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スイッチバックを見に行こう!~日本でスイッチバックする光景が見られる駅~ 123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年9月16日

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スイッチバックを見に行こう!~日本でスイッチバックする光景が見られる駅~

スイッチバックする光景が見られる駅は、現在も少ないながら残っています。
急勾配だけがその存在理由じゃないスイッチバックの歴史や、SL時代を含め、かつてスイッチバックが行われていた駅も一緒に見ていきましょう。

スイッチバックとは?

スイッチバックとは、鉄道が急勾配を克服するための構造です。標高の高い駅がある急勾配な難所に対応するため、列車は進行方向を変えながらジグザグに上っていくのです。

スイッチバックには、富士急行線富士山駅のような折り返し型スイッチバック構造で、その駅が行き止まりとなるものや、篠ノ井線のような連続する勾配途中に水平な停車場を設けるため分岐線を列車が折り返す、通過型スイッチバックと呼ばれるものなどがあります。

スイッチバックが現存する駅:JR木次線出雲坂根駅(島根県)

JR西日本で最も標高の高い駅に向かう急勾配に対応するため、列車は進行方向を変えながらジグザグに上っていきます。木次線(きすきせん)きっての絶景区間です。

JR木次線出雲坂根(いずもさかね)駅は、中国山地の分水嶺近くにあり、駅の横に名水「延命水」が湧き出すことで知られる山あいの駅です。木次方面から入ったディーゼル列車は次の三井野原(みいのはら)駅へと向かうため、進行方向を反転させ、来た方向へ折り返して出発します。全国でも数少ない「三段式スイッチバック」の区間に入ったためです。

三井野原駅は広島県との県境に近く、標高726m。JR西日本で一番高い場所にある駅です。出雲坂根駅との標高差は162mもあり、列車が上ることができる勾配の限界を超えています。この急勾配に対応するため、列車は進行方向を2回切り替えながら、逆Z型でジグザグに上っていきます。その線路が三段になっていることから三段式スイッチバックと呼ばれています。

>>>三段式スイッチバックの仕組みについて詳しくはこちら

三段式スイッチバックを体感しよう!

木次線三段式スイッチバックの区間に乗車するには、毎年春〜秋の週末を中心に運行される臨時列車「観光トロッコ列車奥出雲おろち号」がおすすめです。窓ガラスがない開放的な車両で景色を存分に楽しむことができます。臨時列車以外の定期運行ダイヤでは、三段式スイッチバックを含む区間(出雲横田駅〜備後落合駅)は1日3往復のみなので、事前にダイヤをチェックしておくといいでしょう。

なお、奥出雲おろち号は車両の老朽化を理由に、2023年度を最後に運行終了の方針がJR西日本より打ち出されています。

スイッチバックが現存する駅:箱根登山鉄道鉄道線(神奈川県)

箱根登山鉄道は小田原を起点に強羅までの15㎞を11駅で結びます。最急80パーミルの急勾配、急カーブ、スイッチバックで有名です。強羅駅から早雲山駅までの1.2㎞は箱根登山ケーブルカー(箱根登山鉄道鋼索線)が走り、早雲山から大涌谷などを経て桃源台までの約4㎞を箱根ロープウェイが結んでいます。桃源台駅には芦ノ湖の観光船乗り場があります。3線とも小田急グループ。なお、箱根火山の活発化により、2019年7月末日現在、ロープウェイは運休中です。

出山信号場(塔ノ沢~大平台間)、大平台駅、上大平台信号場(大平台~宮ノ下間)と3カ所のスイッチバックが設けられています。

>>>箱根登山鉄道について詳しくはこちら

箱根登山電車

住所
神奈川県足柄下郡箱根町強羅~箱根町箱根湯本~小田原市
交通
箱根登山鉄道箱根湯本駅ほか
料金
箱根湯本~強羅間(片道)=大人400円、小人200円/(障がい者等級1種は本人と同伴者半額)

スイッチバックが現存する駅:富士急行線富士山駅(山梨県)

富士山駅は大月駅と河口湖駅を結ぶ全長26.6㎞の鉄道、富士急行線内にあり、折り返し型スイッチバック構造で、行き止まりとなっています。

富士山駅は富士登山の出発点ですが、そこまで登山客を運ぶ富士急行線の“登山”は、大月駅を出発したときからすでに始まっています。大月駅の標高が358mであるのに対し、富士山駅、河口湖駅の標高はそれぞれ809m、857m。富士山に近づきながら26.6㎞を進むうちに、約500mも上っているのです。30‰を超える勾配が各所にあり、中には40‰の急勾配もあるのです。

スイッチバックが現存する駅:JR肥薩線大畑駅(熊本県)

鉄道マニアの聖地のひとつともいえるのが、1909(明治42)年に開業しました、熊本県人吉市大野町にある肥薩線の大畑(おこば)駅です。加久藤カルデラの外輪山である矢岳高原の北側に位置しており、日本で唯一のループ線・スイッチバック駅として知られます。

開業当時はもちろん蒸気機関車の時代です。人吉から大畑駅までもきつい勾配が続き、人吉から大畑駅に向かった機関車は大量の水と石炭を消費してしまうため、どこかで給水する必要がありました。そこで人里から遠く離れた地に新たに大畑駅をつくり、そこで給水したうえで、スイッチバックして勢いをつけ、矢岳駅に向かうより厳しい勾配(通称:矢岳越え)に向かう形をとったのでした。現在も大畑駅には石積みの給水塔跡が残っており、ホームには駅に到着した乗客・乗務員が手や顔を洗った湧水盆も残されています。

>>>ループ線・スイッチバック駅について詳しくはこちら

スイッチバックがある肥薩線は、豪雨被害により現在も不通

2020(令和2)年7月豪雨で肥薩線が450カ所で鉄橋や線路が流されるなどの甚大な被害を受け、現在も復旧の見通しが立っていません。以前は1日4本の観光特急列車「いさぶろう」(下り)と「しんぺい」(上り)が大畑駅に停車し、たいへんな人気を呼んでいましたが、その姿を目にすることはできません。
氾濫した球磨川の今後の治水方針を国と地域で検討中であり、その結果を踏まえて検討される肥薩線の今後に注目が集まっています。

スイッチバックが現存する駅:JR篠ノ井線姨捨駅・桑ノ原信号場(長野県)

塩尻~篠ノ井(しののい)間を結ぶ全長66.7㎞の篠ノ井線は、南北に位置するふたつの盆地、松本盆地と善光寺平(ぜんこうじだいら)(長野盆地)を結んでいます。そのうち、松本~篠ノ井間は山越えを強いられる山岳路線として知られています。

全長2656mの冠着トンネルとともに山岳路線らしい設備が2カ所のスイッチバックです。篠ノ井線のスイッチバックは、連続する勾配途中に水平な停車場を設けるため分岐線を列車が折り返す、通過型スイッチバックと呼ばれるものです。姨捨駅姨捨~稲荷山間にある桑ノ原信号場の2カ所ですが、過去には廃止された潮沢(うしおざわ)信号場、羽尾(はねお)信号場も同様の構造でした。なかでも姨捨駅は、スイッチバックをする駅ホームから姨捨(おばすて)の棚田が見渡せ、空気が澄んでいれば北信五岳(ほくしんごがく)(飯縄山(いいづなやま)・戸隠山(とがくしやま)・黒姫山(くろひめやま)・妙高山(みょうこうさん)・斑尾山(まだらおやま))も望める絶好の展望台となっています。

スイッチバックが現存する駅:JR花輪線十和田南駅(秋田県)

秋田鉄道で始まった花輪線は、米代川沿いの美しい風景をひた走ります。
平地にもかかわらず、十和田南駅ではスイッチバックを行っている理由とはなんでしょうか。

花輪線は全長106.9㎞、秋田県内には14駅あります。岩手県から秋田県へ入った列車は湯瀬温泉の玄関口、湯瀬温泉駅に停車。さらに、八幡平の登山口のひとつである八幡平駅をすぎると、米代川との併走区間になります。十和田南駅ではスイッチバックで方向転換しつつ、およそ直角に流路を変えた米代川に再び寄り添います。

平地でなぜスイッチバックをするのか?

山間部から花輪盆地へ進んだ花輪線は、スイッチバック式の十和田南駅に達し、列車は必然的に進行方向を変えます。不思議なのは、スイッチバックは山岳地帯をジグザグに登坂するためや、地形上の制約によるものが大半ですが、十和田南駅はそれらに該当しないことです。

なぜスイッチバックをするのかは諸説ありますが、行き止まりの駅から北には小坂鉱山があり、北側への延伸を予定していたことが考えられます。事実、秋田鉄道は小坂(こさか)までの免許を取得していましたし、小坂延伸には地主の猛反対があったともいわれます。

また、1922(大正11)年に公布された改正「鉄道敷設法別表」では、「青森県三戸ヨリ秋田県毛間内ヲ経テ花輪ニ至ル鉄道」の設定があり、秋田鉄道にも十和田南から三戸(さんのへ)を結ぶ壮大な計画があったともされ、これがスイッチバックに関係している可能性があります。

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