

更新日: 2026年4月23日
【富士市】富士山のふもとをドライブで巡る!製紙工場・茶畑・ワイナリー満喫の旅
北側に富士山、南側に駿河湾が広がる静岡県富士市。江戸時代は東海道の宿場・吉原宿が置かれ、現在は豊富な地下水を活かした全国屈指の“紙の街”として有名です。
市街地を離れると、茶都・静岡らしい茶畑が広がり、隣接の富士宮市にはぶどう栽培から醸造まで行なうワイナリーもあります。
外国人旅行者が大喜びする富士山ビューポイント、水をテーマにした街歩き、全国でも珍しい甘味のがんもどき…。
大人も子どもも驚きと発見に満ちた1泊2日のドライブを楽しんでみましょう。
目次
外国人旅行者に人気の撮影スポット「富士山夢の大橋」
富士山夢の大橋はJR新富士駅から2キロほどの潤井川(うるいがわ)に架かる橋です。晴れた日には正面に富士山がドーンと構え、富士山に向かって橋の階段がのびるユニークな写真が撮影できます。

富士山を見るコツは早朝に来ること
SNSで「富士山にのぼる階段」と評判になり、2025年は外国人旅行者を中心に多い日では1日4000人が訪れたそうです。階段を上ると電線などのない富士山が撮影できます。富士山に向かって左側の階段は行列ができるほどの人気ですが、右側の階段は比較的人が少なく狙い目かも知れません。
【住所】静岡県富士市蓼原
「engawa茶縁cafe」の茶縁デッキで富士山を見ながら一服
標高500mの高地で、やぶきた、つゆひかりなどの茶葉の生産・販売を行なう荻野製茶。その茶畑の中に2025年11月にオープンしたのが「engawa茶縁cafe」です。

「茶空間ogino」では自社製品「龍神茶健」も販売
黒板張りの蔵を店舗にリノベーションした「茶空間ogino」内では、自社の煎茶や抹茶、抹茶ラテなどが味わえ、予約制で餅セットや抹茶スイーツセットも提供します。

つきたての餅が味わえる餅セット1200円
餅セットは粒あん、粒あんバター、大根おろし、きな粉、磯辺(醤油味)から2種類のトッピングを選べます。餅を緑茶に軽く浸してからトッピングすると、緑茶の香りが立ち、トロリとした食感も楽しめます。抹茶スイートセットは抹茶バスクチーズケーキ、抹茶クッキー、抹茶パンナコッタのスイーツ3種が付き、コーヒー・紅茶を選べます。

気さくな接客で人気のスタッフ・遠藤由惠さん
「茶空間ogino」から5分ほど歩いた「茶縁デッキ」もおすすめです。上空から見ると円型をしたウッドデッキが茶畑の中に設けてあり、ドリンクをデリバリーしてくれます。晴れた日には雄大な富士山を眺められ、フォトウエディングなどにも利用できます。
【住所】静岡県富士市大淵8616
【営業時間】10:00〜15:00
【定休日】不定休(インスタグラムで確認を)
「四季彩堂」で味わえる“きつねの親戚うどん”とは?
がんもどきは、くずした豆腐につなぎや野菜を加えて油であげたもの。煮物やおでんなどに使われ、たっぷりと含んだ煮汁の旨さを引き立てる脇役のイメージが強いのではないでしょうか? ところが、富士市のソウルフードといわれる「富士スイーツがんも」は甘みが強く存在感を主張する愉快な一品です。「味付けがんも」とも呼ばれ、冠婚葬祭の御膳に加えられることも多いそうです。
「和の生活雑貨店 四季彩堂 富士吉原店」の喫茶コーナーでは、富士スイーツがんもを使った“きつねの親戚うどん”が味わえると聞き、足を運んでみました。テーブルに運ばれた器の中には、油揚げの代わりに花の形をした富士スイーツがんもが関西風のだし汁に浮かんでいます。

伊賀焼ロースターで焼く団子とかき氷も人気です
「当店ではがんもの表面を炙り、香ばしさを加えてからお出しします。食べ進むほどに、がんもの甘みがだし汁に溶け出しますから、味の変化も楽しんでください」とは同店のマネージャー・三井竜太郎さん。
さっそく、富士スイーツがんもを丸かじり。なるほど、香ばしい匂いが鼻をぬけ、しっかりとした甘さが口中に広がります。だし汁の塩味もほどよく、ニンマリと頬が緩んでしまいました。富士市内の商店では、富士スイーツがんもを使ったいなり寿司やサンドウィッチも販売しているそうです。
【住所】静岡県富士市今泉3-1-3
【営業時間】9時30分〜18時50分(喫茶は10時〜17時LO)
【定休日】無休(喫茶は水曜休)
お茶体験もセットになった「吉原宿 富士の恵の泉めぐりツアー」に参加
昼食後は、吉原商店街周辺を散策する「吉原宿 富士の恵の泉めぐりツアー」に参加。吉原商店街は日本橋から数えて11番目となる東海道の宿場・吉原宿があったところです。
最初に案内されたのは日蓮宗の本國寺が立つ高台のふもとにある田宿川の源流です。川の源流といえば、うっそうとした山奥を思い浮かべますが町中にあるとは驚きです。

法雲寺の湧水を求めて多くの人が足を運びます
「この辺りは富士山が噴火した時に流れ出した溶岩の端に当たります。そのため、富士山の山肌に降った雨や雪解け水が地下水となり、端から湧き出すわけです」
ツアーガイドの鈴木大介さんが説明してくれました。
川を覗き込むとコンコンと清水が湧き出すのが分かります。最初は用水路のような狭い川でしたが、次第に川幅が広がります。水辺には水神様を祀る小社も多く、湧水への感謝の気持ちが伝わってきました。

吉原商店街で購入した中村豆店の甘納豆
“わきみず寺”こと法雲寺で湧水を汲み、商店街に戻ったら一旦解散です。商店街の加盟店で使えるクーポンをもらい、自分好みの茶菓子を購入して再集合します。

おいしい緑茶の入り方を実演する窪田さん
その後、商店街の「富士銘茶くぼた園」店主・窪田寛之さんが、ツアーで汲んだ湧水を使い、おいしい緑茶の入れ方を伝授してくれました。急須に入れるお湯の温度で、これほど味が変わるのかと、参加者からは驚きの声が上がっていました。
【参加料】1人6600円(2名からの要予約。最大10名まで)
【時間】所要時間3時間
【申し込み先】0545-67-1005(Mt.Fuji 14 Travel)
夜空に浮かび上がる幻想的な「工場夜景」を巡ろう
富士市は室蘭市(北海道)、川崎市(神奈川県)、四日市市(三重県)、北九州市(福岡県)など全国14都市が加盟する「全国工場夜景都市協議会」のメンバーで、今年11月14日(土)には、全国工場夜景サミットin富士が市内で開催される予定です。
富士市には製紙、化学、食品、自動車部品などの工場があり、時間帯によっては富士山を背景にした工場夜景を観ることができます。新富士駅観光案内所(JR新富士駅構内)などでもらえる『富士工場夜景MAP』を頼りに、工場夜景を巡ってみましょう。

ふじのくに田子の浦みなと公園からの工場夜景
ローカル鉄道の岳南電車(吉原駅〜岳南江尾駅)では、定期的に「夜景電車」も運行しています。夜景が楽しめるように車内の照明を落とし、夜景観光士による沿線工場や歴史などの解説を聞くことができます。
「米えにし」の土鍋炊きごはんをお腹いっぱいに
一日の始まりは朝ごはんから!しっかり朝食をとることでエネルギー補給ができ、脳や体が目覚めます。近年は朝食に力を入れるホテルや旅館も増えてきました。富士市でいま注目を集める朝食スポットといえば「米えにし」です。

満足度の高い、米えにし朝ごはん2750円
朝食は金・土・日曜限定(予約制)で、メニューは1種類のみ。おかずに極厚銀じゃけの塩焼き、おざく(豚汁)、季節の小鉢・漬物が付きます。極厚銀じゃけは脂の乗った大ぶりの切り身を一晩昆布だしに漬け込み、焼き立てを提供。
別注文の“ごはんのお供”として、注文を受けてから鹿児島県枕崎産の本枯節を削る“鰹の一番削り ひと盛り”や純国産鶏の“幾見卵の黄身醤油漬け”なども揃えています。

鰹の一番削り385円と黄身醤油漬け275円を合わせた贅沢な一杯
主役のごはんは岐阜県産米「初霜」を使い、伊賀焼の土鍋で炊き上げます。初霜は米粒が大きく歯ごたえがあり、噛むほどに甘みが増します。お替り自由も嬉しいところ!最初の1杯は銀鮭で。2杯目は別注文のごはんのお供、3杯目は銀鮭とだし汁の茶漬け風でいただけば、満腹になること請け合いです。

土釜1個で5合のごはんが炊けます
【住所】静岡県富士市入山瀬599-1
【時間】11時〜14時30分LO・17時〜20時30分LO(朝ごはんは金・土・日曜9時〜10時)
【定休日】無休(1月1日休)
「コアレックス信栄」の最先端トイレットペーパー工場を見学
日常生活に欠かせない紙ですが、その作り方をご存知でしょうか?
ざっくり説明すると、木材や古紙から取り出したパルプ(繊維)を水に溶かし、薄く流して乾燥させると紙になります。当然、製造工程では大量の水が必要になります。富士山の恵みである地下水が豊富な富士市が“紙の街”となった要因はここにあります。

見学者を案内する総合企画室の宇佐美貴史さん
「コアレックス信栄」では“紙は紙から”を目標に掲げ、古紙100%使用のトイレットペーパーを製造しており、予約制で工場見学(無料)を受け付けています。ガラス窓越しに製造ラインを眺める工場見学も多いですが、この工場ではヘルメットとトランシーバーを着用して、製造ラインを歩きながら間近で見学します。機械の音や匂い、できたての巨大なトイレットペーパーに触れるなど、製紙業の現場を五感で体感できるわけです。

案内人に従いながら製造ラインを間近で見学します
「従来、ホッチキス留めした紙や、内側にアルミ加工した紙パックなどは、リサイクルされず焼却処分されてきました。当社は、そうした“雑がみ”からもパルプを抽出する技術を開発しました。雑がみから取り除かれたものをお見せすると、みなさん驚かれていますよ」とは同社の宇佐美貴史さん。

完成したトイレットペーパーを目視で検査します
近年は学生や社会人のほか、観光客の見学も多く、「今後は紙のリサイクルに取り組み、再生紙トイレットペーパーを使います」との感想も聞かれるとか。学びの旅もよいものです。
【住所】静岡県富士市中之郷575-1
【見学】ホームページより申し込み
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【筆者】内田晃
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自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。街道、古道、巡礼道、路地など歩き取材を得意とする。日本旅行記者クラブ会員





