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【鉄道】廃線の軌跡をたどる地図の旅! ~レールウェイマップル~

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2023年12月8日

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【鉄道】廃線の軌跡をたどる地図の旅! ~レールウェイマップル~

「レールウェイマップル」という本をご存じでしょうか?

「レールウェイマップル 鉄道地図帳」は2010年3月に、その名のとおり鉄道路線を主体した地図帳として、地方別の7冊(北海道~九州)が登場。2020年11月には大幅リニューアルした同書が累計発行部数4万部超のベストセラー鉄道地図帳となりました。

そして、3年ぶりに全面改訂版をした「レールウェイマップル 鉄道地図帳」を2023年12月8日より発売します。

前回、本地図帳が大人気を博した理由となった戦後以降の廃線に加え、今回、対象とする年代を鉄道が開業した明治時代にまで拡大。さらに、約8,000kmにも及ぶ森林鉄道と、かつて描かれた壮大な夢の跡「未成線」主要34路線も収録しています。

今回は「レールウェイマップル」掲載の廃線について、地図とともにお届けします。
全国各地に鉄道網が広がっていた昭和・平成の時代。
地域産業の変化やそれぞれの事情を考察し、廃線の軌跡を辿ってみましょう。

「レールウェイマップル 全国鉄道地図帳」とは?

2020年11月の発売以来、大迫力の正縮地図に現役全路線・全駅と戦後の主な廃線を掲載した内容が話題を呼び、累計発行部数4万部超のベストセラー鉄道地図帳となった『レールウェイマップル 全国鉄道地図帳』の全面改訂版を2023年12月8日より発売します。

価格:3,960円(税込)
B5判、全444ページ

特徴
◉ 明治~令和の日本の鉄道網が地図で一望できる!
◉ 空知・夕張、横浜、京都、西宮・神戸、福岡の詳細図を増強
◉ 今回、廃線について収録対象とする年代を鉄道が開業した明治時代にまで拡大
◉ さらに、約8,000kmにも及ぶ森林鉄道と、かつて描かれた壮大な夢の跡「未成線」主要34路線も収録
◉ 日本全国の隅々を結んでいた多彩な路線網を昭文社ならではの地図デザイン力により正縮尺の地図上に再現
◉ 明治から令和に到る日本の全鉄道史が概観できる「鉄道年表」も巻頭に掲載

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。

【廃線の軌跡を辿る】1.物流・旅客輸送の主役だった鉄道

【廃線の軌跡を辿る】1.物流・旅客輸送の主役だった鉄道
旅客と荷物を同じ客車で運んでいた国鉄倉吉線

明治5年の開業から全国に発展、昭和の中頃まで日本の物流・旅客輸送の主役は鉄道でした。2度の大きな戦争時や、戦後の復興期においても鉄道はその輸送を担い、様々な役割を持った鉄道路線が、今日では信じがたいほど地方の隅々まで延びていました。国鉄の幹線からローカル線、更に地方私鉄や軽便鉄道などが連絡し、全国各地が鉄道のネットワークにより結ばれていたのです。

南部縦貫の小さな「レールバス」が僅かな客を待つ

貨物輸送も鉄道の大きな役割のひとつ。生活必需品や土地の産物、産業用物資などが産地から港や工場・都市へと輸送され、いっぽう都市から地方へは、新聞雑誌・雑貨などの文化や製品が全国規模の鉄道ネットワークにより運ばれていました。

しかし昭和30年代に入ると、自動車の普及と道路整備が進み鉄道輸送は年々減少。産業構造の変化に加え、鉄道も新幹線を主軸とした旅客輸送体系へ。合理化の名のもとに赤字ローカル線の廃止、貨物輸送の縮小が行われ、JR発足後は全国規模のネットワークから地域主体の交通へと次第に姿を変えていきました。

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【廃線の軌跡を辿る】2.専用鉄道の廃線、転換

【廃線の軌跡を辿る】2.専用鉄道の廃線、転換
江別にあった火力発電所への専用線。発電用の燃料に用いた石炭が石炭列車で運び込まれる

炭鉱の鉄道

昭和の半ばまで主力エネルギー源だった石炭。北海道と北九州には、多くの鉄道が石炭輸送のために敷設されました。

北海道では、夕張山地周辺に国鉄線から何本もの炭鉱線が枝分かれする様子が見られ、炭鉱から麓の町へと便乗扱いで旅客輸送を行っていた鉄道も多く存在していました。石炭を積んだ貨車数十両の長編成となり、小樽や室蘭に運ばれていきました。
九州筑豊地区には、比較的小規模な炭鉱が分布していました。網の目のように張り巡らされた路線から、主に若松の港へ運ばれていました。

昭和30年代後半からエネルギー政策の転換が行われ、多くの炭鉱が閉山の道を歩みはじめると、鉄道も運命をともにして廃線となっていきます。

夕張山地の周辺には多くの炭鉱鉄道が敷かれていた

貨物専用の鉄道

小坂鉄道は旅客営業の廃止後は貨物専用となり小坂精錬所で生成される副産物の濃硫酸をタンク車で輸送。重量貨物列車を峠区間では機関車3台で牽引した

地方の山間地に敷設された鉄道には、鉱石などの物資輸送を主な目的とした路線も多くあります。
石灰石や鉄鉱石などの重い物資の大量輸送には、鉄道が最適な輸送機関でした。ベルトコンベアーやトラック輸送が普及するまでは、全国各所に専用鉄道や貨物線、私鉄路線がありました。

専用鉄道の中には、関係者の家族や沿線住民の便宜のため旅客輸送を行っていた路線もありましたが、自動車が普及するに従い休止されていきました。
また輸入原料へのシフトや産業構造の転換が進み、鉱山や工場の廃止・業態転換に伴い多くの鉄道が廃止となりましたが、積み荷の特殊性などから、比較的近年まで生き延びた路線も存在していました。

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【廃線の軌跡を辿る】3.赤字で廃線になったローカル線

【廃線の軌跡を辿る】3.赤字で廃線になったローカル線
1989年は名寄本線・天北線・標津線など北海道の長大ローカル線が廃止となった

国鉄の赤字ローカル線は、1968年(昭和43)に国鉄諮問委員会により廃止を促す「赤字83線」が選定されましたが、反対も多く、実際に廃線となった路線はあまり多くはありませんでした。その後、1981年の国鉄再建法に基づき、あらためて廃止対象特定地方交通線として第1次から第3次まで計83線区約3,150kmが選定。今度はその多くが廃線またはバス転換となっていきました。

筑波山の麓を走っていた筑波鉄道は国鉄の分割民営化と同日の1987年4月1日に廃止、廃線跡はサイクリングロードとして整備されている

地方私鉄においても昭和30年代からバス・トラックへのシフト、自家用車の普及で収支が悪化、廃線・バス転換の選択を行った路線が多いなか、国鉄線の貨物廃止により貨車の連絡輸送が途絶えたことが原因で廃線となる鉄道もありました。

夢を見た鉄道

国鉄日中線は栃木県の野岩鉄道から山形県米沢まで東北地方南部を縦断する「野岩羽線」の計画の一部であったが、約半世紀の間、典型的な行き止まりの赤字ローカル線のまま運行された。廃止間際に訪れたファンで賑わう終点の熱塩駅

沿線に特別な産業がなく「赤字ローカル線」として廃止になっていった路線。その中には、終点となっていた駅から更に先へ延長し、山を越えた町や路線を結ぶ予定だった路線もあります。

北海道の美幸線、興浜北線と興浜南線、根北線、山形県は羽後交通横荘線、新潟県の弥彦線、兵庫県の篠山線や九州の宮原線、妻線など、着工前には壮大な路線計画が描かれ途中までの区間が建設されました。しかし、そもそも貨物輸送に寄与するような産業が少なく沿線人口も希少なため、次第に「お荷物路線」となっていきました。

このような路線の終着駅に立つと、成し遂げられなかった夢を辿るように、終点の少し先まで伸びた線路が草むらに消えていく姿を見ることができました。

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【廃線の軌跡を辿る】4.役目を終えた鉄道の廃線

【廃線の軌跡を辿る】4.役目を終えた鉄道の廃線
ホーム端の改札を出ると和歌山への高速船・フェリー乗り場があった小松島港駅。急行列車も発着していた

廃線の事由として最も多いのは沿線の産業衰退や人口減少、自動車交通へのシフトですが、より利便性の高い新線の開通や地下鉄化により発展的に廃線となるケースもありました。

琵琶湖の西岸を走った江若鉄道は、完全に並行する国鉄湖西線の建設が決まったことで廃線を選び用地を提供しました。全線ではないですが、京都の京阪京津線は地下鉄乗り入れに伴い、併用軌道を含む区間を廃止。また連絡する路線や航路の廃止・変動に関連した廃線では、北陸鉄道加南線、兵庫県の別府鉄道、岡山の下津井電鉄などが挙げられます。

立派なホームを持つ小松島港は仮乗降場の扱い。小松島駅との間は僅か300mである

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【廃線の軌跡を辿る】5.全国約10,000km、山林を巡った森林鉄道

【廃線の軌跡を辿る】5.全国約10,000km、山林を巡った森林鉄道
屋久島の森林鉄道

明治・大正の頃まで山地で伐採された木材の運搬は、河川を利用した筏流しが主流でした。人口の増加と産業の発展が進み木材の需要が高まると、水流の増減や天候に影響されず安全性の高い「軌道(鉄道)」を用いた材木の搬送が普及します。大正時代以降は水力発電所(ダム)の建設で河川流下が使えなくなることによる森林鉄道への転換も進みました。

屋久島に残る森林鉄道

山の奥で伐採した材木をトロッコ台車に載せて麓の駅まで運び、国鉄や私鉄の貨物列車に積み替えて加工工場や消費地へ運ぶネットワークも形成され、大正から昭和にかけて全国の国有林や御料林、民間林地などに延べ約10,000kmもの路線網が存在したと推定されます。そんな森林鉄道もやがてトラック輸送に代わり、また輸入木材の増加により林業自体が縮小するなどで昭和40年代にほぼ廃止となりました。

北海道丸瀬布に動態保存されている森林鉄道のSL

森林鉄道の歴史を伝える説明板(北海道丸瀬布)

森林鉄道の廃線跡は林道や遊歩道に転用されるケースもあり、登山やハイキングなどで歩く川沿いの道で「トロッコ路線跡」というような掲示を見た記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。レールウェイマップルでは全国の山林に広がっていた森林鉄道の軌跡を辿ることができます。

 

 

【廃線の軌跡を辿る】6.路線存続も廃駅へ

【廃線の軌跡を辿る】6.路線存続も廃駅へ
利尻富士の山容を横目に走る宗谷本線の列車(徳光駅~豊富駅間)

2021年、北海道ではJR日高本線が、2023年にはJR留萌本線の大部分が廃線となりました。他の路線でも廃線か存続かの議論が行われています。廃線をまぬがれて路線は存続するものの、利用者の減少により駅が廃止となるケースも相次いでいます。

2023年の夏には、同じ北海道のJR宗谷線や根室線、函館線などの40以上の駅が廃止対象として検討されていることが報道されました。

旅行愛好者に「最北の秘境駅」として知られている稚内市の抜海駅なども廃止候補となっています。廃線、廃駅は過去の話ではなく、人口減少や都市部への人口集中により現在進行形で進んでいます。

【廃線の軌跡を辿る】6.路線存続も廃駅へ

国内最北の無人駅かつ、最北の木造駅舎である抜海(ばっかい)駅


JR北海道の宗谷本線は13駅が廃止予定とされている

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