更新日: 2024年2月13日
「青森」の縄文遺跡群を旅する②〜遮光器土偶は必見!弘前市・津軽半島編〜
2021年7月に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界文化遺産に登録されました!
縄文時代は、1万年以上争いなく続いた日本独自の文化。「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、青森県を中心に、北海道・岩手県・秋田県に17の遺跡があり、ストーンサークルや貝塚、復元された竪穴式住居などを見ることができます。
縄文時代の人々がどのような生活を営んでいたかを知ることができる貴重な場所なんですよ。土偶や土器といった出土品も必見です!
今回は、青森県の遺跡紹介の第2弾。
弘前市から津軽半島を北上する4つの遺跡を紹介いたします。
縄文時代晩期のストーンサークルが見られる「大森勝山遺跡」から、遮光器土偶の出土地として有名な「亀ケ岡石器時代遺跡」、珍しい縄文時代前期の「田小屋野貝塚」、最も古い1万5千年前の「大平山元遺跡」へ。
最も古い遺跡から、縄文時代にしては比較的新しい遺跡まで、1万年以上の時代の変遷が楽しめます。それでは、1万年の時空をめぐる縄文の旅へ出かけましょう!
目次
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の魅力とは
1万5000年前から2400年ほど前まで、日本では1万年以上も縄文時代が続きました。
その間には、気候が大きく変わったり自然災害もありながらも、生活スタイルを変化させて環境にうまく適応して暮していたようです。
土器が誕生して、移動型の暮らしから定住型の暮らしにシフト。そこからムラが生まれ、さらにそのムラに、お墓や祈りの場、ゴミ捨て場などができ、どんどん生活が発展していったと考えられています。
この、縄文時代の定住から発展にいたる過程を知ることができるのが「北海道・北東北の縄文遺跡群」のスゴイところなのです。また、土偶や土器などにみられる縄文時代ならではの精神性、アート性にも注目です。
それでは、各遺跡の特徴を見ていきましょう!
比較的新しい時代につくられたストーンサークルが見られる「大森勝山遺跡」
大森勝山遺跡は、約3000年前の縄文時代晩期のストーンサークル(環状列石)がある遺跡です。
目の前には岩木山がそびえ、冬至の日に、太陽がちょうど岩木山の山頂に沈むことがわかっています。
環状列石にはカレンダーのような役目があったといわれています。縄文人には高い天体観測の技術があったのですね。
祭りの道具!?円盤状の石
ストーンサークル(環状列石)からは、円盤状の石が約250個も見つかっています。
縄文人にとって、ストーンサークル(環状列石)は祭りや儀式を行う「祈りの場」と考えられています。
おそらく、大量に見つかった円盤状の石も、祭祀や儀礼に使われた道具のようです。
比較的新しい時代のストーンサークル(環状列石)といっても、縄文時代のことはまだまだ謎が多いのですね。
裾野地区体育文化交流センターでは、岩木山の北麓に位置する裾野地区の歴史、特に大森勝山遺跡の出土品を見ることができますよ。
電話:0172-82-1642(弘前市教育委員会文化財課)
住所:青森県弘前市大字大森字勝山495ほか
アクセス:JR弘前駅から車で約40分
電話:0172-99-7072
住所:青森県弘前市十面沢轡8-9
開館時間:9:00~21:00
休館日:月曜(祝日・振替休日の場合は翌日休)、年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料:無料
アクセス:JR弘前駅から車で約40分
遮光器土偶で有名な「亀ヶ岡石器時代遺跡」
亀ヶ岡石器時代遺跡は、縄文時代晩期を代表する遺跡で、重要文化財に指定された「遮光器土偶」の出土地として有名です。
遺跡内にある「しゃこちゃん広場」に面した低湿地では、遮光器土偶のほか、漆塗りの土器などがたくさん出土しています。
電話:0173-49-1194(つがる市教育委員会社会教育文化課)
住所:青森県つがる市木造館岡・亀ヶ岡
アクセス:JR木造駅から車で約20分
JR木造駅の「しゃこちゃん」に会いに行こう!
JR木造駅は、遮光器土偶の通称「しゃこちゃん」の巨大モニュメントが施された駅。
道路の合間からぬっとその姿を見せる強烈な存在感は、SNSなどでも話題になっています。
駅舎内は観光案内所や「しゃこちゃん」グッズを扱う売店を併設し、おみやげ探しも楽しめます。
貝のアクセサリーがたくさん!「田小屋野貝塚」
青森、岩手では、太平洋沿岸で見つかることが多い貝塚。
田小屋野貝塚は、日本海側の内陸で見つかった珍しい貝塚です。貝塚周辺は、昔は海に近かったのですね。
貝塚からよく見つかっているのは、ベンケイガイという貝に穴をあけたブレスレットです。
貝塚の中には貝輪の加工場があり、失敗した製品が捨てられたと考えられています。
縄文人はとてもおしゃれだったようです。
電話:0173-49-1194(つがる市教育委員会社会教育文化課)
住所:青森県つがる市木造館岡
アクセス:JR木造駅から車で約20分
日本で最も古い土器と石器が出土!「大平山元遺跡」
大平山元遺跡では、紀元前13000年頃最も古い段階の縄文土器が見つかっています。
この頃の土器は、いわゆる縄の文様のない「無文」のものです。
最も古い土器と一緒に石器も見つかっています。
この頃は縄文時代の草創期で、遺跡から出土した石器は、旧石器時代の終わりごろの特徴を持ったものだそうです。
大平山元遺跡は、旧石器時代から縄文時代への移り変わりを見ることができる、とても貴重な遺跡なんですよ。
外ヶ浜町大山ふるさと資料館で、日本でいちばん古い土器と、一緒に出土した石器を見ることができます。
電話:0174-31-1236(外ヶ浜町教育委員会世界遺産対策室)
住所:青森県外ヶ浜町字蟹田大平山元
アクセス:JR大平駅から徒歩約10分
電話:0174-22-2577
住所:青森県外ヶ浜町蟹田大平沢辺34-3
開館時間:9:00~16:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)
入館料:無料
アクセス:JR大平駅から徒歩約5分
できれば現地で縄文を感じてほしい!
縄文遺跡の魅力についてざっくりとお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
北海道と東北の個性あふれる遺跡を旅して、縄文の魅力をぜひ現地で体感してみてはいかがでしょうか。
その際には、「北海道・北東北の縄文遺跡群を旅するガイド」を片手に持って足を運んでもらえるとうれしいです!
価格:1,430円
全176ページ
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【筆者】編集工房ビータス
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