イオン(H+1mg以上
よう化物イオン(I10mg以上
総硫黄(S)〔HS+S2O32-+H2Sに対応するもの〕2mg以上
ラドン(Rn)30(百億分の1キュリー単位)=
111Bq以上(8.25マッヘ単位以上)

• 環境省HP「温泉の定義」より

2-2.療養泉は泉質ごとに10分類され、効能(適応症)が定められている

「鉱泉分析法指針」に基づき、療養泉の掲示用泉質は以下の10種類(※)に分類されます。

・単純温泉
・塩化物泉
・炭酸水素塩泉
・硫酸塩泉
・二酸化炭素泉
・含鉄泉
・硫黄泉
・酸性泉
・含よう素線
・放射能泉
(※ 以前あった含アルミニウム泉と含銅・鉄泉は2014年の改訂によって削除されました)

上記の泉質は温泉施設が泉質を掲示する際に用いられる名称で、いわば、温泉のジャンルのようなものです。10種類の掲示用泉質は、含有する物質の比率によって、さらに細かく分類されています。

そして、泉質ごとに効能が定められているのです。効能とは「体にどのような健康上の効果があるか」ということで、適応症とも呼ばれます。すべての泉質に適用される適応症もあれば、一部の泉質に限定される適応症もあります。

2-3.各泉質の効能(適応症)は、浴用と飲用の2タイプある

まず、療養泉の効能は入浴した場合と飲用した場合のそれぞれで定められています。また、浴用した場合、すべての療養泉に効能が認められる「一般的適応症」もあるのです。ちなみに、一般的適応症は以下の通りです。

浴用の一般的適応症

  • 筋肉や関節の慢性的なこわばり
  • 運動麻痺による筋肉のこわばり
  • 冷え症
  • 末梢循環障害
  • 胃腸機能の低下
  • 軽症高血圧
  • 糖尿病
  • 軽い高コレステロール血症
  • 軽い喘息または肺気腫
  • 痔の痛み
  • 自律神経不安定症
  • うつ状態や睡眠障害などストレスによる諸症状
  • 病後回復期
  • 疲労回復
  • 健康増進

次に、泉質ごとの分類条件と効能、代表的な温泉地を紹介します。

 

単純温泉


湧出時に25℃以上で、薬理物質の含有量が少ないものをいいます。単純温泉の効能は浴用時の一般的適応症のみです。

代表的な温泉地:下呂温泉(岐阜県)、道後温泉(愛媛県)、由布院温泉(大分県)、別府温泉郷(大分県)など

 

塩類泉

塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩のうち、いずれかの溶存物質の総量が1000mg/1kg以上の温泉で、浴用すると切り傷と皮膚乾燥症に効能があります。

塩類泉は主成分によって3つの泉質に分類されますが、飲用時の効能は、以下の通り、それぞれ違います。
塩化物泉:萎縮性胃炎・便秘
炭酸水素塩泉:胃十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・糖尿病・通風
硫酸塩泉:胆道系機能障害・高コレステロール血症・便秘

代表的な温泉地:定山渓温泉(北海道)、湯河原温泉(神奈川県)、あわら温泉(福井県)、指宿温泉(鹿児島県)など

 

二酸化炭素泉

二酸化炭素が1000mg/1kg以上含まれる温泉です。浴用では切り傷に、飲用では胃腸機能低下によいといわれています。

代表的な温泉地:湯屋温泉(岐阜県)、下島温泉(岐阜県)など

 

鉄泉

総鉄イオンを20mg/1kg以上含む温泉です。浴用では一般的適応症に、飲用では鉄欠乏性貧血に効きます。

代表駅な温泉地:長浜太閤温泉(滋賀県)、九十九島温泉(長崎県)など

 

酸性泉

水素イオンを1mg/1kg以上含む温泉です。浴用でアトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・糖尿病・表皮化膿症に効能が認められています。

代表駅な温泉地:新玉川温泉(秋田県)、中ノ沢温泉(福島県)

 

含よう素泉

よう化物イオンを10mg/1kg以上含む温泉です。飲用すると高コレステロール血症に効くとされています。

 

硫黄泉

総硫黄を2mg/1kg以上を含む温泉です。浴用でアトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・慢性湿疹・表皮化膿症に、飲用で糖尿病・高コレステロール血症に効能があります。

代表駅な温泉地:川湯温泉(北海道)、酸ヶ湯温泉(青森県)、草津温泉(群馬県)、野沢温泉(長野県)、地獄温泉(熊本県)

 

放射能泉

1kgあたりラドンが100億分の30キュリー単位以上含まれる温泉です。浴用で痛風・関節リウマチ・強直性脊椎炎に効能が認められています。

代表的な温泉地:恵那ラヂウム温泉(岐阜県)、三段峡温泉(広島県)、松葉温泉(大阪府)

 

複数の泉質を持つ温泉もある

ちなみに、複数の泉質を有する温泉もあります。たとえば、兵庫県の有馬温泉。ここは療養泉の泉質のうち、硫黄泉と酸性泉を除く成分が含まれており、世界的にも珍しい多くの成分が混合した温泉です。

2-3.各泉質の効能(適応症)は、浴用と飲用の2タイプある

複数の泉質をあわせもつ有馬温泉は、遠く神代にさかのぼるいわれをもち「天下一の霊泉」として名高い湯処

2-4.単純泉と普通のお風呂の違いって?

単純泉とは湧出時の温度が25℃あるものの、含まれる薬理物質量が条件を満たさないため泉質名が付かない温泉です。ですから、薬理物質がほとんど含まれていない可能性があります。

一方、家庭のお風呂は水道水か井戸水を沸かしたものです。温泉法に照らし合わせて水質検査をしていない井戸水の場合、薬理成分が含まれている可能性も考えられます。また、水道水を沸かしたお湯に入浴剤などを使用すれば温泉水に近い成分になる場合もあるでしょう。

つまり、単純泉と一般家庭のお風呂では、成分がそれほど変わらないという場合も珍しくないのです。

2-4.単純泉と普通のお風呂の違いって?
写真:123RF

2-5.泉質と効能(適応症)は2014年に一度見直しされた

療養泉の泉質と適応症については、2014年に現代医学の見解を反映して大幅に改定されました。削除された内容もあれば、新しく付け加えられた内容もあります。さらに、温泉の薬理成分による効能にくわえて、温泉入浴でリラックスすることの精神的な効果も認められたのです。そこで、うつ状態といった精神的な不調に対する効能も、すべての療養泉に浴用で共通する一般的適応症として追加されることになりました。

ただし、温泉施設によっては古い適応症の掲示が残っている場合もあります。

2-6.温泉の効能(適応症)はあくまでも源泉に対して

上で紹介した効能は湧き出してすぐの新鮮な源泉に対して定義されたものです。温泉施設の温泉には源泉水に加温・加水をしたものや循環式も多く、温泉水の成分は次々に変化していきます。また、源泉かけ流しにしても、浴槽まで温泉水が流れてくる間に空気に触れて薬理成分が酸化するなど、源泉そのものとは成分が異なる場合もあるのです。

ですから、温泉の効能については参考程度に考えるほうがよいともいえます。といっても、「この温泉に入れば心身の不調が少しよくなるかもしれない」と思いながら入浴することに心理的な効果も期待できるため、効能を否定する必要もないでしょう。

2-7.温泉成分は肌から染み込むわけではない

温泉の薬理成分が皮膚から直接、体内に吸収されることは、ほとんどありません。だからこそ、大量の塩分や毒物を含むお湯でも入浴できるのです。

ただし、傷口や呼吸器・消化器官の粘膜に温泉水が触れた場合はそこから吸収されてしまうため、注意しましょう。塩類泉や二酸化炭素泉は傷に対する殺菌効果があるため、効能として切り傷が数えられています。しかし、症状や体調によっては避けたほうがよい泉質や、飲用すると毒になる泉質もあるのです。また、泉質にかかわらず入浴を控えたほうがよい場合もあることを覚えておきましょう。

3.温泉を気持ちよく楽しむには

3.温泉を気持ちよく楽しむには
写真:123RF

何より大切なことは温泉体験そのものを楽しめるかどうかです。ここでは、温泉を楽しむために大切な3点をご紹介します。

3-1.「禁忌症」の掲示には注意して!

禁忌症とは、温泉入浴・飲用によって健康に悪影響が及ぶ可能性がある病気・体調を意味します。また、禁忌症には一般(浴用)・泉質別・成分別の3種類があります。

 

一般禁忌症

熱があるなど病気の活動期、重症の病気、出血など、温泉に限らず入浴を控えたほうがよい体調。

 

泉質別禁忌症

皮膚・粘膜の弱い人や高齢の皮膚乾燥症の人は酸性泉や硫黄泉に入浴する際に注意が必要。

 

成分別禁忌症

主に飲用について定められており、たとえば、塩分制限が必要な人はナトリウムイオンを含む温泉の飲用量に制限がある。

温泉施設には「入浴上の注意と禁忌症」を掲示する義務があります。それに対して効能については、「劣化していない新鮮な温泉が浴槽に満たされていると認められる場合には掲示しても差し支えない」とされているのです。

温泉を利用する時は効能よりも禁忌症にしっかり目を通し、禁忌症に当たる方は入浴・飲用を避けましょう。心配な方は温泉旅行を計画する段階で禁忌症をチェックしたほうがよいかもしれません。

3-2.療養泉でない温泉も立派な温泉!

療養泉の条件に当てはまらなくても温泉として利用されているものもあります。たとえば、水温が25℃未満で薬理成分の含有量が療養泉の基準未満の湧き水です。温泉施設では加温して提供している場合が多いでしょう。

しかし、湯温が天然であっても人工的に加熱されたものであっても、温かいお湯につかることには心身に良い効果があるといえます。温浴による血行促進によって疲労物質が代謝されやすくなり、肩こりや筋肉痛が楽になるのは、家庭のお風呂と同じです。

くわえて、温泉施設という非日常的な空間でリフレッシュできるといった要素も重要といえます。温泉施設は山や川、海などの近くに設けられることが多いため、自然との触れあいによるヒーリングの効果も期待できるのです。

ですから、療養泉でない温泉であっても、温泉としての効果は十分に得られるといえます。

3-3.湯めぐり、時間浴などにも挑戦してみよう

昔からの共同浴場などでは湯めぐりや独特の湯治方法を体験できる場合があります。

湯めぐりとは、複数の温泉施設を利用できる「湯めぐり手形」を利用する温泉の楽しみ方です。同じ温泉街なら泉質は同じ場合が多いものの、それぞれ、内湯や露天風呂に異なる趣向をこらしているため、新鮮な気持ちで入浴できます。

 

湯めぐりができる代表的な温泉地

草津温泉(群馬):白旗の湯、西の河原露天風呂など
別府温泉(大分):竹瓦温泉、駅前高等温泉など
城崎温泉(兵庫):一の湯、御所の湯など
野沢温泉(長野県):野沢温泉共同浴場(大湯など13カ所)

 

3-3.湯めぐり、時間浴などにも挑戦してみよう

信州の名湯・野沢温泉には多数の無料共同浴場があり、泉質も趣も異なる13の外湯めぐりを楽しめる。写真は見事な木造建築で野沢温泉のシンボル的存在でもある大湯

湯めぐりをする時の注意点

共同浴場は地域の方が共同で管理していることが多く、本来は住民のための施設です。観光客に公開されている共同湯なら住民でなくても利用できますが、湯あみ着や石けんの使用可否など、独特のルール・マナーがある可能性もあります。地域の方に失礼にならないように配慮して利用するようにしましょう。

 

草津温泉は「湯もみ」「時間湯」という湯治法が有名です。大きな板でお湯をかきまぜたり、決まった回数と順序に従ってかけ湯をしてから入浴したりするため、レジャーやスポーツにも通じる温泉体験になるでしょう。

別府温泉を代表する共同湯、竹瓦温泉。男女別の浴場と男女共用の砂湯があり、入浴料は100円(砂湯は1回1030円)。 現在の建物は昭和13(1938)年に建設されたもの

4.まとめ:細かなことは気にせず、体をあたためてリラックスするのが一番!

4.まとめ:細かなことは気にせず、体をあたためてリラックスするのが一番!
写真:123RF

温泉の成分は刻々と変化するものですし、かけ流しか、循環式かによっても変わります。また、温泉から得られる健康上の効果は、含有物質によるものだけではありません。むしろ、自然に恵まれた非日常的な空間でリラックスやリフレッシュを感じるなど、精神的な要素が及ぼす効果が大きいといえるのです。

ですから、温泉に行く時はあまり効能を気にしすぎずに、入浴体験そのものを満喫することが最も大切といえます。五感を開放して、それぞれ個性的な温泉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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