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青春18きっぷを使うときの注意点
何かと便利な青春18きっぷですが、気をつけておきたい注意点やルールがあります。
年齢制限はないが、子供料金はない
家族で旅行をする時にも青春18きっぷは利用できますが、小学生の子供がいる場合は注意が必要です。
青春18きっぷでは、こどもが2人いたとしても、各1回(人)でのこども2人利用はできません。
小学生のこどもであっても、1人につき1回2410円分と、大人と同じ料金がかかります。
通常運賃の方が安くなる場合には、大人は青春18きっぷを使い、こどもは通常運賃で乗車するなど、使い分けるのが良いでしょう。
シーズンの繰り越しはできない
青春18きっぷが5回分全て使いきれずに、余ってしまったという場合でも、春・夏・冬の各シーズンを繰り越して使うことはできません。
2020年春季用の青春18きっぷは、2020年3月1日(日)~4月10日(金)しか使えないので注意しましょう。
事前に予定を組んで5回分を使い切るのがベストですが、元が取れなくてもちょっとした長距離の移動に使うことで、有効利用ができます。
また、遠くに行く予定がないようであれば、シーズン中に金券ショップ等に売るといった方法もあります。
使えるのは0時を過ぎて最初に停車する駅まで
青春18きっぷの1日の有効期限は、乗車した列車が0時を過ぎて最初に停車する駅までになります。
それ以降も乗車する場合は、0時を過ぎて最初に停車した駅から、下車した駅までの運賃が別途必要になります。
ただし、東京と大阪に関しては例外で、電車特定区間であれば、終電車まで利用することができます。
複数人で使うときは同じ駅で乗車・下車
複数人のグループで利用する場合も、きっぷは1枚しかないため、基本的に乗車駅、下車駅は同一行程である必要があります。
そのため、集合前や解散後の移動は、別に乗車券を買う必要があります。
列車が遅延・運休しても払い戻しは不可
混雑や悪天候などにより、列車の遅延や運休が発生したとしても、通常のきっぷとは異なり、きっぷの払い戻しなどはできません。
旅をするならこれ!夜行列車ムーンライトながらで大移動
青春18きっぷで乗車できる列車の中には、夜行急行列車の「ムーンライトながら」という列車があります。
東京から出発する場合、東京の品川駅を夜の23:10に出発し、岐阜県の大垣駅に翌朝の5:55に到着する列車で、その後普通列車に順調に乗り継いで行けば、熊本県の八代駅まで行くことができます。
日付をまたいで最初に到着する小田原までの乗車券(1520円)は別途必要になりますが、1520円+2410円=3930円で1350km先の八代まで行けるのですから、コスパの高さを感じられます。
かつては、東京-大垣を結ぶ「ムーンライトながら」だけでなく、新宿-新潟を結ぶ「ムーンライトえちご」、新宿-白馬を結ぶ「ムーンライト信州」など、多くの夜間急行列車が運行していました。
「ムーンライトながら」も例外ではなく、運行本数が減少しており、2020年春のダイヤでは、9往復の運転が予定されています(東京発が3月20〜28日運転、大垣発が3月21〜29日運転)。
乗車には指定席券の購入が必要ですが、数少ない夜行急行列車に乗ろうと人気を集めているため、指定席券を入手するのはかなり難しいのが現状です。
指定席券は、運行する列車が、始発駅を発車する日の1カ月前(前月の同じ日)の10時から駅や旅行会社の窓口で購入することができます。
ちなみに、ムーンライトながらの指定席券は530円です。
意外に近い? ここまで行けばモトが取れる!
青春18きっぷ1回分は2410円になりますが、どこまで行けばお得になるのでしょうか?
東京・大阪を出発して、片道で2410円を超える駅と、往復で2410円を超える駅をそれぞれピックアップしてみました。
ここの駅を超えれば、モトが取れてお得に旅が出来る目安になるので、旅の参考にしてみてはいかがでしょうか。
東京発 ここまで行けばモトが取れる
東京駅を出発して、片道、往復でモトが取れる駅をまとめてみました。
片道の場合、関東圏内を超えれば、十分にモトが取れると思って良いでしょう。
また、往復であれば、高崎線の籠原駅や成田空港という聞きなじみのある場所が目安となっています。
《片道》
- 東海道本線:吉原駅(静岡県)
- 中央本線:塩崎駅(山梨県)
- 上越線(高崎線方面):岩本駅(群馬県)
- 東北本線:矢板駅(栃木県)
- 常磐線:大甕駅(茨城県)
《往復》
- 東海道本線:二宮駅(神奈川県)
- 中央本線:四方津駅(山梨県)
- 高崎線:籠原駅(埼玉県)
- 東北本線:間々田駅(栃木県)
- 常磐線:神立駅(茨城県)
- 成田線:空港第2ビル駅(千葉県)
- 内房線:巌根駅(千葉県)
大阪発 ここまで行けばモトが取れる
大阪駅を出発して、片道、往復でモトが取れる駅をまとめてみました。
関西の場合も、電車で3時間ほど乗れば、片道で十分にモトが取れると思って良いでしょう。
また、往復の場合は、野洲や加古川といった場所が目安となっています。
《片道》
- 東海道本線:大垣駅(岐阜県)
- 山陽本線:吉永駅(岡山県)
- 北陸本線:南今庄駅(福井県)
- 紀勢本線:印南駅(和歌山県)
- 山陰本線:梁瀬駅(兵庫県)
《往復》
- 東海道本線:野洲駅(滋賀県)
- 山陽本線:加古川駅(兵庫県)
- 湖西線:和邇駅(滋賀県)
- 紀勢本線:紀伊中ノ島駅(和歌山県)
- 福知山線:下滝駅(兵庫県)
まとめ
移動に時間はかかりますが、何よりもお得で、自由に旅を組み立てられるのが、青春18きっぷの最大の魅力です。
3泊や4泊といった長期の旅行だけでなく、グループでの日帰り旅にも使えて、選択肢は無限大です。
この春、青春18きっぷを片手に、春を探しにでかけてみてはいかがでしょうか?
次回記事では実際に青春18きっぷを使った東京発・大阪発のモデルコースをご紹介する予定です。お楽しみに!

熊本憲一
旅行系の編集プロダクション、web制作会社を経て、現在はフリーランス。編集者時代は、鉄道や温泉などの国内旅行を中心としたMOOK本を制作。ライター兼カメラマンとしても、日本全国の取材に回っている。学生時代から愛用していた「青春18きっぷ」は、キャリア20年のベテラン。