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九州から四国・本州と日本各地に生育するブナは、日本の森を代表する樹木のひとつだ。
育つのは基本的に温帯で、亜寒帯に属する北海道では渡島半島で見られるのみ。
その北限となるのが寿都と長万部を結ぶ「黒松内低地帯」と呼ばれる一帯。
歌才、添別などの森で、静かな森歩きを楽しむことができる。
日本におけるブナの北限となる黒松内低地帯。本州から連続的に分布してきたブナの森が途切れ、針葉樹と広葉樹が交じる北海道特有の「針広混交林」に移り変わる貴重な場所。その地域を代表するのが歌才ブナ林だ。
昭和3(1928)年にはその学術的価値が認められ、国の天然記念物に指定されている。それに先立って森を調査した林学博士・新は、背高く幹がすらりと伸び、低い位置に枝が生えないこの地のブナの特徴を認めて「北のヤシの木」と表現した。起伏に富んだ樹林の中を歩くとさまざまな形、大きさのブナの木が目に留まる。そんな木々を愛でながらの散策は、心の洗われるような時間だ。
歌才のほかに、もうひとつの見どころは添別ブナ林。こちらは一度、人の手によって伐採されたのちに再生した森であり、比較的細い木が多いという特徴がある。歌才と添別、2つの森を歩いて違いを実感してみるのも興味深い。
「北限のブナ」の里である黒松内町は、ブナの木を主軸とした町づくりに取り組んでいる。地元産チーズやアイスなど酪農製品づくりも行われ、「食」もこの地の大きな魅力となっている。
歌才ブナ林入口まで2.5kmのところに位置する黒松内町ブナセンターでは、ブナ林に関する解説はもとより、森で見られる動植物に関する展示も豊富。ブナの森を歩く前に立ち寄って予備知識を仕入れておくのがおすすめ。
起伏に富んだ地形の上にびっしりと並ぶブナの木々。樹高30m、直径1mを超える大木もある。大きさや形、幹の模様も異なる木々を見ながらの静かな森歩きが楽しい。5月の新緑、10月下旬の黄葉も見ものだ。
昭和初期に伐採されたのち、 自然に再生したブナの森。いまだ大木には育っていない直径20~40cmの若い木が多く、森全体に陽光が差し込んで明るい印象がある。一周約2kmの周回コースを辿って歩く。
面積4.5haと小さいながらも、開発の進んだ道南地方に現存する湿原として貴重な存在。6~7月にはワタスゲ、エゾカンゾウなどが開花する。国道5号の両側に広がるが、看板などはないので見落とさないよう注意。
国道5号沿いに建つ道の駅。館内では、黒松内産のチーズやソーセージなどを使った焼きたてピザや道産小麦で作るパンなどが味わえ、テイクアウトも可。ドライブ中の休憩に最適だ。ハムやベーコンなど特産品も豊富にそろう。
浴場は和と洋の2種類あり、日替わりで男女が入れ替わる。湯は湯冷めしにくいと評判のナトリウム・塩化物泉。貸切可能な岩盤浴も人気。
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