長野【信州】一度は泊まってみたい名宿!
名所めぐりばかりが旅じゃない。一日の疲れを温泉で癒し、極上の料理に舌つづみを打ち、翌日への活力を蓄えることができる、そんな信州の名宿が大集合!...
更新日:2022年3月16日
日本屈指の山岳リゾート、上高地。
壮大な穂高連峰や透き通った美しさの梓川、幻想的な大正池や明神池、自然の息吹を感じる原生林など、四季折々の絶景を楽しむことができます。
そんな上高地を満喫するための見どころやおすすめのグルメ、おみやげ、ホテルまでまとめてご紹介。
上高地旅行に出かける前に、各エリアの位置関係を把握して楽しい観光プランを立てましょう!
北アルプスの名峰に囲まれた標高1500mの地に広がる名所。清流・梓川に架かる河童橋をはじめ、池や湿原、原生林など見どころがたくさん。ゆっくり散策しよう。
まずは上高地の魅力をギュッとつめ込んだ動画で、上高地観光のポイントを押さえましょう!
梓川に架かる吊り橋は上高地のシンボル
梓川に架かる河童橋は上高地を代表する名所。芥川龍之介の小説『河童』にも登場する。カラマツ材で造られた長さ約36mの吊り橋からは上流に穂高連峰、下流に焼岳が望める。
立ち枯れの木々が絵になる幻想的な池
1915(大正4)年の焼岳の噴火によって誕生した大正池。立ち枯れの木々が水面から突き出す光景は、一夜にして水没した林を物語っている。早朝に見られる朝もやに包まれた池も幻想的で美しい。
上高地の中心を流れる梓川は槍ヶ岳が源流。川底まで見えるほど透明度が高い。湧き水が流れる清水川は上高地の飲料水として使われるほどきれいでおいしい水。
河童橋の下にはエメラルドグリーンに輝く梓川が流れる
水温が6℃ほどに保たれている清水川の川風は涼しい
湿原化が進んでいく静寂の池
霞沢岳などの伏流水がたたえられてできた浅い池。湧き水なので水温が一定で、夏は冷たく、冬は全面凍結しない。少しずつ土砂が流れ込み、埋まりつつあるといわれている。
水面が茶色く見えるのは堆積した土砂のため
穂高神社の神域に広がるパワースポットの池
明神池は一之池と二之池からなるヒョウタン形の池の総称。穂高神社奥宮が池畔にあり、「鏡池」「神池」とも呼ばれている。池からは尖った山容が印象的な明神岳が見える。
イワナが泳ぐ姿も見られる澄んだ一之池
六百山を望む花咲く湿原
河童橋から明神方面へ徒歩15分のところにある、湧き水をたたえた湿原。ニッコウキスゲやレンゲツツジが湿原周辺を鮮やかに彩る6〜7月にぜひ訪れたい。
デッキから六百山を望む
日本アルプスの総鎮守
長野県安曇野市にある穂高神社の奥宮。日本アルプスの総鎮守であり、海陸交通守護の神でもある穂高見命が祭神。嶺宮は奥穂高岳の山頂に祀られている。
木立の中に現れる穂高神社奥宮の鳥居
五感を研ぎ澄まして歩く散策路
梓川右岸歩道は河童橋から明神池へ向かうハイキングルート。起伏に富んだ木道は歩きやすく、原生林や小川に横たわる苔むした木々などを眺めながら森林浴が楽しめる。
雄大な明神岳を眺める眺望抜群の橋
梓川上流に架かり、河童橋~明神橋コースの折り返し地点となる橋。名峰・明神岳の眺めが見事で、記念撮影のスポットとして人気がある。
明神橋越しのアングルで眺める明神岳も美しい
ハルニレの木が点在する草原
北アルプスへの登山基地である徳沢の草原は以前は牧場だった場所。そこに建つ「氷壁の宿 徳澤園」は、井上靖の小説『氷壁』の舞台になった宿として人気がある。
登山基地の徳沢キャンプ場には色とりどりのテントが並ぶ
標高1500m地点に位置する上高地へ観光客が訪問できるのは春から秋まで。アルプスの雪渓と新緑がまばゆい春、ハイキングや登山に最適の夏、紅葉が美しい秋と、季節ごとに違った表情を楽しめるのが上高地の魅力だ。
多少のアップダウンはあるが、ほとんどが歩きやすい散策路となっている。初心者はもちろん、老若男女が楽しめるエリアだが、標高1500mは立派な山岳地帯。山歩きのできる格好で、豊かな自然散策を楽しみたい。
穂高連峰をはじめ3000m級の山々や、豊かな清流、多様な植物など、上高地は山岳地帯ならではの多彩な顔を見せる。ホテルのロビーや河童橋周辺のしゃれたカフェなどで、美しい景色を見ながら優雅な時間を過ごせるのもリゾート地ならではの贅沢だ。
上高地は4月27日から11月15日までが開山期間。また、マイカー規制があるので沢渡または平湯からバスかタクシーに乗ることになる。
上高地観光の起点
上高地観光センターには食堂や売店、手荷物一時預かり所、観光案内所などがあるので、目的に合わせて有効に活用しよう。上高地インフォメーションセンターでは、花の開花状況や登山道の状態など、「上高地の今」を知ることができる。また、登山の場合は登山届はここに提出しよう。
上高地バスターミナルから、新島々行き、乗鞍高原・白骨温泉行きの路線バスに乗車する場合に「乗車整理券」が必要。出発時間を決めたら早めに乗車券売り場でもらおう。また、多くの人が上高地バスターミナルで乗車するため、大正池バス停では満員で乗れないこともある。帰りは、上高地バスターミナルがおすすめだ。
知っておきたい基本情報
上高地の観光の中心は河童橋で、多くの観光客で賑わう。河童橋を中心にプランニングを立てるのがベストだ。歩くコースに合わせて、食事やおみやげを買う場所もチェックしておこう。
公共交通機関の運行が始まる4月中旬から閉山祭の11月15日まで。4月27日の開山祭から本格的な観光シーズンが始まる。
さわんどバスターミナルの「沢渡ナショナルパークゲート」や上高地バスターミナルの「上高地インフォメーションセンター」、河童橋近くの「上高地ビジターセンター」で提供している。
宿泊施設やバスターミナルにレストランや売店が併設されている。とくにホテルは河童橋周辺に多い。食事はリゾートランチから軽食、テイクアウトまで豊富に揃う。
リゾートホテルをはじめ、山小屋風の宿、キャンプ場など多彩。夏は混むので早めに予約をしよう。日帰り入浴は温泉宿の上高地ルミエスタホテルと上高地温泉ホテル、温泉ではないが上高地アルペンホテルで可能だ。
河川を上流から下流に向かって見たときの右側が右岸、左側を左岸と呼ぶ。梓川の流れを見ればわかるが、穂高連峰が見えるほうが上流だ。
上高地は大正池から上高地バスターミナルまでのバス区間以外は、自然を楽しみながら歩いて移動となる。体力や時間を考えて無理のないプランニングをしよう。
初心者の方にもおすすめの上高地のハイキングコース3つをご紹介します。
大正池バス停で降り、階段を下りていくと美しい水面に焼岳の姿を映す❶大正池がある。原生林と湿地の中に整備されたアップダウンのない木道を進むと、まもなく❷田代湿原&田代池に到着する。そこから自然研究路の「梓川コース」と「林間コース」に分かれるが、どちらも歩きやすくハイキング気分で散策できる。穂高連峰を一望できる❸田代橋・穂高橋を渡ると、まもなく❹ウェストン・レリーフに到着。ゴールには、穂高連峰と梓川の絶景で知られる❺河童橋が待っている。
コースDATA
【歩行時間】 約1時間
【歩行距離】 約3.7km
【体力】 ★☆☆
【テクニック】 ★☆☆
【トイレ】 5カ所
大正池バス停で下車して河童橋へ向かうのがおすすめ。
大噴火で姿を現した幻想的な池
青く澄んだ湖面に立ち枯れた木々が何本も伸びる、神秘的な光景が人気のスポット。大正時代、焼岳の噴火によって梓川がせき止められて一夜でできた。今も池の底にはかつての森が沈んでいるとされる。水面には、今も噴気口が活動している焼岳の姿が映る。
大正池の上流に目を向けると、春先は雪を頂にのせた穂高連峰が見える
焼岳を望む大正池。土砂の流入により、年々面積が小さくなっている
朝もやの大正池を見るなら、上高地や沢渡に宿泊がおすすめ
大正池の朝もやを見よう!
朝夕と日中の気温差の激しい夏によく見られる大正池の朝もや。朝日が完全に昇る前の光景なので、暗いうちに出発しよう。早朝は寒いので防寒を忘れずに。
連なる穂高連峰を望む緑美しい湿原
枯れた水草などが積もり、長い歳月をかけてできたとされる田代湿原。穂高連峰を望める絶好の展望ポイントとしても知られる。池の正面に見える霞沢岳や六百山からの伏流水をたたえる田代池は、冬でも凍結しない。
水草の堆積や土砂の流れ込みで、田代池の大部分は湿原化している
原生林に囲まれ穂高連峰を望める田代湿原
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リゾートホテルのランチで優雅な時間を過ごすのも、気軽な食堂で山気分を満喫できるのも上高地の楽しさ。信州の食文化の奥深さもわかる、とっておきメニューを堪能しよう!
山小屋風レストランで伝統の味に触れる
スイスの山小屋のようなかわいらしいレストラン。安曇野産の食材を生かした洋食が好評。人気のオムライスは、卵を焼岳に、ソースを大正池に見立てた遊び心も楽しい。
信州産地卵のオムライスとハッシュドビーフ
伝統のハヤシソースと信州地卵に、酸味のあるトマト風味のライスが絶妙にマッチ。
木のぬくもりが感じられる店内
厳選食材を名門ホテルの技で味わうという贅沢
シックな内装が気品を感じさせる上高地帝国ホテルの和食処。信州産地鶏“真田丸”を使った親子丼は肉の旨みと食感が秀逸。ほかに天ざる蕎麦膳もおすすめだ。
信州地鶏真田丸 親子丼
しっかりとした肉質の信州産地鶏“真田丸”と濃厚な味のブラウンエッグがベストマッチ。
赤い屋根が印象的なホテルの和食処
ソファでくつろぐランチタイム
多くの文人に愛されてきた上高地温泉ホテルのロビーラウンジ。食べやすい中辛のカレーライスのほか、無料で提供されている“清水川の水”もおいしいと評判だ。
ハンバーグチーズカレー
調理スタッフこだわりのオリジナルカレーにハンバーグ&チーズをトッピング。
敷地内には温泉ホテルならではの足湯も設置
散策で歩きまわった体を癒してくれるのは甘いもの。上高地のホテルには、パティシエが腕によりをかけて作った自信作がずらり。ゆっくりと自慢のスイーツを味わいましょう。
マントルピースたたずむラウンジで伝統の味を
マントルピースが印象的な上高地帝国ホテルのロビーラウンジ。伝統のレシピを守るカスタードプリンは濃厚な味わい。湧き水で淹れたコーヒーや紅茶とのセットは1日20食限定。
上高地帝国ホテルのカスタードプリンセット(1日20食限定)
信州の地卵を使用した濃厚なプリン。直径約10cmという大きさもうれしいサプライズ。
カマンベールチーズケーキ
上高地帝国ホテルで一番人気のケーキ。帝国ホテルのパティシエがひとつひとつ漉して手作りしている。
ウッディな吹き抜け空間が山岳リゾート気分を高めてくれる
スタイリッシュな空間で味わう季節のケーキ
黄色と茶色を基調とした明るく開放的な上高地ルミエスタホテルのラウンジ。季節ごとにオリジナルケーキが登場。四季を感じさせてくれるケーキはテイクアウトも可能。
アップルパイ
コンポートしたリンゴの食感が楽しめるアップルパイ。シナモンの香りがアクセントに。
天井も吹き抜けで開放的なラウンジ
定番の山グッズや、信州の恵み豊かなグルメアイテムなど、上高地のおみやげは多種多様。各ホテル自慢のオリジナル商品は、誰に送っても喜ばれること間違いなし。
星降るホテルビール
【湖畔のホテルの地ビールで乾杯!】
大正池ホテルが展開する“星降るホテル”シリーズの地ビール。切れ味の良さが特徴のケルシュなど3種類。
上高地帝国ホテルビーフカレー
【レトロなパッケージも人気の秘密】
欧風カレーに長野県産国産牛を合わせた伝統の味。開業当時をしのばせるレトロなパッケージも魅力的。
ガーゼたおる
【幸せを呼ぶカッパ柄!?】
カッパと四つ葉のクローバーがキュートな“幸せカッパ”シリーズのミニタオル。ペンケースなどもある。
上高地チーズタルト
【1カットの食べきりサイズ】
濃厚な味わいが人気のベイクドチーズタルト。個包装で冷凍販売されているので、散策前に購入すれば、歩き疲れた頃には食べごろに。
上高地スティックケーキ
【スティック型&個包装がうれしい】
食べやすい形状の焼き菓子。クルミ、リンゴ、栗の3種類。個包装なので必要な数だけ買え、配るのにも便利。
上高地プリン
【散策途中のお楽しみ】
口あたりがなめらかで、バニラビーンズや卵の味もしっかりしている濃厚なプリン。散策の休憩にもどうぞ。
上高地の魅力をより深く感じるために、ぜひともホテルステイを体験したい。優雅なディナーや、静寂のなかの散策など、宿泊してこその、とっておきの時間を過ごしてみよう。
河童橋と穂高連峰を望む抜群のロケーション
上高地バスターミナルから徒歩5分
1918(大正7)年創業の老舗ホテル。河童橋に近く、梓川と穂高連峰を望む絶好のロケーションに建つ。館内は松本民芸家具が置かれ、シックで落ち着いた雰囲気。細部までこだわったインテリアなど、とくに女性からの人気が高い。
松本市内の自社農園で採れた野菜をはじめ、山海の幸をアート作品のような一皿に昇華させている。
旬に合わせシーズン中に数度のメニュー変更がある
木のぬくもりを感じる建物と名物バイキング
上高地バスターミナルから徒歩6分
梓川のほとりに建ち、木のぬくもりにあふれるホテル。和室の窓からは雄大な自然も眺められる。夕食は地元の食材を使ったバイキングで、和・洋・中のメニューが揃いボリュームも満点。
自然との一体感があるロビー
夕食のバイキングは30種類以上のメニューが揃う。隔日で2パターンの料理が提供されるので連泊でも飽きることがない。シーズン中に数回のメニューリニューアルもある。
梓川を見下ろす癒しの空間
上高地バスターミナルから徒歩10分
欧州風の外観と、吹き抜けのロビーが異国情緒を漂わせ、夕食は和風会席が自慢という、和洋の良さを上手に融合させているホテル。少し坂を上った場所にあるため眺望も抜群だ。日帰り入浴も人気が高い。
坂の上なので展望浴場からの眺望も格別
マントルピースのある広々としたロビー
信州和牛、信州サーモン、伝統野菜など地のもののおいしさを存分に生かした繊細な料理が味わえる。イワナやニジマスなどの川魚をはじめ、春や秋は山菜やキノコ、夏には旬の野菜など、四季折々の食材を堪能できる。
上高地をもっと深く知るには、ガイドウォークがおすすめ。各スポットについての詳細や、植物についての説明などを受けながら、興味深く散策できる。
時間と希望に合わせたガイドメニュー
上高地の自然を十分満喫できるコースが用意されている。五千尺ホテル内に受付があるので、行ってみよう。
日替わりのガイドウォークがおすすめ
上高地の自然に精通したガイドが案内するコースは、ビジターセンターから大正池と明神池の日替わりの2コース。
ホテルが実施するガイドツアー
7月中旬〜8月中旬にはガイドツアーを毎日実施。早朝や夜出発のユニークなツアーも開催している。
●上高地インフォメーションセンター 【期間】4月中旬〜11月上旬 0263-95-2433
●アルプス観光協会 0263-94-2221
●松本市山岳観光課 0263-94-2307
●上高地タクシー共同配車センター 【期間】4月中旬〜11月上旬 0263-95-2350
●さわんど温泉観光案内所 0263-93-1800
●上高地観光アソシエーション www.kamikochi.or.jp
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