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更新日: 2025年7月1日
青春18きっぷの使い方を徹底解説!JR全線乗り放題でお得な旅を楽しもう
みなさんはお得な鉄道きっぷの「青春18きっぷ」をご存知ですか?
「若者向けのきっぷでしょ?」と思うかもしれませんが、実は誰でも使えるお得なきっぷなんです。
今回は、初めての方でも安心して使えるよう、鉄道本の編集経験を持つ筆者が、青春18きっぷの使い方やルール、魅力などをご紹介します。
目次
青春18きっぷとは? 値段と使用期間
格安鉄道旅行の定番アイテムと言っても過言ではない「青春18きっぷ」。
まずは、青春18きっぷの基本的な使い方と値段、使用期間について説明します。
青春18きっぷはJR線の普通・快速列車が自由に乗り降りできるきっぷ
「青春18きっぷ」は、日本全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席及びBRT(バス高速輸送システム)、ならびにJR西日本宮島フェリーに自由に乗り降りできるきっぷです。
新幹線や特急列車、JR線以外の私鉄列車等には乗車することはできません。
青春18きっぷの値段は5日間分と3日間分の2種類
大人も子どもも一律12,050円(5日間)と10,000円(3日間)の2種類。JR線の普通・快速列車に好きなだけ乗ることができます。
使用できるのは1枚の切符で1人。5日間もしくは3日間連続で使用できます。
青春18きっぷの使用期間は、春・夏・冬の期間限定
青春18きっぷが利用できるのは、学生の長期休みに合わせた春・夏・冬の3シーズン。
各シーズンに発売期間、利用期間が設定されています。
《青春18きっぷの発売期間・利用期間》
・冬季用
販売期間 例年11月下旬~1月上旬頃
利用期間 例年12月上旬~1月上旬頃
・春季用
販売期間 例年2月中旬~4月上旬頃
利用期間 例年3月上旬~4月上旬頃
・夏季用
販売期間 2025年7月4日~9月5日(3日間用は〜9月7日)
利用期間 2025年7月19日~9月9日
青春18きっぷを使ったモデルプランは別の記事でも紹介していますので、参考にしてくださいね。
どこで買える?青春18きっぷの買い方
青春18きっぷは、JR駅の「みどりの窓口」や指定券券売機で購入することができます。
「みどりの窓口」では、窓口にて青春18きっぷを購入したい旨を伝えましょう。
指定席券売機での買い方は、以下の手順になります。

1)指定席券売機で「おトクなきっぷ」を選びます

2)「おトクなきっぷの購入」を選びます

3)「青春18きっぷ」を選びます

4)「青春18きっぷ」を選びます

5)1枚購入する場合は、ご利用人数「1人」を選びます

6)内容を確認して、「確認」を押します

7)支払い方法では、現金またはカードが選択できます。現金で支払う場合は、先に硬貨から入れるようにしましょう。

8)領収書が必要な場合は、発券中に「領収書」を押します

9)発券口からきっぷが発券されます。複数枚発券されますが、実際に使うきっぷは1枚です
複数枚発券される券のうち、長辺が短い1枚のみが実際に使うきっぷです。他はきっぷの使い方や案内の説明が書かれています。
この1枚を3日間、もしくは5日間使うことになるので、なくさないように保管しましょう。
また、2024年冬季からは購入時に利用開始日の指定が必要になっているため詳しくは公式HPをご確認ください。
他にも、旅行会社などでも購入できます。
青春18きっぷで乗れる列車は?
JR各社が発表している青春18きっぷの情報には、乗車できる列車として、「日本全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席及びBRT(バス高速輸送システム)、ならびにJR西日本宮島フェリー」が挙げられています。
JR線の普通・快速列車には、新快速や通勤快速なども含まれます。
他にも、指定席券を追加して購入すれば、都市圏の通勤時間帯に運行している「〇〇ライナー」と呼ばれる列車や、普通乗車券+指定席券で乗車できる、SLやトロッコ列車などにも乗車することができます。
一方、特急券などが必要になる、新幹線・特急列車には乗車することはできません。
青春18きっぷを乗車券として使用することはできないため、新幹線や特急列車に乗るためには、青春18きっぷの他に、特急券と乗車券の両方を購入しなければなりません。
当然ですが、JR以外が運営する私鉄の列車には乗車することができません。
相互乗り入れなどにより、JRの普通列車から私鉄の営業区間に入った場合は、別途乗車券が必要になるので、注意しましょう。
青春18きっぷの使い方は?
2024年冬季分から、青春18きっぷの利用方法が変わりました。
これまでの青春18きっぷは、利用開始日に人のいる改札口で駅員にスタンプを押してもらう必要がありましたが、2024年冬季分からは、購入時にあらかじめ利用開始日を指定する方式に変わりました。
サイズも小さくなったため、自動改札機でも利用できるようになり、スムーズに入場できるようになりました。
青春18きっぷの魅力とは?
お得きっぷの中でも、格別の人気を誇る「青春18きっぷ」の魅力を紹介します。
青春18きっぷは1日2,410円で日本全国乗り放題
最大の魅力は、5日間用の場合、1日あたり2410円という価格で、日本全国のJR線の普通列車に乗り放題になるというお得感でしょう。
ちなみに、東京駅を早朝の5:20に出発して東海道本線、山陽本線を経由して西へ向かうと、日付が変わった0:01に山口県の新山口駅へと到着します。
通常であれば、12,870円の運賃がかかりますが、青春18きっぷならたったの2,410円です。
1万460円もお得になるというコスパの高さは、多少時間がかかったとしても、高速バスやLCCにはない魅力と言えるでしょう。
青春18きっぷはSLやトロッコ列車、船にも乗れる
普通や快速列車といえば、通勤・通学で利用する列車を連想しますが、SLやトロッコなどの観光列車も、普通列車や快速列車に区分されるものがあります。
青春18きっぷに指定席券を追加して購入すれば、乗車することができる、代表的な観光列車には、以下のものが挙げられます。
《指定席券を追加して乗車できる主な観光列車》

新潟県の新津駅と福島県の会津若松駅を結ぶ「SLばんえつ物語」
また、青春18きっぷで乗り降りができるものとしては、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーもあります。
BRTとは、東日本大震災で被害を受けた、気仙沼線・大船渡線の鉄道路線に変わり、バスで輸送を行うシステムのことです。
こちらは、青春18きっぷでバスに乗車することができます。
同様に、厳島神社のある宮島に向かうJR西日本宮島フェリーも、鉄道ではないフェリーですが、青春18きっぷで乗船することができます。※宮島訪問税(100円)が別途必要
《青春18きっぷだけで乗れるBRT・船》
- 気仙沼線BRT(柳津〜気仙沼)
- 大船渡線BRT(気仙沼〜盛)
- 日田彦山線BRT(添田~日田)
- JR西日本宮島フェリー(宮島口〜宮島)

世界遺産の厳島神社へも、青春18きっぷだけで行くことができる
青春18きっぷは好きな駅で途中下車ができる
通常の切符やICカード乗車券を利用して途中下車をするには、毎回切符を買い直すか、途中下車ができるルール(片道の営業距離が100km以上、逆戻りをしないなど)が適用できる範囲で行うなど、制限が出てきます。
車窓から街を眺めながら、思い立った時にふらっと途中下車ができるのも、乗り降り自由な青春18きっぷの魅力と言えるでしょう。
地元の人と話をしながら、その場で予定を気ままに変えて途中下車という旅の楽しみ方ができます。
青春18きっぷのお得な使い方
青春18きっぷでは、普通列車・快速列車という制限がありますが、例外的に特急列車やJR以外の列車に乗ることもできます。
ここでは、知っておきたいお得な使い方をご紹介します。
青春18きっぷは特定の区間であれば特急列車に乗れる
通常、青春18きっぷでは特急に乗車することはできません。
しかし、JRの中では特急列車しか運行してない区間があるため、以下の4つの区間だけは例外的に青春18きっぷのみで、特急列車に乗ることができます。
- 石勝線・新夕張~新得(北海道)
- 室蘭本線・東室蘭~室蘭(北海道)
- 奥羽本線・新青森~青森(青森県)
- 宮崎空港線・宮崎~宮崎空港(宮崎県)
- 佐世保線・早岐~佐世保(長崎県)
指定の区間を過ぎたまま乗車した場合は、乗車券と特急券が必要になるので、注意しましょう。
また、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券(4650円)」を購入することで、北海道新幹線の新青森~木古内間、および道南いさりび鉄道線の木古内~五稜郭間をそれぞれ片道1回利用することができます。
北海道新幹線の新青森~木古内間では、普通車の立席(または空いている席)を利用することができます。

青春18きっぷは途中下車をしなければ第三セクターにも乗れる
新幹線などの開通により、JR在来線から第三セクターに移行した以下の路線は、通過をする場合のみ、青春18きっぷでの乗車することができます。
- 青い森鉄道線・八戸~野辺地~青森(青森県)
- あいの風とやま鉄道・倶利伽羅~富山(富山県)
- IRいしかわ鉄道・倶利伽羅~津幡(石川県)
- ハピラインふくい・敦賀~越前花堂(福井県)
例えば、青森駅から大湊駅まで下車せず旅行する場合、青い森鉄道の「青森~野辺地」は青春18きっぷを利用することができます。
青森駅から乗車し、野辺地駅、もしくは八戸で下車する場合も、青春18きっぷを利用することができます。
青森駅から乗車し、途中の浅虫温泉駅で下車する場合は、青い森鉄道線の運賃が必要になります。
青春18きっぷは普通・快速列車のグリーン車自由席にも乗れる
長距離の移動を少しでも快適に過ごしたいという方には、グリーン車の自由席を利用するという手もあります。
都市圏には、湘南新宿ラインや上野東京ラインなど、グリーン車の接続した普通列車が運行しており、グリーン券を購入すれば、グリーン車の自由席に乗車できます。
グリーン車の指定席の場合は、グリーン券に加え、「青春18きっぷ」とは別に、普通乗車券が必要となるので注意しましょう。
青春18きっぷは普通列車の指定席にも乗れる
指定席券を追加して購入すれば、普通列車の指定席にも乗車することができます。
都市圏の通勤時間帯に運行している「〇〇ライナー」と呼ばれる列車を利用すれば、混雑しがちな大都市圏の移動が、ゆったりした席で移動することができます。
他にも、SLやトロッコ列車などの観光列車にも乗車することができます。
青春18きっぷを使うときの注意点
何かと便利な青春18きっぷですが、気をつけておきたい注意点やルールがあります。
青春18きっぷに年齢制限はないが、子供料金はない
家族で旅行をする時にも青春18きっぷは利用できますが、小学生の子供がいる場合は注意が必要です。
小学生の子供であっても、大人と同じ料金がかかります。通常運賃の方が安くなる場合には、大人は青春18きっぷを使い、子供は通常運賃で乗車するなど、使い分けるのが良いでしょう。
青春18きっぷはシーズンの繰り越しはできない
購入した青春18きっぷを使わなかった場合でも、春・夏・冬の各シーズンを繰り越して使うことはできません。使用できるのは連続した5日間もしくは3日間なので注意しましょう。
ただし、有効期間の開始日前または有効期間内で未使用の場合、1回に限り利用開始日の変更ができます。
青春18きっぷが使えるのは有効期間の最終日の最終列車まで
2024年冬季分から、青春18きっぷは最終日の「最終列車まで」利用できるように変更されました。
これまで1日の有効期限は、乗車した列車が「0時を過ぎて最初に停車する駅まで」というルールがありましたが、変更により日付をまたぐ列車にも安心して乗車できるようになりました。
複数人では使用できない
青春18きっぷは、1枚の切符で1人まで利用できます。グループでの使用はできないので注意しましょう。
青春18きっぷは列車が遅延・運休しても払い戻しは不可
混雑や悪天候などにより、列車の遅延や運休が発生したとしても、利用開始後は、きっぷの払い戻しなどはできません。
ただし、有効期間の開始日前または有効期間内で未使用の場合は、1枚につき220円の手数料で払い戻しが可能です。
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