
更新日: 2025年4月17日
湘南北部の紫陽花名所 穴場スポットをめぐる半日のモデルプラン
湘南といえば「夏」そして「海」のイメージですが、今回ご紹介する藤沢市や茅ヶ崎市の北部エリアは、田畑や竹林等の自然が広がり、にっぽんの古き良き景観が残っている場所が多く存在します。
今回は今の時期だから訪れたい、湘南の陸側穴場スポットをご紹介いたします。
ゆっくり巡って半日(約8km)のモデルプラン 。湘南に長く住む人でも知らない、穴場スポットにご案内します!
目次
藤沢、茅ケ崎エリアとはどんな場所?
相模湾に面した神奈川県、茅ケ崎。
海と山という自然に恵まれたこの場所は、海 ・ 山の幸が楽しめることはもちろん、春には大岡越前祭や湘南祭、夏には浜降祭やサザンビーチちがさき花火大会などのイベントも多く、多くの人が県外からも訪れるスポットです。
隣接する藤沢市には多くの寺院があり、歴史散策のみならず、若い人が企画するイベントなども開催されています。
東京駅からはJR東海道線で約60分。車でのアクセスなら東京I.Cから首都高や国道1号線を利用し約80分で茅ヶ崎市に入ります。海側は渋滞がひどく、テレビなどでも取り上げられるほどですが、陸側は比較的渋滞することも少なく風情豊かで閑静なエリアです。
花とせせらぎの道をお散歩しよう!
いつ訪れても四季の美しさを楽しませてくれる小出(こいで)川。小出川は藤沢や茅ヶ崎の境を流れている相模川水系の河川で、茅ヶ崎駅のお隣、辻堂駅からバス約25分の場所にあります。
そこには約500mにわたる「花とせせらぎの道」という遊歩道があり、6月~7月にかけては約500株もの紫陽花(あじさい)が咲きほこります。
観光客にはあまり知られていませんが、湘南の紫陽花を楽しめる、知る人ぞ知る名所のひとつ。
地元の人の憩いの場となっており、お散歩中に立ち止まりながら紫陽花に見とれている人々を多く見かけます。
紫陽花の根元には人の名前の書かれたプレートがあるのですが、これは各紫陽花の「オーナー」の名前。川や紫陽花を管理している「遠藤あじさいの会」の方たちが、共同で紫陽花を大切に育ててくれているのです。
名の付く観光地ではありませんが、だからこその素朴な風情があります。
■花とせせらぎの道
住所:神奈川県藤沢市遠藤5875付近
交通アクセス:JR東海道線辻堂駅より神奈中バス34系統「刈込」バス停から徒歩約2分
湘南のブランド牛「ちがさき牛」はここにあり!
花とせせらぎの道を茅ヶ崎方面へ1.2km ほど歩くと竹林にさしかかり、竹林の中を進んでいくと、ちがさき牛直売所「ちがさき牛齋藤牧場」が見えてきます。
神奈川県牛肉共進会で幾度も最優秀賞を受賞したちがさき牛。
直売所の中には、沢山のトロフィーや表彰状が飾られています。脂身と赤身のバランスがよく、しっかりした肉質と、品よくとろける脂が特徴。上質なお肉を作り出すために何種類もの飼料を混ぜ合わせているのだとか。
オーナーの齋藤さん曰く、わさび醤油で食べるのがおススメの食べ方とのこと。茅ヶ崎や平塚、江ノ島等のレストランでもステーキ等でメニューに並ぶ人気のお肉です。
直売所の裏には牛舎があり、艶やかな毛並みの牛が何十頭も!
こちらの直売所では一般の方でも購入可能で、週末ともなると美食家のお客さんが次々と訪れます。
■株式会社ちがさき牛齋藤牧場
住所:茅ヶ崎市芹沢397-1
電話番号:0467-51-0128
営業期間・営業時間:10:00~17:00
休業日:月~木(金・土・日のみ営業)
交通アクセス:JR辻堂駅より車で15分
富士山と湘南の畑の共演。絶景を望むポイントはこちら!
ちがさき牛齋藤牧場から大庭獺郷線(おおばおそごうせん)という道を歩くこと約18分。疲れも吹き飛ぶ景色が目の前に現れます。
視界が開けたそこに見えるのは、なんと富士山。
遠藤宮原線と大庭獺郷線にはさまれた打戻(うちもどり)エリアには、手が届きそうなぐらい富士山を近くに感じられる場所があるのです。藤沢市は富士山からかなり遠い場所ですが、このキャベツ畑から見る富士山は圧倒的なスケール。
「湘南」は海のイメージが強いですが、ぜひ「湘南の富士山」もカメラにおさめてみてください。
すっきり晴れた日がおススメですよ!
お散歩のあとはスイーツで休憩
ちがさき牛齋藤牧場から約3km、富士山を見ながら歩いて約20分の場所にある「菊野屋製菓舗」で休憩しましょう。
創業大正10年、100年の歴史にもなる老舗和洋菓子店「菊野屋製菓舗」。
和菓子と洋菓子の両方をそろえ、季節の限定商品やイベント用の可愛らしいギフト、慶弔菓子も取り扱っています。昔懐かしいどら焼きやお赤飯もあれば、時代に合わせたデコレーションケーキも。
「湘南の月」、「湘南一番星」といった湘南土産も多数販売しています。
中でもおすすめは洋菓子の「湘南クーヘン」。
選りすぐりの藤沢産たまごと国産バターのみを使用し、卵白別立ての製法ですっととろける舌ざわりに仕上がっています。食べ歩きにもうれしい「プチカット」もおすすめ。
和菓子の「菊最中」は3種類あります。栗入りの大納言、桃色の皮が可愛らしい梅餡、爽やかな緑色の餡でできた柚子餡と、味はもちろん、見た目にも楽しませてくれます。
どの商品も良心的な価格でありがたいですね!ちなみに、近隣の「JAわいわい市」や「わくわく広場」といった場所でも購入可能な商品もあります。
■菊野屋製菓舗の公式HPはこちら
住所:藤沢市宮原1104-2
交通アクセス:湘南台駅より車で20分
自販機でいつでも新鮮野菜が購入可能。直売所も利用してみよう!
菊野屋製菓舗から東へ約1.5km、直売所の看板と旗が見えてきます。
海の幸がおいしい湘南ですが、実は農産物も豊富。藤沢と茅ヶ崎の北部エリアは田畑や農園が点在し、野菜や果物の直売所も多くみかけます。
そのひとつが、近隣のスーパーやJAにも卸している井出農園直売所。井出さんのお野菜は自販機で買えるというおもしろい試みも。直売所の中には、旬のお野菜の情報や調理法、栄養価などを紹介するお役立ち情報も展示されています。
藤沢えびね ・ やまゆり園で珍しい紫陽花を鑑賞
お散歩の締めくくりはやはり紫陽花。この近辺でぜひおすすめしたいのが、最多種のヤマアジサイを鑑賞できる「藤沢えびね・やまゆり園」です。
海岸沿いの辻堂海浜公園から直線距離で10kmほどのところにあり、美しい里山が広がります。
約7,000㎡の園内では、エビネ・ヤマユリ・紫陽花等の植物を鑑賞しながら散策することができ、初夏にはヤマアジサイが美しく咲き乱れます。
園内はボードウォークが整備され、ウッドチップも敷かれている
ひとことに紫陽花と言っても、園内600mの遊歩道にはバラエティに富んだ品種が揃います。6月にはヤマアジサイやガンセキランがお出迎え。
園内で鑑賞できる紫陽花は、わかっているヤマアジサイだけでもなんと130種類! 鎌倉小町(カマクラコマチ)や藍姫(アイヒメ)、また絶滅したと考えられていた幻の七段花(シチダンカ)というような珍しい種類も揃い、見る人を飽きさせません。
装飾花が美しく重なる幻の紫陽花「七段花」
ガクアジサイの白い花とカラフルな蕾
湘南の海沿いや鎌倉でよく目にする、全体が手まり型の大きな紫陽花とは違い、外側をぐるりと縁取るように花が咲く「ガクアジサイ」や、小ぶりで葉の形がシャープな「ヤマアジサイ」を多く見ることができます。小さいながらもとても可憐な品種で、風になびく様子もしなやかで美しい花姿です。
受付には「NPO法人里地里山景観と農業の再生プロジェクト」の方がおられ、園内の花や植物についてのさまざまな質問に答えてくれます。
園内の開花状況などについては、ホームページでチェックすることが出来ますので、是非参考にされてみてくださいね。
園の駐車場から門までの道は、竹林に包まれ色とりどりの紫陽花も咲く
藤沢えびね・やまゆり園は例年6月下旬ごろまでヤマアジサイを楽しむことができる他、7月からは「えびね」や「ゆり」が見ごろを迎えます。
また、「森の妖精」とも呼ばれる「レンゲショウマ」(キンポウゲ科 レンゲショウマ属)を目当てに来る人も。
雨に濡れた姿は不思議な美しさを放つ <画像提供:藤沢えびね・やまゆり園様ホームページより>
平地ではあまり見ることのできないレンゲショウマですが、園の方によると「この里山の環境が本来生息している深山の環境に類似しているのでは」とのこと。とても繊細な花で、ちょっとした風でも可憐に揺れ動きます。
カメラで撮る際はぶれやすいため、シャッタースピードをあげて撮るといいかもしれません。
園では蚊取り線香の貸し出しもしていますが、虫よけの持参をお勧めします。
■藤沢えびね・やまゆり園
住所:藤沢市遠藤4580(カーナビ検索:藤沢市遠藤4511)
電話番号:0466-48-8711
営業期間・営業時間:9:00~16:00(毎年4月1日~8月第2日曜日くらいの間)
休業日:無休(雨や強風による閉園あり)
交通アクセス:湘南台駅または辻堂駅より神奈中バス「慶応大学」下車徒歩8分
料金:有料
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