福島の道の駅ランキングTOP20!人気の道の駅のご当地グルメ&お土産をご紹介!
今回は、一度は訪ねたい福島県の道の駅をランキング形式でご紹介していきます! ドライブ中の休憩エリアとしての役割を担う道の駅。 最近ではグルメや買い物が楽しめるところも増えてきましたよね。 と...
更新日: 2022年3月24日
私が神奈川県横浜市から福島県浜通り地区(沿岸部)に移住したのは、30代後半の時でした。大学卒業後はずっとサービス業に従事していましたが、東日本大震災のボランティア活動を機に、支援活動を行っていたNPOに転職。東北の復興支援に関わってきました。
移住の大きなきっかけになったのは、復興支援を行う上で「ボランティア」では限界を感じたこと。また、パートナーや子どもがいる同僚が「東北に行きたくてもいけない」と話していたことでした。
シングルで健康な、私のような人間こそ現地にいくべきなのでは。そんな正義感で福島県に移住した私でしたが、都会暮らししか知らない故の苦労と、喜びを手にしていくことになりました。今回は、私が地方での暮らしで感じていることをお伝えします。
移住となると仕事探しが重要ですが、私の場合は「復興支援」という明確な目的がありました。具体的には、東京の支援団体で「復興支援員」という職を得てからの移住となったのです。
福島には全く縁がなかったのですが、派遣された当時、一番支援を必要としていたのが福島でした。配属先の地域のことも仕事内容も、実際に移住してから学ぶことが多かったように思います。
職場は現地の町役場内にあって役場の人と一緒に仕事をするため、町の人の暮らし方、考え方などを色々と教わることができました。
また、「役場で働く」ということは、それだけで一定の信頼が担保できるということも、働き始めてから気がつきました。地方では特に、「役所関係で働いている」ということが信頼の証になります。
Uターンなどで地縁がある場合は別ですが、I・Jターンで、しかも単身の場合は、地元の人と信頼関係を築くまでに時間がかかります。
短期でもよいので、役場の臨時職員、教育関係、社会福祉協議会、商工会、観光協会のパートなどの仕事につくことができれば、信頼関係や人とのつながりができ、町の人の暮らし向きを肌で感じることができるでしょう。
移住を考える際に、いわゆる「古民家」と呼ばれる空き家を探そうとする方は多いと思いますが、大家さんの思い入れやメンテナンスにかかる費用など、難しい点も多くあり、イメージ通りの暮らしとはいかない場合もあるでしょう。
復興支援員や地域おこし協力隊など、制度を使って移住する場合は住居が用意されていることもありますが、そうでない場合は自分で住まいを見つけることになります。
実際に移住する前に現地に足を運び、家賃相場や住環境を確認し、可能ならば現地に宿泊してみることをお勧めします。
特に都会暮らしの人は夜の暗さに驚くかもしれませんが、移住したらそれが日常。夜に開いているお店がどのくらいあるのか、スーパーやコンビニの営業時間も大事ですね。ちなみに私の暮らす地域は、スーパーは19時、コンビニは21時で閉店します。
移住当初、一番苦労したのが車の運転。横浜ではペーパードライバーだったため、福島に来てから初めて運転したようなものでした。
はじめは家と職場の往復にしか車を使わず、休日はなんとか公共交通で移動しようとしましたが、電車もバスも本数が大変少ない上に、行きたいと思う場所が、駅やバス停から歩ける場所にないことがほとんど。車の運転ができないと、とにかく行動範囲が狭まってしまうのです。
ドキドキしながら運転していましたが、都会に比べて道は広く、車は多くないので、運転に自信がない人でもすぐに慣れることができますよ!
山の中の隠れ家カフェも、秘境の温泉も、車さえあればたくさん素敵なスポットに行くことができます。
限界集落に近い過疎・中山間地域に、いきなり移住するのは個人的にあまりお勧めしません。まずは人口5~10万人ぐらいの、都会過ぎず田舎過ぎない町を選ぶと良いでしょう。
私は人口約35万人の地方都市、いわき市に移住し、そこで都心とは違う時間や人の流れを感じることができました。
地方では、日常の暮らしのあちこちで、知り合いに遭遇します。車に乗っていても「さっき駅前にいたよね」と声をかけられたりするぐらい、人と人との距離が近いのです。
どこに行っても知り合いに会うというのは、「見守られている」安心感とともに、クチコミや噂がすぐに伝わるなど、「見張られている」ように感じてしまうことがあるかもしれません。
そんな時、近くの地方都市に出かけるだけで、とてもいい気分転換になります。
移住前には、実際に住む町だけでなく、その周辺地域の情報収集もするとよいですね。
地元産食材と地元酒造の酒かすなどをふんだんに使ったランチプレートで女子会!(福島県浪江町)
いわき湯本温泉 古滝屋(福島県いわき市)
移住してからというもの、「生まれて初めて」の体験を幾度となく繰り返してきました。田植え、稲刈りなどの農作業、釣船に乗って釣りをし、さっきまで生きていた魚をさばくこと、友達に農家や漁師の人が増えたこと。数え上げればきりがありません。
田んぼに水が張られることでカエルが鳴くこと。
自分が育てた米をいただき、釣った魚をさばいて食べること。
大地や海、それを代々受け継いできた人たち、そこで働く人たちを尊ぶこと。
ご先祖様とその年に亡くなった人のために、お盆は当たり前のようにみんなが休むこと。
ご近所さんの先祖をともに敬うこと。
神社や仏閣が人々の心のよりどころとなり、大切にされていること。
都会では見えなくなっていることが、地方ではまだ脈々と受け継がれていて、それらはすべて、私の目には新鮮に映りました。
「生まれて初めて」を体験することは、「生き直す」ことでもあるのだな、と日々感じています。そしてそれを、素晴らしいこと、貴重なことだと、声に出して伝えることが、移住者である私の役目であるようにも思えるのです。
先日、夜明けと同時に「ケーン、ケーンッ」という鳴き声が聞こえました。何の声かしばらくはわからなかったのですが、どうやらそれは「キジ」だったようです。キジの鳴き声で起こされるなんて、40年以上生きていて、生まれて初めてのことでした。
横浜の都会で育ってきた私が福島県に移住して約6年。こうしてまだまだ「生まれて初めて」のことに出会い続ける今の暮らしを、心底楽しんでいます。
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