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【連載エッセイ・第31回】猫と田舎で暮らしてみた~6匹と僕たちの里山生活~

高橋のら

更新日: 2021年3月26日

【連載エッセイ・第31回】猫と田舎で暮らしてみた~6匹と僕たちの里山生活~

東京生まれ、東京育ち。9年前に奥さんと、大分・国東半島へ移住。

そこで出会った猫たちと、こんどは、自然豊かな伊豆の田舎へ。

ゆっくりと流れる時間のなかで、森や草むらで自由に駆け回る猫たちと、一緒に暮らす日々のあれこれをお伝えしていきます。(毎週火曜日・金曜日に公開)

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静岡県民になったので静岡産を食べるのだ

都会には全国から美味しいものがたくさん集まってくる。それが都会の一つの魅力でもあるんだろうけど、田舎にもそこでしか食べられないものがいろいろあって楽しい。先日、地元の人からサンマの干物をもらってきた。

 

静岡県民になったので静岡産を食べるのだ

「針子」と呼ばれるようにきれいな銀色に輝くサンマ。かっちこちです(^^)

塩を加えていない堅干のサンマは猫たちにもなかなか好評でした

伊東では昔からそういうサンマを冬の間吹き荒れる季節風に晒し、堅干というカチコチの干物を作る習慣があったらしい。ご飯のおかずというよりは酒の肴や子供のおやつとして食べられていたそうで、僕がもらったのも伊東では古い網元の血を引く人が軒先で作ったお手製の堅干。他の土地じゃなかなか食べられないものなんだが、伊東にたくさんある干物屋さんならどこでも買えるそうです。これはなかなか美味しいよ。

相模湾のしらすと駿河湾の桜海老。豪華な伊豆の家庭丼なのだ

晴れた日は猫たちと庭で食べれば美味しさも格別なのです

この他にも伊東周辺の漁港から揚がる地魚は美味しくて安いし、アジの干物なんぞも伊東産は格別に旨いです。アジ自体は脂の乗りが良い長崎辺りから仕入れているそうだけど、やっぱり作り方に一日の長があるのかスーパーでも干物にはわざわざ「伊東製造」と手書きの札が付けられていることが多い。

半生というか限りなく生に近いのに旨味がギュッと詰まったアジの干物は猫たちも大好き。干物をおかずにする時はまず猫たちに食べさせてからじゃないと、食卓に群がってきて大混乱になっちゃうのだ (T_T) だから彼ら用に焼いた1枚を6等分して振る舞ったあとに人間のお食事タイムとなります。

季節のものを食べる田舎ならではのささやかな贅沢

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

【筆者】高橋のら

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1960年東京生まれ。製本業経営を経て編集プロダクションを設立。
2011年に東京から大分県国東市へ移住し、2014年に国東市から静岡県伊豆半島に転居しました。現在は伊豆の家で編集業を営みながら仕事上のパートナーでもある家内と、国東で出会った6匹の猫たちと共に暮らしています。
国東での猫暮らしを綴った著書「猫にGPSをつけてみた」雷鳥社刊があります。