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北海道【函館】なぜイカの街? 函館とイカの深い関係に迫る!

まっぷるマガジン編集部

更新日: 2024年2月8日

北海道【函館】なぜイカの街? 函館とイカの深い関係に迫る!

【北海道】函館のイカがおいしい理由

東シナ海で秋から冬にかけて生まれたスルメイカは、対馬海流や黒潮にのって日本海を北上し、プランクトンやイワシなどを食べて成長する。イカのうまみは、筋肉に豊富に含まれているアミノ酸成分。スルメイカは、函館まで北上してくる頃には、十分に筋肉をつけた状態で群れをなしてやってくる。函館は、イカが最もおいしい時期に漁獲できる好適な場所というわけだ。

【北海道】函館のイカがおいしい理由

函館イカ漁の歴史

函館で本格的にイカ釣り漁が始まったのは明治に入ってから。佐渡で生まれた明かりを用いた漁法が伝わり、函館や道南近海はスルメイカの主要な生産地となっていった。 現在も日本有数の漁獲量を誇る函館のイカ。その漁法は、疑似餌を使った一本釣りのほか、定置網や刺し網で行なわれている。6月に解禁されるスルメイカ漁の明かり「漁火」は、函館夏の風物詩として市民や観光客に親しまれている。

函館イカ漁の歴史

津軽海峡に灯る漁火

【函館×イカ】スルメやイカが支えた函館産業

イカ漁そのものは函館近海で明治以前にも行なわれており、イカ加工業も長い歴史がある。諸説あるが、塩辛は300年、スルメにいたっては約700年の歴史があるのだとか。そのイカ加工業が函館の産業を支えていた時代がある。200海里水域の設定により、北洋漁業(遠洋漁業)の規模が縮小された戦後のことだ。函館のスルメ加工品は、昭和28(1953)年頃に東南アジア方面に大量に輸出。スルメの先物取引を世界で唯一行なっていたのが、当時の函館海産物取引所だったという。その後、燻製や裂きイカなどの珍味も生産されるようになり、函館は全国有数のイカの産地であるとともに、全国有数の珍味加工地となった。

【函館×イカ】スルメやイカが支えた函館産業

スルメイカでできたイカグラス

【函館×イカ】スルメやイカが支えた函館産業

函館産のイカを使ったいか煎餅

【函館×イカ】スルメやイカが支えた函館産業

イカの耳をつなぎ合わせたインパクト大な珍味

【函館×イカ】イカ刺しはなぜ細い?

函館名物のイカ刺しやイカソーメンは、細く縦切りにされていることが多い。イカの筋肉繊維は、体に対して横向きに並んでいる。イカの身を縦に切ることで、筋肉繊維が切られて食べやすくなるのだ。また、函館で獲れるイカは鮮度が良く、身が締まっている。鮮度の良いイカを横切りにすると、身が丸まってしまうのだとか。だから、函館のイカ刺しやイカソーメンは、細く縦切りにされているのだ。

【函館×イカ】イカのお祭りがある!?

9月下旬もしくは10月上旬の週末、大門グリーンプラザにて開催予定の「函館いか祭り」。イカ釣りやイカグルメの販売などイカづくしのイベントだ。

【函館×イカ】イカのお祭りがある!?

イカ釣りは毎年大盛況問い合わせは00138-24-0033(はこだてTMO)へ

【函館×イカ】函館漁港イカセリ見学レポ

イカセリの様子が見学できるらしいとの噂を聞きつけ、早朝5時の函館漁港に潜入!

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:00
イカのセリはここ「函館市水産物地方卸売市場」にて行なわれる。函館駅から徒歩15分ほどの場所に位置し、アクセスしやすい。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:05
場内には無料で入場可。市場入口にいる守衛さんに見学を申し出ると入場受付証を渡される。こちらを着けて、潜入開始!

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:10
場内はすでに活気に満ちている。このように魚をさばく姿も間近で見学できる。くれぐれも市場の人々の邪魔にならないよう心がけよう。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:15
午後3時頃に出港し、漁場に向かっていたイカ釣り漁船が帰ってきた。多くの船には生きたままのイカを積むための生けすが付いている。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:20
漁師たちは漁船すぐ横でイカを選別していく。イカが発する「キュウキュウ」といった鳴き声まで聞こえ、これぞまさにトレピチな姿。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:25
選別を終え、漁船すぐそばのセリ会場に運ばれたイカを品定めに買受人が続々と集まってくる。セリ開始前に状態の良いイカを探す。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:30
5時半、鐘の音とともにセリが始まる。セリ人が相場をよんで値段をつけ、買受人はここぞというところで声をかけてセリ落とす。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

5:40
ズラリと並んでいたケースは次々とセリ落とされ、トラックに積み込まれていく。鮮度が命なので、瞬く間に運ばれていってしまった。

【函館×函館漁港イカセリ】函館市水産物地方卸売市場

6:00
こうして6時頃には朝市の店頭にイカが並ぶ。イカ流通の舞台裏を知ったら朝市での朝食や買い物がさらに楽しくなること間違いなし!

函館市水産物地方卸売市場(見学)

住所
北海道函館市豊川町27-6
交通
JR函館本線函館駅から市電どつく前行きで2分、魚市場通で下車、徒歩7分
営業期間
通年
営業時間
5:00~15:00
休業日
日曜、祝日(12月31日~翌1月4日休、臨時休あり)
料金
店舗により異なる

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

さすがはイカの街!ちょっと歩くとあちらこちらにイカをモチーフとしたオブジェや看板を発見。

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

スポット案内看板にも!

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

元町・ベイエリアにはカラフルなイカマンホール

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

JR函館駅前でイカ形の郵便ポスト

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

湯の川にある川看板はイカの形!

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

漁火通の看板に楽し気なイカ

【函館×イカ】街で見つけたイカデザイン

えきに市場の巨大イカオブジェ

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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