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調理法で付加価値をつける 『そば屋のやき天むす』1,080円

調理法で付加価値をつける 『そば屋のやき天むす』1,080円

ちょっと小腹が空いたとき、安くて気軽に食べられるおむすび弁当は、けっこう重宝するものです。中央本線・小淵沢駅「丸政」の『そば屋の天むす』も、そんな “小腹対策” にぴったりの駅弁。小エビの天ぷらに、コリコリしたきくらげの食感が楽しい天むすが5個。一人で食べても、誰かと分け合ってもいい、ゴルフボール大の可愛いサイズが魅力です。
今大会では、その天むすが、タコ焼き用の鉄板の上でコロコロ踊っていました。美味しそうな焼き色が付いたところで、丁寧に醤油を塗ると、あたり一面に香ばしい香り! 既存の味にひと手間加えてアップグレードさせる、実演駅弁ならではのアプローチではないでしょうか。
刻み海苔をたっぷり敷いた器に焼き立ての天むすを盛り付け、その上に鰹節をたっぷりのせると、ゆらゆら、ふわふわ。見た目はタコ焼きに似ていながら、味は焼きおにぎりという意外性、従来のしっとりした天むすとは一味違う個性に仕上がっていました。筆者、そのアイデアに一票。

※こちらは定番の『そば屋の天むす』750円

高くても買ってしまう 『佐賀牛ランプとイチボの2種のステーキとすき焼き弁当』1,998円

高くても買ってしまう 『佐賀牛ランプとイチボの2種のステーキとすき焼き弁当』1,998円

今大会で最も値段が高い駅弁が、『佐賀牛サーロインのみで作った極みのステーキ&すき焼き弁当』3,780円。九州駅弁グランプリに3年連続で輝いた実績を持つ「カイロ堂」ですから、間違いなく美味しいことは確実。が、しかし……なにせお高い。
あれこれ思い悩んだ結果、約半値で買える『佐賀牛ランプとイチボの2種のステーキとすき焼き弁当』1,998円で手を打ちました。それでも、筆者にとっては “清水バンジー” 並みに勇気のいる選択です。
「ランプ」は、牛の腰からモモにかけた柔らかな赤身、「イチボ」はお尻の先にある希少部位で、赤身の旨味と霜降りのバランスがいいのが特長。牛肉を使った駅弁は温めたほうがより美味しくなる傾向がある中、ここの駅弁は、必ず「温めずに召し上がってください」と念を押されます。駅弁は冷たいまま食べるのが基本、そこに調製元の揺るがない自信を感じました。

ステーキもすき焼きも絶品で、ご覧のとおり、量もたっぷり。小瓶に入ったたれを掛けると、また違った味わいが楽しめます。その食感は、思わず「和牛は飲み物!」と叫びたくなるような柔らかさ。舌の上で瞬時にとろける脂の甘さは一度試す価値があります。
庶民には少々勇気のいるお値段ですが、そこは納得の美味しさでした。頑張ったご褒美や何かのお祝いに、ちょっと張り込んでみるのはいかがでしょうか。

ほかに競合をみない逸品 『高原野菜とカツの弁当』1,000円

ほかに競合をみない逸品 『高原野菜とカツの弁当』1,000円

筆者が今大会で最後に食べたのが、小淵沢駅・丸政の『高原野菜とカツの弁当』。どんなに駅弁が好きでも、2週間ほぼ毎日駅弁ばかり食べ続けていると、さすがに飽きがきて、シンプルな「ごく普通の食事」が恋しくなるもの。この駅弁は、日常と非日常の「あわい」に位置するレアな一品かもしれません。
1970年(昭和45年)発売のロングセラー商品で、主役は八ヶ岳山麓で獲れた新鮮な生野菜。星の数ほどある駅弁の中でも、生野菜を主役に据えた駅弁はほかにないと思います。昔はJR新宿駅でも買えましたが、商品管理が以前より厳しくなり、6時間という短い消費期限の設定と冷蔵ケースの必要性で流通が難しくなりました。それもあって、駅弁大会の実演販売は、毎年この駅弁と再会する貴重な機会になっているのです。

どんなに新鮮な野菜でも、時間が経てばしんなりしてしまうもの。ところが、この駅弁のレタスは噛むとシャキシャキ、いつだって、とてもいい音がします。ドレッシングも入っていますが、ここはぜひ、レモンと塩でシンプルに。セロリはパリッ、キュウリはポリッ、素材ごとに異なる音の違いを楽しんでください。
もちろん、チキンカツも、主役の野菜に負けない美味しさ。3枚入っているので、最初は何も付けずに。次はマスタード、最後はソースで味変しながら食べるのが筆者のおすすめ。つやつやのごはんも最高でした。

各地の駅弁に出合う日を楽しみに…

以上、今回の駅弁大会で買って食べた35個のなかから、おすすめ駅弁を紹介いたしました。


運営される側の大変なご尽力に心から感謝し、来年もまた、各地の駅弁に出合う日を楽しみにしています。そのころには、安心して旅が楽しめる状況になっていますように。

マルワ

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駅弁大好き歴25年。平成の”Windows95”時代から某IT企業のインストラクターとして全国の官公庁・小中学校へのパソコン導入に携わりながら、各地の駅弁や名産品を食べ続けるうち「うまいもの」「みやげもの」で日本地図が描けるようになりました。これまで全国を旅して食した駅弁は2,000個以上、「駅弁大会」と聞けば連日通って“大人買い”、休日は朝昼夕と駅弁が食卓に並ぶような家庭です。時々ちょっと苦手な食材もありますが、そこはすべて「実食」してのルポがモットー。食味の感想には個人差がありますので、その点はご容赦ください。