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霧氷の絶景世界へ! 日本の雪山ハイキング・登山スポット10選

山と高原地図 編集部

更新日: 2022年2月1日

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霧氷の絶景世界へ! 日本の雪山ハイキング・登山スポット10選

「雪山登山」と聞くと、どのようなイメージが思い浮かぶでしょうか?もしかしたら、凍てつく吹雪のなか、寒さを噛み締めて進んでいく過酷なイメージかもしれません。また、初心者には難しい、危険なアクティビティと考える人もいるでしょう。

しかし、登る山と天候判断を誤らず、しっかり準備をしさえすれば、決してハードルは高くない「雪山ハイキング・登山」。
今回は、冬でも気軽に挑戦できる全国の雪山スポットを10つご紹介します。

雪山ハイキング・登山の基礎知識

雪山ハイキング・登山の基礎知識
白銀の世界に踏み入るには雪山装備が必須!

一面白銀の山並みに、青空との対比が美しい霧氷など、絶景を味わうことができる雪山。
雪山によってはある程度ハイキングや登山に慣れていた方が良いスポットもありますので、記事内では「難易度」もあわせて解説していきます。

【難易度の表現】
ハイキング・・・雪山の絶景を手軽に味わいたい人向け
登山入門・・・これから雪山登山をはじめたい人向け
登山中級・・・ある程度雪山に慣れた人向け

以下は、雪山ハイキング・登山に必要な装備です。しっかり準備していきましょう。
・保温性の高い防水ウェア上下
・防水トレッキングシューズ(雪山用)
・アイゼン(靴底に外付けする爪状の固定具)
・防水手袋
・バラクラバ(目出し帽)
・スマートフォン(GPSで位置確認)
・補給食
・登山届け(登山口のポストで提出)

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【青森・ハイキング】秘境渓流の冬!氷瀑氷柱が連なる「奥入瀬渓流」

【青森・ハイキング】秘境渓流の冬!氷瀑氷柱が連なる「奥入瀬渓流」
「奥入瀬渓流」の冬は静寂なモノトーンの世界

東北屈指の景勝地として知られる「奥入瀬渓流」 。美しいブナの樹林と、いくつもの名瀑を育みながら十和田市街へ注ぎ込む、風光明媚な渓流です。人気が高いのは、緑鮮やかな夏なのですが、実は冬も見逃せません。

冬には渓流一帯が雪に閉ざされ、さらに秘境の趣が高まります。色彩に富んだオンシーズンから一転し、ひたすらに白と黒が織りなすモノトーンの世界。その風景は、まるで水墨画のような佇まいです。

氷瀑や氷柱など冬の芸術作品が立ち並ぶ

オススメのコースは、奥入瀬渓流の起点となっている「子ノ口(ねのくち)」から「雲井の滝」まで、片道約6kmのコース。凍てつく名瀑を眺めながら、ところどころでダイナミックに垂れ下がる氷柱(巨大なつらら)を眺めることができます。

太陽に照らされると美しい水色に輝くその姿は、まさに奥入瀬の冬が作り上げる芸術作品。息を飲む迫力に圧倒されることでしょう!

冬の奥入瀬は、路線バス「冬の奥入瀬号」でもアクセスできます。ただし、便数が少なく、事前予約が必要なので利用する場合はご注意ください。

・冬の奥入瀬号の詳細はこちら

奥入瀬渓流

住所
青森県十和田市奥瀬
交通
JR東北新幹線八戸駅からJRバスおいらせ号で1時間30分、焼山下車すぐ/十和田市街から車で約30分
営業期間
通年
営業時間
情報なし
休業日
情報なし
料金
コケ玉作り体験=大人2000円、小人1500円/

【山形・ハイキング】奥羽山脈の冬!造形豊かなアイスモンスターが並ぶ「蔵王山」

【山形・ハイキング】奥羽山脈の冬!造形豊かなアイスモンスターが並ぶ「蔵王山」
一つ一つ形状が異なる蔵王の霧氷は「モンスター」と形容される

東北の冬の代名詞として知られる「蔵王のアイスモンスター」。宮城県と山形県の県境、蔵王連峰に形成される特大霧氷の愛称です。

霧氷とは、空気中の水分が過冷却により木々に付着する現象。霧氷がつくのは普通、木々の枝先にのみですが、蔵王では気象条件が特に厳しいため、木々のシルエットがわからなくなるまでに霧氷が成長します。

そんな蔵王では、スキーやスノーボードと並んで、雪山ハイキングがとても人気!麓で靴やスノーシュー・ワカン(雪駄)をレンタルでき、ロープウェイで山上までアクセスできるので、初心者でも気軽に挑戦できます。

闇夜に照らされる幻想的なアイスモンスター

蔵王のアイスモンスターにはもう一つの楽しみ方も。霧氷が大きく成長する厳冬期(例年12月〜2月)には、「蔵王樹氷祭り」で霧氷のライトアップが行われます。

一つとして同じ形がなく、まるで生き物のように並ぶアイスモンスターがライトに映し出される姿はとても幻想的。真っ暗な中、氷点下の世界へ踏み入れることだけでも非日常の体験です。

ロープウェイの地蔵山頂駅周辺のみライトアップされ、アクセスできるエリアが制限されます。ハイキングというより観光色が強めですが、この期間だけのイベントですのでぜひ行ってみてください!

・蔵王樹氷祭り(蔵王で霧氷が見られるシーズンに各種イベントが開催される総称)
12月下旬~2月下旬 17:00〜21:00(上りは最終19:50まで)
公式HPはこちら

蔵王樹氷まつり

住所
山形県山形市蔵王温泉山形蔵王温泉スキー場各所
交通
JR山形駅から山交バス蔵王温泉行きで37分、終点下車、徒歩10分(山形蔵王温泉スキー場)/山形市街から蔵王温泉まで車で約40分
営業期間
12月下旬~2月下旬のうち47日間前後
営業時間
17:00〜21:00(上り最終〜19:50まで、霧氷ライトアップ)
休業日
情報なし
料金
樹氷ライトアップ観賞料金(ロープウェイ往復料金含)=大人3000円 子供1500円

【山形・ハイキング】五大堂から広がる奥羽山脈の雪景色!静寂な趣纏う「立石寺」

【山形・ハイキング】五大堂から広がる奥羽山脈の雪景色!静寂な趣纏う「立石寺」
水墨画のような情緒に包まれる雪景色と山岳寺院の共演

蔵王を筆頭として、雪中ハイキングスポットに恵まれている山形県。松尾芭蕉の句、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の舞台となっている立石寺(りっしゃくじ/通称・山寺)もその一つです。

句にある通り、夏の素晴らしさはもちろんですが、冬も高い人気を誇っています。
その理由は、山岳寺院と雪景色のコラボレーション。雪の参拝道はしっとりとした静寂に包まれ、心洗われる趣を醸し出しています。入山から30分ほど、伽藍(がらん)の中心部へと至れば、お堂の向こう側に奥羽山脈の雪景色が広がります。

奥羽山脈の峰々と限界集落が織りなす日本の原風景

断崖に突き出すように建っているお堂、「五大堂」からのパノラマは絶景!
蔵王の北側にそびえる山形神室岳(かむろだけ・写真中央)の山容が雄大で、その山麓に展開する集落がとても絵になります。神室岳は「神の住む山」という意味ですが、その名前に違わない存在感です。

山寺の嬉しさは、厳冬期(12月〜2月)であっても登山スタイルでなく、観光気分で気軽に行けること。雪山でしか見られない絶景を見たい方、雪山の世界に触れてみたい方には一押しのスポットです。

立石寺

住所
山形県山形市山寺4456-1
交通
JR仙山線山寺駅から徒歩5分
営業期間
通年
営業時間
8:00~17:00(閉門)
休業日
無休
料金
拝観料=大人300円、中学生200円、小学生100円/ガイド料=2000円/宝物殿=大人200円、小人100円(30名以上団体割引あり、根本中堂内陣参拝 200円)

【三重・ハイキング】ロープウェイで手軽に雪山の絶景を!霧氷咲く「御在所岳」

【三重・ハイキング】ロープウェイで手軽に雪山の絶景を!霧氷咲く「御在所岳」
霧氷が展開する「御在所岳ロープウェイ」山上公園駅

雪山ハイキング・登山において欠かせない存在が、スキー場のリフトやロープウェイ。これらを利用することで、雪山へのハードルを大きく下げてくれます!

リフトなどで楽にアプローチできる雪山は、全国各地にあります。難易度の低さと絶景という二つの観点で考えると、滋賀県と三重県の県境にそびえる鈴鹿山地の主峰、「御在所岳(ございしょだけ)」がオススメ。

特筆すべきは、ロープウェイの山頂公園駅から御在所岳山頂で見られる「霧氷」で、気温が急激に冷えた日の翌日には、山肌が一面、純白に染め上がります。

琵琶湖を見下ろす「望湖台」から展開する霧氷の尾根

山頂まではロープウェイで登ったあと、30分ほどの登山。傾斜は緩く、山頂との標高差がほとんどないため、誰でも簡単に登頂できます。

山頂へ辿り着けば、そこには霧氷彩る白銀の尾根が広がります。運が良ければ霧氷の先に琵琶湖が眺められることも。青空を背景にした「霧氷」はこの上ない美しさで、これほどの景色を簡単に堪能できる山は類を見ません。

御在所岳

住所
三重県三重郡菰野町湯の山温泉
交通
近鉄湯の山線湯の山温泉駅から三重交通湯の山温泉行きバスで10分、終点で徒歩10分の御在所ロープウエイに乗り換えて12分、御在所山上公園駅下車、徒歩15分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:00
休業日
荒天時(ロープウエイは点検期間休あり)
料金
御在所ロープウエイ(往復)=大人2450円、小人1220円/

【岐阜・登山入門】霧氷の森と白銀の峰の共演!飛騨の隠れ名峰「猪臥山」

【岐阜・登山入門】霧氷の森と白銀の峰の共演!飛騨の隠れ名峰「猪臥山」
「猪臥山」を特徴付けるカラマツ霧氷の森

「飛騨の小京都」と呼ばれる高山。歴史や観光のイメージが強い町ですが、実は、全国屈指の「雪山絶景」を見せてくれる山が数々存在します。その代表格と言えるのが「猪臥山(いぶしやま)」です。

雪が降らない時期はそこまでメジャーな山ではないものの、雪山としては極めて高い人気を誇っています。その理由は、登山道の各所に咲き誇る美しい霧氷!

7合目あたりまで来れば、カラマツが霧氷の森を作り、山頂周辺にはブナや低木の霧氷が続きます。未知の世界へ足を踏み入れたような高揚感は、雪山登山ならではの醍醐味です。

標高3,000m峰と霧氷のコラボレーション

霧氷の先には、圧倒的な山岳パノラマが広がっているのもポイント!北アルプスや御嶽山(おんたけさん)、白山といった標高3,000m級の高い山に囲まれたこの猪臥山。展望が開かれ、霧氷と白銀の峰々のコラボレーションを見ることができます。

青と白で作られる世界は、筆舌に尽くし難い爽快さ。冬であっても寒々しくなく、太陽光に照らされて輝々とした風景が広がります。登山口から山頂までは片道1時間半ほど。この手軽さも人気の理由の一つです。

■猪臥山(イブシヤマ)
住所:岐阜県高山市清見町池本
交通:高山市街から猪臥山トンネル(登山口)まで車で約30分、登山口から往復約4時間
駐車場:猪臥山トンネルにいくつか無料駐車場あり
備考:アイゼン必須

【岐阜・登山入門】厳冬期のアルプスの稜線に立つ「富士見台高原」

【岐阜・登山入門】厳冬期のアルプスの稜線に立つ「富士見台高原」
青空霧氷は心洗われるほど美しい

日本には北・中央・南と「三つのアルプス」が存在します。「日本の屋根」と呼ばれるように標高が高く、気象条件が厳しいため、厳冬期(12月〜3月)に一般人が立ち入ることは難しい場所。

しかし、初心者でも冬のアルプスを体験できるのが「富士見台高原」です。
その秘密は「ヘブンスそのはら」というスキー場のリフト。標高1,400mまでワープでき、そこから山頂までは標高差、350mほど。

積雪の状態によっては、ラッセル* を強いられますが、登山装備を揃えていれば、誰でも登頂可能です。

*ラッセル・・・雪の中を掻き分け、踏み分けて道を開きながら進むこと

初心者でも日本アルプスの厳冬期を味わえる「富士見台高原」

たおやかな山容の百名山「恵那山(えなさん)」を望み、中央アルプス「木曽駒ヶ岳」や南アルプスの主脈などを見渡すパノラマは絶景!厳冬期には数多くの霧氷ができ、隔絶した雪山の風格を備えます。

また森林限界(高い木々が生えなくなる限界高度)の稜線に雪が積もり、周囲は純白の雪原へと変わると、まるでファンタジーの世界に迷い込んだよう。どこまでも非日常で美しく、雪山の醍醐味が詰まった、知られざる名ハイキングスポットです。

富士見台高原ロープウェイの情報はこちら

富士見台高原ロープウェイ ヘブンスそのはら

住所
長野県下伊那郡阿智村智里3731-4
交通
JR飯田線飯田駅からタクシーで40分
営業期間
4月中旬~5月下旬、7月上旬~9月下旬、10月上旬~11月下旬、スキー場は12月下旬~翌3月
営業時間
9:00~16:00(閉園16:30)、12~翌3月は8:30~15:30(閉園16:30)
休業日
期間中無休
料金
ゴンドラ往復券=大人2300円、小・中学生1100円/ゴンドラ・リフト券(1日券)=大人4700円、小・中学生2400円
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