4月・5月に行きたい！奈良県の花絶景スポット5選

奈良県・宇陀市にある「室生寺」は、別名「女人高野」として知られる歴史ある寺院。春になると、境内を彩る約3千株のシャクナゲが見頃を迎え、花の見どころとしても多くの人が訪れます。

見頃は4月下旬から5月上旬にかけて。淡いピンク色のシャクナゲが、自然石が敷かれた急な石段「鎧坂」から、朱塗りの五重塔へ続く道を両側から包み込むように咲き誇ります。新緑とのコントラストも美しく、寺院の静けさと花の華やかさが絶妙に調和した風景が広がります。

厳かな雰囲気の中に咲く可憐な花々は、写真映えも抜群。歴史と自然を同時に感じられる春の散策コースとしてもおすすめです。

奈良県・葛城市にある「當麻寺」は、「ボタンの寺」としても知られる由緒ある古刹。境内の奥に位置する奥院では、浄土庭園を彩る約3,000株のボタンが、春の花の見どころとして多くの人を魅了します。

見頃は4月中旬から下旬にかけて。手入れの行き届いた庭園に、大輪のボタンが色鮮やかに咲き誇る光景は、格調のある寺の雰囲気と相まって風情たっぷり。赤や白、ピンクなどの花々が穏やかな春の光の中で開花し、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

また、冬にはわら囲いで守られた「冬ボタン」も楽しむことができ、四季を通じて花と静けさを味わえるのも魅力。写真撮影やのんびりとした散策にもぴったりです。

奈良県・上北山村にある「大台ヶ原」は、原生林と山野草が織りなす自然豊かな花の見どころ。なかでも特別保護地区に指定されている「西大台」は、手つかずの自然が残るエリアとして知られ、季節ごとにさまざまな花々が咲き誇ります。

5月には淡いピンクのシャクナゲが登山道沿いに美しく咲き、山の春を知らせてくれます。7月には七ッ池周辺でバイケイソウの群落が見頃を迎え、一面を覆う白い花々が幻想的な雰囲気をつくり出します。さらに秋の紅葉も見事で、10月になると山全体が鮮やかな彩りに包まれます。

西大台への立ち入りには事前申請が必要ですが、その分だけ静けさと神秘的な景観が保たれており、花だけでなく自然との深いふれあいを楽しめるのが魅力です。

奈良県・桜井市にある「長谷寺（はせでら）」は、古くから「花の寺」として親しまれてきた名刹。なかでも春のボタンは圧巻で、約150種・7,000株もの大輪の花が咲き誇る、全国でも有数のボタンの花の見どころです。

見頃は4月中旬から5月上旬。朱塗りの本堂へと続く399段の登廊の両側には、赤や白、ピンクの色とりどりのボタンが整然と並び、まるで花の回廊のような美しい風景が広がります。訪れるたびに異なる表情を見せる多品種のボタンは、写真映えも抜群です。

長谷寺は四季折々の花でも知られ、春の桜や秋の紅葉も見事。境内を歩きながら、季節の移ろいと歴史ある建物が織りなす風情を楽しむことができます。

奈良県・奈良市にある「春日大社」は、歴史と自然が調和する神域。春には境内や隣接する萬葉植物園で藤の花が咲き誇り、藤の名所として多くの参拝者や観光客が訪れます。

南門をくぐってすぐ左手にあるのは、「砂ずりの藤」として知られる古木。長く垂れ下がる花房が砂に届きそうなほどの姿から名づけられたもので、上品で神秘的な美しさが漂います。

さらに、萬葉植物園内には約20種・200数十本の藤が植えられており、色や形の違いを楽しみながらのんびりと園内散策が可能です。とくに「立木づくり」と呼ばれる、目線の高さで藤の花が楽しめる珍しい仕立ては見応え十分です。

奈良県・奈良市にある「依水園」は、江戸時代と明治時代に築かれた二つの庭園からなる、風雅な雰囲気が漂う日本庭園。庭園の背景には東大寺南大門や若草山、春日奥山、御蓋山を借景に取り入れ、自然と人工美が見事に調和しています。

春には園内の木々の間にツツジの花が咲き始め、庭の風景に華やかさを添えます。色とりどりの花が池や石組、建物の風景と絶妙に溶け合い、日本ならではの四季の美を感じさせてくれるひととき。

静かに流れる時間のなかで、歴史ある庭園を散策しながらツツジを楽しむのは、心をほどく贅沢な体験です。

奈良県の春から初夏は、静かな風景の中に咲く花々が、心に残る風情を演出してくれる季節です。石段沿いに咲くシャクナゲ、歴史ある寺の境内に咲き誇るボタン、目線の高さで楽しむ藤、庭園を彩るツツジなど、どのスポットも花と空間の美しさが調和しています。

今回ご紹介した花の見どころは、見頃の時期や楽しみ方もさまざま。自然の中を歩きながら、文化と季節の移ろいを感じることができる場所ばかりです。

花と歴史に包まれる春の奈良で、心おだやかなひとときを過ごしてみませんか？