【青森】旅の魅力を探る5つのキーワードをチェック!
移り行く季節ごとに異なる表情を見せる絶景や祭り。アート作品や歴史的建造物に見る素敵な意匠、外せない温泉やグルメ。青森独自の方言をキーワードに、青森の魅力を探ろう!...
2021年7月に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界文化遺産に登録されました!
縄文時代は、1万年以上争いなく続いた日本独自の文化。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、青森県を中心に、北海道・岩手県・秋田県に17の遺跡があり、ストーンサークルや貝塚、復元された竪穴式住居などを見ることができます。
縄文時代の人々がどのような生活を営んでいたかを知ることができる貴重な場所なんですよ。
土偶や土器といった出土品も必見です!
1万5000年前から2400年ほど前まで、日本では1万年以上も縄文時代が続きました。
その間には、気候が大きく変わったり自然災害もありながらも、生活スタイルを変化させて環境にうまく適応して暮していたようです。
土器が誕生して、移動型の暮らしから定住型の暮らしにシフト。そこからムラが生まれ、さらにそのムラに、お墓や祈りの場、ゴミ捨て場などができ、どんどん生活が発展していったと考えられています。
この、縄文時代の定住から発展にいたる過程を知ることができるのが「北海道・北東北の縄文遺跡群」のスゴイところなのです。また、土偶や土器などにみられる縄文時代ならではの精神性、アート性にも注目です。
それでは、各遺跡の特徴を見ていきましょう!
今回は青森県。青森市から七戸町、八戸市にある4つの遺跡と1つの関連遺跡をご紹介します。
日本最大級の縄文集落遺跡である三内丸山遺跡から、大規模なストーンサークルが特徴の小牧野遺跡、青森最大の貝塚がある二ツ森貝塚、漆の土器や土偶が出土している是川石器時代遺跡へ。順にまわるなら、1泊2日で行くのがおすすめです。
当時のムラの様子を再現するため、最盛期にあたる約5000年前の遺構を中心に復元・展示を行い、公開しています。
建物は、発掘調査で見つかった遺構の上につくることを原則としており、当時のムラのたたずまいを感じることができます。
三内丸山遺跡はこれまで2000点以上もの土偶が出土し、その数は全国一。
ここの土偶は胴体が扁平につくられ、自立することができない「板状土偶」。また、針葉樹の樹皮を縦・横に組んで仕上げた「縄文ポシェット」も出土しています。
腐らずに残っていた、とても貴重なものなんですよ。
小牧野遺跡は、縄文時代後期前半(約4000年前)につくられたストーンサークル(環状列石)が特徴の遺跡です。
ストーンサークル(環状列石)は、大勢の縄文人たちにより、斜面を削り取るなどの土地造成や多量の河原石の運搬が行われ、平らな石を縦横交互に繰り返して並べられています。
立体的につくられており、まるで芸術的な円形劇場のようです。
縄文の学び舎・小牧野館では、小牧野遺跡の出土品を見ることができます。
ストーンサークル(環状列石)近くの墓や捨て場などから出土した土器や石器が数多く展示されています。
特に、土偶やミニチュア土器、動物形土製品、鐸形(たくがた)土製品、三角形岩版、円形岩版など、祭祀的色彩の強い遺物が特徴的です。
【縄文の学び舎・小牧野館】
電話:017-757-8665
住所:青森県青森市野沢沢部108-3
開館時間:9:00~17:00
休館日:年末年始
入館料:無料
アクセス;JR青森駅から車で約30分(青森市市バスならJR青森駅から徒歩5分の古川3番バス乗り場から「大柳辺」行きで約25分、「野沢」下車、徒歩3分)
二ツ森貝塚は小川原湖の西側にあり、縄文時代前期中頃から中期後半の約1500年間にわたって生活が営まれていた遺跡です。
現在では、15か所の貝塚や竪穴住居跡、貯蔵穴やお墓のほか、獣骨など多様な遺物が見つかっています。
二ツ森貝塚の東側は「二ツ森貝塚史跡公園」として公開されています。
公園内を歩いて、遺跡のスケールの大きさや当時の雰囲気を体感することができますよ。
貝塚の近くを歩くと当時の貝殻が見つけられるかもしれません。
【二ツ森貝塚】
電話:0176-58-5530(七戸町教育委員会世界遺産対策室)
開園時間:8:00〜17:00(12〜4月は冬期閉鎖)
料金:無料
住所:青森県七戸町貝塚家ノ前
アクセス:JR七戸十和田駅から車で約15分
閉校になった小学校を改修した「二ツ森貝塚館」では、「二ツ森貝塚の人々のくらし」をコンセプトに貝塚や出土品を展示しています。
なかでも貝塚の剥ぎ取り断面や青森県重宝の鹿角(ろっかく)製櫛など、貝塚ならではの資料は必見です。
当時の高い精神性と加工技術をうかがい知ることができます。
縄文晩期の暮らしや、集落のあり様が具体的にわかる遺跡です。
漆製品や木製品がよい状態で保存されており、華麗な土器と合わせ、先史工芸品ともいえる造形力の高さは、豊かな精神文化の表れと考えられます。
小川につくられた水場では、トチの実のあく抜きをはじめ、集落でのさまざまな水仕事が行われていたようです。
また、120以上見つかった墓の一部からは、仰向けで膝を曲げ、赤色顔料で染まった縄文人骨が見つかっています。
亡骸を骨にする一次葬を経て、赤色顔料をまいて埋めるといった、手厚い埋葬が行われていたと考えられます。
(※現在整備工事中のため遺跡見学はできません)
是川縄文館の「うるしの美」コーナーでは、3000年前の漆製品が展示されています。
漆製品には、かご、木製容器のほか、櫛、耳飾り、腕輪といった装身具があり、種類が多く、保存がよい状態で発見されているところが是川縄文館のすごいところ!
特に、縄文人の指紋が赤くついている漆塗り樹皮製容器は注目です。
そのほか、風張1遺跡で出土した国宝「合掌土偶」を見ることができます。
「合掌土偶」は、座った状態で腕を膝の上に置き、正面で手を合わせている姿からその名がつけられました。
貝塚を中心とした集落遺跡。貝塚からは、暖かい場所に棲息するハマグリをはじめ、スズキやクロダイなどの魚骨、釣針や銛頭(もりがしら)などがたくさん出土しています。
漁では獲物を逃さないように、道具を工夫していたことがわかっています。
八戸市博物館では、長七谷地貝塚の銛先(もりさき)や、釣針と合わせて、貝層断面の実物を見ることができますよ。
縄文遺跡の魅力についてざっくりとお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
北海道と東北の個性あふれる遺跡を旅して、縄文の魅力をぜひ現地で体感してみてはいかがでしょうか。
その際には、「北海道・北東北の縄文遺跡群を旅するガイド」を片手に持って足を運んでもらえるとうれしいです!
価格:1,430円
全176ページ
北海道を中心に地域密着のおでかけ情報、観光情報をお届けします。