この記事の目次
- 1 『北の春 鰆とサーモンのポン酢めし』 吉田屋(八戸駅ほか)1,380円
- 2 『春のごっつぉ弁当』 もりべん(山形駅)1,150円
- 3 『たけのこごはん弁当』 日本ばし大増(東京駅)1,500円
- 4 『おべんとう 春』 崎陽軒(横浜駅ほか)730円
- 5 『湯どき花どき食べどき弁当』 大船軒(大船駅ほか)1,200円
- 6 『桜満開 花見べんとう』 東華軒(小田原駅)1,100円
- 7 『春の二段牛膳』 南洋軒(草津駅)1,340円
- 8 『京風和膳 春のかさね箱』 淡路屋(新神戸駅ほか)1,300円
- 9 『倉敷小町 春』 三好野本店(岡山駅ほか)1,280円
- 10 『尾道 春めぐり』 浜吉(福山駅・三原駅ほか)1,180円
- 番外 『チキン弁当』 JR東日本クロスステーション(東京駅ほか)900円
- 季節感あふれる駅弁で、新しい1年をスタート
8 『京風和膳 春のかさね箱』 淡路屋(新神戸駅ほか)1,300円
関西で四季折々の景観を楽しむといえば、やはり京都に代表されるのでしょうか。『ひっぱりだこ飯』で有名な神戸の「淡路屋」も、春と秋に、京風「かさね箱」シリーズの駅弁を手がけています。
人気商品なのでしょう、ここ数年の定番品。「重箱」と書けば重々しく感じる二段重ねの容器も、「かさね箱」と言い換えると、どこか風雅なイメージに。京都のブランド力、おそるべし。
サイズが一回り大きな上段の器は、おかずの詰め合わせ。小さな “おせち料理” のような、繊細な盛り付けに惹かれます。海老煮、焼き鰆、春雨入り巾着煮、たけのこ煮、かぼちゃ煮、ごま豆腐、菜の花の醤油漬け、牛肉煮、糸こんにゃく煮、玉子焼き、焼きかまぼこ、椎茸煮、いかなごくぎ煮、人参煮、絹さや、山菜醤油漬。
「○○煮」という煮物率の高いお品書きのとおり、上品で胃もたれしない優しい献立は、幅広い年代に喜ばれそう。中でも、春を感じさせる「いかなごのくぎ煮」と、滑らかな舌触りの「ごま豆腐」が最高!
9 『倉敷小町 春』 三好野本店(岡山駅ほか)1,280円
前身は米問屋、その後、高級旅館を経て、1891年(明治24年)山陽鉄道(現JR山陽本線)岡山駅開業と同時に駅弁の販売も始めた「三好野本店」。桃の形の容器がシンボルの『桃太郎の祭ずし』が人気の調製元です。地元の食材をふんだんに使った駅弁の種類は多岐にわたり、「春」を謳った駅弁も複数ありますが、今回は“二段重”つながりで、春らしい幕の内弁当をご紹介します。
蔵屋敷に桜を描いたスリーブに包まれた『倉敷小町 春』は、岡山・倉敷を代表する観光地「倉敷美観地区」がテーマ。美観地区の街並み「白壁」をイメージした上品な二段容器に、郷土料理の “たこ飯” や、倉敷銘菓「塩羊羹(ようかん)」など、多彩に盛り付けた、ぜいたくな内容になっています。2月1日~5月末日までの限定販売。
上段の白いお重は、おかずの詰め合わせ。鰆の白醤油焼き、酢蓮根、さつま揚げ、きんぴらごぼう、鶏もも天ぷら(甘辛だれ)、厚焼き玉子、椎茸煮、たけのこ煮、人参煮、ハスの辛子マヨ和え、倉敷銘菓・塩尻喜月堂の「塩羊羹」が入っています。春の駅弁に入るデザートは“桜餅”が多い中、ご当地銘菓の登場にテンションが上がります。
下段の黒いお重には、ちょっと贅沢に2種類のごはん。ひとつは「たけのこごはん」で、青菜漬けとおぼろでデコレーション。季節のたけのこは、焼いて香ばしさが引き立っています。もうひとつは「たこ飯」で、青のりと錦糸玉子で風味豊かに。たこの煮物が柔らかく、後を引く美味しさでした。
10 『尾道 春めぐり』 浜吉(福山駅・三原駅ほか)1,180円
こちらは、1892年(明治25年)、山陽鉄道三原駅(現JR糸崎駅)開業に伴い構内営業を始めた「浜吉(はまきち)」が提供する、『尾道春めぐり』。地元広島名産、天然活き締めの煮穴子と、「広島なかやま牛」の旨煮。二つの主役を中心に据え、菜の花やたけのこを添えて、桜が彩る尾道の春をイメージした、食べごたえのある駅弁です。
ベースは味付ごはん。表面に錦糸玉子を敷き詰め、牛肉の旨煮と煮穴子が半々で陣取っています。春の季節感を演出するのは、たけのこ煮と菜の花、花形人参、桜の塩漬け。傍らには、箸休めの香の物と、デザートの桜餅が添えられています。
“春” を謳う駅弁には、たくさんの種類のおかずを少量ずつ楽しむ “幕の内形式” が圧倒的に多い中で、主役と脇役がはっきりしたご当地色の強い構成に、力強い個性を感じました。
番外 『チキン弁当』 JR東日本クロスステーション(東京駅ほか)900円
最後に一つ、番外編をご紹介。毎年手を替え品を替え、全国の老舗調製元が「見た目」と「味」で工夫を凝らす行楽弁当は駅弁の大きな楽しみのひとつですが、その一方で、季節やイベントに合わせた「見た目」のマイナーチェンジで個性を発揮しているのが、1964年(昭和39年)、前回の東京オリンピック開催の年に生まれたロングセラー駅弁『チキン弁当』です。
今年はなんと、ピンクのギンガムチェックに装いをあらため、「春バージョン」が登場しました。よく見ると、外装に描かれたキャラクターのコック帽には桜の花がポチッと。
中身は従来品とほぼ変わりはありません。でも、桜の枝を模した “バラン” や、人参煮の蝶が飾られるだけで、春のルンルンした気持ちにさせられます。過去にも、発売当初は「二段重」だった弁当容器を復刻したり、「クリスマスバージョン」になったり、たびたびこうした遊び心を見せてくれるのは楽しいものです。
▼JR東日本クロスステーション(製造元:日本ばし大増)
WEBサイトはこちら https://foods.jr-cross.co.jp/ekiben/
季節感あふれる駅弁で、新しい1年をスタート
春が新しい“はじまり”をもたらす季節なら、桜の開花は、年度替わりを告げるシンボル。季節感あふれる駅弁を食べながら、大いに愛で、花を楽しみ、明るい気持ちで、新しい1年をスタートさせましょう。
では、よい旅を。
マルワ
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駅弁大好き歴25年。平成の”Windows95”時代から某IT企業のインストラクターとして全国の官公庁・小中学校へのパソコン導入に携わりながら、各地の駅弁や名産品を食べ続けるうち「うまいもの」「みやげもの」で日本地図が描けるようになりました。これまで全国を旅して食した駅弁は2,000個以上、「駅弁大会」と聞けば連日通って“大人買い”、休日は朝昼夕と駅弁が食卓に並ぶような家庭です。時々ちょっと苦手な食材もありますが、そこはすべて「実食」してのルポがモットー。食味の感想には個人差がありますので、その点はご容赦ください。