熊野速玉大社の見どころを解説!行き方&めぐり方もチェックしよう 熊野三山詣ではこれでばっちり♪
熊野三山のひとつである熊野速玉大社の見どころ、めぐり方、行き方を詳しく解説します。 また絶壁のゴトビキ岩で有名な神倉神社もご紹介。 神代に熊野の神々を神倉山からこの地に迎え、神倉神社の元宮に対...
熊野速玉大社に神倉神社、阿須賀神社と世界遺産の宝庫、新宮市。
熊野川の河口にあり、山や川、海が織りなす絶景も楽しみのひとつです。
今回は名物のめはり寿司や人気のパンをランチとして携えての熊野古道・高野坂歩きをご紹介! 爽やかな海沿いの古道に気分もリフレッシュします。
熊野古道歩きの後は、約300年前から捕鯨で栄えた町、三輪崎まで足をのばして、ジオパーク鈴島・孔島の雄大な景色や鯨文化にも触れてください。
紀伊半島の南端に位置するまち、新宮市。北側には山々と熊野川、そして南側には熊野灘が広がり、恵まれた自然の美しさを存分に楽しめるエリアです。また、“熊野信仰”が受け継がれ、熊野速玉大社や神倉神社、熊野古道などの世界遺産がまちの中に点在している、不思議な街です。
観光には車が便利ですが、名所がぎゅっとまとまっているので、徒歩やサイクリングでめぐるのもおすすめです。
鉄道での行き方
JR新大阪駅から、特急くろしおで4時間16分/7210円、JR新宮駅下車
車での行き方
すさみ南ICから、国道42号線・那智勝浦道路で約1時間30分
熊野三山をめざして、はるか昔の時代から数多の旅人が通った参詣道、熊野古道。中でも紀伊田辺から熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社をつなぐ中辺路は、多くの人が歩いた古道です。
新宮市にある高野坂は、熊野速玉大社から熊野那智大社に向かう中辺路のルートの一部になります。約1.5kmに苔むした石畳や竹林、念仏碑、熊野灘を望む絶景スポットなど、見どころが凝縮されているので、気軽な古道歩きデビューにおすすめです。
熊野古道の中辺路についてもっと詳しく知りたい人は、こちらもご覧ください。
スタート:JR新宮駅
↓バスで12分+徒歩15分
高野坂登り口
↓徒歩15分
御手洗の念仏碑(王子ヶ浜を眺望)
↓徒歩5分
孫八地蔵
↓徒歩5分
金光稲荷神社
↓徒歩10分
鯨山見跡
↓徒歩15分
高野坂の石畳
↓徒歩5分
高野坂登り口(三輪崎側)
↓徒歩5分
ゴール:JR三輪崎駅
JR新宮駅に着いたら、まずは古道歩きのお供、おべんとうおやつをゲットしましょう。なかでも郷土料理のめはり寿司はカバンの中で少々動いても問題ないので、古道歩きのランチにピッタリですよ。
熊野で古くから家庭料理として親しまれてきためはりずしの専門店。塩漬けにした高菜でおにぎりを包んだ、素朴で飽きのこない味わいです。昔はソフトボールほどの大きさに作られており、食べるときに大きく目を張るところから、この名前になったといわれています。
旬の果物や野菜から作る自家製の天然酵母で焼き上げるパンが人気のブーランジェリー。国内産小麦粉”春よ恋”を100%使用した天然酵母パンやバゲット、クルミのクリームコッペやカスクートなど、80種以上ものバラエティ豊かなパンが並びます。
明治元(1868)年創業の和菓子店。神社の神鈴を模した鈴焼は和三盆の優しい甘さとふわっと軽くしっとり食感で、後をひくおいしさです。ひとくちサイズなので、古道歩きのオヤツにもぴったり。熊野の名所を描いた熊野名所煎餅はおみやげとしても人気です。
新宮市でお弁当をゲットしたら、いよいよ熊野古道・高野坂歩きに出かけましょう。アップダウンの少ない短い道ですが、階段や木の根道も多いので歩きやすいスニーカーは必須です。
新宮駅から高野坂登り口へは徒歩で45分ほどですが、今回は三輪崎エリアでの散策時間をとるためバスで向かいます。JR新宮駅から熊野御坊南海バス新勝線で12分、広角(高野坂)バス停で下車し、10分ほどで高野坂登山口になります。
本格的に歩きたい人は、熊野速玉大社から阿須賀神社や、浜王子(王子神社)を経由して歩くのもおすすめです。熊野速玉大社から高野坂登り口までは、約4.5km、1時間10分ほどです。
高野坂登り口にはトイレと3台ほど停められる駐車場、高野坂押印所があります。この先、三輪崎駅までトイレはないので、ここでしっかり準備をすましておくのがおすすめです。
また、駐車場はあるのですがここまでの道幅がかなり狭いので、運転に不慣れな人は、駅前などに停めてバスを利用しましょう。
木の根がむき出しの木の根道などもあるが、比較的歩きやすい
高野坂に入って早々、木の根道や石畳の道とバラエティに富んだ道が登場します。一気に古道歩きらしい雰囲気になるので、テンションがあがりますね。木々のざわめきの奥に、かすかに波の音が混じるのも他の古道歩きとは違うので新鮮です。
高野坂登り口から15分ほどで、御手洗の念仏碑が見えてきます。ここから振り返るように眺めると、王子ヶ浜を一望する絶景ポイントです。王子ケ浜は4kmほど続く海岸線で、熊野川河口まで運ばれてきた砂礫が堆積して形成された砂州。アカウミガメの産卵地でもあります。
江戸時代の中頃に建てられた三体の石碑。真ん中の地蔵尊は、1672年に伊勢の人が那智山と新宮で100日念仏を唱えたことを記念して現像。左右の二体は「南無阿弥陀仏」と彫られた板碑です。
沢の清らかな水音や竹林のざわめきなど、少し足を運ぶだけで聞こえてくる音が変わっていくのも、この高野坂の魅力です。アップダウンも少なく快適に足を進めれば、赤いよだれかけの孫八地蔵が現れます。このあたりが高野坂の中ほどにあたります。
熊野灘を海遊する鯨を見張っていた展望台、鯨山見跡。日本遺産にも登録された、熊野灘の捕鯨文化を伝えるストーリー『鯨とともに生きる』のひとつです。遠くに三輪崎の孔島や鈴島も見える景色のいい場所で、小さな木の椅子もあるのでランチ休憩にもぴったり。
孫八地蔵から少し進むと、左手に金光稲荷神社への道、右手に聖護院宮の休憩所跡が見えてきます。聖護院宮の休憩所跡は、本山派山伏(天台宗系)を率いた聖護院宮が熊野三山を巡るときに利用した休憩所があったとされますが、今は石垣の形跡が残る程度です。ここにもベンチがあるので、休憩スポットとしておすすめです。
鯨山見跡から引き返して、再び熊野古道・高野坂へ。歩き出してすぐ左手に弁慶の力石が見えたら、ここからは緩やかな下り坂になります。熊野古道のハイライトともいえる美しい石畳が残り、往時の姿を思わせます。
小さな橋を渡り、高野坂の看板が見えたら、三輪崎側の高野坂登り口です。畑の横を流れる小さな川沿いに進むと、三輪崎駅まで続く県道へと合流します。看板から駅までは5分くらいです。
高野坂のゴールエリアにあたる三輪崎には、海と奇岩が織りなす不思議な絶景が見られる鈴島・孔島があります。ジオパークならではの絶景を見に、ぜひ足を延ばしてみてください。
三輪崎漁港から孔島に渡る途中にある、奇岩怪石が連なるフォトジェニックな島。そびえる立石や波食洞に、樹林帯や蛭子神社などが配され、まるで自然にできた日本庭園のような美しさです。
荒々しい波のを受けてそびえる立石
連なる鳥居が印象的な孔島厳島神社や鯨方(捕鯨の漁師)によって建立された石造物などが見られる島を歩くと、どこか不思議な世界に迷い込んだような気持に。新宮市の花「ハマユウ」など、51科120余種の植物群生が観察でき、四季折々の表情を見せてくれます。
新宮市で15周年を迎える雑貨店「Calle」が、三輪崎海の美しさを知ってほしいと海を望む立地に移転オープン。“花を楽しむ”をテーマに、ドライフラワーなどで彩られた店内から望む海が美しい。エディブルフラワーを使ったスイーツやドリンクなどが楽しめます。
熊野速玉大社や神倉神社、瀞峡など、有名な名所がいっぱいの新宮市ですが、今回歩いた熊野古道・高野坂や鈴島・孔島など、まだまだ知られていない魅力的なスポットがいっぱいありそう。
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