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日本の世界遺産を総まとめ!それぞれの魅力や見どころのポイントを解説 注目の新たな世界遺産ネタも

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日本の世界遺産を総まとめ!それぞれの魅力や見どころのポイントを解説 注目の新たな世界遺産ネタも

日本には2022年7月現在、合計25件の世界遺産があります。
こちらの記事では、日本の世界遺産を総まとめして、それぞれの見どころを解説します。

日本で一番最初に登録された世界遺産は、奈良県の法隆寺地域の仏教建造物(1993年)。
記憶に新しい、最新の世界遺産は2021年登録の奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島、そして北海道・北東北の縄文遺跡群。

さて次はどんな世界遺産が日本に登場するのだろう?
そんな疑問にもお答えします。

人類共通の遺産、世界遺産をもっと知って、日本が世界に誇る「宝物」について詳しくなりましょう。

この記事の目次

世界遺産とは?

世界遺産とは?
画像:123RF

世界遺産の定義は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」に基づくものとなり、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物、現在を生きる世界中の人びとが過去から引き継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産となります。

世界遺産には、文化遺産自然遺産複合遺産の3つの種類があり、有形の不動産が対象となります。

文化遺産は、顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など。

自然遺産は、顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生育・生育地など。

複合遺産は、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものとなります。

次の世界遺産候補は「暫定リスト」を見るとわかる!?

次の世界遺産候補は「暫定リスト」を見るとわかる!?
彦根城は17世紀初頭の城郭建築最盛期の遺産として暫定リストに記載されています

世界遺産への登録には「暫定リスト」への掲載が必要であり、世界遺産条約の締約国はユネスコで年1回設けられる世界遺産委員会に推薦します。同委員会は、専門機関からの報告書をもとに、世界遺産リストに登録するかどうかを審査、決定する流れとなります。

2021年6月現在、日本の暫定一覧表には文化遺産6件自然遺産1件の計7件が記載されています。

文化庁のHPに掲載されているので、気になる人はチェックしてみましょう。
文化庁HPはコチラ

日本にはどんな世界遺産があるの?

2022年7月時点で、文化遺産20自然遺産5合計25の世界遺産があります。

(ちなみに世界遺産の総数は1154件)

登録年順に並べるとこのようになります。

世界遺産の名称(所在地)/世界遺産に登録された年/種別の順に記載しています。

1.法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)/平成5年/文化遺産
2.姫路城 (兵庫県)/平成5年/文化遺産
3.屋久島 (鹿児島県)/平成5年/自然遺産
4.白神山地(青森県・秋田県)/平成5年/自然遺産
5.古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)(京都府・滋賀県)/平成6年/文化遺産
6.白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県・富山県)/平成7年/文化遺産
7.原爆ドーム(広島県)/平成8年/文化遺産
8.嚴島神社(広島県)/平成8年/文化遺産
9.古都奈良の文化財(奈良県)/平成10年/文化遺産
10.日光の社寺(栃木県)/平成11年/文化遺産
11.琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県)/平成12年/文化遺産
12.紀伊山地の霊場と参詣道(三重県・奈良県・和歌山県)/平成16年/文化遺産
13.知床 (北海道)/平成17年/自然遺産
14.石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県)/平成19年/文化遺産
15.小笠原諸島(東京都)/平成23年/自然遺産
16.平泉‐仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群‐(岩手県)/平成23年/文化遺産
17.富士山‐信仰の対象と芸術の源泉‐ (山梨県・静岡県)/平成25年/文化遺産
18.富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)/平成26年 /文化遺産
19.明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・山口県・岩手県・静岡県)/平成27年/文化遺産
20.ル・コルビュジエの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献‐(東京都)/平成28年/文化遺産
21.「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)/平成29年 /文化遺産
22.長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県・熊本県)/平成30年/文化遺産
23.百舌鳥・古市古墳群‐古代日本の墳墓群‐(大阪府)/令和元年/文化遺産
24.奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県・沖縄県)/令和3年/自然遺産
25.北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道・青森県・岩手県・秋田県)/令和3年/文化遺産

地図の分布はこうなっています。

出展:なるほど知図帳 日本 2021(昭文社刊)

 

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2021年日本からまた誕生!注目の世界遺産はココ!

2021年は2つの世界遺産が誕生しました。

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)は、新型コロナの影響で持ち越しになっていた2020年分の自然遺産候補です。2021年7月26日に正式に世界自然遺産に登録されました。

また、「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道・青森・岩手・秋田)も新たに登録されました。

 

奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島

奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島
やんばるの森

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」は2021年7月16日から31日に開かれたユネスコ世界遺産委員会で正式決定されました。

奄美大島、徳之島、沖縄島北部と、南琉球の西表島の4地域の5構成要素で構成されており、亜熱帯性気候に属し、常緑広葉樹多雨林に覆われているのが特徴です。

絶滅危惧種や固有種が多く、とくに国際的絶滅危惧種95種を含め、絶滅危惧種の種数及び割合も多く、イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ などIUCNのレッドリストに載る絶滅危惧種の生息地でもあります。

日本では24件目、自然遺産としては5件目の登録となりました。

北海道・北東北の縄文遺跡群

北海道・北東北の縄文遺跡群
画像:123RF 青森県 三内丸山遺跡

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は北海道と青森県、岩手県、それに秋田県に点在する17の縄文時代の遺跡で構成されています。

狩猟や採集、漁を基盤に人々が定住して集落が発展し、1万年以上続いた「縄文時代」の生活や精神文化を現代に伝えるもの、また世界的にも貴重な日本独自の文化を伝えるものとして世界遺産登録に登録されました。

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登録年順 日本の世界遺産をご紹介!

1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」「姫路城」の2件が文化遺産として、「白神山地」「屋久島」の2件が自然遺産として、国内で初めて世界遺産一覧表に記載されました。

その後も順調に数を増やしており、それらは観光地としての行きやすさや、見どころのポイントもそれぞれに個性豊かです。

週末にすぐに行けそうな世界遺産から、飛行機に乗って少し長めの日数を要するものまで…。

さて、実際に行って見てみたい世界遺産に出会うことができるでしょうか?

【日本の世界遺産】法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)

【日本の世界遺産】法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)
法起寺

聖徳太子は、最初の女性天皇となった叔母の推古天皇の摂政として、官位十二階や十七条の憲法を制定するなど、6世紀後半から7世紀前半にかけて活躍した人物です。遣隋使を派遣し、大陸文化の導入にも努め、とくに仏教の振興に力を入れ、法隆寺を7世紀初めに建立したといわれています。

法隆寺には、金堂、五重塔、中間、回廊など、7世紀から8世紀にかけて建てられた日本最古の木造建築物があります。ともに世界遺産に登録されている法起寺の二重塔を加えると、その数は11棟にのぼり、いまから1300年ほど前に建てられたものが現存していることになります。

どの建物も、芸術性に優れ、建築様式には大陸文化の影響が見られることから、当時、日本と東アジアの交流が活発だったことを今日に伝えているのです

法隆寺には、建造物だけではなく、仏教文化に関する文化財がたくさんあります。その代表的なものが仏像で、国宝に指定されているものも多くあります。金堂内に安置されている釈迦三尊像は、アルカイックスマイルをたたえる飛鳥彫刻の傑作として有名です。また、八頭身のすらりとした姿の百済観音像や、八角形をした夢殿に安置された秘仏といわれる救世観音像なども見応えがあります。

ほかにも、玉虫厨子など、飛鳥時代から奈良時代の優れた美術品を数多く所蔵しています。

法隆寺五重塔

【基本情報】

登録年:1993年

構成資産法隆寺法起寺

所在地:奈良県生駒郡斑鳩町

  • 行きやすさ★★★
  • 観光地としての充実度★★☆
  • フォトジェニ度★☆☆

【日本の世界遺産】姫路城(兵庫県)

【日本の世界遺産】姫路城(兵庫県)
姫路城

姫路城は400年間、一度も落城や火災に見舞われることなく、当時の姿が今に引き継がれる城です。

1931(昭和6)年に国宝に指定され、1993年には日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

約5年半に及んだ大天守の保存修理も終わり、白亜に輝く美しい外観が目の当たりにできるようになっています。

世界中から日本を代表する名城に認められているのは、日本独自の特色や技術があるからです。海外の城は煉瓦や石で造られている場合が多いですが、姫路城は石垣や堀以外のほとんどの建物が木造建築となっています。その配置や構造、装飾の美しさは世界屈指と評されています。

また、江戸時代初期の城郭建築最盛期に造られた天守群や櫓、門、土塀などが良好に保存されており、防御に工夫した日本独特の構造がしっかりとわかることが評価されました。

姫路城は大天守と3つの小天守、4つの渡櫓を加えた8棟の建物が国宝となっています。また15の門や土塀など合計74もの建造物が重要文化財という、貴重さが際立つ城となっています。

【基本情報】

登録年:1993年

構成資産姫路城

所在地:兵庫県姫路市

  • 行きやすさ★★★
  • 観光地としての充実度★★★
  • フォトジェニ度★★★

【日本の世界遺産】屋久島(鹿児島県)

【日本の世界遺産】屋久島(鹿児島県)
縄文杉トレイル

ほぼ円形をした屋久島は、周囲130㎞ほどの島でありながら、九州地方の最高峰となる宮之浦岳(1936m)をはじめ、標高1000mを超える山が多く、島全体が森林で覆われているため、「洋上のアルプス」と呼ばれています。

また「ひと月に35日雨が降る」といわれているほど雨が多く、年間降水量は平地で4000㎜、山岳地帯では10000㎜近くにもなります。

さらに海岸部は亜熱帯性の気候でありながら、高い山の頂上付近は雪が積もる亜寒帯や高山性の気候となっていて、標高により気候とともに植物に違いが見られます。

こうしたことから屋久島は、標高によって違った植生を連続して見ることができます。つまり、ひとつの島でありながら、日本の南から北までさまざまな植生を見ることができる、日本列島の縮図のような島なのです。

標高5000mを超える屋久島の山地には屋久杉と呼ばれる天然のスギが生えています。スギの寿命は500年ほどといわれていますが、屋久杉のなかには樹齢2000年を超える巨木もあります。

屋久杉の寿命が長い理由として、雨の多い屋久島では新鮮な水に恵まれているものの、栄養分の乏しい花崗岩でできていることから、スギの成長が遅くなり、ゆっくりと育つことによって腐りにくくなると考えられています。スギは木材として古くから利用されてきたこともあり、自然林として残されることは少なく、屋久島のスギの群落は国内最大で、貴重な存在となっています。

ヤクザル・ヤクシマをはじめとする固有種、屋久杉の生育、北限南限の植物が自生していることなどの理由から、日本で初めてユネスコ世界自然遺産に登録されました。

ウィルソン株

【基本情報】

登録年:1993年

所在地:鹿児島県屋久島町

  • 行きやすさ☆☆☆
  • 観光地としての充実度★★☆
  • フォトジェニ度★★★
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

昭文社旅行ガイドブック編集部にて編集歴約20年。関西在住の編集者。アウトドア、文学、映画&ドラマ、雑学なんにでも興味津々。中川政七商店をはじめとした「日本の古きよき物」も日々こつこつ収集中。わりと最近、KPOPのおっかけも始めました。旅行・おでかけネタを中心にミックスカルチャーな情報を発信します。