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新作駅弁10選を実食!「駅弁味の陣」 “初陣” の実力は!?

駅弁こんしぇるじゅマルワ

更新日:2021年11月9日

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新作駅弁10選を実食!「駅弁味の陣」 “初陣” の実力は!?

駅弁大好き歴25年の「駅弁こんしぇるじゅ」マルワです。

平成24年(2012)に始まった、JR東日本エリアの駅弁ナンバーワンを選ぶ恒例企画「駅弁味の陣」
10周年となる令和3年(2021)は、67種の駅弁がエントリーしており、うち半数に近い30種の新作駅弁が、“初陣”(初登場)を飾っています。

駅弁界に新風をもたらそうと、調製元各社が総力をあげて開発した渾身の新作の数々。その中から、筆者が独自にセレクトして実食した新作駅弁たちを、おおむね北から順に、エリア別にご紹介しましょう。

※販売駅名は主な駅を記載しています。

んろぉ めぇ~どごだげ弁当 (新青森駅)

んろぉ めぇ~どごだげ弁当 (新青森駅)

■幸福の寿し本舗/1,300円

トップバッターは、青森・秋田・岩手3県の北東北地域から、「幸福の寿し本舗」(青森市)が製造する「んろぉ めぇ~どごだげ弁当」

インパクトのある名前は、津軽弁で「おお、美味いところだけ」の意とのこと。「ん」で始まる、いきなりの方言全開で、思わず声に出して読んでみたくなる駅弁です。調製元がこれまでに手掛けた駅弁の中から人気のメニューを集結したという、まさに「いいとこどり」の一折と言えるでしょう。

ごはんは、粘りとキレが特徴の青森県産米「青天の霹靂(へきれき)」を使い、大粒ほたて煮やりんごシロップ漬けも青森県産と、ご当地色を演出。十和田バラ焼き(牛バラ肉と玉ねぎ炒め)、鶏の照り焼き・そぼろ、かに・いくらなどの青森ソウルフードが、この一折でいただけます。美味しいものを少しずつ、種類を数多く味わえるのが嬉しいですね。

掛け紙は、令和3年(2021)春の新駅舎オープンに伴い、役目を終えた青森駅4代目駅舎のモノクロ写真。正面屋根上の「あおもり駅」というひらがな表記を懐かしく思い出す方も多いのでは? 裏面には、青森駅に関する主要年表も印刷されています。伝統の食だけでなく、こうして地域の歴史や文化を伝えることができるのも、駅弁ならではの魅力です。

東北福興弁当-未来へのきざはし- (仙台駅・東京駅・新宿駅)

東北福興弁当-未来へのきざはし- (仙台駅・東京駅・新宿駅)

■JR東日本クロスステーション/1,200円

宮城・山形・福島3県の南東北地域からは、「東北福興弁当」(JR東日本クロスステーション・仙台調理センター)をご紹介します。

東日本大震災からの東北復興の一助になればと、JR東日本フーズが中小基盤整備機構の協力を得て、大震災のあった平成23年(2011)から展開している「東北福興弁当」シリーズ。第1弾から昨2020年の第9弾までの通算出荷数は55万食にも上るそうです。

節目にあたる第10弾では、過去9種の駅弁に採用された食材の中から、特に人気のあった東北の21事業者21品目を一折に盛り込みました。復興に向けて、東北の食産事業者が着実に進んでいることをアピールしようと、駅弁の名前には「福興(福を興す)」の字を充て、「未来へのきざはし(=階段)」というサブタイトルが付いています。

復興へ頑張ってきた東北6県の美味しい食と、復興10周年を迎えた東北の“感謝”の思い。力強い歩みが感じられる駅弁です。掛け紙の裏面には詳しいお品書きがプリントされているので、読み進みながら各県自慢の味を楽しみましょう。

海苔のり弁887 (郡山駅・福島駅・新白河駅)

海苔のり弁887 (郡山駅・福島駅・新白河駅)

■福豆屋/1,200円

南東北地域から、もう一つ。平成30年(2018)に、第7回「駅弁大将軍」に選ばれた福豆屋(福島県郡山市)の「海苔のりべん」が、郡山産のブランド米「あさか舞」の最高峰「ASAKAMAI 887」とコラボレーション。まさに究極の味ともいえる「海苔のり弁887」を作り出しました。

“東北6県を対象としたJRの「デスティネーションキャンペーン」に合わせ、米どころ福島の美味しいお米を使って、新しい駅弁が作れないか”という発想から、企画がスタート。お米の風味を最大限に生かすため、「海苔のりべん」で使われた「おかか」はあえて入れず、汐昆布とばら海苔を挟んでシンプルに。福豆屋自慢の鮭のハラスや手焼きの出汁巻き玉子はそのままに、新たに福島県産牛の牛肉煮、福島県相馬市・松川浦のあおさ入り海苔天ぷらをプラスして、さらに豪華な内容になりました。

シンプルな外装には、引き算の美学を感じます。磐梯山と猪苗代湖を背景に、金の箔押しでキラリと輝く「887」の文字。たくさんの種類が並ぶ駅弁のカラフルな陳列棚にあって、高級感あふれる存在がひときわ目立ちます。でも、その隣に従来の「海苔のりべん」が並んで陳列されているのがニクイ。海苔×おかかの鉄板コラボレーションを取るか、究極の白飯をとことん味わうか。さぁ、あなたはどちら?

……欲張りな筆者はどちらかを選べず、2つ一緒に買って食べ比べました。結果、どちらも最高に美味しかったです!

にしんめし (上越妙高駅・直江津駅・東京駅)

にしんめし (上越妙高駅・直江津駅・東京駅)

■ホテルハイマート/1,200円

続いては、新潟・長野・山梨3県の甲信越地域から、直江津駅(JR信越本線・えちごトキめき鉄道、新潟県上越市)の「にしんめし」

これまで、鱈(たら)とタラコの「鱈めし」、鮭とイクラの「さけめし」で、駅弁大将軍に2度も輝いたホテルハイマートが、またしても“親子食材”で勝負に出ました。鰊(にしん)と数の子。今度はそうきたか!と、思わず膝を打ってしまう押しの強さです。高級感のある赤い漆調の器に紐かけの姿は、姉妹品の2つと同じ。ただし、見分けやすいように掛け紐の色がそれぞれ異なっているあたり、芸が細かいと思いました。

この駅弁の主役は身欠き鰊の甘露煮、そして黄金色に輝く大きな数の子。さらに、鰊の昆布巻き、鰊のなます。お酒(選ぶなら日本酒でしょうか)が何本あっても足りないのではと心配になる、まるでお正月のおせち料理と見まがう取り合わせに、否が応でも、ハレの日の気分が高まります。

過去に「鱈めし」「さけめし」を食べて美味しかった記憶がある方は、この「にしんめし」でさらなる奥行きを感じてみてください。“推し”の調製元とは、とことん付き合っていく。それもまた駅弁ライフの楽しみのひとつ。おかげで、筆者の手元には、赤い弁当箱が捨てられずに溜まっています。

ワインのめし (甲府駅・小淵沢駅・新宿駅)

ワインのめし (甲府駅・小淵沢駅・新宿駅)

■丸政/1,500円

甲信越地域から、ぶどうの産地でもある山梨県の新作駅弁、オードブル盛り合わせ風の「ワインのめし」

こちらはJR東日本と、大正7年(1918)創業の駅弁会社「丸政」(北杜市小淵沢町)が共同で開発。商品名は、「ワインに合う」駅弁という開発テーマと、甲州方言の「ワイン飲めし(飲みなよ)」をかけています。

山梨の食材をたっぷり使用。和食が圧倒的に多い駅弁の中で、マリネ、アヒージョといった洋風のメニューが新鮮です。甲州名物「ほうとう」をグラタンにアレンジしているのも大胆で面白いですね。

掛け紙のデザインは、福祉の視点から山梨を伝えるフリーマガジン『anko』の編集長・堀内麻美さんと、絵本作家・こいでなつおさんが手がけたもの。キノコやほうとう鍋など、「ワインのめし」の食材や料理のキャラクターがワイワイ飛び出し、今年(2021年)生誕500年を迎える武田信玄を囲んで、賑やかに祝っているような楽しいイラストになっています。車窓の向こうで富士山まで一緒に乾杯しているのがご愛敬。

この駅弁を食するときは、ぜひワインを傍らにゆるゆると楽しいひとときをお過ごしください。ワインの赤・白は、お好みで(掛け紙には両方描かれていますね)。

信州おとなの牛めし (茅野駅・小淵沢駅)

信州おとなの牛めし (茅野駅・小淵沢駅)

■丸政/1,180円

甲信越地域からもう一つ、「信州おとなの牛めし」です。

「ワインのめし」と同じ丸政が手がけていますが、こちらは純和風、胃袋をしっかり満たしてくれるお肉の駅弁。

わさびをイメージする緑を基調とした市松模様は、『鬼滅の刃』の人気にもあやかったものでしょうか。市松柄は、異なる2色の組み合わせが交互に並び、途切れることなく碁盤の目のように続いていくことから、「繁栄」の意味を持つ、とても縁起の良いものです。

お子さんと一緒であれば、「あ!炭治郎だ!」と喜んでくれそうですが、そこは「おとなの牛めし」。炭火焼の牛肉をたっぷり乗せたわさび菜入りの青じそごはんは、ひとくち頬張ると爽やかな辛味が鼻に抜けます。出合ったことのないアプローチで、新鮮な感動がありました。甘辛い牛めしが多い中、たまには気分を変えて、辛口でいくのもアリです。

常磐街道 味めぐり (水戸駅)

常磐街道 味めぐり (水戸駅)

■しまだフーズ/1,500円

茨城・栃木・群馬3県の北関東地域では、常磐(じょうばん)線沿線から選りすぐりの美味しいものを集めた「常磐街道 味めぐり」をピックアップ。

上野~仙台間を福島県・浜通り経由で結ぶ常磐線の全線復旧開通を記念してつくられた新作駅弁です。宮城県仙台名物の味付け牛たん、福島県の地鶏・川俣軍鶏(かわまたしゃも)肉の塩麹焼き、茨城県の銘柄牛・常陸(ひたち)牛を甘辛く煮たしぐれ煮――。常磐線沿線各地の自慢の味をたっぷり詰め込みました。

調製元は、肉系の駅弁で評価の高い「しまだフーズ」(水戸市)。冷めても柔らかいお肉は、思いのほか軽い味わいで、胃もたれしません。花形人参や栗をはじめ、粒ぞろいな脇役が彩りを添えて、とてもいいアクセントになっています。お肉が好きでいろいろな種類を少しずつ食べたい方におすすめ。

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駅弁大好き歴25年。平成の”Windows95”時代から某IT企業のインストラクターとして全国の官公庁・小中学校へのパソコン導入に携わりながら、各地の駅弁や名産品を食べ続けるうち「うまいもの」「みやげもの」で日本地図が描けるようになりました。これまで全国を旅して食した駅弁は2,000個以上、「駅弁大会」と聞けば連日通って“大人買い”、休日は朝昼夕と駅弁が食卓に並ぶような家庭です。時々ちょっと苦手な食材もありますが、そこはすべて「実食」してのルポがモットー。食味の感想には個人差がありますので、その点はご容赦ください。

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