京都の四季を楽しむ♪ 季節ごとの魅力をチェック!
京都の魅力の一つは京都の四季。京都らしい社寺の風景に、春の桜、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の風情が加わることで、心に残る絶景となることでしょう。京都の四季の魅力は、桜や紅葉以外にも、美しく咲き誇る...
京都の神社といえば、真っ先に声があがるのは、伏見稲荷大社かもしれません。
伏見稲荷大社のご祭神は、穀物の神である宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)をはじめとする、日本神話に登場する神々です。
今回は京都の神社のなかで、このような神話の神様が祀られている神社から、国の最高の社とされた一宮と、それに匹敵する長い歴史をもつ古社を紹介します。
いずれも、広い境内をもつお宮です。時間をかけて自然の中を散策し、すがすがしい神気を感じてみましょう。
一宮ってどんな神社?
一宮ができたのは延喜式(えんぎしき)と同じころ、あるいは少しあとだといわれています。延喜式とは平安時代の法令集。その中に延喜式神名帳があり、国家が定めた神社が記載されています。
延喜式神名帳に記載された神社は国家が定めた重要な神社でしたが、そのなかでも一宮は、当時の国割で、その国で人々にもっとも崇敬された神社という位置づけでした。国司(今でいう知事にあたる)は赴任後、最初に一宮に参拝し、五穀豊穣を祈願するのが習わしでした。
平安時代以降の国割は、今の47都道府県とずいぶん違います。たとえば、大阪府なら、摂津国、河内国、和泉国の3つの国があり、その国の中で一宮、二宮、三宮がありました。いまでも愛知県の一宮市、神戸の三ノ宮などにその名残を見ることができます。
国割は、平安時代から江戸時代まで66や68などでしたが、さらに細かく分かれて一宮と称された神社があり、国の数は多くなっています。
それでは、京都の一宮を訪ねてみましょう。
数ある京都の神社のなかでも有名な神社のひとつ。平安遷都以来、都の鬼門を守る神社として皇室の崇敬を集めてきた上賀茂神社は、正式名を賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)といい、世界遺産にも登録されています。
また、下鴨神社と合わせて賀茂社と呼ばれ、京都三大祭のひとつ、毎年5月の葵祭は両神社に捧げられる雅な祭礼です。都大路で繰り広げられる時代絵巻が、王朝ロマンへの憧れを呼び起こしてやみません。
古代豪族・賀茂氏の氏神を祀る神社として始まり、公家や武家の崇敬を集めてきた下鴨神社は、世界遺産にも登録されています。
こちらに祀られているのは、上賀茂神社ご祭神の祖父である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と、母親の玉依姫命(たまよりひめのみこと)。賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)という正式名は、そこに由来します。
このように深いつながりのある下鴨神社と上賀茂神社は、総じて賀茂社と呼ばれます。
「出雲大神宮」と聞くと京都の神社というよりも、島根県の神社を思い浮かべる人も多いのでは?
ご祭神は、因幡の白ウサギで知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)と、そのお后である三穂津姫命(みほつひめのみこと)。大国主命は国づくりを完成させますが、後に天照大神に国譲りを迫られ、その返礼として出雲大社を手に入れます。
社伝によると、後に大国主命は島根県の出雲大社へと遷り、大国主命が元鎮座した社という意味で「元出雲」と呼ばれるようになりました。
境内が広がるのは、神が宿るとして崇められている御蔭山の麓。そこから涌き出でる真名井(まない)の水は天下の名水とされ、タンクを持って汲みにくる地元の人で行列ができるほどの人気だそう。
また、「夫婦岩」には赤い糸がぎっしり。縁結びの神でもある大国様にあやかって、お守りの紐を結んで想いを託します。
こちらの元々のご祭神は豊受大神(とようけのおおかみ)。彦火明命(あめのほあかりのみこと)は大神のお世話をする役割でした。ある日、天照大神が訪ねて来られ、しばらく滞在した後、伊勢神宮へ。さらに豊受大神も天照大神の食事を司る神として伊勢へ迎えられ、残された彦火明命がご祭神となりました。
このように、伊勢神宮に祀られている天照大神と豊受大神が、元鎮座したお宮という意味で、「元伊勢」と呼ばれています。
一宮は、それぞれの国にひとつずつ設けられた神社で、かつての国の数だけ存在しました。
それに加え、京都には王城、地域や産業、都を行き来する旅人を護る神々が祀られ、今もこの街を守護しているとまことしやかに語り継がれています。
ここでは、そのなかから選りすぐりの3社をご紹介。
御所の南西・裏鬼門を守るために、平安京遷都とともに創建。
神社の入り口にたたずむ朱色の鳥居には、ご祭神である神功皇后の船に掲げられたという太陽と月と星を組み合わせた御神紋が見られます。これは、昼夜を問わず、進むべき方角を示しているのだそう。
そこから転じて、平安時代には方除けの神として、さらに現代では交通安全や車のお祓いに絶大なパワーがあると評判です。
5世紀頃から洛西を開墾した秦一族は、山で地域を見守ってくれる大山咋神(おおやまぐいのかみ)を祀ってきました。また、土木や建築、醸造などの技術をもった一族は平安京造営にも協力。やがて、社は氏神から、王城鎮護の神として特別な存在となります。
さらに、今日に至るまで、酒の神様として全国の蔵元から篤く信仰され、境内にお酒の資料館があるのも特徴です。
かつて都の東の入り口とされた蹴上から、三条通に面した石段を上ること10分。東山の中腹にひっそりとたたずむのが、5世紀末に創建されたと伝わる日向大神宮です。
昔は、東海道を行き来する旅人たちの道中の安全を願う人々で、賑わったといいます。ここが「京のお伊勢さん」と呼ばれるのは、内宮に天照大神を祀り、社殿も神明造という、伊勢神宮との共通点が多いからというのがその理由。
一宮と悠久の歴史を紡ぐ京都の神社は、いかがでしたか?
京都の始まりは平安京とされますが、都になる以前から人々は京都盆地に暮らしてきました。人の住むところには、神々が寄り添い、やがて社殿が建ち、神社へと発展します。
太古の面影を残しつつも、壮麗な社殿、清らかな水と緑、季節の花、そしてご利益に華やぐ境内を、ぜひ訪れてみましょう。
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